提督の憂鬱   作:sognathus

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大鯨達の長期遠征組が帰ってきました。
長い遠征に皆疲れ切った様子です。
提督は労を労う為に自ら出迎えたのですが……。


第27話 「説得」

大鯨「お父さんただいまー!」ダキッ

 

提督「おかえり。よく帰ってきたな」

 

大鯨「うん! 大鯨、頑張りました!」

 

提督「ああ。偉いぞ。お前たちも長期間の遠征ご苦労だった。今日はゆっくり休んでくれ」

 

まるゆ「ふわぁ、疲れましたぁ」ヘタ

 

ゴーヤ「そうね。でも、お蔭で久しぶりの鎮守府の雰囲気が懐かしく感じるわ」

 

イムヤ「3週間ぶりだからね。まさか、こんなに長く続くとは私も思わなかったわ」

 

ハチ「でも、遠征した甲斐はありましたよ。ほら、資材だってこんなに。あ、大佐これ確保した資材の報告書です」

 

イク「いーっぱいとれたの! 大鯨も頑張ったけど、イク達も頑張ったのよ? 褒めてぇ♪」

 

提督「ああ本当によくやってくれた。お蔭で大分助かった」ナデ

 

イク「えへへ―♪」

 

大鯨「あっ、お父さん大鯨も!」

 

イムヤ「も、勿論私たちもしてくれるのよね?」

 

ゴーヤ「労を労うのは大佐の義務よ!」

 

ハチ「期待してもいいでしょうか?」

 

まるゆ「ま、まるゆ頑張りました!」

 

提督「皆撫でてほしいのか......まぁいい。ほら来い」

 

ナデナデ

 

遠征ズ「~♪」

 

 

ゴーヤ「んー、でも本当に疲れでち。体も潮でベタベタだしお風呂入りたいでち」

 

イムヤ「いいわね。行きましょ!」

 

ハチ「賛成です」

 

イク「ナイス提案なの!」

 

まるゆ「ご一緒します!」

 

大鯨「お父さんも一緒に入ろ!」

 

シーン

 

提督「......」

 

大鯨「? お父さん?」

 

提督「大鯨、俺は......」

 

イムヤ「た、大鯨。大佐は男の人だから一緒には入れないのよ?」

 

大鯨「え、何でですか? 大佐は大鯨のお父さんですよ?」

 

ハチ「それは私たちにとっても同じですよ。でもね大鯨、年頃の女の子が大人の男の人とお風呂に入るにはいろいろと準備が必要なのです」

 

大鯨「準備?」

 

ゴーヤ「そ、そうよ。準備もいろいろあるけど......た、大佐は他の女の子に裸を見られるのが恥ずかしいのよ!」

 

イク(あ、その言い方嫌な予感がするの)

 

大鯨「あ、それなら私後でお父さんと一緒に入ります」

 

ゴーヤ「 」

 

イク(ほらね)

 

まるゆ「あわわ......た、大佐と一緒に......」カァ

 

イムヤ「た、大鯨そういう問題じゃなくてね......」

 

クイクイ

 

イムヤ「え?」

 

ハチ「イムヤ、今はそれ以上言っては逆効果です。ここは肯定も否定もせず大佐に任せましょう」コショ

 

イク「イクもそれがいいと思うの。今これ以上言っちゃうと、多分大鯨泣いちゃいそうなの」コショ

 

イムヤ「う......」

 

大鯨「イムヤさん?」クビカシゲ

 

ゴーヤ「と、取り敢えず私たちはお風呂に行こう!」

 

大佐「な」

 

まるゆ「そ、そうですね。大佐、後はよろしくお願いします!」

 

イムヤ「......大佐ごめんね! さぁ皆行くわよ!」

 

「行ってきまーす!」

 

 

提督「......]

