暇つぶし投稿の不定期更新に成りますがお付き合いいただけると幸いです。
では三話目です
ナルトがアカデミーの資料とは違うのではと考えカカシは三代目に会いに家を訪れている。
「三代目、ナルトについて聞きたいことが」
「……ナルトについてか……どう考えておるのじゃ?」
カカシ自身四代目の教え子で、ナルトが四代目の子供で九尾の狐の人柱力である事は知っている、彼の倅を自分が指導出来ると知った時、もともとナルト専属の暗部に入りたいと火影に直訴していたほどナルトの事を気にかけていた彼はいちにもなく引き受けた。
もともとアカデミーの成績でナルトがドベで才能の欠片も無いと知っていたので、どのように修行を着けるか迷っていた……今日出会うまでは。
「…(俺の事を知っていた…当然調べれば軽く出る範囲内では有るが、それでも今日俺が担当上忍になると知って放課後までに調べられる内容では無い、それに頭の良いサクラが気がつかなかったアカデミーの卒業試験の事も理解していたし、あえて軽く脅し判断力を鈍らせるつもりだったのにナルトには効果がなかった)………実力を隠している……そう考えています」
それを口に出してカカシは僅かに後悔した、なぜならカカシの目には三代目が最強の忍びらしからぬ年相応の疲れ切った老人の姿で、悲痛に…まるで自分の罪を後悔するかの如くにその顔はゆがませているように見えたからだ。
「(まあ、ナルトが両親に修行をつけてもらっておるのが強い理由なんじゃが……しかしそれは話せんし…どうしたもんかのぉ……適当にでっち上げるしかないじゃろ)………ナルトは…あの子はの九尾を宿し里の大人達からは憎悪を子供達からは意味のない悪意を一心に受けておる……
買い物に行っても商品を売ってすらもらえず…木の実等を自分で手に入れ飢えをしのぎ……たまに与えられた食事には毒が盛られ、町を歩けば言われない誹謗中傷や暴力の嵐、時には暗部を含めた忍び達すら…………
ナルトはの…理解しているのじゃ、なまじ力があると人はその存在を消そうとするとな………
だから自分を害の無いように演じてたんじゃよ……違うかの演じなければ生きる事すら出来なかったのじゃ
“こいつは弱い、何も出来ない、いつでも殺せるから出来るだけ苦しめて(生かして)から殺そう”…
そう思わせとけば当分殺されることはないからじゃ……
しかしそれでは足りない暴力に耐えられる身体が…自分で毒や術・怪我を治療し死なないように…生き抜く為に強くなる必要があったんじゃよ…カカシよ考えてもみよ、ナルトはそんな生活を10年以上もしいられていたんじゃ。
ナルトにとってはこの里は戦場…それも最前線に等しい、最前線で10年も戦い続けたのであれば忍びとしては一流と呼べるじゃろ……」
三代目から語られた壮絶と呼べるナルトの(偽)人生…自分の恩師の子供で有りながら何もできなかった、何もしなかった自分に腹を立てながら、カカシは必ずナルトを一流の忍びとして育てあげることを固く誓い三代目の家を後にした。
カカシが去った部屋で三代目猿飛ヒルゼンは難しい顔をして。
「(やばいの…勢い余って随分とナルトが酷い目に有っていたみたいになっとるんじゃが……まあカカシが他人に話すとは思えんし、嘘は少ししかついとらん、ちょっと誇張しただけじゃからの……やる気になってくれたみたいじゃしいいじゃろ)…それよりも今度何処に旅行に行こうかのぉ」
わりと内心では気楽な事を考えながら、悠々自適に隠居生活を満喫していた。
☆
試験の日朝飯はしっかり食べ、母さんにおにぎりを作ってもらいヒナタを送ってから演習場に行くと九時を回っていた。
「遅い‼ ナルトあんたなに遅刻してんのよ 今日は大事な試験日なのよ!」
うるせーなピンク、おおかたサスケと会話が続かないとかそんなんで俺にあたるなよ。
ピンクが怒鳴るは、サスケは木にもたれかかって目をつぶって不機嫌オーラを出すはでめんどくせー状況だ。
鞄を枕に浅く意識を落としクラマ達に会いに精神世界に潜った。
