チャゴス?いえチャールズですよこいつは!!   作:ディア

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独自解釈有りです。


チャゴスの修行と最終試練!その結果は?!

~翌日~

チャゴスは闘技場に来てナッジの指示を受けていた。

「さて、チャゴス。質問をするぞ。戦闘において必要なことはなんじゃ?」

ナッジがそう言ってチャゴスに答えを出させようとする…自分の口から答えが出ると頭に残るためである。

 

「経験でしょうか?」

「確かに経験も大切じゃが、経験だけではどうしようもないこともある。それになまじ経験があると格上の相手に怖気つく可能性もある…他には?」

 

「身体能力でしょうか?」

「む…確かに身体能力が優れていれば戦いで優位に立てる…だが人間かそれ以上の知性を持つ魔物では通用しない場合もある…」

 

「…わかりません。」

「わからぬか?では…ワシはそこにおる脳筋(教官)と腕相撲をすると仮定する。どちらが勝つか予想はつくじゃろう?」

「…ナッジ老師が勝つと思います。」

「はっはっはっ…ワシも過大評価されたものじゃ。十年以上前ならそうだったかもしれぬが今のワシではこやつに勝てんよ。こやつは身体能力はワシを遥かに凌いでいる。」

「…」

「当然身体能力が優れている以上こやつの方が純粋なスピードも上だしパワーも違う…じゃが、ワシは戦闘においてこやつに負けはせんよ。」

「!?どうしてですか!?」

「まあ、お主がワシに攻撃した方が早い。これだ!と思うような一撃をワシに当ててみろ。」

ナッジはそういいひのきの棒で構える。

「はあ…では行きます…!」

チャゴスは無心にして…奇跡の剣でナッジに襲い掛かる。

 

ズザザッ!

ナッジは砂煙を上げて後退はしたものの、先日戦ったアークデーモンよりも硬く、そして手応えがまるで大木を蹴った感覚と同じ感覚だった。

「今の感覚わかったか?」

「はあ…むちゃくちゃに硬かったですね。どうしたらそんなになるのでしょうか?」

「うむ、ワシはお主の無駄な力をお主の方向に向けさせて打ち消したという訳じゃ…それにしてもお主は大したものじゃよ…ワシがここまで後退するのは久しぶりじゃ。」

「ありがとうございます。」

 

「ワシがお前さんの攻撃を最小限に済ませた原因はもう一つある。それは気というものじゃ。」

「気…ですか?(DBのあれか?)」

「気とは自分の身体の中にあるエネルギーみたいなものじゃ。この呼び名は色々あってとある地域では闘気と呼ぶ場合もある…これをコントロールしたことによってワシはお前さんの攻撃を最小限まで抑えた。」

「(話しを聞いているとテンションみたいなものか?)」

「気は溜めることも出来る。ワシを始めとした武人などは多少の興奮作用があることから『テンションを上げる』という…気を解放し攻撃すると最高火力の攻撃が生まれ、逆にテンションが上がった状態で防御するとメタルスライムやはぐれメタルすらも凌ぐ防御力が出来る。」

「なるほど…(やっぱりこの辺は原作と変わらないな…)」

 

「更に気のコントロールを極めた際には気そのものを使って攻撃したり、魔法を使わずに空を飛べるという舞空術もできるようになるらしいのじゃが…ワシには出来なかった。まあこれは余談みたいなものじゃな。あまり気にするでない。」

「(そこら辺はDB要素もあるか…なるほどな。)わかりました。」

 

「お主がやることは二つ。一つ、柔軟性を付け闘技場のモンスターを戦い出来る限りダメージを最小限に済ませること。もう一つ、気のコントロールの修行じゃ。ええな?」

 

