提督の憂鬱   作:sognathus

142 / 404
ある日提督は大鯨にある命令を聞いてもらう為に苦労をしていました。
しかし、大鯨は何故か機嫌を損ねてなかなかいう事を聞いてくれない様子です。
提督は何を命令しているのでしょう?


第18話 「おつかい」

大鯨「嫌です!」

 

イムヤ「大鯨、大佐の言う事はちゃんと聞かないとダメよ?」

 

ハチ「そうですよ。少しだけ離れるだけじゃないですか」

 

大鯨「でも、でも......こんなに長い遠征、お父さんと離ればなれになるなんて......」

 

ゴーヤ「確かに少し長いけど、ほんのちょーっと我慢するだけよ? ちゃんと我慢すれば帰って来た時、大佐が凄く褒めてくれるわよ?」

 

大鯨「う......」

 

イク「ほら、涙を拭くの。大鯨だって、大佐に迷惑掛けたくないでしょ?」

 

大鯨「うん......」ポツリ

 

まるゆ「なら、まるゆ達と一緒に行きましょう。大丈夫です。遠征に言ってる間はまるゆ達が寂しい思いなんてさせませんから!」

 

大鯨「まるゆさん......」

 

イムヤ「ね、行こ?」

 

大鯨「.......分りました。行きます」

 

イク「大鯨、偉いの!」

 

ハチ「信じてましたよ」

 

ゴーヤ「それじゃ、大佐に行ってきますの挨拶をしに行こう!」

 

大鯨「......」グシグシ

 

まるゆ「大丈夫ですか?」

 

大鯨「......うんっ」

 

 

大鯨「大佐、大鯨、行ってきます!」

 

提督「そうか。よく決断してくれたな。偉いぞ」ポン

 

大鯨「ん......♪」

 

イク「......」(ちょーっと羨ましいかなぁ)

 

提督「大鯨、頑張れるな?」

 

大鯨「......はい!」キリッ

 

提督「そうか、信じてるぞ。イムヤ」

 

イムヤ「はいっ」

 

提督「少し長くなるが、大鯨の事を頼む」

 

イムヤ「任せて! ね? 皆!」

 

ハチ「全く問題ありません。お任せください」

 

まるゆ「まるゆ、こんなに燃えるのは生まれて初めてです!」

 

ゴーヤ「期待しててくださいでち!」

 

イク「イク達に任せるの!」

 

提督「よし......。それではこれより遠征を開始せよ。皆、頼むぞ」

 

遠征メンバー「了解!」

 

 

提督「......」

 

木曽「......巣立ちの儀のつもりか?」

 

提督「半分はそうだ」

 

木曽「ま、確かにこのまま『お父さん』でいるわけにもいかないしな」ニヤ

 

提督「......お前がそれを言うと似合わないな」

 

木曽「え?」

 

提督「お前の場合はやっぱり『親父』と呼ぶ方が似合ってる気がするな」

 

木曽「......そ、そんなに俺は男っぽいか......?」

 

提督「今の口調を自分で聞いてどう思う?」

 

木曽「う......」

 

木曽「あ、あのよ......いや、さ?」

 

提督「無理するな。なんだ?」

 

木曽「や、やっぱり大佐は、お、男っぽい性格は嫌い......か?」

 

提督「お前はお前だ、もっと自分に自信を持て。そのままの方がお前らしくて魅力的だ」

 

木曽「み、魅力的って......」カァ

 

提督「木曽」

 

木曽「な、なんだ?」

 

提督「敢えて言わせてもらうが、可愛いぞ?」

 

木曽「なっ」カァァ

 

提督「今のお前は女らしいな。木曽、やはりそんなに気にする必要はない。多少男勝りでも、お前は間違いなく乙女だ」

 

木曽「お、乙女って......」カァ

 

提督「すまん。あまりにもズケズケと言い過ぎたか」

 

木曽「あ、いや。大丈夫だ......うん、大丈夫」

 

提督「ん?」

 

木曽「あ、今のっ。お、女らしい言い方だっただろ?」

 

提督「......ふっ、そうだな」

 

 

武蔵「むむ......大佐の奴、とんだ女たらしではないか」

 

彼女「......大鯨って」

 

武蔵「ん?」

 

彼女「大げ......うちの龍鳳もあんな感じだったかしら」

 

武蔵「いや、私達の所の龍鳳はあんなに甘えん坊じゃないぞ。もっと真面目で頼りになる奴だ。私の事もお姉様、と呼んで本当にかわ――」

 

彼女「そう......よね(無視)いや、なんかここにいると皆、あいつに甘い気がしちゃってね。いや、あいつが甘いのかな?」

 

武蔵「む......少なくともお前は普段より気が緩んでる気がするぞ」

 

彼女「そう?」

 

武蔵「ああ」

 

彼女「仕方ない、認めましょうっ」クス

 

武蔵「......なぁ」

 

彼女「ん?」

 

武蔵「......お前は、やっぱりあいつが好きなのか?」

 

彼女「ま、一目惚れだからね」

 

武蔵「そ、そうか......」

 

彼女「武蔵」

 

武蔵「ん?」ムス

 

彼女「あなたと一緒よ」ニコ

 

武蔵「あ......。ず、ズルいぞ」

 

彼女「そうね。一目惚れってズルいわよね......」

 

武蔵「......そうかもな。仕方ない」

 

彼女「うん、仕方ないわね。ふふ」

 

武蔵「全く、いつまで経っても適わないな」

 

彼女「ま、一応提督だからね」




初めてこの遠征任務を見たときに何故か嫌な予感がしてずっと放置していました。
そして最近になってようやくこの遠征が達成可能になりました。

結構長い時間の遠征ですが、どれだけ資材を運んできてくれるのか楽しみです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。