レックスも好きなキャラですね。
ゲームにおいてエリートのスキルは大きいです。
ベストカップルはラケシスです。
追撃リングをデルムットに引き継がせておけば序盤から中盤において主戦力として活躍できるので非常に助かります。ガンガンレベルが上がるので。
ただティルテュとの恋人同士の会話イベントはとても印象に残っています。
よく考えればこの2人も似た者同士なんですよね。
レックスはヴェルトマー家に到着すると迎えの者が待機しており、そのまま客間に通された。
同行している部下は別室にて休息を取っている。
本来であれば護衛として付くが、レックスはそれを好まない。
(ヴェルトマー家は相変わらず兵から侍女に至るまで目が行き届いているな。ウチとはえらい違いだ)
レックスは何度もヴェルトマー家に足を運んでいるが、礼儀からマナーの細かい面など、完璧な待遇を受けている。今まで一度たりとも不快な思いをしたことはない。
(兵の練度はもちろん、指揮系統における統一性も凄いとしか言いようがない)
アルヴィスが特に力を入れたのは他国の情報収集だ。密偵を全ての国に放っていて、その正確さはずば抜けていた。
(正直、敵に回したくないな。勝てる気が全くしない)
身内だけでなく、その親友にも恐れられているアルヴィスである。
(うん?足音が聞こえてきたな)
ガチャとドアが開くと親友が声をかけてきた。
「レックス!」
「アゼル!婚約おめでとう!!驚いたぜ!!」
「ありがとう!!びっくりさせてごめんね!」
「いいってことよ。しかもお相手がティルテュとはなあ。ははは」
レックスはアゼルの幸せな表情を見て心から喜ぶ。
「うん。色々あったけどね・・・・・・」
ふとアゼルは顔を少し下に向けると、目線を見上げる形でレックスを見る。
「レックスはティルテュが僕のことを好きだったことを知っていたんだよね」
アゼルが問いかける。
「お前なあ・・・・。多分、お前以外はみんな知っているぞ。全く、どれだけ俺が・・・・・」
「うん。「急な用事ができた」とか「訓練があるから」とか言って、ティルテュと二人っきりにしてくれていたんだよね」
「ふう・・・。それだけじゃないぞ。実は・」
「レックス!!!それは言わない約束じゃなかった!!!!」
別のところから声が聞こえる。
「げ!!ティルテュ!!!」
レックスは「しまった」の表情を見せる。
「げ!とは何よ。人のいないところで」
両手を腰にあてる仁王立ちの姿で現れるティルテュ。
「ティルテュ、レックスがお祝いに来てくれたんだから落ち着こうよ」
アゼルがなだめに入る。
「それにさっきの話は聞かないよ。いいね!!!レックス!!!」
アゼルはレックスに厳しい表情を見せる。
「ああ・・わかった。ティルテュもすまなかった」
レックスはすぐに謝った。
(早速尻に敷かれているなあ。それにしてもティルテュの変わりようは凄いな。これも恋の力ってやつか?さっきの威厳はなかなかなものだ)
謝りながらもティルテュの変化ぶりに驚く。
「さて、改めてだな。ティルテュ、婚約おめでとう。初恋が実って良かったな」
「うん!!レックスありがとう。」
さっきとは打って変わって満面の笑顔を見せた。
「本来であればお祝いの品とか持ってくる予定だったが、オヤジからすぐ行くように言われてな。また正式にお祝いはさせてもらう」
「承知したよ。急な発表だったから仕方ないよ。来てくれてありがとう」
「あとこれをオヤジから預かっている。アゼルに渡すように言われたから受け取ってくれ」
そう言いながら封書をアゼル渡した。
「ランゴバルト卿から?すぐに読ませてもらうね」
アゼルは封を開けて中身を確認する。横でティルテュも寄り添うように一緒に確認している。
(おいおい早速見せつけるね。自然体だからたちが悪い)
レックスは無自覚にイチャイチャしている二人に思わず心の中で呟く。
「差し支えなければ手紙の中身を教えてくれないか?」
「ごめん、今は教えられない。当家の秘密に関わることだからね」
アゼルは申し訳なさそうな表情を見せた。
「おいおい何だい?その当家の秘密って?」
「それはたとえレックスでも言えないよ」
「ティルテュは知っているのか?」
「もちろんよ。私も今はヴェルトマー家の一員だもん」
ティルテュは胸を張って返す。
「その内容以外は婚約のお祝いの文面だったよ」
「本当なのか?」
レックスは訝しげに訊ねる。
「嘘はつかないよ。だからレックスには当家の秘密に関わるって言ったんだよ」
「わかった。それ以上は聞かない。悪かったな」
レックスは軽く頭を下げる。
「気にしていないよ。手紙ありがとう。ランゴバルト卿にもよろしく伝えておいてね」
