ブラック・ブレット―仮面使い―   作:島夢

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第3話

俺は今人気のないところを一人で歩いている

夜だが…

夏世と公園でわかれて数時間…

 

なんか…今日は色々あったなぁ…

そう考えながら人気のない夜道を歩く

 

 

「はぐれガストレアと遭遇して…仕事して…夏世と出会って…そして」

 

 

俺がそこまで言った瞬間俺はしゃがむ

そして、しゃがんだ瞬間、俺の首のあった位置を小太刀が一閃…

しゃがまずにそのままだったら今頃俺の首はそこらに転がってたなぁ…

 

などと、他人事のように考えながら後ろを向く

 

 

「パパぁ~斬れなかった」

 

「ん? そうだね…ふむ…なぜ今の攻撃がわかったのかな? 『仮面の道化師』くん?」

 

 

振り向いた先には少女と怪人がいた

少女は黒いドレスを着ている…まだ十歳くらいだろう…目が赤いのでイニシエーターだな

タキシードにシルクハット、顔にはマスケラ…ここまで見て気づく…

 

 

「ああ…あんたら…蛭子 影胤と蛭子 小比奈か」

 

 

確か…俺の記憶では…再三の犯罪により、民警ライセンス停止・序列凍結中の元プロモーター。ライセンス停止前のIP序列は134位

 

134位……かなりの高ランク…

 

今の攻撃で敵意があることは確認済み…

 

 

「うん? 私たちの名前を知っていてくれるとは驚きだ…我々の世界では君の名前は有名だよ? いや…本名ではなく、『仮面の道化師』という名前だがね…」

 

 

仮面の道化師

それは俺が営んでいる『なんでも屋』の名前

 

俺が望む報酬が貰えるなら、まさしくなんでもする

 

殺し、護衛、ガストレアの駆除から買い物、子供のおもりまで…

 

まあ、これでも有名になれるくらいには儲かっている

こんな風に狙われることもよくある…

 

まさかここまでの実力者に狙われるのは…いや、前にもあったか…?

まあいい…

 

 

「パパ、斬っていい? もう斬ってもいいよね!」

 

「はははっ! 元気な子供だなぁ…斬るか…やってみろよ」

 

 

俺は少女を挑発してみる

そういいながら「ペルソナセット、アリス」と呟く

どうやら二人にはつぶやきはきこえてなかったようだ

イニシエーターか…どれくらいの身体能力か…さっきの俺の首を狙った一閃でわかったし…

問題なく対処できる

 

袖から折り畳み式の片手剣をだし、展開して俺は笑う

 

 

「いいよ小比奈、斬りなさい」

 

 

そう蛭子影胤がささやいた瞬間、弾かれたように蛭子小比奈は距離を詰める

うわぁ…人外な速度だな…

 

たった十歳の少女の動きを見ながら俺はそう思う

頭の中で声が俺に話しかけてくる

 

(でも、君なら問題ないよ)

 

ああ、当たり前だ

ん?…アリス…いつごろから起きていたんだ…?

まあいい、今はそれよりも…

 

そう考えながら蛭子小比奈の振るう小太刀を体を右にそらし、わざとぎりぎりでよける

小比奈は刃を返し、斬り払いをする

 

上体をそらしつつ避け、懐に飛び込み、掌底を放つ

 

 

「うっ!?」

 

「ほう…」

 

 

掌底は吸い込まれるように少女の腹部に直撃、少女を吹っ飛ばす

蛭子影胤は自分のイニシエーターが吹っ飛ばされたというのに、面白そうに、そして少しの驚愕、歓喜を混じらせた目で俺を見る

いや、本当は表情で判断したかったけどマスケラでまったく見えない…

 

 

「面白いな、君は本当に人間かい?」

 

「ああ、これでも人間だ」

 

 

そりゃそうだ…そういう反応になるだろう

生身の人間がイニシエーターを吹き飛ばしたんだからな

 

まあ、俺自身も体を鍛えてるし、ずっと戦い続けた恩恵で強いとは思うが、やはり一番の理由はペルソナをセットしていることによる身体能力の強化だ

 

 

