暇つぶしで書いたナルトに転生   作:ペンウッド英国無双

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感想ありがとうございましたm(_ _)m

まさかの20話めです…何がビックリってここまで続いた事ですね、まだまだ書きたい事が有るのでこれからもよろしくお願いしますm(_ _)m


暇つぶしで書いたナルトに転生20

9戦目が始まってからテンテンは多数の武器をヒナタに向かって放つが、ヒナタがわずかに体を動かすだけで擦りもせずに全て回避されている。

 

「……やっぱり当たらないか…(どうしよっかな…)」

 

苦無をもてあそびながら、ヒナタを見るが彼女は白眼すら発動せずに静かに立ったままだ。

 

「(やれやれ…やっぱり強いなぁ勝つ事は難しいかな、でも先輩としてただやられるワケにはいかないんだよねぇ)」

 

テンテンは親指を噛み血を流すと背後の空間を叩くと、背後の空間が揺らぎ無数の刀剣がその姿をさらす、その数は三十を軽く超えるだろう。

 

これこそがテンテンの奥の手の一つ、彼女は同期のリーと違い何でも出来た、しかしどれも三流以下、一つのことを覚えるために十以上繰り返さなければ覚えられず、一つの技を習得するためには、百以上繰り返さなければ習得出来なかった、しかしどんなに鍛えても、どんなに努力しても精々一流に届かせるのが限界だった。

特に術に関しては酷いモノで自分に会う相性の術が無くどれほど努力しても思うように結果が伴わず何度も挫折しそうになった。

 

しかし、出来る事をしていこうといろいろなモノに手を伸ばした結果、武器を扱いが他人と同じレベルで扱える事、さらにナルトと一緒に修行した結果アカデミーでは教えていない時空間忍術の才能が有る事がわかり、その後はただそれだけを必死に修行していき、今では自分専用の異空間に大量の忍具や武具を居れて好きな時に打ち出せるほどになっていた。

 

「さて…今までみたいにちまちまやってたらいつまでも決着付きそうに無いから本気で行くわよ‼」

 

テンテンの背後に展開した武器はヒナタが回避出来ないようヒナタとその周囲に至るまで一斉に打ち出された、それはまさに武器の弾幕、それ等が止まる事無く連続投射されてただ一人の相手に向い撃ち込まれる。

 

ヒナタは無数に飛来する武器から手頃な武器を手にして、流れるような動作で次々襲いくる武器を、ある時は払い、ある時は撃ち落とし、ある時は切って捨て手にした武器が使えなくなれば新しい武器を手に再び繰り返す。

 

人一人に対するには余りにも巫山戯た物量攻撃、しかしそれだけでは止められないそんな事は知っている、武器を連続投射しながらも異空間から黒塗りの弓と柄が短く刀身が長い…ここでは無い世界にて黒鍵と呼ばれる剣が現れ地面に立つ。

 

その一振りを弓につがえ目の前の相手に向ける。

 

それは黒鍵を模したチャクラ刀に術式を練りこんだ一振り、チャクラを練り込めば込む程に威力と射程が上がりその使用者のチャクラ特性を纏うテンテンの切り札…

本来は近接で戦う事を苦手とするからこその遠距離装備。

 

テンテンは自分に込められるだけのチャクラを練り込んでいく、もとより勝てる筈など無い勝負、それなら様子見でチャクラを無駄に消費するより、ただ一撃に全てをかける事を選んだためだ。

刃の周囲に紫電が迸り圧縮されたチャクラが逃げ場を求めて溢れる、そのチャクラはテンテンの時空忍術の特性ゆえ空間をゆがませ。

 

「穿て‼」

 

打ち出された黒鍵は時空を抉る必殺の一撃となり、未だ武器の嵐と打ち合うヒナタに凄まじい速度で向かう。

 

武器を撃ち落としながらテンテンの術式をの力を感じていたヒナタは、矢が放たれると同時に波紋の呼吸で肉体を活性化させ右手に螺旋丸を作る、左手だけで襲いくる弾幕を打ち払いながら螺旋丸に黄金の回転を加えることで螺旋丸を中心に凄まじい力が渦巻き眩い光の球となって手の中に集まり続ける。

