提督の憂鬱   作:sognathus

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提督が本部から視察が入る事を知って、腕を組んでます。
そんな大佐の様子が気になって、その日の秘書艦の榛名が声を掛けます。


第2話 「緊張」

提督「参ったな......」

 

榛名「どうしたんですか?」

 

提督「本部から視察が来る」

 

榛名「? それが何かマズイんですか?」

 

提督「いや、視察自体は別にどうという事はない。恐らく、抜き打ちの鎮守府の実態調査だろう」

 

榛名「? それでは何が気になるんです?」

 

提督「少将......元々付き合ってた恋人が来ることになった」

 

バサバサッ

 

提督「......榛名?」

 

榛名「あ、いけない、私ったら。ごめんなさい、大佐」

 

提督「いや......」

 

榛名「あの......」

 

提督「うん?」

 

榛名「大佐とその少将とは......元々、という事は今はもうなんでもないんですよね?」

 

提督「ああ。昔にもう別れた」

 

榛名「本当ですか?」ズイ

 

提督「本当だ」

 

榛名「子供とかできてないですよね?」

 

提督「っごふ、なに......?」

 

榛名「いえ、なんでもありません」

 

提督「そうか」(子供とか言ってなかったか?)

 

榛名「大佐」

 

提督「ん......なんだ?」

 

榛名「その、私達より先にお付き合いされていた元恋人の少将とは、今も仲は良いんですか?」

 

提督「どうだろうな。彼女が本部に配属になってからもう何年も会ってないからな」

 

榛名「会いたい、ですか?」ズイ

 

提督「いや、そう思わなくても会う事になるだろ」

 

榛名「そんな事は聞いてません。会いたい、ですか?」ジッ

 

提督「まぁ......旧交を温めるのに良い機会だとは、思っている」

 

榛名「へぇ......会いたいんですか......」

 

提督「榛名......?」

 

榛名「大佐には、榛名や姉様達、加賀さん達もいるのに......会いたいんですか」

 

提督「おい、榛名っ」ガシ

 

榛名「あ......」

 

提督「落ち着け。俺は別に、お前たちを置いて彼女と寄りを戻す様な真似はしない」

 

榛名「大佐......。はっ!ご、ごめんなさい。私ったら......」アセアセ

 

提督「本当に大丈夫か?」

 

榛名「大丈夫です......じゃ、ないです」

 

提督「ん?」

 

榛名「大丈夫っていう安心が欲しいです」

 

提督「安心?」

 

榛名「ん......」

 

榛名は目を瞑ると、キスを求めてきた。

 

提督「榛名、今は仕事中だ」

 

榛名「うー......キスだけでいですから」

 

提督「だめだ」

 

榛名「......脱ぎます」ヌギ

 

提督「榛名」グイ

 

チュ

 

榛名「んっ......。」

 

提督「......」

 

榛名「んん......ちゅぅ♪」

 

提督「っふぅ。どうだ?」

 

榛名「ふわぁ......ありがとうございます。榛名、満足です♪」

 

提督「そうか、それを聞いて安心した......」

 

榛名「ふふふ、今日は良い日ですね♪」

 

提督「そうだな......」

 

提督(マリアはあの時から隙あらば熱烈にアピールするようになった。金剛を抱いた以上、妹達の期待にも応える覚悟はるが......これは、榛名もどうなる分からんな。何故大人しい奴に限って何故こうも反転する......)

 

榛名「大佐、どうかしましたか?」

 

提督「いや、なんでもない」

 

榛名「......少将の事ですか?」

 

提督「断じて違う。榛名が淹れてくれたお茶は美味いな」ズズ

 

榛名「本当ですか!? 今日は、金剛お姉様に教えて貰って榛名オリジナルのブレンドなんですよ♪」パァ

 

提督「そうなのか? どうりで何時もと違う味なわけだ」

 

榛名「嬉しいっ。榛名、頑張った甲斐がありました!」

 

提督「うん。美味い......」ズズ

 

榛名「大佐、今度抜き打ちで部屋の検査をされるんですよね?」

 

提督「ん? ああ。もう抜き打ちでもなんでもないがな」

 

榛名「それなら是非榛名達の部屋に最初に来てください! その時に今よりもっと美味しいお茶とお菓子もご用意して待ってますから!」

 

提督「検査なんだからそういう気遣いは無用だぞ」

 

榛名「大佐が訪ねて来てくれるんですから、それくらいはさせてください!」

 

提督「最早、検査ですらなくなってきたな......。分かった。伺わせてもらおう。お茶も期待してる」

 

榛名「はいっ。榛名、その期待に全身全霊で応えて見せます!」パァ

 

提督「......」

 

提督(外はこんなにも良い天気なのに、何故かこの部屋だけ嵐の真っただ中に居るような心地だな)




榛名は何故かヤンデレのイメージが俺にはあります。
というか、怒らせると怖いというか。
でも、良いの子の筈ですから、そんな心配する必要はないですよね!多分。

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