提督の憂鬱   作:sognathus

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結構無茶苦茶な説明です。
男ばっかです。

事の始まりのお話、過去編です。


第17話 「始まり」(前編)

倫理的生物兵器開発計画。

一見この冗談の様な軍事計画が全ての事の発端だった。

 

先の大戦から敗北後、ある方法により条件付きで連合側の降伏を受け入れに成功した日本は、連合国による軍の解体と公職の追放、更には占領統治していた大部分の領土の放棄すら免れ、晴れて民主国家となった。

 

降伏後、暫くは連合国による分割統治などが行われていたが、やがてそれも傀儡政権が解体と主権の回復によって結果的には占領した一部の領土放棄のみで再び日本は独立することが出来た。

 

解体と追放が行われなかったとはいえ、その中枢的役割を担っていた重要人物は悉く罷免され、主権はそのままで統帥権のみが完全に軍へと移行した日本は、民主化としたことも合わせてその実態は既に以前の日本とは別物となっていた。

 

 

大佐(後の親父)「倫理的生物兵器開発計画?」

 

少将(後の元帥)「そうだ。新しい軍の兵器開発計画だ」

 

准将(後の大将)「何だそれは?」

 

少将「私からは何とも......正直内容があまりにも馬鹿らしくて......」

 

大佐「?」

 

准将「計画の概要書は?」

 

少将「これを」スッ

 

准将「ふむ......ん......」ピク

 

大佐「どうした?」

 

准将「どうもこうもない。なんだこれは」

 

少将「......」

 

准将「陰陽道によって過去に使用していた兵器に魂を宿らせて自立思考型兵器として運用する、だと?」

 

大佐「はぁ?」

 

准将「なんだこれは。俺達を馬鹿にしているのか!!」ドンッ

 

少将「怒るだろうと思っていた」

 

准将「当り前だ! ふざけてるのか!!」

 

大佐「まぁ落ち着けよ」

 

准将「......失礼した」

 

少将「いや、気にするな。無理もない事だ」

 

大佐「確かにな......しかしなぁ、これ本気か?」

 

少将「本気だからこそ米国にも正気を疑われ、勝手にしろと言われた」

 

大佐「だろうなぁ」

 

准将「......本気でこんな事が可能だと?」

 

少将「出来るかどうかはまぁ......一応根拠はある」

 

大佐「へぇ、なんだよそれ」

 

准将「根拠?」

 

少将「ここにいる3人、私も含めて知らなかった事だが、日本には太古からある組織が存在していたらしい」

 

大佐「組織?」

 

少将「八咫烏だ」

 

准将「......」シラー

 

大佐「おいおい......」

 

少将「そんな目で見ないでくれ。私だって恥ずかしいんだ。とにかくその組織だか結社が本当に存在したらしい」

 

大佐「はぁ、まぁそれで。その焼き鳥かなんかがどうかしたのか?」

 

少将「八咫烏だ。まぁそれが紆余曲折あって軍部と協力する事になったらしい」

 

准将「なんだその紆余曲折ってのは......」

 

少将「敗戦後に新体制が発足した事によって埃をかぶってたり元々隠れていたのがいろいろと明るみに出たらしい。その時に」

 

大佐「つくねが見つかったのか」

 

少将「......腹でも減ってるのか?そうだ。八咫烏が表舞台に姿を表したらしい」

 

大佐「ふーん、それで?」

 

少将「ん?」

 

大佐「軍部とそれが協力して、その事をお前が俺達に話すって事はもうその兵器とやらがいくつか出来てるんだろ?」

 

准将「!」

 

少将「察しがいいな。ああ、実はもういる」

 

准将「いる?」

 

少将「扶桑、入れ」

 

大佐「ん?」

 

准将「ふ......そう?」

 

ガチャ

 

 

トコトコ

 

扶桑「扶桑です」

 

大佐「......」

 

准将「......」

 

少将「これが生物兵器、扶桑だ」

 

准将「......」ピキピキ

 

大佐(准将の奴、よく堪えているな。ここはなるべく話を行きわたらせないとな)

 

大佐「あー、少将」

 

少将「ああ」

 

大佐「この......あー、この、こいつが兵器だって?」

 

少将「そうだ」

 

大佐「女だぞ?」

 

少将「そうだな」

 

大佐「少女だぞ?」

 

少将「間違いない」

 

大佐「これ......この子が兵器だってのか?」

 

少将「そうだ」

 

准将「......っ」ブチッ

 

大佐「まぁまぁ待て准将! 待てって! 俺が話してる!」

 

准将「これ以上こんな戯言を聞けと......!」ゴゴ

 

大佐「だからもうちょっと聞け......ん?」

 

准将「......どうした?」

 

大佐「いや、この扶桑って奴、さっきからずっと黙ったままだなってな」

 

准将「それがなんだと言うんだ」

 

大佐「いや、見てみろって。自分の名前を言ってからずーっと立っているだけだぞ」

 

准将「だからそれがなんだと......」

 

扶桑「......」

 

准将「おい、少将」

 

少将「ん?」

 

准将「こいつどうしたんだ。まるで人形みたいだ。生気を感じない」

 

少将「二人ともいいところに気付くな。そうだ。生物兵器自体はこうやって既に誕生はしているが、一つだけ問題、というか欠落的なものがあってな」

 

大佐「欠落?」

 

少将「そうだ。読んで字の如くだ。この子にはな、魂は宿っていても意思が存在しないんだ」




日本はどうやって条件付きの降伏をゲットしたのでしょう?

正解は二つ、それは原爆の悲惨さをマスコミとメディアを使って正解中に拡散して核のネガキャンを行うことにより連合国のイメージダウンを図った。

そしてもう一つは、比較的友好的な関係を築いていた占領地に反連合の思想誘導を図って反連合の運動を活発化させ、連合国=正義という世界のイメージを最初の戦略と合わせる事によって世界に疑問を生じさせた。です。

え? いくらなんでも荒唐無稽過ぎる?
全部上手く言ったって事にしてください(土下座)

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