提督の憂鬱   作:sognathus

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夜遅く、仕事を終えて風呂にでも入ろうかと考えていた提督を比叡が訪ねてきました。
提督が招き入れると彼女は静かに入ってきて、暫く特に口を開くこともなく無言で提督を眺めていたのですが......。


第52話 「前進」

比叡「大佐ー」

 

提督「ん?」

 

比叡「お姉様に手を出しましたね」

 

提督「......」

 

比叡「......」ジトー

 

提督「手を出したと言うのは......」

 

比叡「あ、それ以上言わないで下さい。殴りますよ」

 

提督「比叡、上官に軽率な発言は気を付けろ。その場その場で感情的になっては不利になるのはお前だぞ?」

 

比叡「う......ご、ごめんなさい」

 

提督「いや、俺もお前には後ろめたさは感じていたからな。すまない」

 

比叡「罪悪感とかじゃないんですか?」

 

提督「昔の俺ならそうだったかもしれないが、今それを感じると......解るか?」

 

比叡「はい。お姉様に失礼です」

 

提督「そういう事だ」

 

比叡「はぁ......でも......つ、ついにヤっちゃいましたかぁ......」

 

提督「......」

 

比叡「ううん。お姉様も大佐も悪くない。だって好き合ってたんだ......もん」

 

比叡「でも、でも......やっぱりちょっと......お姉様が遠くに行っちゃった気がしなくもないと言うか......」ウル

 

提督「比叡」ポン

 

比叡「ふ......うぇ、大佐?」

 

提督「我慢するな」

 

比叡「っ......、ふえぇぇぇん! 大佐ぁぁぁ!」ダキッ

 

提督「大丈夫、大丈夫だ。お前の姉に対する気持ちは悪くない。それに金剛は絶対にお前を置いて遠くに行ったりはしない」ナデナデ

 

比叡「う......ぐす......そ、そう......かなぁ?」

 

提督「お前が大好きな姉が好きになってくれた俺が言うんだ。信じられないか?」

 

比叡「あ......ん......ううん、そんな事ないです!」

 

提督「そうか、よかった」

 

比叡「大佐......ありがとうございます。あの......それと、できればなんですが」

 

提督「ん?」

 

比叡「もう少し抱き着いてていいですか......?」

 

提督「もう今日の仕事は終わってる。それにこの時間帯、お前が訪ねて来た時点で用はこの事じゃないかと予想していたからな。遠慮するな」

 

比叡「ぐす......ありがとうございます」

 

提督「礼なんていい。金剛でなくて申し訳ないが、俺で良かったら好きなだけ抱いててやる」

 

比叡「大佐......ふ......ん......」スリ

 

提督「......」ナデナデ

 

 

――数分後

 

提督「落ち着いたか?」

 

比叡「はい。ありがとうございした」

 

提督「ああ」

 

比叡「大佐」

 

提督「なんだ?」

 

比叡「わたしと大佐って、一応付き合ってるんです......よね?」

 

提督「そういえば前にお前からそんな宣言を受けたな。正直言ってお前からこうして確認されるまで自覚は薄かったが」

 

比叡「う......確かに。恋人らしい事なんて......あ、あの時のキスくらいですからね」

 

提督「そうだな」

 

比叡「あの......」

 

提督「ん」

 

比叡「い、今からしません? こ、恋人らしい事......」

 

提督「......比叡」

 

比叡「は、はい」

 

提督「焦らなくていいぞ」

 

比叡「あ......」

 

提督「お前が姉妹の中で一番そういう事に初心なのは何となく分ってる」

 

提督「だから、無理に焦って姉と同じ位置行こうとしなくてもいいんだ」

 

比叡「わたしの緊張バレてたんですね......」

 

提督「緊張で空気が震えていたからな」

 

比叡「そ、そんなに!?」

 

提督「冗談だ」

 

比叡「もう、大佐!」

 

提督「ははっ、だが......そんなに顔を赤くして震えながら言う姿を見れば、そういう風に感じるのも無理はないと思うけどな」

 

比叡「あ......」カァ

 

提督「可愛いぞ」

 

比叡「え......や......み、見ないで下さい!」

 

提督「ん、分かった」

 

比叡「あ、だ、ダメ! や、やっぱり......」

 

提督「キスをするか?」

 

比叡「え?」

 

提督「無理に体の関係までいくことはない。なら、キスくらいは自然できるようにするか?」

 

比叡「あ......はい」コク

 

 

提督「俺は座ったままでいいのか?」

 

比叡「はい。あ、大佐の膝に跨っていいですか?」

 

提督「なに? 俺の膝? ちょ、ま......」

 

フニィ

 

提督「......」

 

比叡「? どうかしました?」

 

提督「いや......」

 

提督(薄布一枚を挟んで比叡の感触が伝わる......これは理性を総動員だな)

 

比叡「あ、後手を......そう、こうやって繋いでくれます? 」

 

提督「こうか?」ギュ

 

比叡「はい。あ、両手です」

 

提督「ん」

 

比叡「あ......ちょっとあまり膝を動かさないで下さい。くすぐったい......」

 

提督「ああ分った」(動いたらこっちがマズイしな)

 

比叡「はい。それでは準備完了です。大佐......」

 

提督「ん......」

 

チュ

 

比叡「ん......」

 

提督「ちゅ......ん......む......」

 

比叡「たいふぁ......んちゅ。ちゅむ......」

 

提督「ふぅ......どうだ?」

 

比叡「はふぅ......え?」ポー

 

提督「その様子だと悪くなかったみたいだな」

 

比叡「あ、はい! な、なんかこういう甘い雰囲気も悪くありませんね♪」

 

提督「それはよかった」

 

比叡「あの、時々こうしに来ていいですか? そしてその内この続きも......」

 

提督「ああ。事前に約束ができていたらな」

 

比叡「っ......ありがとうございます! 大佐、今日は本当に......!」

 

提督「気にするな。俺もお前との間にあった壁がようやく完全になくなったような気がして嬉しい」

 

比叡「そうですね。わたしもです! あ、それじゃ夜ももう遅いし、あまりお邪魔するわけにもいかないのでこれで失礼しますね!」

 

提督「ああ、お休み比叡」

 

比叡「はい、大佐もおやすみなさい! 失礼しました」

 

バタン

 

 

提督「ふぅ......」

 

 

提督(嬉しくもあったが、久しぶりにかなり精神を使ったな。もっと鍛えよう)




比叡はエロはゆっくり行きたいと思います。
なんだかんだでそれが彼女のキャラに合ってるような気がするんですよね。

やはり金剛姉妹の中では比叡が一番好きです♪

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