提督の憂鬱   作:sognathus

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榛名と若干一名が、とある格好をして大佐に何かを迫っているようです。
その恰好とは?
何を迫っているのか?


第29話 「メイド」

提督「......榛名」

 

榛名「はい。なんですかご主人様?」

 

提督「その服装はどうしたんだ?」(口調は漣の真似か?)

 

榛名「あ、メイド服ですか? 金剛お姉様にお借りしたんです」

 

提督「なんでそんなものを......」

 

榛名「だって、大佐ったらいつまで経っても部屋の調査に来てくれないんですもの。だから自分から来ることにしたんです」

 

提督「別にここになら結構来てるだろ。後、その服を着ている意味は?」

 

榛名「ただ伺うだけじゃ意味がない事くらい分ります。だからメイドとしてご奉仕させてもらおうかなって......」

 

提督「却下だ」キッパリ

 

榛名「ええ!?」ガーン

 

提督「自分達の部屋で着るならまだしも、基地の中でその格好で歩き回られては、軍の施設としてのモラルが問われる」

 

榛名「だ、だから大佐の部屋で......」

 

提督「ダメだ。俺の部屋も一応その施設の一部だからな」

 

榛名「そんなぁ......」

 

提督「それに」

 

榛名「?」

 

提督「お前の後に隠れている足柄がさっきから恥ずかしがって泣きそうな顔をしてるからな」

 

榛名「あ、足柄さんなんで!?」

 

足柄「何でもなにもないわよ! わたし、コスプレなんて趣味ないわ!」

 

榛名「えっ、でも昨日の夜はあんなに喜んで......」

 

足柄「お酒飲んで酔っぱらってたからよ! なんか自分のペースで飲ませてくれないなぁと思ったら......」

 

提督「その服を着たまま寝てしまい、抵抗虚しくそのまま連れてこられたわけか」

 

足柄「うう......」コク(せめて髪に櫛を通す時間くらい......)

 

榛名「で、でも足柄さん凄く可愛いですよ?」

 

足柄「そういう問題じゃないの! そういう趣味があるかないかの嗜好の問題なの!!」ブァッ

 

提督(あ、ついに泣いた)

 

榛名「足柄さんなんで泣いて......!?」

 

足柄「恥ずか......ひっく......しいからに決まって......るじゃにゃぁい......! うわーん」

 

榛名「た、大佐助けて下さい!」アタフタ

 

提督「いや、部屋に連れて行って元の服に着替えさせたらいいだろ」

 

榛名「そこは、引けません!」

 

提督「なんでそんなに必死なんだ」

 

足柄「鬼!!」ブワッ

 

榛名「もう、足柄さんそんなに恥ずかしがる事ありませんよ?」ガシッ

 

足柄「あっ、いや、ちょっ......離して!」ジタバタ

 

足柄(くっ......凄い力......!)

 

榛名「大佐、ちょっと失礼しますね」

 

提督「ん? ああ」

 

そういうと榛名は足柄を羽交い絞めにしながら、提督に声が聞こえない位置に移動した。

 

 

榛名「足柄さん、大佐はこの服を駄目だとは言ってますけど、『嫌』とは言ってないじゃないですか」

 

足柄「そ、それは......」

 

提督「ん......?」(今、榛名は足柄に何を言ったんだ? 足柄の反応が......)

 

榛名「少なくともこの格好が嫌いじゃないなら、私達がすべき事は一つじゃないですか」

 

足柄「す、すべき事って......?」

 

榛名「ご奉仕です」

 

足柄「ほ、奉仕?」

 

榛名「私達は、普段お仕事くらいしか手伝ってないので、この機会に私達が大佐の身の回りまでお世話をするんです」

 

足柄「どうしてそこまで......嫌、じゃないけど......」

 

榛名「それはご褒美の為です」

 

足柄「ご、ご褒美?」

 

榛名「大佐が私達のご主人様なら、当然ご奉仕に対してご褒美がある筈です」

 

足柄「ご褒美......何かしら......?」

 

榛名「絆です」

 

足柄「え?」

 

榛名「私、最近気づいた事があるんです。金剛お姉様や長門さん達を見てて......」

 

足柄「榛名さん? 何を言って......」

 

榛名「多分お姉様達......大佐と......え、えっち、してるみたいなんです」

 

足柄「なぁ!?」

 

榛名「しっ、声が大きいですよ」

 

足柄「ご、ごめん......」

 

榛名「お姉様達は私達が気付かないところで上手く、大佐を誘惑して成功してるみたいなんです」

 

足柄「ゆ、誘惑だなんて......」カァ

 

榛名「足柄さん、これはチャンスですよ!」ズイ

 

足柄「うっ!?」ビクッ

 

榛名「足柄さん、大佐の事大好きですよね、愛してますよね?」

 

足柄「それは......あう......うん」コク

 

榛名「良かった。私と一緒ですね」パァ

 

足柄「い、一緒?」

 

榛名「そう、一緒です。だからここは2人で協力して大佐を誘惑しちゃいましょう!」

 

足柄「で、でも......恥ずかし......」

 

榛名「恥ずかしがってたら、大佐とは今の関係のままですよ?」

 

足柄「い、今だってそんなに悪くは......」

 

榛名「大佐に触れて欲しくないんですか?」

 

足柄「ふ、触れて......」

 

榛名「真に愛される事というのは、体の関係までにいってこそなんですよ?」

 

榛名(って、金剛お姉様が言ってました)

 

足柄「う......」

 

榛名「足柄さん、私達いつまでも中身は子供のままではいけません。だから一緒に大人に、大佐の本当の意味での恋人になりましょう?」

 

足柄「榛名......」

 

榛名「ね?」

 

足柄「......」コク

 

榛名「足柄さん! ありがとうございます!」ダキッ

 

足柄「あ、ちょっと......ふぁ」ムギュー

 

榛名「じゃあ、お互いに意見が一致したところで、この場は引きましょう。大佐に釘をさされてしまいましたし」

 

足柄「え、じゃぁいつ......?」

 

榛名「夜に決まってるじゃないですか」

 

足柄「あ......」カァ

 

榛名「足柄さん、いいですか?皆が寝静まったら......に集合です」

 

足柄「......分かったわ」コク

 

榛名「打ち合わせ完了ですね。それじゃ、ここは一旦戻りましょう」

 

 

提督「ん? 話は済んだのか?」

 

榛名「はい。足柄さんを説得してみたんですが......残念ながらダメでした。だから、榛名ももう今日の所は諦めます」

 

提督「今日のところは、か」

 

榛名「はい。まだ私諦めてませんから!」(嘘は付きたくないし、ね)

 

提督「ま、認める事はないとは思うがな。程々にな」

 

榛名「はい。それでは私達はこれで失礼します。大佐、ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。足柄さんもごめんなさい」

 

足柄「え? あ......べ、別にいいわよ」

 

榛名「ありがとうございます。あ、じゃあ失礼しますね。足柄さんも服お返しますから行きましょう」

 

足柄「え、ええ。そ、それじゃ大佐、失礼しました」

 

 

バタン

 

提督「やけにあっさり引き下がったような......気のせいだといいが」




メイド服の足柄と榛名は反則だと思います。

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