「ヒヒヒ…ずっと疑問だったんだがね…どうして仮面の道化師なんだい?」

 

「そうだな…俺に本気を出させたらわかるんじゃないか?」

 

「そうかい」

 

「じゃあ、俺からも質問だ…俺を狙う理由は依頼でもされたんだろう? 依頼主は天童のジジイか? もしそうなら言っておいてくれ、糞爺、いい加減にしねぇと殺しに行くぞって」

 

 

まあ、俺を狙うやつならたくさんいるが…こういうやばいのとかかわりを持てそうなのは糞爺だけだからな…

 

依頼主があてられたのが驚きだったのか頭の上に ! マークでも浮かべそうな反応だ

まあ、結構ふざけてるみたいだな

 

 

「シッ!」

 

 

小比奈が後ろから横一線で斬りかかってくるのをしゃがんでかわしつつ、振り切った腕を取り、丁寧に組み伏せる

 

 

「あぅっ!」

 

 

なんか…幼女を組み伏せるのって罪悪感が半端ないな

 

yesロリータ! noタッチ!

 

だよな、普通

 

通常、イニシエーターの方が身体能力、力…すべて上のはずだが、ペルソナをセットし、強化された俺の身体能力なら問題なく抑え込める

 

 

「ヒハハハハハ! 面白いね…本名を教えてくれないかい? 仮面の道化師くん」

 

「いいぜ…桐夜 仮夢…仮夢って呼んでくれ」

 

「ずいぶん友好的だね」

 

「あんたが俺のクライアントになる可能性だってあるからな」

 

 

俺はそういいながら、左手で小比奈を拘束しながら右手で電話番号と名前がかいた名刺を影胤のほうへ飛ばす

影胤はそれを受け取り…

 

 

「ハハハハハハハ!! いいね! 面白いよ、仮夢くん私は君を気に入った! 小比奈、戻ってきなさい」

 

 

そう影胤がいったので俺は影胤の想ってることを先読みし、拘束を解く

 

 

「仮夢くん、小比奈の拘束を………もう解いてるね…」

 

「気が利くのは何でも屋の絶対条件だからな」

 

「ますます面白い! 今日のところは引くとしよう、ここで君を殺すのは面白くないし、なにより殺せるかわからないのでね…」

 

 

影胤はくるっと方向を転換し、歩き出すが、小比奈はこちらを見つめたままだ

じーっとこっちを見てくるので、俺もじーっと見つめる

すると、少し照れて顔を赤くし…

 

 

「仮夢はいつか私が斬るから! 私以外に斬られちゃダメだよ!」

 

「ああ、いいぜ、いつでも来な…お前が俺を殺せるくらい強くなったら、喜んで殺されてやる、お前みたいな可愛い子に殺されるならそこそこ本望だ」

 

 

俺はそうおどけて見せるが、小比奈は顔を隠すように急いでたったったっと影胤の後を追って、闇へ消えた…

頭の中に声が響く

 

 

 

           我は汝・・・、汝は我・・・

          汝、新たなる絆を見出したり・・・

 

         汝、”死神”のペルソナを生み出せし時、

           我ら、更なる力の祝福を与えん・・・

 

 

 

そして頭の中に名前が思い浮かぶ…

『タナトス』

 

新しいペルソナか…

 

(うん、僕はタナトス…君は僕で、僕は君だよ…よろしくね)

 

「ああ、よろしくな」

 

 

俺はそう呟きながら夜の街を歩き出す

さ~てと…そろそろ眠くなってきた…早く帰ってねよっと




ペルソナ使いの身体能力の底上げはちょっと独自解釈です
すいません

でもペルソナによってステータスが変わるので、あってるかなぁと思います

イニシエーターと戦えるレベルの身体強化…
しかも物理はじゃないアリスでその強さ…

ならタナトスはどうなるんだ…
しかもこの作品のタナトスは武具の心得を持っているので、武器の扱いも上手くなる

化け物め!

あと、この作品の小比奈ちゃんはちょっと普通の少女っぽいところがあります、おかしかったら教えてください

感想、待ってます!
感想書いていただけるととても嬉しいです!
というか、感想があるとやる気がでます!

次回も頑張って編みます!

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