 

質、量共に異常な【力】五影どころか尾獣すら凌駕する程の純粋な【力】はさらに増大していく、その影響は周囲にまで及び閃光の如き輝きは会場を眩く照らし、暴力的な風が周囲の弾幕を吹き飛ばし。

 

「はぁぁぁぁぁ…【黄金螺旋丸】‼」

 

無限に増幅していく黄金に輝く光の玉と時空を抉る漆黒の矢、始めは矢が勝っていたが次第に黄金の玉に押され拮抗状態を創り出している、しかしそれもわずかな間だけで後少し経てば押し切られるだろう。

 

そうなれば負けるのはテンテンの方だ、既に殆どのチャクラを出し切ったテンテンに黄金螺旋丸を止める術は無い。

 

それでもテンテンは不敵に笑う…全てはこの瞬間の布石に過ぎないから、はじめに武器を投げヒナタが移動しない事を確かめ、次にワザと広範囲にばら撒いた無数の弾幕と共に必要な陣を組み上げた上で、足止めと知られないよう全力で必殺の一手を打ちヒナタをその場に抑え込む…そして最後の一手の為に虚空より術式が編まれた苦無を取り出し地に突き立てた。

 

会場に敷かれた陣に龍脈からのチャクラの供給が行われ、陣の基盤となる苦無が青白く輝きを放つ、この術にテンテンのチャクラは必要ない、必要なのは龍脈に正しくアプローチする手順のみ、それ故に特殊な才を必要とせず万人が同じ様に使える。

 

テンテンは自分に才能が無い事を知っている、弱い事を理解している、だからこそ慢心せず奢らず、勝利の為の布陣を敷く。

 

「【煉獄業火】」

 

試合会場の壁に敷かれた陣から赤黒い炎が溢れ、テンテンの周囲以外の全てを埋め尽くした。

炎の勢いはとどまる事が無く燃え続ける、この術は術の基盤となる苦無が燃え尽きるまで続く。

 

「(勝ったの?……)」

 

燃え盛る炎の中心、ヒナタがいた場所に眩く輝くドームが生まれ一気に肥大して試合会場全体をテンテンごと吹き飛ばした。

 

「【八卦掌・黄金回転】」

 

光のドームが晴れた中心にはヒナタが無傷で立っていた。

 

「勝者、日向・ヒナタ‼」

 

ヒナタとテンテンの戦いが終わり、十試合目に草忍のキン・ツチと日向・ネジの試合が始まると終始ネジが圧倒し試合を終わらせた。

 

 

 

 

 

予選を終えたナルト、ヒナタ、イノ、シカマル、チョウジはテンテンの「予選通過おめでとう会と、ナルト君達にいろいろと話したい事と聞きたい事が有るから家に来なよ、家は中華屋だからナルト君の好きなラーメンも有るよ」との言葉にテンテンの家に向かっている。

 

他愛も無い会話をしながら、表向きのナルトがやっていた任務の事や日々の修行、何処の料理が美味いとかそんなありきたりの事を話しながら仲良く歩いていたが、有る通りに差し掛かった時に急にナルト達の雰囲気が変わり。

 

 

「すまない…ここから先には俺は行けない」

 

木の葉にはナルトが行けない場所が幾つも有る、なぜなら木の葉の大人達はナルトを憎んでいる者達が大勢いるからだ、そして目の前の通りも通るワケには行かない場所だった。

 

「すまない…」

 

顔を強張らせ、後ずさるナルトと憎しみのこもった瞳で目の前の通りを睨むヒナタやイノ達からただ事では無いと感じたテンテンが。

 

「どうしたの?。もうすぐ家に着くけど」

 

三代目が九尾の事を子供達に伝えては成らないとしている以上、ここで伝える事はナルト達の事情に付き合わせる事になる可能性が有る、どうするか迷ってしまいそれが悲劇を生む結果となった。

 

「おや、どうしたんだテンテン……なぜ【狐】がここに居る‼」

 

