提督の憂鬱   作:sognathus

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また違う鎮守府の提督の話です。
今回は艦娘も多く出てきます。

敵が襲ってきたようです。


第21話 「快男児」

~とある鎮守府

 

「敵機来襲! 敵機来襲!」

 

丁督「おいでなすったか! 大淀! 敵は何だ?」

 

大淀「深海棲艦、これは......レ級です! レ級率いる深海棲艦隊です!」

 

丁督「そうか、危険レベルは赤信号だな! ははっ!」

 

長門「何で嬉しそうな顔をする」

 

丁督「当たり前だろ! ここでそいつを叩けばまた一歩祖国の平和に繋がるんだ!」

 

金剛「テートクのそういうところ嫌いじゃないケド、偶には cool になってほしいデス」

 

丁督「俺は常にクールだ。ちょっと頭に血が上り易いけどな!」

 

日向「いや、それ駄目だろ」

 

丁督「相変わらずよく口答えしてきやがる。まぁ、それだけの実力を持ってるからいいけどな。加賀! 準備はいいか?」

 

加賀「いつでも。敵がレ級でしょうがなんでしょうが、有象無象問わず粉砕してみせます」

 

丁督「翔鶴!」

 

翔鶴「右に同じく。提督の前に立ち塞がる敵は、全てこの翔鶴が葬って差し上げます」

 

丁督「大井は?」

 

大井「提督の為ならわたし、ヤっちゃいます♪」

 

丁督「長門、金剛、日向は?」

 

長門「愚問だ。私の砲から逃げられるものはおらんよ。必ず全部潰してみせる」

 

金剛「今日のワタシ 2ウィークス もお預けくらってますカラネ! 欲求不満は敵の destroy で解消させて貰うワ!」

 

日向「私は1か月だ......。提督、今日は相手をしてくれるんだろうな?」

 

丁督「ああ、寝かせない」

 

日向「ん......皆には悪いが、今日の武功第一は私だ」

 

丁督「よし! お前たち気合は十分だな! 龍田、青葉、雷!」

 

龍田「はぁい。ご主人様」

 

青葉「はっ、ここに!」

 

雷「待っていました!」

 

丁督「残りの艦隊の指揮を執って鎮守府の防衛に当たれ。大淀は此処で総指揮だ」

 

大淀「提督は? まさか......」

 

丁督「ああ。俺は高速艇に乗って第一艦隊を最前線で指揮してくる!」

 

大淀「やっぱり......」

 

丁督「止めるなよ?」

 

大淀「今更止めませんよ。信じてますら、提督も長門さん達も」

 

丁督「そうだな。おい、お前たち! 守れよ?」

 

長門「偉そうに......まぁ、余裕だがな」

 

金剛「面白くなってきたネ!」

 

日向「エサが目の前にあった方が燃えるな」

 

大井「少しでも敵が提督に砲を向けたら......沈めてやる......」

 

加賀「死ぬときは一緒ですか。いいですね。死にませんし、死なせませんが」

 

翔鶴「冥府への花道を敵の方にプレゼントしてさしげます」

 

丁督「よし、それじゃ行くぞ。出撃!」

 

 

~鎮守府近海

 

ザパァッ

 

レ級「ああっ! 君、この前邪魔しに来た艦隊でしょ!? 覚えてるよ!」

 

丁督「ああ? この前? ああ、随分前の基地の襲撃の......お前か!」

 

タ級「なんで提督も一緒なのよ......」

 

丁督「うるせーよ! こっちの方がやり易いんだ!」

 

ル級「う......私、ああいうタイプ苦手だなぁ......」

 

ヲ級「殺しても死なないタイプね」

 

加賀「死なせませんよ。覚悟はいいですか?」

 

レ級「今後の為に君たちは潰させてもらうよ!」

 

大井「それはこっちのセリフよ。水底に沈めてやるわ!」

 

丁督「さて、もういいだろ。総員、攻撃開始!」

 

レ級「負けないよ!」

 

 

