提督の憂鬱   作:sognathus

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今度は長門達との約束を果たす番です。
植えた3人の欠食児童(戦艦)を提督はどう相手をするのでしょうか。


第60話 「小晩餐会」

長門「やぁ来たな。上がってくれ」

 

陸奥「いらっしゃーい」

 

Bis「待ってたわよ!」

 

長門「あの出撃には陸奥はいなかったが、まぁそんな事をいちいち気にするような人間ではないよな?」

 

提督「無論だ。付き合うとは約束したが、お前たちだけとは俺も言った覚えはないしな」

 

提督「だが」

 

陸奥「ん? どうかした?」

 

提督「いや、付き合うとは言ったがこれでいいのか?」

 

長門「宅飲みは外で飲むより気楽だからな、偶にはこういう風に緩やかに飲むのもいいだろう?」

 

提督「お前たちがそれでいいなら俺からは何も言うことは無い。酒も、飲みたいしな」

 

Bis「流石、話が分かるふぁね♪」ギュ

 

提督「......こいつ、もう出来上がってるのか?」

 

陸奥「大佐が来る前に発泡酒を缶一本開けただけなんだけどね」

 

長門「ビールならともかく、発泡酒でこれとはある意味凄いよな」

 

提督「この分だと酎ハイとかもダメな気がするな。マリア、お前お酒弱いのか?」

 

Bis「べ、別にそんなことない......ゎよ。ちょっと気分が良かったから油断ししゃったの」カァ

 

提督「呂律も少し心もとないな。あまり無理するなよ?」ポン

 

Bis「うん......」

 

陸奥「あら? 自然に頭に手を置くなんて、大佐も随分フレンドリーになったわね」

 

長門「そうだな。私達にもそうしてもらって構わないんだがな」

 

提督「ん? ああ、これはなんとなくだ。マリアには無意識に、な」

 

Bis「そ、それって......」キラキラ

 

提督「子供っぽいからだろな」

 

Bis「なぁ!?」ガーン

 

陸奥「いや、そんな衝撃を受けるほど驚く事じゃいと思うわよ?。マリアって前々から所々子供っぽいところあったじゃない」

 

Bis「そ、そんなこと......」

 

長門「本当にそうか?」

 

Bis「う......」

 

提督「それくらいにしておいてやれ。こいつにも矜持というやつがあるんだ」ポン

 

Bis「た、大佐ぁ」ウル

 

長門「やれやれ、まるでワンコだな。可愛い、実に良い」

 

陸奥「長門、あなたマリアを見る目が何か変よ?」

 

提督「長門は可愛いものが好きだったな」

 

長門「ああ、そうだ。そして今のマリアは正直堪らないほど可愛い」

 

Bis「えっ、か、可愛いなんて、そんな......」カァ

 

陸奥「マリア、勘違いしない方がいいわよ。長門のあなたを見る目は明らかに仔犬とかそういうのを見る目だから」

 

Bis「犬!?」ガーン

 

提督「......的確な指摘というものは時として残酷なものだな」グビ

 

陸奥「ふふ、そうね」クイ

 

長門「ああ、もうっ。可愛いな! マリアちょっと来い。撫でさせてくれ」

 

Bis「え、ちょっとやめてよ! スリスリしないで! 抱き締めないで!」ジタバタ

 

提督「......いい肴だ」グビ

 

陸奥「そうね」クイ

 

陸奥「あ、そうだ大佐」

 

提督「ん?」

 

陸奥「なんかわたし達の部屋の抜き打ち検査をするらしいわね」

 

提督「情報が筒抜けの時点で抜き打ちという言葉がもはや意味をなしてないわけだが......。まぁ、そのつもりではある」

 

陸奥「今ってもうやった事にしちゃダメ?」

 

提督「元々、何かを疑って部屋中を調べる気とかはなかったからな。軽く部屋を眺めて2,3質問して終わりにするつもりだったし、それでいいぞ」

 

陸奥「ありがと。部屋の掃除とか気を遣うのが面倒だったのよ」

 

提督「そういう事を本人の前でいうな」

 

長門「あ、下着はそこの引き出しだぞ。陸奥とマリアのもそこにある」タイサ、タスケテー!