ナルト達の前にテンテンの父親が現れこちらに気がつくと気さくに声をかけて来たが、ナルトの事に気づいた瞬間その顔を憎悪に歪め叫ぶとテンテンの横を何かが通り過ぎた。

 

何かがぶつかる音と地面に手裏剣が地面に散らばった、攻撃を受けたナルトには傷らしい後はなかったが、テンテン達の動体視力を持ってすれば誰が誰に投げたのかなど簡単に見抜けたが理解したくなかった…なぜいつも気の良い父親がナルトに攻撃したのか、なぜそんなにも憎しみに満ちた目でナルトを見るのか、わからなかったから体が追いつかなかった。

 

しかしテンテン達が混乱から覚める前に状況は動き出す。

 

「化け狐が出たぞォ‼」

 

テンテンの父親の喉が避ける程の絶叫と共に周囲から次々と人々が現れ、彼らは皆一様に憎しみの目でナルトを見ている。

 

ヒナタやイノ達がナルトを庇う様に前に出るが、それをナルトが手で制しした、そんなナルトにテンテンの父親が殴りかかる。

 

テンテンの母は、少しでもナルトから遠ざけようと力強く引きずって行く。

 

「離して!何でナルト君に……」

 

「【化け狐】の事は忘れなさい!…こんな事になるから【化け物】を忍びにするなんて嫌だったのよ!」

 

そう叫んだ顔はテンテンには醜く歪んで見えた。

 

「(誰?…こんなのが私の親の筈が無い…この醜い化け物は何なの⁇」

 

いつも優しい両親が、自分と同年代の少年に向かって隠す事もなく憎悪を曝け出している、自分の両親なのかと錯覚したぐらいだ。

 

ヒナタ達はナルトに頼まれ手出しをする事が出来ない。

 

実力があれば更に酷い仕打ちを受けるから、甘んじて周囲の悪意を受け続ける。

 

「お前が沢山の人を殺したんだぞ…四代目もお前が殺したんだ」

 

集まった人々の誰が放った叫びが響き渡る。

それぞれの手に武器になるモノを持ち、その顔を憎悪に染め上げ徐々に近付いてくる大人達。

 

ナルトが抵抗しない事を確認すると一人が。

 

「お前が俺の両親を殺したんだぞ‼」

 

怨恨の込められた言葉と同時に、手に持った斧でナルトを強打する、喰らった頭部は割れ大量の血が噴き出す。

 

ナルトは意識が持って行かれそうになるが、必死に意識をつなぎとめた。

金髪の髪は朱色に染め上がり地面に血溜まりを広げて行く。

 

【親友が殺された!】

 

【両親と妹がお前のせいで死んだんだ!】

 

【何でアイツらが死んで…お前が生きてる⁉】

 

それぞれの言葉と共に繰り出される暴力は、頭部だけでなく全身を殴打し切り裂き続ける大人達…。

 

「(ああ…やはりこの世界は狂ってる)」

 

薄れ行く意識の中で、世界の異常を再確認していた。

 

三代目は【木ノ葉の里にいる者全てが家族】と言っていたが実際にはどうだ⁇

ナルトの身体に【九尾】が封印されているのは確かだが、自分から望んで封じたわけでは無い、むしろナルトこそが一番の被害者と言えるだろう。

 

そもそも、生まれたばかりで【九尾】の事件に関わる事などできる筈が無い、それにナルトに封じられなければ九尾はさらなる被害を木の葉にもたらりていた筈だ、ならばナルトが木の葉を守ったとも言える。

 

ナルトは必死に耐えていたが、だが耐えられない者達が居た、それはナルトの中に居る尾獣達。

 

『すまんナルト…もう我慢の限界だ』

 

突然変わったナルトの雰囲気、頬にある3本の傷が深くなり、碧眼の瞳に憎悪が混じり金色に輝き、犬歯が獣の牙のように鋭くなる。

 

溢れ出す【九尾】のチャクラが周囲の全てを薙ぎ払わんと建物や地面を抉る。今まで無力だからと理不尽に暴力をふるっていた大人達は【ナルト】の放つ殺気に身体を震わし、手に持っていた凶器が落ち、地面に座り込む者や小さな悲鳴と共に逃げ惑う者達。

