提督の憂鬱   作:sognathus

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宴会も無事何事も無く(若干名泣いていた大和型が3人いましたが)終わり、提督たちは再びそれぞれ鎮守府に帰ります。
港までは中将たちが迎えの時と同じく、見送りに来てくれました。

*明らかな性的描写あり


メインストーリー(第四章)
第1話 「謎」R-15


元帥「それでは達者でな」

 

彼女「偶には仕事以外で来なさいよ?」

 

中将「ぐふふ、久しぶりに一緒に飲めて良かったわ。また、飲もうな!」

 

大和「中将まだお酒が抜けてないんですか?」

 

提督「皆さん、この度は本当にありがとうございました」

 

元帥「本当に帰りは送らなくていいのか? 輸送機を用意しようと思っていたのだが」

 

提督「ええ、大丈夫です。帰りくらいは自分達で――」

 

 

中佐「帰りはゆっくりでいいんだろ? なら、俺の......」

 

長戸「提督......」クイ

 

中佐「あ?」

 

長戸「......」チョン

 

中佐「お前な......。悪い、ちょっと無理そうだ。あー......、あ、後輩!」

 

少将「え?」

 

中佐「おま......あ、階級は上なのか......あー、えっと」

 

少将「ははは、気にしないで下さいよ。中佐の武勇伝はよく耳にしてます。勿論、昇進が出来ていない理由も」ニコッ

 

中佐「うわ、なんかカッコワリィなそれ。まあいいや。後輩、こいつの事頼めるか?」

 

提督「いや、俺は連れて来た誰かに乗れば......」

 

中佐「遠慮すんなって、ここまでは原形にならずに一緒に来たんだろ? なら、帰りも旅行気分でいけよ。俺だってわざわざその為に別の船で来たんだぜ?」

 

彼女(滅多に使わない有給、この為に浸かったのね)

 

少将「そうですよ准将。遠慮は無用です。幸い僕の鎮守府はここからそんなに遠くはないですからね。基地に着いたらそこから96式の輸送機でお送りしますよ」

 

少将「いいだろ? 叢雲」

 

叢雲「当然よ」

 

 

彼女「......どうして一鎮守の提督が輸送機なんて持ってるのかしら?」

 

少将「あ、実は叢雲とケッコンした時にハネムーンの旅行用に無理言って......えへへ」テレ

 

武蔵(何か急にノロケ始めた! 私も大佐に甘えたいぞ!)

 

無蔵(ふむ......新婚ごっこというのもありかな)

 

初春(この2人、結局は同型だけあって本質は同じみたいじゃな)

 

大和(またなんかラブラブな事考えてるわね。キー!)

 

長門「ふっ、お熱いことだ」

 

紀伊「......」

 

 

提督「ふむ......少将殿、では頼めるだろうか?」

 

少将「はい! お任せ下さい!」

 

提督「ありがとうございます。では、皆さん私達はこれで」

 

中将「おう、またな!」

 

彼女「......メールや電話の履歴はちゃんと確認するようにしてね」

 

元帥「君たちの今後の活躍を期待している。また会おう」

 

提督「はっ、それでは失礼いたしま――」

 

紀伊「准将」

 

提督「はっ、貴女は......」(しまった、そういえば全然知らないぞ。挨拶くらいはしたが、名前を聞いてなかった)

 

初春(相変わらず妙な所が鈍いの)

 

紀伊「元帥専任の秘書艦をしています艦娘です。故あってまだ名前を明かす事はできませんが、私もあなた達の活躍に期待しています」

 

提督「はっ、ありがとうございます」

 

少将「ありがとうございます!」

 

中佐「......感謝します」

 

紀伊「少将、准将、中佐......あなた達は艦娘の提督、指揮官です。貴方達の采配一つ一つが私達の今後を作用する事をお忘れなく。脅すわけではありませんが、その采配が常に間違っていない事を祈ります」

 

元帥「......」

 

彼女(紀伊......)

 

大和(紀伊さん......)

 

武蔵(ふん.....)