「皆 今日のことなんだけどよ」
『わかっとる できるだけ気配を消しておくから安心しろ、里の奴らに封印が解かれているなど知られる訳にはいかないしな』
「そうだってばよ、ゴメンな〜俺の都合でお前達には迷惑をかけてばかりだってばよ」
『がはは…気にすんなよナルト! 他の人間に比べればお前のわがままなどわがままに入らん』
『ええ、本当に それに貴方の中はすごしやすいですから』
「ありがと孫、又旅そう言ってもらうとこの空間を作ったかいが有るってもんだってば」
俺の精神世界は今広大な草原と豊かな湖が広がっている、流石にあの水路に尾獣達を入れるのは可哀想になり、母さんに聞くとうずまき一族の結界忍術で何とかできると知り修行をつけてもらった。
現実の大地を結界で囲いその空間内の自然チャクラだけを固定化し抜き取り俺の精神世界に定着する、すると囲った現実の大地が精神世界に再現出来るという何とも便利な術、さらに追加で入れたい時も同じ要領で入れられるので色々な種類の草花や畑牧場を作り尾獣達にはノンビリすごしてもらっている、時間の経過もある程度ならコントロール出来るので現実では短時間でもこの空間なら数時間は休める。
使えるモノがうずまき一族でかつ仙術を会得していないと使えない欠点も有るが既に俺は会得しているので問題に成らない、もう一つ欠点といえば意識しないとばほぼ常時仙術モードに入ってしまう事だがこれも慣れれば大丈夫だった。
『ナルト そろそろ起きろ…カカシの奴がこちらに向かってくるぞ』
どうやら気持ちよすぎて寝てしまったらしい、クラマに起こされたようだ。
「おはようクラマ ありがとな」
『気にするな、さっさと行け』
「おう‼」
皆の応援を聞きながら現実世界に戻ると。
なぜかこちらを睨んでくるカカシと目が合った。
「おはようナルト…試験日なのによく眠れるね?(……先生すみませんでした…ナルトは必ず俺が立派な忍びにして見せます)」
何だ?睨まれるようなことはしてないはずだぞ?
「おっそーい」
「やあ 諸君おはよう」
ピンクがカカシに突っかかっている間におにぎりを使いカカシに好感を上げようと思いサスケ、サクラに聞く。
「落ち着くってばよサクラちゃんこれでも食べて機嫌直すってばよ サスケも試験前にどうだ?」
「ナルトあんたバカじゃないの試験前なのよ‼」
「ウスラトンカチが 」
まあ予想通りだなー、まあこの程度ではカカシに対するアピールとしてはまだ甘い重要なのは俺が仲間(笑)思いだと思わせる事。
「そんな事言うなってばよ、俺はお前達の事仲間だと思ってるから渡すんだってば、腹減ってたら力なんてでないってば、皆で合格しようってばよ‼」
カカシは俺を見て少し驚いた顔をしていたが、直ぐに俺しか気が付かない程度に僅かに笑い。
「(……ナルトはどうやら忍びとして一番大事な事をきちんと理解しているみたいだな……ミナト先生貴方のご子息はきちんと貴方の意思を継いでるみたいですよ)……ナルト俺が美味い弁当用意したから試験終わるまで待て」
「わかったってばよ!」
まあ十分効果は有ったと見て良いだろう、おにぎりを鞄にしまう間にカカシは十二時に目覚ましをセットし三本有る丸太の前に立ち。
「「?」」
サクラとサスケは首をひねり何事かとカカシを見る、俺は竹筒の水筒から水を飲みながらカカシを見ているとポケットから鈴を二つ取り出し。
「ここに鈴が二つある……これを俺から昼までに奪い取る事が課題だ、もし昼までに、俺から鈴を奪えなかった奴は、昼飯抜き!」
カカシは丸太を指差し。
「あの丸太に縛り付けた上に、目の前で俺が弁当を食うから」
「「(朝飯くうなって…そういうことだったのね)」」
ピンクは腹を押さえ、サスケは眉根を寄せ青筋立てながら盛大に腹の虫を鳴らした。
だからおにぎり食えって誘ったのに。
「鈴は一人一つで良い 二つしか無いから……必然的に一人は丸太行きになる……で!
スズを取れない奴は 任務失敗ってことで失格だ!
