提督の憂鬱   作:sognathus

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また話が前後します。
レ級達が海軍の本部を襲って、それを大将が追い払った後のお話。
少し不機嫌そうな顔の大将が戦闘を終えて基地に帰って来ました。


第11話 「自信」

大和「中将、大将殿がお戻りになられました」

 

中将「お、そうか」

 

ズンズンズン......

 

中将「よー、大将ー。残念じゃったな。お前の艦隊、大丈夫だったか?」

 

大将「......老体、俺は今機嫌が悪いんだが?」

 

中将「知ってる。だからこそその憂さ、今ここで晴らしみんか?」

 

大将「......」ギロッ

 

中将「......」ニヤ

 

大和「......っ」ビクッ

 

艦娘達「......」アセタラー

 

大将「......ふん。余計な気遣いだ......礼を言う」

 

中将「ふっ、丸くなったのう」

 

大将「......大人になったと言え。20年越しだがな。おい、行くぞ」

 

艦娘達「は、はいっ」

 

ズンズン......

 

 

中将「......」

 

大和「ふぅ......」ヘタ

 

中将「ん? 威圧に当てられたか?」

 

大和「はい......この大和が......。中将もそうですけど、あの人や総帥は本当に人間ですか?」

 

中将「ふははははは! 儂も人外扱いか!」

 

大和「あ、す、すみませ......」

 

中将「いや、いい気にするな。ま、そこで元帥を入れなかったのは流石だな。あいつ優しいしな」

 

大和「うっ......」タジ

 

中将「ははは、泣くな泣くな」ワシワシ

 

大和「きゃっ......な、泣いてません!」

 

中将「ふはは、そうか。んじゃ、行くか。大将も元気そうだったし」

 

ギュッ

 

中将「ん?」

 

大和「あ、あの......」

 

中将「抱いて行ってやろうか?」

 

大和「お、お願いします」ポ

 

 

~大本営海軍本部、第二司令室

 

ボスッ

 

大将「ふぅ......」

 

雷「あ、あの......か、閣下」

 

大将「ん?」

 

雷「きょ、今日はごめんなさい!」ペコ

 

艦娘達「ごめんなさい!」

 

大将「......」

 

雷「雷達がもっと上手くやってたら追撃も出来たかもしれないのに......」

 

大将「......」スクッ

 

スッ

 

雷「......ひっ」ビクッ

 

ポン

 

雷「あ......」

 

大将「気にするな。お前たちはよくやった」

 

雷「か、閣下ぁ......ぐす」ウル

 

大将「お前達もだ。気にすることは無い。今回はあれだけの戦力でよくやった」

 

利根「あ、ありがとうございます!」

 

艦娘達「ありがとうございます!」

 

大将「利根、それに皆、そう畏まらなくていい。お前たちは俺の艦隊だ、俺の兵器だ、俺の艦娘だ。何も恥じる事はない。以降も死ぬ気で尽くせ。それだけでいい」

 

艦娘達「はっ」

 

大将「......それにしても、あのレ級達強かったな。そこら辺の鬼や姫など恐らく相手にならん」

 

筑摩「確かに......あの者たちの実力、並大抵のものではありませんでした」

 

衣笠「こっちも無傷だったけど、あっちもほぼ無傷なんて、ね......初めてよ」

 

電「つ、次は必ず仕留めます!」

 

暁「物騒な事言うんじゃないわよ。似合わないわよ?」ポン

 

電「あう......」

 

雷「そうね、無理して気張る事はないわ。閣下の言う通り、次はもっと死ぬ気で戦えばいいんだから!」

 

大将「その通りだ。だが死ぬなよ? それはあくまでものの例えだという事を忘れるな」

 

雷「は、はい!」

 

大将「......よし」ポン

 

雷「ふ......ん♪」

 

電「あ......か、閣下」ギュッ

 

大将「ん?......ああ、他に撫でて貰いたい者がいたら並べ。今日はこの後に間宮の甘味も出してやろう」

 

ワァァァ!

 

 

――その夜

 

大将「......さて、駿河、近江、奴らをどう見る」

 

駿河「......強敵です。今まで戦ってきたどんな深海棲艦よりも」

 

大将「そうだな」

 

近江「それに奇妙でもあります。あんな感情豊かな深海棲艦は見た事がありません。侮らない事は勿論ですが、警戒は必須かと」

 

大将「ふむ......お前たちがそこまで言うのならそうなのだろう。実際俺もそう思っていた」

 

駿河・近江「......」

 

大将「お前達二人は大和型を超える現時点で最強の戦艦だ。だが、同時に実際の歴史では起工すらされなかったあやふやな存在でもある」

 

大将「そんな実力や存在が不確かなお前たちを俺は信じていいか?」

 

駿河「大将、わざと挑発的な言動をして私達の自信を引き出そうとするのは感心しない」

 

近江「そうです。その様な事言われずとも、私達は私達の最強を閣下の御前で確実に示して見せます」

 

大将「流石だな。俺も先程の発言を失言と認めよう。そしてお前たち、頼りにしてるぞ」

 

駿河「身に余る光栄です。幻の様な存在なれどこの力、確かなものだとお頼り下さい」

 

近江「私も、閣下と祖国の為ならいかなる任をも遂げてみませす」

 

大将「十分だ。それでは今日は解散。各自英気を養え」

 

近江「はっ。あの、閣下? ......偶には一緒に寝てくれてもいいんですよ?」

 

駿河「あ、おいっ。ズルいぞ!」

 

大将「......素が出ればあやふやな存在だろうが、最強だろうが、年相応の娘達だな本当に」




また新キャラです。
紀伊型出て欲しい!

ただ、それだけですw

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