提督の憂鬱   作:sognathus

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過去のお話もいよいよラスト2

ここ一番の准将の見せ場です。
頑張れ!


第21話 「終わり」(中編)

ガチャ

 

扶桑「准将」

 

東「准将」

 

八島「司令官」

 

敷島「提督」

 

 

トコトコ

 

准将「......」

 

准将(こいつらは見た目こそ最初の頃と変わらないが、それでも内面は確実に成長している。自分から俺に話しかけてくるし近寄って来る。褒めてやれば僅かだが喜ぶような素振りすら見せるようになった。最初から意思がないわけじゃない。心が未発達なだけなんだ! だと言うのに上の連中は......)

 

扶桑「准将?」

 

准将「ん......いや、ちょっとな......」

 

ポン、クシャクシャ

 

扶桑「......ん」

 

東・八島・敷島「......」ジー

 

准将「ん? なんだお前たちも撫でて欲しいのか?」

 

東「......?」キョトン

 

八島「......分りません」ムスッ

 

敷島「分りません?」ジッ

 

准将「ははははは。そうか、じゃあ俺からやってやろう。ほら」

 

グワシグワシ

 

東「......」ボー

 

八島「ん......♪」

 

敷島「っ......?」ビクッ

 

准将(四者四様の反応だが、不快ではなさそうだ。寧ろ八島に至っては明らかに嬉しそうな顔をするようになったな。そんなこいつらを俺は......」

 

准将「......ふぅ」

 

ギュッ

 

准将「ん?」

 

扶桑「......准将?」

 

准将「......ふっ、整列!」

 

扶桑・東・八島・敷島「!」バッ

 

准将「お前たちに訊く、俺と死ぬ覚悟はあるか?」

 

4人「あります」

 

准将「......怖くはないか? 俺の指示に不満はないか?」

 

4人「何もありません」

 

准将「......本当か? 敷島、お前は?」

 

敷島「ないです」

 

准将「怖くないのか?」

 

敷島「ないです。提督と一緒なら何も問題ありません」

 

准将「......そうか。八島は?」

 

八島「不満も恐怖もありません」

 

准将「無理してないか?」

 

八島「してません。......心配、して頂けなくても大丈夫、です」

 

准将「そうか。......東、お前は?」

 

東「分りません」

 

准将「ほう、何がだ?」

 

東「准将が何が不安なのか」

 

准将「......ほう」

 

東「准将、東は大丈夫です」

 

准将「分った。扶桑、お前は?」

 

扶桑「私はずっと准将の役に立つと......」

 

准将「?」

 

扶桑「自分で決めたました。だから答えは東達と一緒です」

 

准将「......そうか自分で、決めたか。分かった」

 

扶桑「作戦ですか?」

 

准将「ああ、上の決定でお前たち旧式の艦娘は処分になるらしい。というか、もういつのまにか残ってるのはお前たちだけらしい」

 

敷島「それでは私達も?」

 

准将「いや、それは俺が絶対嫌だ」

 

八島「ではどうするのですか?」

 

准将「敵の本拠地に特攻する」

 

東「准将も死にますよ?」

 

准将「ああ」

 

扶桑「私達と一緒に死ぬつもりですか」

 

准将「そうだ。だが、自殺じゃないぞ? 俺達は軍人だからな、戦死だ、殉職だ、名誉だ」

 

扶桑「......准将、私勝ってみせます。そして准将を守ってみせます」

 

准将「ふっ、そうか」

 

敷島「......私も、必ず果たします」

 

准将「ん......」

 

東「......全身全霊でいきます」

 

准将「ああ......」

 

八島「司令官は心配されなくて大丈夫です」

 

准将「八島、お前ら......分った。もう何も言わん。征くぞ!」

 

扶桑・東・敷島・八島「了解しました」

 

 

少将「止めないんだな」

 

中将「止められるものか。気持ちは痛いほど解る」

 

少将「......そうだな」

 

中将「それに、准将らしいしな。あの方がいいだろう」

 

少将「やれやれ、海軍はとんでもない損失を出すことになるな」

 

中将「......少将、私は元帥を目指す」

 

少将「うん?」

 

中将「元帥になって総帥に異見できる今よりもっと強い力を持つ提督に絶対になる」

 

少将「......そうか」

 

中将「その時は少将、お前も私の傍で力を貸してくれないか?」

 

少将「最初から人を頼るのもどうかと思うが、まぁ目指す目的を考えれば至極真っ当な結論だ。下手に自尊心を優先して強がるよりよっぽどいい」

 

中将「では?」

 

少将「ああ、その船乗ったぞ」

 

中将「ありがとう」

 

少将「気にするな。このツケ、上の奴等に絶対に払わせてやる」

 

 

――深海棲艦生息濃度最大、特危険海域最深部

 

准将「ゼェ......ぜぇ......はぁ......」

 

パチパチ......ゴォォォ

 

扶桑・東・敷島・八島「......」

 

准将「くっ、足が......代りは......っ!」

 

カロン

 

准将「敷島......お前の砲借りるぞ。......ふんっ!」

 

ズブッ......ビチャビチャッ! ......ジュゥゥゥゥゥ!!

 

准将「ふぬっ......! くぅ......ふっふ......くく......ああっ!!」

 

ギュウッ!

 

准将「......よしっ」

 

カンッ、コツ、カンッ、コツ......。

 

 

棲艦鬼姫(以降、鬼姫)「オオオオオオオオオ」

 

准将「......っふ、精々派手に頼むぞ」

 

ズッ......ドォォォォン!!

 

鬼姫「!!」

 

 

准将「......おい、扶桑」

 

扶桑「......まだです」

 

ドドドドドド!

 

鬼姫「っ!」

 

准将「......お前もか東」

 

東「甘い......まだ戦闘不能、じゃない」

 

ドーン!!

 

鬼姫「オオオオ!」

 

准将「おいおい......」

 

敷島「まだまだです......やれます」

 

ズガガガガ!

 

鬼姫「オオオ......っ!?」

 

准将「っふ、本当にお前らは......!」

 

八島「降参は、しないです。勝ちます」

 

ポォォォォ......。

 

准将(ん? こいつらから光が......)

 

扶桑・東・敷島・八島「......」

 

准将(なんだか知らんが、戦れる。勝てる気がする! いや、勝つ!!)

 

准将「よし、お前たち!! しまって征け!! 最後にたっぷりぶちまけろ!! 勝って生き残って凱旋だぁぁぁ!!」

 

扶桑・東・敷島・八島「了解」

 

准将「攻撃、開始!!!!!」

 

鬼姫「オオオオオオオオオオオオ!!!!」




はい、結構ズタボロにやられてます。
で、結果は......?

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