つまり この中で最低でも一人は学校へ戻ってもらうことになるわけだ……」
「先生‼ 皆で協力してスズを取りに行ってもいいってば?」
「ナルトあんた話聞いてた? スズは二つしかないのよそんなの早い者勝ちに決まってるじゃない」
「ふっ……ウスラトンカチが」
お前らこそ話聞いてたのかよ何の為の班だ、イルカ先生はスリーマンセルで任務に当たるっていってたろうが、つまり一人でも落ちたらスリーマンセルが成立せずに皆落ちる可能性だってあるんだぞ…俺は盛大にため息を吐き。
「サスケ、サクラちゃん俺はお前達と合格したくて「そこまでだナルト」」
俺がさらに試験のヒントを話そうとするとカカシ先生が俺を止めて優しく微笑み。
「そろそろ時間だ…(間違いないナルトはこの試験の答えに、これなら合格で問題ない)……手裏剣使ってもいいぞ。俺を殺すつもりで来ないと取れないからな」
「そんな…危ないわよ」
ピンクがいち早く反応するが…いい加減その空っぽな脳みそ使えよ下忍の攻撃がまともに入る上忍なんているかよ。
それとサスケお前も俺の事舐めんなって顔で睨むな。
「サクラちゃんはイルカ先生に勝てるってば? 勝てないなら心配ないってば上忍は中忍よりも強いってばよ」
「なるほど…ナルトにしては冴えてるじゃない」
このぐらい言われずに気づけよ、本当にアカデミートップなのかこのピンクは頭ん中までピンクじゃないだろうな。
二人が真剣な顔になり、俺も気を引き締めると。
「3人ともオレを殺すつもりで来る気になったようだな。
それじゃ、演習を始めるぞ! よーいスタート‼」
開始の合図と共に三人は身を隠す為に散らばった。
☆
散らばって直ぐ俺はピンクの元へ行く、驚かせないようわざと木々を揺らしてピンクの横から出て。
「ナルトあんたなにしに来たのよ」
「サクラちゃん、提案があんだってばよ一緒にスズ「嫌よなんでドベのあんたなんかと一緒に鈴取りしなきゃなんないのよ」……(…この中で一番実力無いのはお前だろうが…)」
割と本気で切れそうになりながらも我慢し表面上はにこやかに笑って。
「ほら、サスケも誘ってさ三人で「サスケ君を誘うのは賛成だけど足手まといは要らない」……わかったってばよ」
好きでもなんでもないがここまで嫌われると逆に清々しい、もうピンクは諦めよう。
直ぐにピンクの元を離れサスケの隠れた場所に向かい。
「サスケ話があ「断る」……せめて最後まで言わせて欲しいってばよ」
俺が何かした?なんでそんなに扱いがぞんざいなの二人とも。
二人ともに話すら聞いてもらえないことに若干諦めかけていたら、何を勘違いしやがったのか。
「ふん、俺を誰だと思っている?五代目火影うちはイタチの弟だぞ…いずれ兄さんの補佐としてこの里を背負う俺にとってこの程度試練にも入らない…ナルトお前は俺の力を借りたいんだろうがこの程度の任務一人でこなせないようなら忍びを辞めろ」
ブチッ!
俺の中で何かが切れた音が聴こえた……。
「…もういい……」
「ナルト?…(馬鹿なこれが本当にナルトなのか?…見ているだけで呼吸が苦しい…膝が震える…)」
ゆらり、ナルトは立ち上がり森を抜けカカシと対峙する、うつむいてるせいでその顔がどんな表情をしているのかはカカシには見えないが、まとう雰囲気が尋常ではない事を肌で感じている。
「…ど……どうしたんだナルト⁇…(この短期間に何かあったの?)」
カカシの声に反応し顔を上げ、ギュピーンと瞳を紅く輝かせ。
「さあさ、楽しい 楽しい 勝負の始まりィッ!
いざ、尋常にしょォォぶ! しよォォかぁァ‼」
「エ⁇」
カカシは混乱の極みに有るが、そんなもんは知らんと手裏剣を投げ一瞬で印を結び手裏剣影分身の術で無数に分身した手裏剣がカカシを襲う。
「ナニ?…(早い俺が目で追えない程の早さの印だと‼)」
カカシは手裏剣を土遁で咄嗟に地面に潜りやり過ごすが。
「おらァ」
俺は地面を殴り地面ごとカカシを潰そうと地面を殴った、咄嗟にカカシが地面から飛び出し、地面だけが隕石が落ちたようなクレーターと地割れが刻まれた。
「おかしいなァ〜、今ので終わらせるつもりだったのに」
「ああ、終わってたよ俺以外ならな……ナルト…何か有ったの?」
「……だってさ…誰も…(この試験の)…話を聞いてくれない‼」
カカシにはそれは魂の叫びに聴こえた…今まで孤独に耐え生きてきた少年の、おそらくピンクやサスケに無視されて限界にきたんだろう。
「ッ…(ナルト…今までそんなに辛かったのか…俺はお前を無視したりしないぞ‼)…ちゃんとお前を見てやるよ…かかって来い‼」
そしてカカシは額当てを上げ写輪眼でナルトを見つめ。
「いくぞォ‼」
カカシとナルトの戦いは壮絶を極めた、周囲の地形を変えピンクとサスケが逃げ惑う、その中で何度もカカシは膝を屈しそうになるがその度に。
