小説の林堂 二次創作 小説「ソードアート・オンライン この現実世界にて」 作:イバ・ヨシアキ
ついに1000を越してしまいました。
それと小説紹介サイトのぽすてぃぶさんの運営するファン・フィクションさんに紹介してもらい、感激の至り。
本当にありがとうございます。
お気に入り登録された方の小説も随時読んでいますので、お返事はまた後ほどに……申し訳ないです。
では、今回の作品です。
今回も甘めに……
……キス下手なのかな……
キリト君が何気に呟いたその言葉は、あまりにも唐突だった。
デイユース利用のホテルの広いベットの上で、私達は時間をかけて逢瀬と情事の時間を過ごしていた時、彼が不意に漏らしてしまったその言葉に、私は思わず言葉を失ってしまう。
そもそも思えば、この質問がキリト君こと桐ケ谷和人君から問われるまでの間の事と、その事後に発せられた言葉でもあるせいで、私の思考は混乱してしまう。
……キリト君はキスが下手……
その問いに私は、いいえと、はっきりと、しっかりと、力強い言葉を持って、断言できる。
キリト君……下手じゃないよ。
と、いつもしてもらっている私が断言するのだから、間違いは無い。
もしキリト君が私以外の人とキスをしていたらと、不安が湧いてしまうも、そんな心配は杞憂である。
キリト君は私以外の人にキスはしない。
恋人として愛してもらっている事と、あのいつ死ぬかもしれない恐怖と隣合わせだったアインクラッドで生まれたこの想いを持って、私は彼の愛を信じる事が出来るから、そんな心配は払拭できる。
キリト君のキスは私だけのものだから。
私だけが評価できるのだから。
だから、私はキリト君の問いこう答える。
……キリト君、君のキスは上手だよ。
と、答えてあげたいけど……言えない。
言ったら……その、恥ずかしいし。
だって、キスが上手だなんて……普通、言えないよ。
いくら気持ちが高ぶっていても、言えない言葉がある。その言葉は沢山あって、彼に言えていない私の言葉。
まだ愛し足りないから、恥ずかしくて言ってあげられないのかな。
気持ち良いキスをしてもらって、こんなに強く愛してもらっているのに、まだ彼に言えていない言葉が沢山ある。
言いたいのに言えない、もどかしさ。
初めて高校の制服姿のままでホテルに入ってしまった背徳感もさることながら、お互いに制服を脱がせ合い、バスタブにお湯を溜める時間も惜しく、私達はシャワーで互いの汗を拭い、互いの身体の隅々まで洗い合うなど、高まっていた欲情を解放しても、言えない言葉がある。
たくさん。
たくさんある。
少なくなることは無い。
彼を知るたびに、彼に伝えたい、告げたい言葉が増え続けている。
彼の身体に触れ、今の彼の身体がどうなっているのか、確認し合う度に、もっと伝えたい言葉が生まれ続けていく。
君も私にその言葉を、その想いを精一杯に告げてくれるけど、ときおり恥ずかしくて、私は君に何も告げれずに、言葉をぽつぽつと溜めていく。
でも、君に言葉を告げることはできなくても、その気持ちをキスにして告げる方法を、君から教えてもらったから、私もその方法を使ってキスをするんだよ。
私もキスは恥ずかしいけど嫌いじゃない。
さっき一緒にお風呂で身体を洗い合っていた際も、私の身体が君に洗われている時も、すごく興奮して、その気持ちをキスにして君に送っていたんだよ。
背中をタオルで擦られ、手や、腕……そして胸などを洗われていく中で、たまらずにキスをし、石鹸やシャンプーの香りが媚薬のように淫靡さを高め、シャワーの熱で身体が欲情に火照り、キリト君に早く肌を重ねたく、
……もう……ベットに……いこう……
と、言葉にせずにキスに込めて、ものほしそうにおねだりし、キスをしたまま抱きかかえられ(一般的に、お姫様抱っこといわれる抱き方で)ベットへと運ばれた時、気持ちが伝わったんだと嬉しかった。
互いに肌を重ね、首筋や胸や、お腹や太ももなど、互いの身体の感触を甘美しあい、甘く官能的な彼の手触りと口づけと甘噛みなどの愛撫に、
「……やあっ……ん……ん……んん……」
私はみだらな声を押し殺そうとするも、その行為がキリト君の感情と欲情を高まらせ、高まり合う欲情の中で情事を過ごしていく。
キスとともに指を解けないように強く絡ませ、互いの舌を絡ませ、足も、腕も、すべてを絡み合わせ、私の肌がキリト君に欲情を抱かせていると、彼の想いを受け止められているんだと、恋人としての安息を得れる。
舌を絡み合わせ唾液をすすり、お互いに高まった欲望が堪えれなくなると、
「……良い……アスナ……」