 

提督「そんな事も聞いてない」

 

陸奥「そしてそういう事を教えない」

 

長門「ふふ、ウブだな。っと、コラ、マリア暴れるな」

 

Bis「やー! 私はヌイグルミじゃないの!」ジタバタ

 

提督(酒が完全に回って、言葉がもう子供じみてきてるな)

 

陸奥(マリアには悪いけど、可愛いわね)

 

 

――数十分後

 

提督「......ふぅ」

 

長門「大佐、やはり飲めるな」

 

陸奥「お酒強いのね。素敵よ」

 

提督「酒が飲めるだけで褒めるのはどうかと思うぞ。マリアはどうした?」

 

長門「そこだ。いじけて布団でまるくなってる」

 

陸奥「やり過ぎよ」

 

長門「反省はしてる。だが、後悔はしていない」キリッ

 

提督「......後でちゃんとフォローしておけよ」グビ

 

長門「分かってるさ」ツイ

 

提督「ん? ツマミが切れてしまったな」

 

陸奥「あらホント。買って来る?」

 

提督「いや、それには及ばない。用意してくるから少し待っていてくれるか」

 

長門「作って来るつもりか?」

 

提督「そうだ。冷蔵庫に調理できそうな物があったはずだ」

 

陸奥「それは、悪いわよ」

 

提督「気にするな。料理は好きなんだ」

 

長門「なら、私も行こう。台所に立つ家庭的な大佐の姿というのも見てみたいしな」

 

提督「手伝うとは言わないんだな」

 

長門「勿論、言われなくても手伝いはするさ」

 

陸奥「あ、ズルイわよ。大佐、わたしもっ」

 

提督「マリアだけ置いて平気か?」

 

長門「......少しうたた寝をしてるみたいだな。酒気の所為だと思う」

 

提督「なら、静かにしていれば目は覚まさないな。よし、直ぐ作って戻って来るぞ」

 

 

――数分後

 

提督「よし、できた」

 

長門「あの短時間でここまで......やるものだな」

 

陸奥「ホント。種類も量も申し分ないわ」

 

提督「それは重畳。さ、戻るぞ。マリアが起きてるかもしれん」

 

長門「ああ分かった」(エプロン姿の大佐......凄く良かったな。カメラ持ってくればよかった」

 

陸奥「ええ。了解よ」(何よ、いい所見せてくれるじゃない。もう、好きなのが止まらないよ)

 

 

ガチャ

 

提督「マリアは寝t」

 

Bis「大佐ぁ!」ブァ

 

ダキッ

 

提督「っと、危ないところだった。おい、マリア、危ないから離れてくれ。料理が落ちる」

 

Bis「嫌よ! だって、目を覚ましたら誰もいないのよ!」

 

提督「酒の肴がなくなったからちょっと用意してたんだ。ほら、お前の分もちゃんとあるぞ」

 

Bis「あ......この匂い、ふらんく、ふると?」

 

提督「ちょっと違うな。それも具の一つの炒め物だ。美味いぞ?」

 

グゥ......

 

Bis「あ......」カァァ

 

提督「気にするな。あまり食べてなかったからな。食べるだろ?」

 

Bis「うん......」コク

 

提督「なら部屋に入れてくれ。このままだと動けないし、料理を落としそうだ」

 

Bis「あ、ごめん」バッ

 

 

陸奥「天然って恐ろしい......」

 

長門「全くだ、マリアは良いところを持っていくな」ウンウン

 

 




やっぱり、ビスマルクはかわい過ぎです。
でも、陸奥達にも愛を忘れてはだめですね。

続きを一応書くつもりです。

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