提督の憂鬱   作:sognathus

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改造の話がおじゃんになった後に気晴らしに何処かへ行こうとかと思案してたら意外な娘が提督を訪ねてきました。
普段のしっかりした印象とは異なり少し落ち着きがないビスマルクの様子に提督は首をかしげます。
何があったんでしょう。


第11話 「勲章」

提督「ふむ。つまり俺は元々勲章を7個持っていたと」

 

Bis「そうなの。この前の出撃よりもう少し前に一時期確認されてた海域があったじゃない?」

 

提督「ああ。丁度鳥海と話していたところだ。それがどうした?」

 

Bis「あの海域、最深部までは攻略できなかったけど確かその一歩手前くらいまでは行けてたわよね?」

 

提督「ああ。あまり気乗りはしなかったが、出撃してみると意外に順調に進撃できたな。新入りも見つけることが出来たし」

 

鳥海「天津風ちゃんと明石さんですね」

 

Bis「まぁその子たちの事は置いといて。で、その一歩手前までの海域なんだけど実は攻略成功者は勲章授与の対象だったの」

 

鳥海「提督?」

 

提督「いや、俺もそれは知らなかった。というより勲章自体授与されてなかったからな」

 

Bis「あ、あの。別に隠していた訳じゃないの。あの時って確か私が秘書艦だったじゃない?」

 

提督「ああ」

 

Bis「丁度その時に。大佐宛に特定海域攻略の褒美ってことで勲章が届いていたの」

 

鳥海「勲章が届いたということは。その限定海域が消失した後という事ですか?」

 

Bis「そう。私は伝令くらいしかやることがなかったから直ぐに大佐に報告しようとしたわ。でも......」

 

提督(何か嫌な予感がするな)

 

鳥海「でも?」

 

Bis「大佐、凄い数の書類の山の中で机に突っ伏して寝てたの」

 

提督「......」

 

提督(そういえばあの時一瞬意識が遠のいていた記憶があるな)

 

Bis「私大佐の手伝いをしようと思ったけど事務の仕事とか教えってもらってなかったからどうしようもなくて......」

 

Bis「かと言って勲章も届けずにその場を去ることもできなくて。だから......」

 

鳥海「どうしました?」

 

Bis「直ぐに気付けるようにって大佐の服のポケットに勲章を入れておいたの」

 

提督「......」ゴソ

 

提督(あった)

 

Bis「ごめんなさい! 私その事を今の今まですっかり忘れていたの!」

 

提督「いや、マルク。そんなに謝らなくていい。そもそもそれは――」

 

鳥海「そうですよマルさん。そもそもそれは、大佐が私達の事を信用してくれなくて一人で全部仕事をやっていた所為なんですから」

 

提督「鳥海、それは違――」

 

鳥海「そうですよね? 大佐」

 

提督(鳥海の奴、顔は笑ってるんだが明らかにこれは怒ってるな。こいつこんなに威圧感があったのか)

 

提督「まぁ......その、悪かった。マルクもすまなかったな」

 

Bis「え!?そんな。大体今回は私が全体的に――」

 

鳥海「マルさん、ここは素直に大佐の謝意を受けておいて下さい」

 

Bis「でも流石にそれは......」

 

鳥海「こういう事の積み重ねが今の大佐には大切なんです。ね?そうですよね大佐?」

 

提督「はは、ああそうだな。最近は前たちには思い知らされることばかりで困る」

 

提督「そういうことだマルク。これからはもう少しお前の事頼りにさせてもらっていいか?」

 

Bis「は、はい!了解よ。このビスマルクに任せてちょうだい!」

 

提督「ああ。よろしく頼む」

 

Bis「あの、それで大佐。実はもう一つ報告があるのだけど......」

 

提督「ん?」

 

Bis「私が近代化改装を受けずに、ここに来た理由がもう一つあるの」

 

鳥海(もしかして......)

 

Bis「大佐、私も利根たちと同じように改二の改造を受ける事ができるの。でもそれには......」

 

提督「ふむ。もしかして、か?」

 

Bis「そう。私の改造にも勲章が必要なの」




さて、提督はどちらの改造を取るのでしょうか。
正直言って利根も金髪も捨て難いです。
金髪もツインテールにしてくれたら直ぐに彼女に決めるのですが。

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