提督の憂鬱   作:sognathus

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川内と瑞鶴と比叡が何やら提督の部屋で騒いでいます。
何かを一生懸命お願いしているようです。
何をお願いしてるんでしょう。


第12話 「悪夢」

川内「夏だ!」

 

比叡「七夕!」

 

瑞鶴「バーベキューよ!」

 

提督「何を言ってるんだ......」

 

川内「大佐! 夏ですよ夏!」

 

提督「ここはいつも暑いだろ、それに日本は季節的に今は冬だ」

 

比叡「で・も! いつもここは夏みたいに暑いんですから、なんかイベントっぽいことやりたいです!」

 

提督「ならクリスマスでいいだろう」

 

瑞鶴「わたしは真夏の太陽の日差しを浴びて笑うサンタなんて認めないわ!」

 

提督「じゃぁ、バーベキューだけでいだろう」

 

比叡「い・や・で・す! ここに来てイベントらしい事といったら、水着大会くらいだったじゃないですか!」

 

提督「水泳大会だ。事実を歪曲するな」

 

瑞鶴「ちょっと、わたしの水着見てなかったっていうの!?」

 

提督「何を言ってるんだお前は」

 

川内「と・に・か・く! 七夕です! 七夕祭りがしたいです!」

 

比叡「なんか楽しいイベントがやりたいですぅ!」

 

瑞鶴「バーベキューも忘れないでよ!」

 

ギャーギャー!

 

 

提督「......静まれ」キッ

 

川内・比叡・瑞鶴「!」ピタッ

 

提督「全く......。比叡、七夕をしたいんだな?」

 

比叡「あ、はい......その、ちょっと退屈で......」

 

提督「バーベキューもしたいのか?」

 

瑞鶴「あ、えっと......別にバーベキューじゃなくてもいい......です。何かパーティーみたいにワイワイ食べれれば......」

 

提督「当然夜がいいんだな?」

 

川内「やせ......! じゃなかった。はい!」

 

提督「ふむ......それじゃあ今夜やるか。消灯時間の1時間くらい前に」

 

比叡「ホントですか!?」パァ

 

川内「今夜ですね!?」

 

瑞鶴「やったぁ♪」

 

提督「時間厳守、食事はファーストフード店で軽く用意する程度でいいな?」

 

三人「はい!」

 

提督「うむ。なら許可してやる。ほら、他の皆に知らせて来い」

 

比叡「はーい!」

 

川内「やっせん、たっなばった♪」

 

瑞鶴「おっまつり、おっまつり♪」

 

ワーワー

 

 

提督「俺も甘くなったもんだな......」

 

響「そんなことないよ」

 

提督「......ずっと机の下に居たのか?」

 

響「うん」

 

提督「何故?」

 

響「暇だったから?」

 

提督「だからといって、机の下は......」

 

ギュッ

 

響「......じゃ、膝」

 

提督「いやそれは......」

 

響「大佐は甘くないよ、ずっと前から優しいよ?」

 

提督「......」

 

響「ね?」

 

提督「乗れ」

 

響「~♪」

 

ギシッ

 

 

提督「......そんなにいいか?」

 

響「襲いたくなる?」

 

提督「ちゃんと会話をしろ」

 

響「ちぇっ」

 

提督「聞いていたと思うが、七夕祭りをする」

 

響「うん」

 

提督「参加するか?」

 

響「全員するよ」

 

提督「そうか」

 

響「ね」

 

提督「ん?」

 

響「いい子いい子して」

 

提督「なんでわざと幼い言い方を......」

 

響「甘えてるの」ムッ

 

提督「そうか」

 

響「やって」

 

提督「......」

 

ポン

 

響「んふ~♪」

 

提督「お前は本当に甘えん坊だな」

 

響「そうだよ。というか多分皆そうだよ?」

 

提督「なに?」

 

響「みんな」

 

提督「......皆こうして貰いたいと?」

 

響「うん」

 

提督「戦艦も空母も重巡も?」

 

響「そう。あと軽巡と潜水艦他の皆もね」

 

提督「冗談だろ?」

 

響「本当にそう思ってる?」

 

提督「......」

 

響「皆大佐が大好きなんだよ?」

 

提督「......!」ゾッ

 

提督「......」

 

響「大佐......? あ、気絶してる」

 

響「そんなに全員に好かれているのがショックだったのかな......? 響は寧ろそっちの方がショックだったんだけどな」

 

響「大佐、逃げないでね。逃げても全員追いかけるから......ね?」

 

 

提督「という夢を見たんだ」

 

響「......失礼だね」プラプラ

 

提督「俺にとっては悪夢そのものだった」

 

響「一緒にうたた寝してたら大佐はとんでもない夢を見てたんだね」

 

提督「皆が俺を好きとはな」

 

響「怖い?」

 

提督「いや、信じられないだけだ」

 

響「そう」

 

提督「......なんで俺なんだろうな」

 

響「大佐だから、提督だからだよ」

 

提督「もっと自分に自信を持たなければな」

 

響「あまり気負わないでね。響も手伝うから」

 

提督「ありがとう」ポン

 

響「ん♪」




夏なので、ちょっとホラーチックに。
それにしてもこんなハーレムな桃源郷にショックを受ける提督って......。

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