我慢できそうにないほどに息を切らし、それでも欲望と欲情を抑えていたキリト君の問いに、「……うん……」
私は素直に受け入れると、高まった彼の想いが私を内に入れられ、さらに淫猥な声を漏らそうと欲情をぶつけてくる。
「……だめぇ……う……ん……んん!」
あまりの激しさと熱に、瞳が潤み、泣いてしまう。
その涙がさらにキリト君の感情を高めてしまうのか、頬をキスし、涙腺の涙を吸い取り、また激しくなった彼の欲情が私を淫らにさせていく。
そして高まった彼の想いを内に注がれ、
「……あっ! んんん……」
私は気を果てさせてしまう。
彼に身体を求められ、彼の想いを身体の外と内に受け終えた後、私は全身の力を失い、シーツにうもれて火照っていた身体を冷ましていた。
そんな私をじっと見つめてくる彼の瞳を息絶えに見つめ返し、キスをねだろうとした時、そんなことを不意にたずねられてしまう。
その欲情のまま肌と身体を求め合っていたからこそ、そんな質問が出てしまったと思うけど。
……キスが下手なのかな……
私の身体をじっと見ながら、彼は何気に呟いてしまったその言葉。意図して呟いたのではなく、何気に呟いてしまっただろう、そのうっかりとした言葉に、私は答えてあげたい。
精一杯の気持ちと想いを込めて、
「……下手じゃ……ないよ……」
恥ずかしさを堪えた私の呟きにキリト君は驚き、
「……あ、えーと、聴こえてた……」
「うん……しっかり……きこえたよ」
「……んん」
私のおなかの上で顔をうずめていた彼は、視線と表情をそらすように気恥ずかしそうに顔を埋めてくる。
その行為がくすぐったく、そんな彼の甘え方にまた甘い声が出てしまいそうになってしまう。
彼の黒髪の頭を両手で包み、くすぐるように両耳元を指でなぞり、くすぐりながら彼の視線を私の方に向けさせ、
「……キリト君のキス……下手じゃない……とても、その……」
……すごく上手だよ……
と、やはり言えない。
うう、やっぱり恥ずかしくて言えない。
言えるわけない。
君にキスされると、すごく熱くなって、ドキドキして、すごく幸せになれる……なんて言えるわけがない。
でも、キリト君のキスは、
「……上手だよ……」
と、精一杯に言えたのは、その一言だけだけど、彼は嬉しそうに、真っ赤になった顔を隠すようにまた視線をそらすように、私のお腹に埋めてしまう。
……そう、実際、彼のキスは下手じゃない。
以前キスの仕方について調べてみたけど、歯をぶつけたり、舌を噛んだりと、そんな失敗と比べてみてもキリト君のキスは下手な部類には入らないと思う。
むしろ……ほんとうに上手ではないかと思う。
そもそも。
キリト君以外の人とキスをしたことないし、比べようもないけど、彼とキスをすると、とても甘くて、ドキドキするし、すごく君のキスを欲している私がいて、一回だけじゃなく、二回してほしいし、3回目もしてほしい……つまり何回でもキスをしていたいと、望む、私がいる。
口にしてもらうキスだけじゃなくて、私の手や指、私の身体のいたるところにもしてほしいし……君の身体にもたくさんキスをしたい。
君の白い肌に私のキスの痕を残したいし、たくさん痕をつけたいと、舌を這わせて、君の肌の感触と、汗を堪能し、君を誰よりも感じたくて仕方がない。
一番身近に君の愛情を感じられる行為である、キスと言う行為はそのものが好きで、君とするキスに、そもそも上手いとか下手なんて感覚はないんだよ。
キリト君のしてくれるキスは私にとって宝物で、君にキスをされることは最高の至福なのだから。
だから、君も気にせずにキスをしていいんだよ。
でも……恥ずかしくて言えないよね。
でも、いつか言いたい。
……君にキスをされると幸せになるから……もっとして。
……でも、もし、キリト君に今の私のこの想いを言ってしまったら、ますますキスが激しくなりそうな気がする……でも、それはそれで……ひゃん!
「キ、キリトくぅ……んん!」
ちょ、ちょっとぉ! お、おへそにキスするなんて!
だ、だめ! ちょっと、やだぁ!
あ、こらぁ、舌はだめぇ!
「キ、キリトくん!」
おなかに強めにキスをしていた彼の頭を持ち上げて、
「そ、そんなところキスしちゃだめじゃない」
「ごめん……本当に上手いのか試したくなって」
え……って、そんなこと真顔で言っちゃだめぇ!
うう、顔がまた赤くなっているんだろうなぁ……あまりの恥ずかしさに顔を隠してしまう私をじっと見ながらキリト君は不思議そうに、
「……やっぱり、痛くないの……」
「え? どうしたの?……どこも痛くないよ」
「いや、その……」
恥ずかしそうに言葉を濁す彼は、
「たくさん痕をつけちゃったから……」
え?
