提督の憂鬱   作:sognathus

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昨夜のお楽しみの後、いつも通りに仕事に従事する提督ですが、なんだが元気がありません。
そんな様子をその日の秘書艦の望月は、不可解そうに見ています。
何があったんでしょう......とは言いません。


第57話 「枯渇」

加賀達の様子がおかしい。

早朝から望月はそう感じていた。

金剛はともかく、加賀が朝から笑っていたからだ。

 

望月(あの加賀さんがいつものポーカーフェイスを崩して、僅かだけど始終笑みを......)

 

金剛「~♪」

 

望月(金剛さんはいつも通りに見えるけど、加賀さんとと目が合うたびに凄く嬉しそう顔をして笑ってる......。一体、何が......?)

 

望月「大佐」

 

提督「......なんだ?」

 

そんな二人に対して提督はいつも以上に疲れているように見えた。

明らかに何か悩んでいるようだった。

 

望月「あ、いや......どうかした? 元気ないね」

 

提督「まぁな。ちょっと資材が、な」

 

提督(朝から起きて早々、加賀の欲求に応じてしまったからな。予測通りだが、金剛の相手も一緒にしたから体力が......マズイ)

 

提督(更に自分の淫乱さに嫌気がさしているところにこの資材の状況......キツイな。本当に)

 

望月「ん? あー、弾薬がまた3桁だね」

 

提督「金剛達が強くなったのは良い事だが、改めて資材の残量を確認してみると弾薬が本当にマズくてな......」

 

望月「なるほどねー。あ」

 

提督「ん? どうした?」

 

望月「大佐、落ち込んでるところ悪いんだけどさ、もう直ぐ第二艦隊が長期遠征から戻って来るよ?」

 

提督「無事に戻ってくるのは良いことじゃないのか? 資材も手に入るし」

 

望月「まぁ、そうなんだけどね。だけどさ......」

 

タタタッ......コンコン

 

羽黒「大佐っ、羽黒です! 入っていいですか?」

 

 

提督「羽黒? 今しがた遠征から帰ってきたばかりか。入れ」

 

望月「あーあ、来ちゃったかぁ」

 

 

ガチャ

 

羽黒「失礼しますっ」

 

提督「遠征ご苦労。どうした? そんなに急いで」

 

望月「......」

 

羽黒「大佐、私、さっきの遠征で上位改造が可能な練度に到達しました!」

 

提督「なに」

 

望月「やっぱり」

 

羽黒「お願いです。羽黒をもっと強くして下さい!」

 

提督「......」

 

羽黒「? 大佐?」クビカシゲ

 

望月(上位改造だもんね。資材使うよねー)

 

提督「ああ、悪い。急だったから少し驚いてな。そうか、よく頑張ったな。偉いぞ」

 

羽黒「えへへ。ありがとうございます。あの......頭を......」

 

提督「ん? ああ」ナデナデ

 

羽黒「ふぁ......ありがとうございます♪」

 

提督「改造だったな。勿論許可しよう。許可証を認めるから暫く......夕方くらいにまた来い」

 

羽黒「はいっ、分かりました! お願いしますね! 失礼しました」

 

バタン

 

 

提督「......」

 

望月「ま、断われないよねぇ」

 

提督「望月、試算......を」

 

望月「もうできてるよ。はい」

 

 

『改造後の資材残量試算結果:燃料・鋼材・ボーキ/6桁 弾薬/2桁』

 

 

チーン

 

望月(大佐の頭の中で何かが鳴った気がする)

 

提督「......マズイな」

 

望月「そうだね。これじゃ、出撃どころか、演習も遠征も無理だね」

 

望月「また、あそこの提督に交換を頼む?」

 

提督「そう頻繁に頼むわけにもいかないだろ。こちらの体裁もある」

 

望月「じゃぁ、どうするの?」

 

提督「望月......」

 

望月「ごめんごめん。ちょっと意地悪しちゃったね。睦月達集めてもらえる? ちょっとひとっ走り稼いでくるよ」

 

提督「すまんな」

 

望月「やるときはやるからね。もっと褒めてもいいよ?」

 

提督「......何がいい?」

 

望月「......わたしを大佐の膝に乗せて抱きしめて、さらに頭を撫でる、とか?」

 

提督「容易いことだ」スッ

 

望月「ん......睦月達が来るまで、暫くお願いね」

 

望月(わ、本当にやってくれた。しかも迷いなく。こりゃ相当参ってるね。睦月達にも事情を話していっちょ頑張るか)

 

望月「ん、もういいよ。睦月達がもうすぐ来るから。ありがとね」トテ

 

提督「俺としてはこれくらいじゃ礼として申し訳ないくらいだ」

 

望月「まだ、実際に集めてもないのに。何言ってるのさ。そんなんじゃ、遠征から帰って来た時にもっとご褒美要求しちゃうよ?」

 

提督「寧ろ遠慮するな。可能な範囲で希望に応えよう」

 

望月「マジ......?......考えとく」

 

望月(......よしっ)

 

 

コンコン

 

睦月「睦月型駆逐艦一同参りました!」

 

 

提督「入れ。......望月、頼むぞ」

 

望月「任しといて」b




この後無事、弾薬はある程度補充が出来たそうです。

望月はやるときはやる子、頼りになる子です!

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