 

大鯨「皆どうしたんでしょう?」

 

提督「さぁ......な」

 

大鯨「お父さん、お風呂いつ入ります?」

 

提督「大鯨」

 

大鯨「?」

 

提督「悪いが個人的にはお前には一人で風呂に入って欲しい」

 

大鯨「え?」

 

提督「俺は一緒に入るわけにはいかないんだ」

 

大鯨「そんな......いやぁ」ジワァ

 

提督「いや、お前が嫌いなわけじゃない。ほら、ハチがさっき言っていただろう?」

 

大鯨「ぐす......ふぇ?」

 

提督「年ご......大鯨みたいな可愛い娘は俺みたいな大人が一緒にお風呂に入るには準備が必要なんだ」

 

大鯨「準備ってなんですか?」

 

提督「......改造だ」

 

大鯨「え?」

 

提督「大鯨、お前はここに来たばかりで知らないのも無理はないが、ここにいる先輩たちを見て何かに気付かないか?」

 

大鯨「......ごめんなさい」

 

提督「いや、気にするな。それはな、皆強化改造を受けているという事なんだ」

 

大鯨「強化......?」

 

提督「そうだ。お前は俺と一緒に風呂に入りたいと言ったが、実は人間とお前たち艦娘では入る風呂は湯の成分がだいぶ違っていてな」

 

提督「お互いに対策なしで入るのは危険なんだ」

 

大鯨「そんな......じゃあ私は......」ジワァ

 

提督「待て、泣くな。俺はどうやっても入れないが、お前達なら話は別なんだ」

 

大鯨「ぐす......どういう......事です?」

 

提督「お前たちはある程度練度を積むことによって改造による強化を受けることができる。その強化によって人間の風呂にも体が耐えられるようになるんだ」

 

大鯨「改造で......」

 

提督「そうだ。お前は残念ながら今は練度が低い。だが、多少時間は掛かってしまうかもしれないが、改造を受けれるようになればお前も......後は解るな?」

 

大鯨「うん......解りました。大鯨、早く皆と同じように大佐とお風呂に入れるように頑張ります!」

 

提督「そうだ。その意気だ」(しまった。皆と同じ......)

 

大鯨「それじゃ、ごめんなさいお父さん。大鯨もイムヤさん達と一緒にお風呂に入ってきますね!」

 

提督「ああ......。ゆっくり疲れを癒せよ」

 

大鯨「はい! 行ってきます!」

 

 

提督「......」

 

鈴谷「大佐ぁ?」

 

提督「む......」

 

鈴谷「なんか言い事聞いたじゃん? 改造を受けてたら大佐とお風呂入れるの?」

 

提督「鈴谷、お前なら解るだろう。何故大鯨に俺がああ言ったのか」

 

鈴谷「えー? 大佐はあんな良い子を騙す事言うのぉ?」

 

提督「人聞きが悪いぞ。あくまで鎮守府の風紀をだな......」

 

北上「その風紀、守りたいなら私たちのお願い聞いて欲しかったりして―」

 

提督「いつの間に」

 

北上「鈴っちのスカートに隠れてたの」

 

鈴谷「うっそ。鈴谷今、ノーパンなのにっ」

 

北上「いや、嘘に決まってんじゃん......」

 

提督「おい」

 

鈴谷「あ」

 

提督「鈴谷、お前今、穿いてないのか?」

 

北上「あ、説教モード? 鈴っちのバカ。いい流れだったのに」

 

鈴谷「ごめんって。ていうかこれ切り札のつもりだったのに。あー、タイミング悪っ」

 

提督「お前達には改めて軍人としての風紀を叩き込む必要がありそうだな」

 

鈴谷「ヤバっ、大佐この事は誰にも言わないから鈴谷とお風呂、考えといてねー」ピュー、ピラッ

 

北上「本当に履いてないよ......。あ、大佐それわたしもよろしくね。じゃっ」ピュー

 

提督「こら待て......ふぅ、疲れた」ドサ

 

提督は何とか難局を乗り切った事を実感して、力を抜いて深く椅子に腰かけた。

 

提督(疲れた......今日は早く寝よう)




大鯨って設計図要るんですよね......。
史実通りの改装だったので要らないものだと思ていたら予想外でした。
いや、俺は筑摩と利根に使いますので(キリッ

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