 

中将(紀伊、そうかこいつは......)

 

提督「......了解しました。肝に銘じておきます」

 

少将「僕も了解しました。当然です!」

 

中佐「同じく。絶対に後悔なんてさせはしませんよ」

 

紀伊「......大変結構です」ニコ

 

 

~数時間後、とある海域航行中の丁督専用高速艇

 

長戸「ん......ちゅ......なぁ、提督」ギシ

 

丁督「ちゅ......ん?」

 

長戸「最後に私達に声を掛けた艦娘、誰だと思う?」

 

丁督「やっぱり、お前も知らなかったか」

 

長戸「お前も?って......あっ......んっ......」ピクッ

 

丁督「宴会の席でも誰もあいつの事を知ってるような反応をする奴はいなかったからな」

 

長戸「そう......だった......の、か」

 

丁督「ああ。そして結局お前も知らなかった。お蔭で答えが出たぜ」

 

長戸「え?それって......ああっ、や......んふっ......!」ギシッ

 

丁督「恐らく大和の姉妹だ。存在しなかった筈のな」

 

長戸「存在しなかっ......ちょ、ていと......急に激しぞ......ちゃんと教え......は......ぁぁあん!」ピクンッ

 

丁督「湿っぽい話は後だ。いくぞっ」グッ

 

長戸「ああ、んんんんっ......!!」

 

 

同刻、とある空域飛行中のT督専用輸送機

 

長門「なあ、大佐......」

 

提督「あの艦娘の事か?」

 

長門「ああ」

 

T督「あ、それ僕も気になってました。誰なんでしょうねあの人」

 

叢雲「初春は知らないの?」

 

初春「そうじゃの。同じ仲間(艦娘)であることは直ぐに判ったのじゃが」

 

長門「ふむ、まだ建造許可が下りてない秘蔵艦という事か。なあ、武蔵は......武蔵?」

 

武蔵「......ん? ああ、悪い。少し微睡んでいた」

 

提督「あの艦娘を見てからずっとその調子だな」

 

武蔵「気づいてたのか。うん、そうだ。宴会の時はあまり余裕がなかったからそんなに気にもしてなかったんだが......」

 

初春「何か気付いたのかの?」

 

武蔵「いや、分らない。ただ、他人とは思えない気はするんだ」

 

T督「へぇ、それじゃもしかしてあの人も戦艦なのかもしれませんね」

 

叢雲「見た感じはそれっぽかったわね」

 

提督「......」

 

長門「大佐?」

 

提督「ん、いや。まあその話は後だ。もう直ぐ我が家だぞ」

 

初春「もうかえ? 疾風より明らかには遅い筈なのに随分と早く着く気がするのう」

 

長門「疾風の時は皆バラバラだったからな。時間の進みを遅く感じたのだろう。こうして話してるとどれだけ暇潰しが重要なのかがよく分かるな」

 

武蔵「そうだな。皆で乗れば空の上も怖くないしな」

 

T督・叢雲「え?」

 

長門・初春「ほう?」ニヤ

 

提督「......」

 

武蔵「?......は! ち、違うぞ!? さっきのはあれだ! 皆が怖くないように私が一緒にだな!」

 

長門「意外に可愛い奴だな。撫でていいか?」

 

武蔵「なっ、だ、ダメだ! 私を撫でていいのは大佐だけだ! あ、ギュッとするのもダメだぞ!」

 

叢雲「ちょっと、こんな所でノロケないでよ。妬いちゃうじゃない。ね? 提督?」サワッ

 

T督「ちょっ、む、叢雲!? 運転中はダメだよ!」

 

初春「盛るのは良いが。くれぐれも理性は落ちないように、の?」

 

提督「全員、落ち着け。説教だ」




新しい章の初っ端からヤってしまいましたね。
でも後悔はしてません!
長門とのケッコン祝いですから(最低)

ま、それはともかく最後にもうちょっとだけ紀伊にスポット当ててみました。
超大和型なんてロマンですよねぇ......。(ウットリ

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