皆さんのお言葉でテンション上がります(≧∇≦)
お気に入りが二百越え…まさかここまで増えるとはビックリですΣ(゚д゚lll)
では8話目です
「あんたまでやられて帰って来るとは…霧の国の忍者はよほどのヘボと見える‼…てかここクッサイな」
俺たちが波の国を一通りみて回り再不斬の隠れ家に集まり話していると、ノックもせずにドアを開け勝手に入るなり無遠慮な声をかけるちっちゃいおっさんと、おっさんの護衛のチンピラ二人。
「あの豆粒ドチビがガトーか?」
「ああ、【元】俺の雇い主だ」
チビに聞こえないよう再不斬と話していると。
「部下の尻拭いも出来んで何が鬼人じゃ…笑わせるな、それにそのガキどもはなんだ?…ここはいつから保育所になった」
俺達は沈黙で応えた。
「黙っている事はないだろ…何とか…‼」
豆粒ドチビが再不斬に伸ばした手を白が掴んみ。
「汚い手で再不斬さんに触るな……」
その顔からは想像出来ないほどの殺気を出し、握り締められた手首からは『メリメリッ!』と骨が悲鳴を上げている。
「ぐっ!…お前…!!」
チンピラ二人が腰の長ものに手をかけ抜くが、刃は白ではなく雇い主の豆粒ドチビに向かって振り下ろされた。
「な、何をする貴様等‼」
「ち、違うんだ!体が勝手に‼」
「避けてくれ‼」
必死の形相で無理やり体を捻り避けるも、刃は豆粒ドチビの背中を浅く切り裂いた、二人は困惑顔で体の自由を取り戻そうと必死に足掻いているが無駄だ、なぜなら奴らの体はごく細いチャクラの糸でイノが完全に支配しているのだから。
二人はそれぞれ豆粒ドチビの腕をひねり上げ跪かせると、刃を首の前後に当てた。
「後悔先に立たずだ、良かったな一つ賢くなって…さて俺達の事を見られたからにはお前をこのまま帰すわけにはいかなくなった、まあ今まで散々人から搾取して美味い汁を吸ってきたんだから、もう十分楽しんだろ…次は死ぬまで俺達に尽くしてもらおうか」
ナルトの輪廻眼を最後にガトーの意識は消え去った。
☆
「グ…いってェ…」
何回目かわからないが、サスケが木から落ちて強く頭を打ち付けたみたいだ。
「(クソ…あの落ちこぼれは一発合格しやがったのに、俺はまだ木の半分も登ってねぇ…サクラは?)」
周りが静かな事に気がつきサクラを探すと、サクラは近くの木の根もとで大の字に寝ている、呼吸が荒い…相当疲れているようだ。
「(もうヘトヘトよ…サスケ君何てスタミナしてんの…)」
スタミナもチャクラ量も足りないサクラは目を閉じ少しでもチャクラを回復させようとしていた。
不意にサクラは自分の横に誰かが近づくのを感じ、目を少し開けると…目の前にサスケの顔があった…ビックリして声が出そうだったが、こんな近くでサスケを感じる事は滅多にないので意思の力を総動員して体の動きを止めた。
「(ちっ…近い近い‼…ナニ…これ夢?…)」
パニックに陥った自分の頭を髪を梳くように優しく撫でられ…「(…髪の手入れ毎日しっかりやっといて良かった‼)」…と内心お祭り騒ぎになっていた。
そんな彼女の内心など知る由もなく。
「そうだな…愚痴ってる暇があったら、俺もぶっ倒れるまで修行しねえと」
サスケは再び木に登り始めた。
そんな彼等をカカシは木の上から眺めている。
「(せぇーしゅんダネ〜……)」
☆
「いや―…超楽しいわい、こんなに大勢で食事するのは久しぶりじゃな!」
サスケ達は森の中が真っ暗になるのを見計らって、適当に修行を切り上げ、タズナの護衛のナルトはタズナと一緒に泥だらけになりながら帰ってきた。
ナルトが汚れているのは護衛だけではつまらないからと橋作りを手伝っていたからだ。
汚れを落としツナミさんが用意してくれた夕食を食べている。
その中でサスケが一人、勢いよくガツガツと箸を口に運んでいる、無茶苦茶な量の料理を口に入れ味わう事なく飲み込んでいくその様は……まさにフードファイター。
「(こいつ…忍び辞めて大食い選手にでもなるのか?)」
ナルトはそんな事を考えているが当然違う、今までぶっ倒れるまで修行したせいだ、もう腹が減って仕方がないのだ。
「おかわり!」
サスケはお茶碗を差し出す…もう何杯目かわからないが、何故かお代わりするたびにナルトを睨んでくる。
「うっ!」
おかわりした食事を再び猛然と食べていると、突然口の中の物を吐き出した…正直ツナミさんにもご飯にも失礼だ。
「吐くんなら食べるのやめるってばよ」
あきれはてた顔で言うも、サクラが手で乱暴に机に叩き付け。
「サスケ君はあんたと違って頑張って努力してんだから、あんたは口出すな!…」
