当分は不定期になります。
暗躍するオリキャラとロダンが登場します。
どういった方向性に持っていくかで悩んでしまいました。
女子会とアルヴィスとデュー会話もあります。
とある一室で会話がなされている。
「まさかブリギッド殿が護衛に入られるとは」
カリッドは呟く
「アルヴィス卿、流石に一筋縄ではいかぬな」
グレッグはカリッドのつぶやきに反応する。
二人ともフードをかぶっているため表情は見えないが驚愕を隠せない状況になっている。
現状マンフロイの行方をあぶりだす目的とアグストリアとの関係悪化の睨んでのラケシスへの誘拐を計画していたが、その道中の護衛にユングヴィ家のブリギッドが付くことになったのだ。
「ふうむ。道中を狙うのは無理そうじゃな」
もう一人にいる。エッダ家のロダンだ。
「ああ。聖弓イチイバルを持っている人物相手に喧嘩を売るわけにはいかない。相手が悪すぎる」
グレッグは同意する。
「私も同意見です。馬車に近づくことすら困難でしょう」
カリッドも同意した。
「ただ。監視は継続したほうが良いじゃろう。道中何があるかわからん。一応対応できる形はとっておいたほうがよい」
ロダンは提案する。
「それはもちろんです。しかし確実な状態でなければ動かないように指示は出しておきます」
カリッドが答えた。
「カリッド。絶対に無理はさせるなよ。失敗すればより警戒を強められてしまう」
グレッグはカリッドに強く伝えた。
「グレッグ様。承知いたしましてございます」
カリッドは頷いた。
「アルヴィス卿の動きが活発すぎるな。クロード殿もそれに充てられてしまっておる」
ロダンが声を上げる。
「確かに今回のクロード殿とラケシス殿の縁談はアルヴィス卿が後ろで手を引いている。アグストリアへも深く入り込んで決まったものだしな」
グレッグがロダンに反応する。
「それだけではありません。ブリギッド殿の保護、その他の縁談についても次から次へと決まっています」
カリッドもそれに続いて発言する。
「そういえばブリギッド殿もお相手がいるようじゃな」
ロダンが思いだしたかのように言う。
「確かデューという。アルヴィス卿お気に入りの少年だったな」
グレッグが再度反応する。
「今回の護衛にも同行するようですね」
カリッドが新たな情報を伝える。
「まあ、フリージ家と同様に政略が絡んでいるだろうが・・・・ふうむ?」
ロダンがふと思いついたように
「その少年は使えんだろうか?」
無謀な・・・・気が狂った・・・・発想が展開する。
この3人はデューを過小評価・・・いやそれ以下の存在と認識している。そもそもアルヴィスとエスニャの関係も完全に勘違いしているのだ。
「アルヴィス卿がのってくるでしょうか?しょせんはその少年は愛妾ですから見捨てる選択肢もあるかもしれまんせん」
カリッドの勘違いが早速スタートする。
「いや、多少の揺さぶりをかけられるかもしれん」
グレッグの勘違いがそれを後押しする。
「アルヴィス卿だけでなくブリギッド殿が溺愛しているし、人質の価値としてうまく使える可能性があるな」
ロダンの勘違いがとどめを刺した。
ここからの3人の会話は失敗のカウントダウンに突き進むことが確定した。
噂となった少年がこの会話を聞いていないことが幸いしていた。聞いていたらすでに首と胴体が離れていただろうことは想像に難くなかった。
一方その頃・・・・・
「デュー、エッダ家の内通者はロダン神父だよ」
アルヴィスはデューに告げる。
アルヴィスとデューは明日の護衛任務の打ち合わせをしている。
エルトシャンはシグルドとキュアンのところに行っている。久しぶりの再開で会話が弾むことだろう。
「あのクロードの側にいるおっちゃんだね。それじゃあ情報は筒抜けになっちゃうね」
デューは冷静に分析する。
「クロード殿からすれば信じられないだろうが事実だ。ただ客観的事実のみで証拠がない」
アルヴィスは続ける。
(まあ。ゲームでボスキャラの一人だから知っているだけなんだがね。実際話してみても普通の人だったから人は見かけによらないね。でもマークしていたらすぐにボロを出してくれた)
前世のゲーム知識がここで活用できたのは大きかった。
「彼とすればここで仕掛けたいところだと思う。だがブリギッド殿が護衛となると簡単にはいかない。そこでデュー、君も護衛につけたんだ」
アルヴィスは真剣な表情をデューに向ける。
「ロダンのおっちゃんはおいらを狙ってくるってことかな」
デューは答える。
「私とエスニャや君とブリギッド殿との関係も政略関係と思っているからね。君のことは私の愛妾ぐらいに考えているんじゃないかな。全く不愉快な話だよ。」
アルヴィスはそう話した瞬間・・・・
「・・・ふうん。でアルヴィス・・・」
デューは淡々と続ける。
「今回はどこまでなら殺っていいの?」