金剛「Oh......なんてコト。あれだけ撃って、小破止まりなんテ」

 

翔鶴「燃料と弾薬ちょっと心許なくなってきました......」

 

長門「こっちもダメージ自体は大したことは無いが......」

 

日向「戦るのなら一瞬で決着をつけなくちゃな、どうする? 提督」

 

丁督「......」

 

 

レ級「強いなぁ......。中々捕捉できない」

 

ル級「疲れちゃった......シャワー浴びたい......」

 

ヲ級「私も......」

 

タ級「レ級、もう今日はいいんじゃない?」

 

レ級「......よしっ」

 

 

丁督「む、動くか」

 

レ級「撤退!」

 

丁督「逃げるか!」

 

レ級「撤退も立派な選択だもん! 選択と決断は勇気だよ!」

 

丁督「......なに」

 

レ級「じゃーねー!」

 

ル級「もう暫くは此処には来たくないわね」

 

ヲ級「同感」

 

タ級「はいはい。ぶーぶー言わないの。行くわよ」

 

 

丁督「......」

 

長門「どうした? 追わないのか?」

 

丁督「あいつ」

 

長門「ん?」

 

丁督「選択と決断は勇気だと言った」

 

大井「それが?」

 

丁督「いや、偶然だと思うが、親父......俺が世話になった人がよく言ってたセリフでな」

 

金剛「ファーザー? ああ、中将ネ」

 

丁督「まぁいい。俺達も帰るぞ」

 

日向「提督?」スス

 

丁督「おい、こんなところでかよ。さわ......握るな」

 

日向「いいじゃないかずっと待ってたんだ。ほらもうこんなに硬く......」ニギニギ

 

金剛「ああっ! 日向、ズルいヨ!」

 

加賀「仕方ありませんね。皆さんには戦闘が長引いたと言いましょう」スルッ

 

長門「加賀、お前もか」

 

大井「私は提督となら何処でもいいわ」ヌギッ

 

長門「やれやれ6Pか」スルッ

 

翔鶴「いいえ。7Pです」パサッ

 

丁督「お前たち......ま、体は海で洗ったらいいか。よし、来い! 皆相手をしてやる!」

 

艦娘一同「てーとく♪」

 

 

 

~大佐の鎮守府

 

提督「む、また襲撃か。ん? これは......」

 

彼女「なになに? どうしたの?」ヌッ

 

潮「ひっ」

 

提督「いきなり後ろから現れるな」

 

彼女「驚いた?」

 

提督「潮がな」

 

潮「あ、あ......。その......」

 

彼女「あ、ごめんね。コーヒーを持って来たの。あなたも飲む?」

 

潮「あ。ありがとうございます」

 

彼女「いいのよ」ナデナデ

 

潮「あう......」ポォ

 

提督(無意識なんだろうが、籠絡してるなあれ......)

 

彼女「で、どうかしたの?」

 

提督「ん、いや。この軍報を見てみろ」

 

彼女「んー? また襲撃......へぇ、ほぼ被害なしで撃退、やるじゃない。あ......」

 

提督「あいつ、暫く見ないと思ってたらこんな最前線にいたのか」

 

彼女「彼らしいといったららしいけど、なんでまだ中佐なのよ」

 

提督「人の事言えないが、うちとは違った事情なんだろうな。予想は着くが」

 

彼女「そうね。大方資材の消費のし過ぎが原因でしょうね。この前なんか本部に乗り込んだらしいわ」

 

提督「本当か?」

 

彼女「ええ。中将は笑っていたらしいけど、大和が顔を真っ赤にして怒ってたって」

 

提督「変わってないな......」

 

彼女「会いたい?」

 

提督「暫く会ってないからな」

 

彼女「ちょっと、それは私も一緒よ?」

 

提督「君は暫くここに居るだろ」

 

彼女「......どうせ把握してない事だと思ってたけど」

 

提督「ん?」

 

彼女「明日、私帰るのよ」

 

 




重巡、次の改二は誰かなぁ。

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