提督の憂鬱   作:sognathus

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提督と少将は2人きりで話をしたいという事で執務室にいます。
お互い数年ぶりの再会という事で積りに積もった話をするのかと思いきや......。


第5話 「衝撃」

彼女「そう......。やっぱり気づいてたの」

 

提督「そうだ。先に気付いたのは叢雲達だが。既に此処にいる艦娘は全員それが取り除かれている」

 

彼女「優秀過ぎるというのも考えものね。正直言って、危なかったわよ? 先に違和感に気付いたのが中将で、本当に運が良かったわね」

 

提督「親父が?」

 

彼女「実はね、先にその事に気付いたのは中将なのよ。それも随分前に」

 

提督「親父が......」

 

彼女「その装置ね、発信機の機能もあるのよ?」

 

提督「じゃぁ除去した時点で?」

 

彼女「ええ、開発部が異変に気付くわ。通常ならね」

 

提督「というと?」

 

彼女「中将はこの事に気付いた時に発信機の機能を疑ったの、それで調べてみたら予想が的中」

 

彼女「その後どういうツテを頼ったのかは知らないけど開発部の機材に工作して、装置を除去しても違う場所から電波を受信するようにしたらしいわ」

 

提督「そんな事を......」

 

彼女「それでいて、本命の電波は中将だけが感知できるようにして、異変があれば先手を取れるようにしたってわけ」

 

提督「頭が下がる思いだ」

 

彼女「そうよ。反省しなさい? 先に動いたのが艦娘であったとしても、それを容認して安全を確かめなかった事を」

 

提督「ああ。本当に危ないところだった。君と親父には感謝しないとな」

 

彼女「ん、宜しい。確かめたかったのは正直それだけ。目的も果たしたし、後は適当に視察の振りをして数日滞在させてもらうわ」

 

提督「ん? 視察は今日だけの予定じゃなかったのか?」

 

彼女「......上に適当に理由をつけて期間を延ばしてもらっちゃった」

 

提督「それはまたなんで......」

 

彼女「だって、数年ぶりの再会なのよ? 少しくらい旧交を温めさせてくれたっていいじゃない?」

 

提督「その考えには俺も同意だが、それでも数日はちょっと長いんじゃないか?」

 

彼女「......貴方、老けたわよね」

 

提督「なんだ唐突に」

 

彼女「私はどう見える?」

 

提督「......そういえば、昔のままだな。全くと言う程」

 

彼女「何よ。子供っぽいって言いたいわけ?」

 

提督「いや、歳を取らない女性もいるものだと思っただけだ。見た目はあの頃より格段に綺麗になっているぞ。女を磨いたんだな」

 

彼女「ほ・め・す・ぎ♪ ま、それはそれとして。貴方は5年程度にしてはちょっとそう思えないくらい歳を取って見えるわ」

 

提督「まぁ、いろいろ無理をした事もあるからな。今は少しはマシだが」

 

彼女「ま、そうだろうとは思っていたけど。でもね、私があの頃と変わらなく見えるのは実は理由があるのよ?」

 

提督「理由? 美容か何かか?」

 

彼女「ぶー、ハズレ。貴方、基地の子にあまり手を出してないでしょ? ま、貴方らしいけど」

 

提督「......なに?」

 

彼女「そんなに怖い顔しないでよ。自分から手を出さなくても好意を持たれた子と同意の上でヤるなら全然問題ないでしょ?」

 

提督「さっきから何を言いたいんだ?」

 

彼女「ふふ、そう急かないで。これはまだ研究段階で、実証はされてないから確信を込めては言えないんだけど」

 

提督「?」

 

彼女「どうやら提督と艦娘が体の関係を持つ事によって、絆が強くなって艦娘の能力が上がる以外に提督自身にもある効果があるみたいなのよ」

 

提督「......まさか」

 

彼女「そう。細胞の活性化、つまり見た目も中身も若い頃のままで常に最盛期でいられるの」

 

 

扉「ガタッ」

 

 

提督「そんな効果が......」

 

彼女「勿論、週に1回、2回くらいじゃ自覚する程の効果はないわ。これは日々の営みによるものなのよ」

 

提督「......君は」

 

彼女「ん? なに?」

 

提督「君は武蔵とその、そういう関係なのか」

 

彼女「見てのとおりよ。お蔭様で」

 

提督「そうか......」

 

彼女「何? 私が同性に走ったのがショック?」ニヤ

 

提督「いや、全く。寧ろ、君ならそれもアリだと思い直したところだ」

 

彼女「ちょ、何よそれ!? 大体、私は貴方と別れてから武蔵以外と関係を持った事はないわよ!」

 

提督「は?」

 

彼女「あ」

 

提督「......」

 

彼女「......」カァ

 

提督「君は......」

 

彼女「と、とにかく! 私が言いたいのは常に全力で提督で、海軍に貢献したいなら艦娘達とヤリまくりなさい、という事よ!」

 

提督「それはあまりにも節操がないというものだ。もう少し節度というものがあっても......」

 

彼女「ま、貴方ならそう言うと思ったわ。でも、もう少し積極的になってもいのよ?」

 

提督「まぁ、考えておく......」

 

 

扉「ガタガタッ」

 

 

彼女「それに......も、もしどうしても抵抗があるなら......わ、わたしで練習してもいいの......よ?」

 

 

バンッ

 

 

武蔵「それはダメだぁぁぁぁぁ!」

 

提督「ん?」

 

彼女「ちょ、む、武蔵!?」

 

武蔵「お前は私の嫁だと言ったじゃないかぁ! 私を見捨てるのか!?」ダキッ

 

彼女「ちょ、誰が嫁よ? 逆でしょうが!あっ、ちょっとやめてよ、こんなとこで!」

 

武蔵「嫌だ! お前が考え直すまで絶対に離れない!」

 

提督「......暫く留守にする。好きに使って構わないぞ」

 

彼女「え!? ちょ、ちょっと私を見捨てる気!?」

 

提督「見捨てるとは人聞きの悪い。気を遣っただけだ。それじゃ、また後でな」

 

彼女「えっ、ちょっと待ってよ! まだ話がの残っ......やっ。武蔵こんなトコじゃダメ! ダメだった......触っちゃだ――」

 

バタン

 

 

提督「ふぅ......」

 

羽黒「あ、あの大佐......」

 

提督「っ、羽黒......いつから......」

 

羽黒「ご、ごめんなさい! お茶の用意をしようと思って来たんです......」

 

提督「いや、別にそれは謝る事じゃない。それで......聞いてたのか?」

 

羽黒「......///」コク

 

提督「羽黒、頼みがある。この事はできるだけ内密に......」

 

羽黒「大佐......ごめんなさい。それは無理だと思います」

 

提督「なに」

 

羽黒「さっき、青葉さんが真っ赤な顔をして走って行っちゃいましたから......」

 

提督「......」ガクッ

 

羽黒「た、大佐! 大丈夫ですか!?」

 

提督「ああ......ちょっと......少し疲れただけだ......」

 

羽黒「い、医務室にお連れしますね」

 

提督「すまない、頼む。今は少し休みたい」

 

羽黒「はい、分かりました。それじゃぁ肩を......」

 

提督「む......助かる」ヨロ

 

 

羽黒「......」トコトコ

 

提督「......」ヨロヨロ

 

羽黒「大佐......」

 

提督「......ん?」

 

羽黒「先程の少将殿お話の件......羽黒は、私は構いませんから......ね?」カァ

 

提督「......ああ」




予想はできてる方もいるとは思いますが、近いうちにガチ百合(Rー18)の話が入る事になると思います。

元彼女バンザイ!

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