「(ここで倒れたらナルトがまた人を信じられなくなるかもしれない…だからまだ動けェェ!俺の体ァ‼)」
と自身の体に鞭打ち限界以上の力を出して戦い抜いぬく。
そのせいで目覚ましが鳴る直前で鈴を取るのが目的だった事を思い出したナルトに鈴を取られるまで続けられた。
ーーーーー数分後三本の丸太があった場所で
今俺はピンクとサスケの二人とカカシに向き合って居る。
今カカシは身体中に傷を負い息も絶え絶えどっからどう見ても満身創痍だが目だけはその光を強く保ったまま俺たちを見据えて居る。
「……いろいろと言いたいことがあるが…(言わないといけないけどもう限界…早く医者の所に行かないと本気で死ぬ)…とりあえずピンクとサスケ……お前達はアカデミーに戻る必要は無い」
ピンクは何故かガッツポーズを取り喜んでるし、サスケは当然だと鼻で笑ってやがる…この二人もうやだ…ヒナタかイノの班に行きたい。
「お前達二人は忍者を辞めろ…ナルトは文句無しの合格以上…弁当は勝手に食っとけ……(ヤバイ意識が落ちそう血を流しすぎたか…)」
カカシの言葉に二人は唖然として馬鹿ずら晒してやがる、当然だろうが俺とカカシが戦っている中で加勢するでもなく逃げ回ってんだから…確かに下忍ですらないこいつらに
あの戦いに参加するのは難しいかもしれないけど。
二人が何かを言う前にカカシは瞬身の術でこの場から消えた。
俺は原作みたいに俺達の事を監視しているのかと気配を探るが近くには何処にもいないみたいだ念のためにアホ二人に。
「俺はおにぎり有るから、お前ら弁当食っとけってばよ」
「ッ……なんで万年ドベのあんたが合格で私とサスケ君が不合格なのよ‼」
親切で言ってんのにピンクの野郎は俺にきれやがるし…まあいい俺は合格できたみたいだしこいつらにかまってやるくらいなら家でヒナタと合格を祝った方が万倍マシだ。
「お前らが鈴取れねえのが悪いんだってば…しかもアレだけヒントを出したのにこの試験の本当の意味も理解してないし…忍びに成る資格のないガキと思われてもしょうがないってばよ」
俺が試験に落ちた理由を話してやってんのに、サスケが苦無を構え。
「俺と戦えナルト、俺がお前よりガハッ!」
言い切る前に鳩尾に掌底を叩き込み腕の関節を極め背後から体重をかけ動きを封じ。
「お前アホだろ忍びなんだから自分より強いやつに真っ向から挑むなってば、忍びは騙し討ち、裏切り、暗殺上等だってばよ」
そのまま殴りやすいサスケの後頭部をひたすら死なない程度に殴る。
「お前が…反撃するまで…殴るのを…辞めないってばよ‼」
アレ⁇…腕極めて動き封じてるからこのままだとサスケ死ぬんじゃね?…
「サスケ君をいじめちゃダメー‼」
うるせえよピンクいい加減そのカラッポの脳みそ使えよ、お前が一番忍びに向いてないんだろうが。
サスケをピンクに投げ、サスケを受け止めきれず倒れたピンクをサスケごと丸太にくくりつけ演習場を後にした。
☆
その日の午後治療を終えたカカシがナルトの件についてどうしたらいいか相談しに三代目の元に行きドアの前に立つと中から声が聴こえた。
「だからじいちゃん俺ってば暗部に戻るつもりは無いっての、そもそもじいちゃんの頼みだから任務こなしてただけだってばよ、それに俺にとってはヒナタとそのの家族、猪鹿蝶の家族、俺付きの暗部、カカシ先生とイルカ先生、一楽のおっちゃん達それからじいちゃん以外はどーだっていいんだってば、里なんてどーでもいいってばよ」
「はぁー、仕方ないのぉ」
「それからじいちゃん五代目が俺に暗部付けてるけど……殺していいんだよねェ⁇」
「ッ!……待つんじゃナルト‼…これからは暗部はお前付きの者たちだけじゃ五代目にも徹底させる」
「わかったよじいちゃん…それとじいちゃん木ノ葉が俺の味方なら何もしない、でも一度でも俺や俺の大切な誰かを傷つける行為をするようなら俺は木ノ葉を潰す…俺の力は里の為でなく俺の大切なモノの為に使う…そこの所しっかりと五代目に教えといてね……で?…いつまで盗み聞きするつもりですか?カカシ先生」
カカシはドアを開け。
「はは。お取りこみ中失礼します」
俺はカカシを見て笑顔を向け。
「先生今日はありがとだってばよ」
礼を言ってじいちゃんの部屋からでた。
部屋に残された二人話し始めたのはカカシだった。
「(ナルト………)よろしかったのですか?三代目」
「…仕方ないじゃろ…ナルトにとってこの里は護る価値のないものなんじゃよ…ナルトの生い立ちを考えればわかるじゃろ…あのように育ってしまったのはワシらの責任じゃろうて…」
その言葉をしっかりと胸にしまい、今日の演習について三代目に報告をした。
厨二こそ我らにして、
そして我が妄想あらゆるモノを書き尽くすペンである。
いかなるモノも我がペンを止めるにあたわず。
天主よ、永遠の厨二病となれ‼