「質問よろしいでしょうか?」

「うん?」

「闘技場を使っても良いのでしょうか?それにモンスターは大丈夫なんですか?」

「その件は心配はいらんよ。この闘技場のオーナーに許可はとってある。モンスターが死んでも生き返るようになっておる。安心せい。これで質問はないな?」

「ありません。」

「うむ。では準備運動から始める。」

「サー!イエッサー!」

 

その後チャゴスは準備運動を終わし、闘技場のモンスターと戦った。ナッジはモンスターと戦い終わるたびにアドバイスを送ってチャゴスの修行につきあった。

 

そしていよいよ気のコントロールの修行となった、

「では気のコントロールの修行に入る。」

「お願いします!」

「かっかっかっ、気合十分!では初めに気のコントロールの前にテンションを上げてもらう。感覚的には全身のエネルギーを心から引き出すんじゃ。では…始め!」

「はぁぁぁぁっ!」

チャゴスは力を溜め、テンションを上げようとするが…

「ダメじゃ、やり直し!」

キツいナッジの言葉でやり直しをされ、それが何時間も続いた。…案外鬼教官のキツさは師匠である彼に似たのかもしれない。

 

「今日はここまで!」

「ありがとうございました!」

結局チャゴスは夜になっても成果は上がらず、引き上げることになった。

「明日も同じことをやる。…だが勘違いしないで欲しい。テンションを上げると言うのは本来難しいことなんじゃ。一日でできるほうがおかしい。何日もかけてテンションを上げるという行為は出来るようになるんじゃ。だから毎日続けるぞ。」

ナッジはそれだけ言って立ち去っていった。

 

「…よし!明日こそは絶対にやってやるぞ!」

チャゴスは明日に向けて頑張ろうと決心した。

 

~数日後~

それからというものチャゴスは少しずつ成長していった。

「うおおぉぉぉっ!」

ついに…チャゴスのテンションが上がった。

「よし!合格じゃ!次は気のコントロールじゃ!」

チャゴスは次の特訓はテンションを上げるという行為に比べたら比較的簡単に出来、すぐに扱うことが出来た。

 

そして…いつものようにモンスターを倒し、最後のモンスターと戦うはずだった。

「ほっほっほっ…」

最後の相手はナッジだった。

「老師!?なんでここに?」

「うむ、これは最後の試練…言ってみれば免許皆伝の為の試合じゃよ。…まあなんにせよ全力でかかってこい!チャゴス!!」

「そういうなら仕方ありません…いくぞ!老師!!」

そして二人の試合が始まった。

 

「はぁぁぁぁっ!!」

チャゴスの気合の入った一撃がナッジに襲いかかる。

「甘いわ!」

ナッジは冷静にチャゴスの一撃を捌き、攻撃に移った。

「くっ…流石老師…!闘技場のモンスターが雑魚に見えますよ…!」

それを力の盾で防御し、捌く。

「たわけ、若造が…ワシをモンスターと一緒にするでないわ!」

ナッジの攻撃が激しくなり、防ぐのも苦しくなった。

 

カキン!カラカラ…

「しまった!」

遂にチャゴスから奇跡の剣が離れ、チャゴスの手元にあるのは力の盾のみとなった。

「覚悟!」

ナッジの剣がチャゴスに襲いかかり、もう絶望的かと思われた。しかし、チャゴスは一瞬の閃きを感じた。

 

【受け流しの構え】

これはDQⅨに出てくる技である。受け流しが成功すれば敵味方関係なしに自分以外のキャラにダメージを押し付けることが出来る。つまり一対一の状態であれば敵にカウンターを与えることが出来るということだ。

 

チャゴスはその閃きから受け流しの構えを取った。そしてチャゴスは見事ナッジの攻撃を受け流し…そのいくはずだったダメージがナッジに炸裂する。

「ぐはっ…!見事じゃ…」

ナッジはカウンターに対応出来ず、その場に倒れた。この勝負の勝利者はチャゴスだ。

 

「おおぉぉぉぉーっ!!」

そして観衆が一斉に沸いた。


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