提督の憂鬱   作:sognathus

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陸奥の悪戯に気付く事無く寝ていた提督でがやっと起きたようです。


第38話 「寝起き」

提督「ん......ふぅ」

 

提督(寝ていた? いや、俺は歓迎会の時に......)

 

提督「情けない。気絶して運ばれたか......ん」

 

何となく頬が僅かに通常より温かい気がしが、気のせい程度の違和感で、体にも特に異常は感じなかったので特に気にしないことにした。。

提督が身を起こそうとすると足に何か重さを感じ、思うように動けなかった。

 

提督「ん?」

 

島風「zzz」

 

不知火「すぅ......すぅ...」

 

提督「なんでまたこんな所に」

 

島風「んー......?」コスコス

 

提督「おはよう」

 

島風「あっ」

 

提督「?」

 

島風「いっけない、寝ちゃった。起きる前に行こうと思ってたのに」

 

提督「何をしてんたんだ?」

 

島風「歓迎会が終わっても大佐が戻ってこなかったからまた様子を見に来たの」

 

提督「また? という事は最初に俺を運んでくれたのも島風だったのか?」

 

島風「ううん、違うよ。陸奥さんと夕雲ちゃんだよ」

 

提督(陸奥どころか主賓だった夕雲にまで迷惑を......どんな顔をして礼を言ったらいいのやら)

 

提督「そうか。じゃあ、お前は途中で1回様子を見に来てくれたという事か」

 

島風「そうだよ。大佐はまだその時も寝てたけどね」

 

提督「やれやれ。格好の悪いところを見せてしまったな」

 

島風「そんなことないよ! 提督可愛かった!」

 

提督「かわい......」

 

不知火「んん......? 島風、何を騒いでいるんです......」

 

島風「あっ、不知火起きた!」

 

提督「おはよう不知火」

 

不知火「......か」

 

島風「?」

 

提督「不知火?」

 

不知火「......っ!」バッ

 

完全に意識が覚醒した不知火は、即座に提督と島風に背を向けると、顔を真っ赤にしてわたわたと身だしなみを整え始めたし。

 

不知火「た、大佐......見ないでくださいね」

 

提督「何をだ?」

 

島風「何をー?」

 

不知火「寝起きの顔なんて、淑女として恥ずかしくて見せられませんっ」

 

島風「えー? なんでー? 島風は平気だよ?」

 

不知火「貴女も少しは気を遣うべきですっ」

 

島風「大佐、どうしてわたし怒られたの?」キョトン

 

提督「女の子にはいろいろあるんだ」ポン、ナデ

 

島風「あぅ......んふふー♪ よく分らないけど別にいいや♪」

 

不知火「な!? ......っく」シュババ

 

不知火「......ふぅ。お待たせしました」クルッ

 

提督「ああ。驚かせてしまって悪かったな」

 

不知火「いえ、それはもう気にしないで下さい。不知火にも落ち度はありましたから」

 

提督「そうか。助かる」

 

不知火「......」ジー

 

提督「?」

 

不知火「あの......」

 

提督「うん?」

 

不知火「お待たせしました......」

 

提督「ああ。きれいになってるぞ」

 

島風「?」クビカシゲ ←いつもと同じようにしか見えない

 

不知火「ありがとうございます。いえ、そうではなくて......」

 

提督「ん?」

 

不知火「し、不知火も頭撫でて下さい......」カァ

 

提督「お前さっき身だしなみを整えたばかりじゃないか。撫でたりしたらまた髪が乱れるかもしれないぞ」

 

不知火「そ、そういうのはいいんです。仕方ないですから」

 

提督「そうなのか?」

 

不知火「そうです。だから......お願い......します。撫でて......ください」グス

 

自分からお願いするのが余程恥ずかしかったのか、不知火はとうとう泣いてしまった。

 

島風「あー! 大佐、不知火をイジメたー!」

 

提督「なに?」

 

島風「もうダメだよ! 意地悪しちゃ! 早く撫でてあげて!」

 

提督「ああ」(俺が悪いのか?)

 

提督「不知火」

 

不知火「......ぐす......はい」

 

提督「来なさい」

 

不知火「っ、大佐!」ダキッ

 

島風(あれ? 撫でてもらうだけじゃ......)

 

提督「全く。俺の前では自分に素直になると言ってただろ?」ヨシヨシ

 

不知火「ごめん......なさい。やっぱり......恥ずかしくて......」スリスリ

 

島風「むー......」

 

ギュ

 

提督「ん?」

 

島風「大佐、島風も!」

 

提督「なに?」

 

島風「島風もギュッとして、スリスリさせて!」

 

不知火「大佐、手を止めないでください」スリスリ

 

島風「あー! ズルイー! 大佐、島風も、島風も!」ジタバタ

 

提督「分かった。分かったから、ほら不知火の隣に来い」

 

島風「! ありがとう、大佐♪」ダキッ

 

 

――数分後

 

提督「なぁ、まだやめたら駄目か?」

 

島風「ダメ! もっともっと♪」スリスリ

 

不知火「そうですね。もう少しお願いします。......ん♪」スリスリ

 

不知火(島風、ナイスです)グッ

 

提督「そうか。分かった......」

 

提督(俺は調子が悪くなって運ばれたんじゃなかったのか......?)




駆逐艦が好きな人はロリコンと言われがちですが、それは間違いだと思います。
彼女たちは見た目がアレなだけで、中身は大人なのです!多分......。

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