提督の憂鬱   作:sognathus

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船が目的地着いたようです。
前と同じくT督と叢雲が出迎えてくれました。


第45話 「説教」

T督「やぁお久しぶりです!」

 

提督「ご無沙汰しております。またご迷惑をお掛けする事になって申し訳ない」

 

T督「いえ、そんな事言わないで下さいよ! この取引は結果的には僕の方が得をしてしまってるんですから」

 

提督「だとしても、枯渇寸前の弾薬をご用意して頂けるのですから、やはり感謝はします」

 

T督「ははは......まぁ、そんなに気にしないで下さい」(また弾薬だけかぁ。本当に極端だな......)

 

叢雲「お久しぶりです大佐。今日の付き添いは叢雲じゃないのね」

 

提督「叢雲は今遠征中なんだ」

 

Bis「へえ、前の付き添いは彼女だったのね。あ、ご挨拶遅れました。ビスマルクです」

 

T督「あ、これはどうも」(初めて見た......綺麗だなぁ)

 

叢雲「......ちょっと」ニギッ

 

T督「あああああ!? ちょ、叢雲! 痛い! 潰れるぅ!!」

 

提督「......」ゾッ

 

Bis(ま、股ぐらを......凄く痛そうね......)ドキドキ

 

パッ

 

叢雲「ふんっ......」

 

T督「ぜぇ......ぜぇ...ど、どうも失礼しました。お、お見苦しいところを......」

 

提督「ああ、いえ......」(かなり強く握られていたな。加減はしていただろうが、大丈夫か?)

 

叢雲「ちょっと、それだけ?」

 

T督「い、いや!? 愛してるよ叢雲! そして本当にごめんなさい!!」

 

叢雲「......まぁいいわ。......今日は私が満足するまで寝ちゃだめだからね」

 

T督「は、はい!」

 

提督(公の場で堂々と......ある意味大した仲だな)

 

Bis(ね、寝ちゃ駄目って......アレの事、よね」カァ

 

T督「あ、それでは交換の準備をしましょ......お?」

 

キラッ

 

T督「おお、大佐......いや、先輩。ビスマルクさんとケッコンされたんですか!」

 

Bis「え?」

 

提督「ええ、まぁ......」(先輩?)

 

叢雲(アイツ先を越され......あ、そもそもレベルが。ちゃんとアピールできたのかしら)

 

T督「おめでとうございます! いやぁ、そうと知っていれば何かお祝いの品でも用意していたんですが。あ、ビスマルクさんもおめでとうございます!」

 

Bis「あ、ありがとうございます」

 

T督「お二人ともお似合いですよ! まさに理想の夫婦ってやつじゃないですか!」

 

Bis「そ、そうですか? えへへ......金剛よりもそう見えるのかな」

 

T督「え?」

 

叢雲「......」

 

Bis「はい?」

 

T督「あ、いえ。先ほど金剛がどうのこうのって......?」

 

Bis「ああ、私二人目のケッコン相手なんです」

 

ピキッ

 

提督(む......? 空気が......?)

 

叢雲(あーあ、地雷踏んじゃったか。ま、別に大佐は悪くないんだけど......それでもねぇ......)

 

T督「あの......先輩」

 

提督「せんぱ......ああ、私の事ですか。なんですか?」

 

T督「つかぬ事をお聞きしますが、先輩は重婚されているのですか?」

 

提督「......耳に痛い言葉ですが、その通りです」

 

T督「そうですか......うん......」

 

提督「少将殿?」

 

Bis「なんか......怖い」ギュッ

 

T督「先輩!」

 

Bis「ひっ!?」ダキッ

 

提督「......なんでしょう?」ナデ

 

T督「今日ちょっと飲みましょう!」

 

提督「は?」

 

T督「飲みましょう!」ズイッ

 

提督「いや、交換だけとはいえ、一応職務中ですし......」

 

T督「僕はそうじゃありません! 実は非番なんです。秘書艦に頼む事も出来たんですけど、せっかくの機会でしたので」

 

提督「なら尚のこと、貴重なお時間を使うわけには......」

 

T督「いいんです! 飲みましょう、ねぇ!」ズズイ

 

クイクイ

 

提督(ん?)

 

叢雲「こうなったらもう付き合って貰うしかありません。うちの提督、ああなっちゃうともうテコでも引かないんです」コショ

 

提督「しかし......」ヒソ

 

叢雲「大丈夫です。大佐にはアルコールが入ってないのを私が直接用意しますので」コショ

 

提督「なるほど......」ヒソ

 

T督「先輩、聞いてます!?」

 

提督「ああ、失礼。そうですね。せっかくですから」

 

T督「ありがとうございます! それじゃ行きましょうか! あ、叢雲。君はビスマルクさんのお相手をお願いできるかな」

 

叢雲「いいけど、お酒は私が運ぶからね?」

 

T督「うん。ありがとう!」

 

Bis「え? え?」

 

叢雲「ごめんなさい、ビスマルクさん。そういうわけだからちょっと其処でく寛ぎながらお話でもしましょう?」

 

Bis「あ、うん......」

 

 

~それから数十分後のT督執務室

 

T督「っぷは! だからね! 僕は愛を捧げるのはやっぱり一人だけ、意中の相手は一人だけにすべきだと思うんです!」

 

提督「非常に理解できます。そしてそれ故に申し訳ない」

 

T督「や、先輩は悪くないですよ? それは分ってます! でも、でもね? 好きない相手はいくらいてもいいけど、ケッコン相手はやっぱり――」

 

提督(......コップ一杯でよくもまぁここまで。しかしこれも俺が選んだ道の贖罪だと思えば......必然か)

 

 

~待合室

 

叢雲「――でね、その時は......」

 

Bis「そ、そんな攻め手が......?」カァ

 

 

結局、その日提督が鎮守府に戻ったのは予定より大きく遅れた時刻だったそうです。

帰った時の提督は、やっと資材が補充できたというのに何だか浮かない顔をしていました。

それに対して付き添いだったビスマルクは顔を赤くして一人でブツブツ何かの実行を決意するような表情をしていたそうです。




はい。重婚してます。
だってできるんだから仕方ないじゃん、強くもなるし!

という言い訳は通るんですかねぇ......。

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