アゼルは手紙を両手に持って軽く頭を下げた。
「さてと、ではアゼル。お前と敬愛するお兄さんが、あっという間に美人姉妹とくっついたいきさつをじっくりと聞こうかな」
レックスはニヤリと笑った。
「うん。そのことなんだけど・・・・レックス、僕はさっき当家の秘密に関わることを「今は教えられない」んだよ。この縁談もそれが理由なんだ」
アゼルは申し訳なさそうに言うと続ける。
「嘘はつきたくないから、正直に言うと、この秘密はレックスに話したいと思っている」
「・・・・・・かなりの秘密のようだな」
レックスは少し沈黙の後答える。
「そうだね。僕ではなくて兄さんに関してのことだからね。兄さんの許可は取ってあるよ。そしてさっきランゴバルト卿から、君にはヴェルトマー家の判断で伝えてもいいと言われた」
「オヤジも知っているのか!!」
レックスは驚く
「うん、ランゴバルト卿は君以外の身内も含めて誰にも話さないと約束してくれた」
「オヤジはどうして俺だけに・・・・・・・」
レックスは驚きの連続に言葉が出ない。
「信頼しているからじゃないかな?普通は跡継ぎの長男に話すよね」
「アルヴィス殿も俺にはいいと言ったのか?」
「うん。「レックス殿は信頼できる。今後も良き相談相手として頼りなさい」って言っていたよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(参ったな。オヤジもアルヴィス殿も・・・)
レックスはようやく自分がここにいる意味を理解してきた。祝言は建前だ。本当の目的は秘密の共有。
(アルヴィス殿が裏で手を引いているな。ここで聞く以外の選択肢はない。聞いたら俺も戻れなくなるな。さてどうしたものか)
レックスは思案する。アゼルもティルテュも信頼できる。自分に不利益なことをするわけがないのも分かっている。一緒に遊んだ仲だ。しかし・・・
(アルヴィス殿の真意がどこにあるのかが分からない。この話を聞けば済むのだが・・・・・・)
その部分だけが引っかかってしまうのだ。本当に大丈夫なのかと・・・・・・・。
ティルテュはアゼルとレックスのやり取りを見ながら思案する。
(レックスはやっぱり慎重だわ。いつもは脳筋のくせに、こういったところがあるから、アルヴィス様も味方にしたいのよね)
ティルテュはレックスの直情的な部分を知っているが、猪突猛進ではない。人の細かな機微にも敏感で気遣いもできる冷静な一面も持ち合わせている。
(私からお願いしようかな?ううんダメ。これはアゼルが任されたことだから、私が出しゃばって彼のメンツを潰して嫌われたりしたら)
ティルテュは結ばれるちょっと前にアゼルとケンカして思いっきり後悔しているので、ここは彼に任せることにする。
レックスが沈黙していると・・・・・
「兄さんはレックスのことを信頼しているよ。これを兄さんから預かっている」
アゼルが右手を上げると護衛兵が斧を持ってくる。
それを恭しくテーブルの上に置いた。
「これは!!!!!!」
レックスは驚愕した。
「手に取ってもらっていいよ」
許可が出るとレックスはその斧を手にしてじっくりと観察する。
「まさか・・・勇者の斧・・・・・・・・・・」
(私も見るのは初めてだけど凄い武器であることは分かるわ。斧ってもっと重いイメージがあるけど・・・・・・・・)
レックスはその斧を軽く振って感触を確かめていた。
「まさかお目にかかれるとは思わなかった。アルヴィス殿が俺にこの武器を・・・・・」
レックスは信じられないと言った表情でアゼルを見つめる。
「うん。ヴェルトマー家当主アルヴィスからの伝言を伝えます。「我が秘密を聞いてこちら側につかない選択肢を取ってもそれは貴方にお譲りします。」とのことです」
アゼルは一転して口調を変えて淡々と伝えた。
「・・・・・・・・アゼル。完全に詰みだ。俺の負けだよ。流石にここまでしてもらって恩を仇で返すような真似は出来んよ」
レックスは両手を上げた。
それを見たティルテュはホッと胸を撫でおろす。
(良かった。レックスがこちら側についてくれたらとても心強いわ。アゼルも嬉しそう!!)
最後までお読みいただきありがとうございました。
やはりレックスと勇者の斧は外せませんね。
ゲームでは取得イベントを忘れてクリアーしてしまい、一からやり直したことはいい思い出です(笑)
アゼルとティルテュにとって、レックスは頼りがいのある兄貴分としていい関係を築けていけそうです。
レックスは誰とのカップリング予定か?については検討中です(笑)
当初は決めていましたが、キャラを動かしていくと思ってもいない方向に行ってしまいます。