見た目は変わらないのですが、釣りをしてる後姿は何となく哀愁が満ちています。
気分転換にまた釣りをしているようですが、そこに現れたのは?
Z1「釣れてる? 大佐」
提督「レイスか」←名前が長いので提督が適当に略した
Z1「なんか落ち込んでる?」
提督「まぁそうかもしれない。少し疲れてた」
Z1「無理はしてはいけないよ?」
提督「ああ。体力は大丈夫だ。ただちょっと頭がな......」
Z1「風邪かい?」
提督「風邪だったらまだよかったかな」
Z1「一体どうしたの?」
提督「俺も今度の水泳大会参加することになった、らしい」
Z1「え?ホント!?」
提督「ああ、まぁな。泳ぐしかない......よな」
Z1「僕たちと泳ぐのが嫌なの?」シュン
提督「そうじゃない。俺じゃお前たちには勝てないだろう? それが分かってて参加するのもな」
Z1「なんだそんなことか!大丈夫僕が手伝ってあげるよ」
提督「手伝う?」
Z1「大佐は結果が分かった勝負をするのが嫌なんでしょ? だったら僕がそうならないように手伝ってあげるよ」
提督「具体的にどういう風にだ?」
Z1「僕の推力を一時的に少し分けてあげる」
提督「推力を分ける?」
Z1「僕たちが海上で戦う為の加護みたいなものだよ」
提督「水の上に浮いているあの能力の事か」
Z1「うん。それも加護の一つだね」
提督「分けられるものなのか?」
Z1「うん。一時的になら大丈夫だよ。効果の時間もある程度調整ができるんだ」
提督「反則のような気もするが」
Z1「生身じゃ勝つのが難しいのは分かってるんでしょ?だったらちょっとくらい僕たちに条件を近づけても問題ないと思うよ」
提督「む......。そう、か?」
Z1「うん大丈夫だよ。それにそこまで反則的に速くなるわけじゃないよ?」
提督「具体的にどうなるんだ? 推力とか言ってたな」
Z1「通常泳いで進む距離の感覚が少しだけ短くなる感じ」
提督「なるほど。浮くわけじゃないんだな」
Z1「うん。そうだよ。あ、でも明らかに人間の泳ぐ速さは超えるから感覚に注意してね」
提督「なるほど。自分の感覚より速度が出ている状態で障害物にぶつかったりしたら危ないからな」
Z1「そういう事。あと加護を受けても艦娘の身体能力が優れている事には変わりないから過信は禁物だよ?」
提督「そうだな」
Z1「あと良い勝負ができるかは大佐の水泳の実力次第だね。どうかな? この提案」
提督「そうだな。レイス手伝って貰えるか?」
Z1「うん!勿論だよ!」
提督「ただ、手伝って貰う上で一つだけ許してほしい事がある」
Z1「? 何かな?」
提督「大会に参加する前に予め俺がその加護を受けることを皆に公表させてほしい」
提督「実際に泳いだら直ぐにバレるだろうし、受けるなら受けるで皆にはそれを納得してもらった上で競技に臨みたいからな」
提督「どうだ? 許してもらえるか?」
Z1「答えるまでもないよ。大佐ならそうすると思ってし」ニコッ
提督「そうか。ありがとう」
提督「ところで加護を分かるといっても具体的にどうやって分けるんだ?」
Z1「僕の手を握って」
提督「こうか?」ギュ
Z1「うん。少しだけ待っててね......」スゥー
提督に手を握ってもらったレイスは目を瞑想するかの様に静かに瞑ると深く深呼吸をした。
するとレイスの体が淡く青い光を帯び始め、やがてその光は2人を包み込んだ。
Z1「はい。終わり」
目を開けたレイスはいつも通りだ。
提督「これでいいのか?」
Z1「うん。終わったよ。効果は10分くらいかな?」
提督「特に変わった気はしないな」
Z1「陸にいる分には分からないと思うよ。ちょっとそこの海面を軽く掌で凪いでみて」
提督「こうか?」チャプ......サッ
ザァァァァ
提督「ほう」
Z1「ね、凄いでしょ?」
提督「なるほどな。レイスありがとう。当日も頼む」
Z1「うん任せて!あ、それとね大佐」
提督「ん?」
Z1「替わりというわけじゃないけど一つだけお願いを聞いてもらっていいかな?」
提督「協力への対価は当然だ。無理じゃない内容ならいいぞ」
Z1「うん。ありがとう、たぶん大丈夫」
Z1「その、僕の頭に掌を置いてもらっていいかな?」
提督「......こうか?」ポン
Z1「あ......うん。ありがとう。ちょっとだけこうしてもえる?」
提督「ああ」
提督(こうしてみると本当に年相応の子供だな......)
今までで一番長くなってしまった。←ロりじゃない
僕っ子は可愛いですね。←ロりじゃない
Z1は本当に良い子だと俺は思います。←ロりじゃない
Z1の頭に掌を置いた提督は何を考えてるんでしょう。
ちょっと気になりますね。