あ……そうか、私の身体を心配してくれていたんだ……うう……そういえばたくさん、キリト君のキスマークが私の身体の至る所についてしまっている。
胸にも、腕にも、たぶん首筋や、背中にもキスマークがついてしまっている。
でも、一番キスマークがついているのはやはりその旨に集中しているような気がする。
たくさんしてくれたんだよね。
だから心配してたんだね。
強く打ちつけてしまったかのような、痣のようについてしまっている彼の口づけの痕。
全然痛くないよ。
むしろ、心地良いくらい。
キリト君にこんなにも愛された証しなんだから、気にしなくても良いのに。
君にいっぱい痕をつけられて、すごく幸せなんだから……もっとつけてもいいんだから。
だから、気にせずにキスしてくれていいんだよ。
でも、たくさんしちゃったね。
あんなに、私がおねだりしちゃったせいもあるけど、たくさんしすぎだよ。せっかくだからお返しをしなきゃ、そ、お返しをしなきゃね。
「……キリト君のえっち……」
私は彼の頭をつかみ胸に押し付けてしまう。
「むぐぅ」
秘かに私はキリト君をこうやってむぎゅっと抱きしめるのが好きだったりする。
私の胸の中に彼を押し込め、彼の髪の匂いと声と吐息を独占できる、この抱きしめ方が大好き。
それにこうすればキリト君は気恥ずかしさでおとなしくなってしまう。
「……アスナ……苦しい……」
「だーめ……いっぱいキスをしたキリト君にお仕置きしなきゃ駄目なんだから」
「……おしおきって……どちらかといえばご褒美のような……」
「……じゃあ、このままで良いよね」
私はまた力を込めて、キリト君の頭をぎゅっと抱きしめる。
先ほどのシャワーを浴びたシャンプーと石鹸の香りがする。
この匂いは私が洗ったときについたんだよね……あれ、髪だいぶ伸びてきたみたいだよ。
耳元にも髪がかかっている。
でも、髪の伸びた君も素敵だよ。ほんと、女の子みたいにさらさらして、やわらかくて、もし髪を伸ばしたら、私と同じ髪型にできるかも。
「……なあ、アスナ……そろそろ離して……ほんとうに、その……理性が……」
「だーめ! まだ離したくないもん」
余計に強く胸に押し付けて、彼をしっかりと拘束してしまう。
「じゃあ……実力行使!」
え?
ひゃん!
「ちょ、ちょっと……キリト君!」
やだぁ!
だめぇ!
胸に、キスはだめだよぉ。
あ、こら、そこ噛んじゃだめぇ!
やぁ! な、舐めるなんて……もう、やだぁ!
うう……やぁん……ちょっと……んんん……だめぇ……力が……ぬけちゃう……
「ぷはぁ、やっと脱出できた」
「……うう……キ・リ・ト・く──んん!」
抗議の声を上げるも、覆いかぶさるようにキスをされてしまう。
声を上げようとした私の唇と塞ぎ、私の声を吸い込んでしまう。
そして舌を入れ込み、口内を愛撫し始める。
「……んん……んんん……」
……だめぇ。あんな愛撫された後に、こんな強いキスされたら……
ぷあっと強引なキスが終えられ、私は完全に力が抜けてしまった。域も途切れ途切れな私にキリト君が肌を重ね始めようとしてくる。
「……ちょっとキリト君……まって……」
心の準備できてないよぉ。
いまはちょっとまって。
「だーめ、またない」
「ひゃん!」
首元を甘噛みされ、舌が首筋をぬらしていく。
そしてまた、
「……んん……」
キスをされてしまう。
今度は激しくない、ゆっくりとやさしくキスで、私の内で乱れていた気持ちが落ち着いていく。
やっぱりキリト君……きみはキスは下手じゃない、とても上手だよ。
だって私をこんなにも夢中にしてしまうんだよ。
君にキスされて幸せ。
もっと、君の痕を残してほしい。
あ、彼が私の内に入ろうとしている。
……いいよ、きて……
end
え……今回は結構、思い切って見ました。
R-15とR-18の境界線は難しいですな。
とりあえず小生の感覚では、性器の表現や卑猥な表現が18に分類されると思います。でも、豪屋大輔先生の作品「デビル17」では、普通に過激な表現が……それに普通に一般書店で平積み販売されていましたし……これも時代なのでしょうかね?
恋愛の表現はどこまでと。
ラブラブな小説はどこまでと。
いろいろと思いますが、小生はキリトとアスナのラブラブな話を書きたい。
それを原動力に小説を書いていますが、いまだに長編やオリジナルな話がかけないと、反省または努力が必要な部分が多いと日々これ精進だと思います。
呼んでくださった方、ありがとうございます。
ではまた。
追伸・小説の並び替えを行いました。
あと「おねえちゃんとは呼ばないで」を加筆修正し、アズマオウさんからのキャラもお借りいたしました。
本当にありがとうございます。