 

里の大人達は【ナルト】の姿を眼にした途端恐怖に顔を歪ませ。

 

『貴様らが続けて来た戦いの歴史が生み出した歪みを…その責を…全部【ナルト】に擦り付けるなァ‼』

 

『里を守る為だと言って!…ただ森の奥深くで静かに暮らしていたのに、やられたからとやり返す権利が有るなら!貴様ら人間の都合で平穏を奪われた【九尾(俺)】こそが人間を滅ぼす権利が有るだろうが‼』

 

『人間を憎む事で自己を保っていた俺を【友】と読ぶ【ナルト】の気持ちが貴様らに解るか⁉…人々の憎悪を幼い頃からその身に受けていた【ナルト】はどうやってその苦しみを吐き出せば良い‼』

 

『全て消えろ』

 

ナルトの右手に極小尾獣玉が造られる、しかし意識は【九尾】でも体はナルトだ今まで意識的に封じていた【ナルト】の力は凄まじく、更に極小尾獣玉に黄金の回転が加えられた事により漆黒の球体に黄金の輝きが灯る。

 

放たれれば木の葉の里は消し飛ぶそれが放たれる寸前で。

 

【秘術・心封身の術‼】

 

【八卦掌・大回天烈波‼】

 

【秘術・影喰らいの術‼】

 

【秘術・武装倍化の術‼】

 

山中・イノイチの心封身の術で九尾の意識をナルトの体に封じ。

 

日向・ヒアシの大回転烈波、本来の大回転が体を守る防御の技だが、この技はヒアシ本体を残し回転するチャクラだけが敵に向かう、それが尾獣玉を撃つ前の手を弾き。

 

奈良・シカクの影喰らいの術が尾獣玉の影を喰らい、影が小さくなる毎に尾獣玉も小さくなる。

 

最後武装色の硬化と倍加の術によって強化した秋道・チョウザによって軌道を逸らした。

 

イルカはナルトを抱えリンチした大人達から離れ、容体を確認する。

 

弾かれ逸らされた尾獣玉は木の葉の外に出たが森を消し飛ばし一直線に破壊の嵐を撒き散らした。

 

「ヒナタ、お前達はナルト君を病院に」

 

「父上…」

 

「何も言うな…此処は我らに任せておけ…」

 

【白眼】を発動し憤怒の表情で里人を睨むヒアシ。

 

「シカマルお前も坊主を連れて行きな…」

 

眼の前にいる大人達に殺気を向けて自分の横に並ぶ息子を促す奈良家当主。

 

「殺そうとしたんだから、死ぬ覚悟は出来てるよねェ⁈」

 

温和な表情を見せていた秋道家当主が、里人に隠す事なく殺気を向ける。

 

「お…俺達はこの里を守ろうとしただけだ!」

 

里人が震える声で言い周囲も「そうだ」と叫ぶ。

その時「里を守る」などと言った里人の額に山中家当主が投げた苦無が突き刺さった。

 

「黙れ…お前達はもう喋るな、貴様等は震えながらでは無く…ただ藁の様に死ね」

 

「皆殺しだ……」

 

イルカが呟いた一言が引き金となり、その日木の葉の里の一画の人間の殆どが殺された、その殺戮は三代目の敷いた掟【九尾】が【ナルト】に封じて居る事を不用意に話した罰として、イルカや当主達は罰せられる事は無く、逆に生き残った者達に厳罰が課せられた。




人の歴史とは妄想を具現化して発展して来たのだ、空を飛びたいから飛行機を作り、宇宙に憧れたからロケットを作った、大切な者を失いたくないから医学が生まれた。
これらは過去魔術と言われ迫害され奪われたモノ達、されど夢(妄想)を抱きなお進歩した先達者達が居たから今の世に彼らの妄想が具現化したのだ…
厨二同志諸君、笑われていこうじゃないか…いつの時代も何かを成すのは外れた者達だ。

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