「あのなぁ…サスケ「…いや食う!」……そう…」
何とかやめさせようとするも、口元を手の甲で拭うサスケに遮られた…ゲロを手で拭う…どっからどう見てもイケメンでは無いがピンクは目を輝かせている。
「そうそう!我慢してでも食べなきゃ強くなれないもんね(……でもあんまり早く強くなると一緒に修行出来ないし、複雑だわ)…」
飯を口に運ぶスピードを更に加速させるサスケ、そんな姿を優しく見守りながら。
「(うんうん…けど吐くのは違うぞ♪)」
首を縦に振り何度か頷くカカシであった。
食事を終え、一服していると…サクラが壁に飾ってある写真の前に立ち。
「あの~…何で破れた写真なんか飾っているんですか?」
示した写真には右上が不自然に破かれた、タズナ・ツナミ・イナリ写っている写真がある。
どう見ても訳ありの写真…彼等の過去に何があったにせよ好奇心で聞いていい話題ではない事は、誰が見ても明らかだ。
「イナリ君、食事中ずっとこれ見てたけど…なんか写ってた誰かを意図的に破ったって感じよね」
そこまで察する事ができるのに、そんな事は知らぬ存ぜぬと、馬鹿なピンクの言葉が3人の心と過去に土足で踏み込んでいく。
「「「……」」」
ピンクの問いに何も答えない三人。
眠たそうな目でその様子を見つめるカカシと呆れた顔でピンクを見るナルト。
「……夫よ」
「かつて…町の英雄と呼ばれた男じゃ…」
タズナが口を開くと同時にイナリは立ち上がり。
「イナリ!何処行くの…!?…イナリ!!」
母であるツナミの呼び声にも応えず、イナリは部屋を出て行く。
「父さん!イナリの前ではあの人の話はしないでって…いつも…!」
口調を荒げるが、最後の方は言葉にならず、ツナミはイナリの後を追い出て行く。
「…イナリ君、どうしたって言うの?」
サクラには何が何やら分からない…
はい…どう考えてもお前のせいだよ馬鹿野郎
「何か訳ありのようですね…(…サクラは…人として大事なネジがぶっとんでんじゃないかな…盛大に地雷踏んで自分のせいじゃないと思ってるよ…)」
ここまで来たら仕方ないと、カカシはタズナに聞く事にした。
「イナリには血の繋がらない父親がいた…超仲が良く、本当の親子のようじゃった…超仲が良く本当の親子のようじゃった…あの頃のイナリは本当によく笑う子じゃった…」
タズナの体は小刻みに震えている…
「タズナのおっちゃん…辛かったら話す必要はないってばよ…本来部外者である俺達が安易に聞いていい内容じゃないってことくらいわかるってば」
タズナは首を振り…
「いや…そもそも、あんたらを巻き込んでしまったのはワシのせいじゃ……イナリを変えてしまったのは、あの事件じゃ…あの事件からイナリは変わってしまったんじゃ…」
タズナはメガネを外し涙を拭うと、波の国で起こった三年前の事件について話し始めた…
いじめられていたイナリがある男に出会い…
生き方を教えられ。
なついていき…そして家族になった。
何物にも変え難い幸せな時間…いつまでも続くと信じていた愛しい日常。
しかしそんな愛しい日々は終わりを迎える。
その男…カイザが皆の前で…イナリの前で…公開処刑されたことによって…
「それ以来イナリはかわってしまった…ツナミも町民も」
サクラに今の話は重すぎた人の生死に関わってない…ぬるま湯で生きてきたガキには仕方ない。
ちなみにサスケはタズナの話の間ずっと苦しそうにうずくまり腹を抱えて唸っていた……
ーー修行を始めてから十日目
「おう今帰ったか!…何じゃお前ら超ドロドロのバテバテじゃな」
サスケがサクラに肩を貸しながら帰ってきた、ようやく木のてっぺんまで登ったらしい。
「よし!サクラ、サスケ…明日からお前らもタズナさんの護衛つけ」
「ああ!」「はい!」
カカシの指示に二人は勢い良く返事をした。
「フ―…ワシも今日は橋作りでドロドロのバテバテじゃ!なんせもう少しで橋も完成じゃからな」
「ナルト君も父さんも余り無茶しないでね」
ツナミが橋作りに精を出す2人の身体を心配して言った。
ナルトは食卓へつくと疲れからグッタリしている、戦闘といたずらなら得意だが、これだけ大きな物を作るのは流石に疲れる。
「ふー…(壊すより作る方が何倍も大変だな)」
イナリはドロドロになるまで頑張っているその姿を見て、父カイザを思い出していた。
自然と涙が頬を濡らす…
「(なんで…なんで…)…なんでそんなになるまで必死に頑張るんだよ‼
修行なんかしたってガトーの手下には敵いっこないんだよ!」
椅子から勢いよく立ち上がり、ナルトに向かって吠えるように叫ぶ。
「いくらカッコイイ事言って努力したって!