空気が張り詰める。やっぱりデューはデューである。カザールからたしなめられたが、そう簡単に割り切れるものではない。
「ラケシス殿が怯えたりすることがないように。あとブリギッド殿に嫌われないようにしてくれよ。基本はブリギッド殿の指示に従うこと」
アルヴィスは淡々と対応する。
「・・・・アルヴィス。ずるいよそれ。何にもできないじゃん。すごく悔しいよ」
デューは少し下を向いて答える。
「今回の任務で成果を上げたらブリギッド殿との婚約を正式に陛下に打診してみよう。君をおとりに使ってしまってすまない」
そう言ってアルヴィスは頭を下げた。
「アルヴィス。謝らないで。怒っているからおいらに機会をくれたんでしょ。大丈夫だよ。婚約云々については終わったらブリギットと話すよ」
デューは笑顔をアルヴィスに向けた。
(いつもの笑顔だがいつになく恐ろしいな。まあ。ブリギッド殿もいるし、下手なことはしないだろう)
アルヴィスはデューの暴走の危険性が無いと確認して
「とはいっても相手の戦力が分からない。基本はラケシス殿の護衛が第一優先だ。相手を殲滅することより、防衛に徹してくれ」
具体的な指示をデューに出した。
「承知したよ。任せてね」
デューは頷いた。
別の場所では
「お兄様は本当にだらしないのでエーディン様。見捨てないでくださいね」
エスリンが兄であるシグルドの内情を暴露していた。
「そうなのですか。意外でした。私生活もしっかりされていると思っていましたので・・・・・」
エーディンがエスリンの言葉に反応する。
「人は見かけによらないって言うけど本当なんだね」
ブリギットが相づちを打つ。
「エルトシャンお兄様も似たようなものですね。グラーニェお姉さまもよく言っています」
ラケシスも便乗してエルトシャンの内情を暴露した。
「キュアン様はどうなのですか?エスリン様」
エスニャが訊ねる。
「えっ!!まあ・・・お兄様よりはマシかな・・」
急にふられたエスリンが目線を横に逸らしながら答える。
「ふふふ。流石に悪くは言えないですよね」
エスニャがエスリンの反応に微笑む。
5人での女子会が開催されていた。直接的に関わりが少ない面々もいたが、すぐに打ち解けている。
「ブリギッドお姉さまはいつデュー様と婚約されるのですか?」
エーディンがいたずらっぽい表情を浮かべて話題をふる。
「え!!。それは・・・。その・・・・」
ブリギットは戸惑う。
「随分とお仲がよろしいではないですか。陛下のお墨付きもあり、デュー様も爵位を賜ったのですし婚約まで進めてもいいかと思います」
エーディンは笑顔のまま追いつめる。
「エーディン。いつからそんな意地悪な妹になったの」
ブリギットはジト目をエーディンに向けた。
「ふふふ。私の結婚の後押しを強引に進めたお姉さまにしては随分奥手でいらっしゃいますね」
エーディンはひるむことなく反論する。
「そういえば、あのデュー様はどういった方なのですか?アルヴィス様が連れてきたのですよね」
ラケシスが訊ねる。
「私が知っているのは元盗賊であることだけです。詳細は教えてくれませんでした。今はアゼル様の親友であり、アルヴィス様が最も信頼されている方です」
エスニャはラケシスに答える。
「エスニャ様も大変ですね。アルヴィス様の奥方で支えていくこともありますが・・・・・・」
ラケシスも意地悪な表情を向けて
「アルヴィス様とデュー様の関係も気になりますよね。さっきデュー様が頭を撫でられていた時のふくれたエスニャ様は可愛かったですよ」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ラケシスの発言にエスニャは顔を真っ赤にした。それを見た周りの面々も口を抑えて笑いをこらえている。
「ラケシス。言っとくけどその発言はデューの前ではしないでね。一番嫌がるから」
ブリギットがラケシスに釘をさす。
「そうなのですか?」
ラケシスがブリギッドに訊ねる。
「さっきエリオットの馬鹿がその発言でデューを怒らせたから。親父が止めてくれなかったらエリオットの片手片足を切り落としていたよ」
ブリギッドは真剣な表情を向けた。
「・・・・・・・ブリギッド様。さっきの話は」
ラケシスは蒼白になりブリギットにおずおずと話す。
「言わないよ。だから気をつけてね」
「はい。」
ラケシスは自身の発言の重みを嚙みしめていた。ここは他国で嫁いだ身だ。敵を作らないようにとのグラーニェの話を思い出していた。
最後までお読みいただきありがとうございました。
オリキャラを切れ者にするかそれ以外かで迷いました。
ロダン神父を入れたので、地獄の階段を上ってもらう(笑)ことにしました。
無謀で気が狂った作戦が実行されます。
ここのシーンもどうするか迷うところです。
女子会とアルヴィスとデューの定番シーンです。
もっと更新速度を上げていけるよう頑張ります。