本当に強い奴の前じゃ弱い奴はやられちゃうんだ!」
誰しもが言葉を失うその中で、ナルトは一つあくびをすると、耳の穴をほじりながら。
「で?…そんな事を突然言われた俺はなんてリアクションとればいいんだってばよ?…(…メンドクセェ…確かに不幸だと思うがこの世界じゃ割とありふれてる現実だろ…第一傷を抉ったのはピンクなんだからピンクに言ってくれ…)」
面倒臭そうに答えるナルトに唖然とする皆、イナリですら一瞬なにを言われたのかわからず、頭にハテナマークを浮かべていたが、次第に怒りに体を震わせ。
「お前見てるとムカツクんだ!この国のことも何も知らない癖にでしゃばりやがって!」
「…でしゃばるって…依頼が有ったから来ただけだ、呼んだのはお前の身内だろ?…文句なら俺達を呼び込んだ身内に言えよ…言いやすい俺じゃなくな、そんな度胸もねぇくせに吠えるな煩わしい…」
俺の言葉にイナリはタズナさんを見た、タズナさんはビクッと肩を震わせるも、真剣にイナリに向き合う。
「イナリよ…彼の言うとおりじゃ、ワシが任務を依頼したから彼等は来たのじゃ…言いたい事が有るならワシに言いなさい…」
イナリは一瞬逡巡するもナルトに向かって。
「うるさい!お前にボクの何が分かるんだ!
つらい事や悲しい事なんか何も知らないで、いつも楽しそうにヘラヘラやってるお前とは違うんだよォ!」
最後の方は喉が張り裂けんばかりの絶叫に変わっていた。
面倒くさそうに聞いていたナルトは静かにイナリを睨みつける、その瞳は人のモノではない、化け物と呼ばれる者の目…事実ナルトの中の尾獣達はナルトが抑えなければイナリどころか、この波の国を滅ぼしかねないほどにいきり立っている、そして全員がまるで巨大な何かに押し潰されるような圧迫感を襲う。
「(…ああ…なんだか腹立つな…)
何も関係ない?…当然だろうが!
逆に聞くが、貴様はオレの何を知っている?
自分の住む場所の奴ら全員に命を狙われた事が有るのか?
何日も食事にあり付けず、木の皮を囓った事は、動物の糞や毒を無理矢理食わされた事は?
汚物に塗れ血反吐を吐きながら、屍肉の海で殺しあった事は?
ツライ事を知らない?
好き勝手生きてる?
悲劇の主人公気取ってビービー泣きながら好き勝手言ってるのは貴様だろうが‼
自分が何もしないだけで
人に対して当たり散らす!
アホか貴様は‼
泣いて喚く程度なら誰でも出来る
お前がずっと泣いてきてこの国は何か変わったのか?
違うだろうが!
自分が努力もせずに何かが変わるわけがない!
最初から何もしてないのに勝手に自分の悲劇だけを語るな塵が‼
努力しても無駄だだぁ?
努力すらした事のないガキが吠えるな!
鬱陶しい‼」
豹変したナルトの剣幕にイナリは完全に怯え、サスケ、サクラも雰囲気のあまりの違いに驚愕している。
そんな中カカシはナルトの言葉を聞き三代目火影の言葉を思い出し顔を歪めた。
「アンタ言いす「アァ⁈」ヒィ……」
我に帰ったサクラが注意するが、ナルトの一睨みに声を詰まらせた。
ナルトは席を立つとそのまま部屋を出て行った、ナルトが出た事で全員の圧迫感は消え皆が冷や汗を流しながら荒く息をついていた。
「はぁ…」
一人になったナルトは後悔していた。
前世の記憶は曖昧だが、前世を含めると確実に二十数歳…ガキに憤るなんて俺はほんと馬鹿野郎だな…
いくら体に意識が引っ張られるとはいえ、あそこまで言う事ないだろうが…それにピンクやサスケの前で実力の一端を見せてしまうとは…一人森の中で頭を抱え自己嫌悪に陥っていた。
休みの日、終電の時、現実は幻と成り
伊集院光女医と岡部倫太郎の予言の如くに砕け散る
たとえどれほどの蔑みが待ち受けようとも
ダークフレイムマスターが来たり
ペンを持たされ一つ余さず書き尽くされる
我が妄想に響き渡れ、厨二な調べ開戦の号砲よ、皆すべからく二次創作の下に集うべし
かの日 親の涙と妹の裁きを
作者家から追い出されん
さらば家族よ
その時厨二病を許したまえ
厨二病患者よ今永遠の旅立ちを与える、エル・プサイ・コングルゥ
妄想より溢れよーー厨二至高天‼