saoから”ログアウト”できたプレイヤー 作:土ラグーン
・・やばいテスト近い・・!更新できなくなるかもデス!すいません!
今回少し長めになっちゃいました!でわどうぞ!
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懐かしい。本当に懐かしい。あの城で、血みどろの戦いを行ったことが。目の色を変えて敵を斬り、ポリゴンの粒子へと変えていった。そんな、鬼神のような俺の姿を思い出す。絶対に思い出したくない過去だった。一度は本当の友情も期待していたのだ。だが、それを俺が打ち壊したのだ。もう、俺は思い出したくなかった。だが、今あの男が、開花させてしまったのだった。
俺はうなだれていた。いや、震えていたというべきだ。俺の目前にいる、因縁のあるあの男がいった。
「どうだ?思い出したか?」
「・・」
なにもいえない。俺は、何かに縛られたように口が開けなかった。そう、これは恐怖。この男たちには感じなかったが、今俺のうちからそれが現れて、たちまち俺を支配した。その結果、俺の顔は血の気がなくなり、顔面蒼白の状態である。
「その面から思い出したようだな。俺はてめえを許さない。俺たちのリーダーを殺したんだ。俺たちの、元リーダーを・・!俺の、友達を・・そして、てめえの親友の父親もなぁ!!」
「な・・」
おれはもう、なにもいえなかった。俺があの世界で葬った奴が、あいつの、親父・・?
「そうだ!」
小声でぼやく俺に、大声で怒鳴った。男は、ふるえる俺の肩に手を置き、顔を耳に近づけて、囁いた。
「忘れるな。まだ、終わっていない。イッツ・ショウ・タイム。必ず、お前を」
俺は、激しく身を痙攣させていた。まるで、次くる言葉を予想しているかのように。
「殺す。よく覚えとけ」
男は、簡潔だが、その何十倍も重い言葉を俺にささやいた。この男なら、本当にやる。俺は、息を激しくすったりはいたりした。その俺の動揺をじっくり楽しむように俺の顔をのぞき込む。そしてじっくりなめ回した後、勝ち誇った笑みを浮かべて、去っていった。こつこつと、レアなブーツが鳴らす音をほとんど聞いていなかった。
俺は、男が消えた後、ふらふらと近くのベンチに吸い込まれる。ドスンと腰を下ろし、両手をくんで頭を下に下げて、俯いた。がくがくと未だに体が震えている。
「こわい・・誰か・・助けてくれ・・」
俺は、生まれて初めてその言葉を言った。俺は、誰かに助けを求めようと思わなかったからだ。優子にも、俺はできるだけ助けを求めようとはしなかった。優子が助けを求めているときは手をさしのべるが、俺はさしのべてと頼んだことはない。俺はいつも一人だったから。優子に出会う前は。
両親は勉強ばかりを押しつけ、クラスでは浮いた存在となり続け、勉強がだめとなると、ゲームに逃げて、ソロで居続けた。だから俺は、孤独だった。助けの求め方を知らないのだ。それ故に、いつも一人で何とかしようと心がけたのだ。
しかし、今回はそうもいかなかった。俺一人ではどうすることもできない。どうやっても記憶を消せない。つらい記憶を1人で引きずっていくなどできない。どうすればいいのかわからない。助けが必要なのだ。
「助けてくれ・・頼む・・だれかぁ・・」
俺はついに、心の中の毒が、2滴の水滴となって、両目から落ちていくのを感じた。俺は拭おうとするが、手が動かない。俺はもう、諦めて、時がたつに任せた。
ふと、俺を細長い陰が覆う。俺は顔だけを上げて、認識した。凛とした顔だが、戦士然とはしていない、少女だった。俺は、再び下を向いて、声を投げる。
「なんだ・・ユウコ?」
するとユウコは、俺の顔を持ち上げて、覗き込む。
「なにが・・あったの?」
ユウコが、優しく聞いてくる。それを見て、俺は思いだした。かつていた、姉ちゃんのことを。とっても優しくて、かわいくて、俺が心を開いた最初の女の人だった。よく、俺が悩んでいたとき、同じようにしてくれたのだった。
もちろん今、姉はいるが、その姉の上にもいたのだった。俺よりも4つ年上で、成績優秀だった。だが、俺が、小学4年生の時に、自殺したのだった。当時姉は、中学2年生だった。理由は、強姦されたからだ。美人だからかもしれない。
そこから俺は壊れていった。勉強もできなくなった。そしてオンラインゲームへと走って、ますます孤独になっていったのだった。それくらい、俺は姉ちゃんに影響を受けていたのだった。いろいろ悩み相談もした、一緒に遊んだ、一緒に勉強した、全てが楽しかった。
俺は、眼前にいる少女を見て、俺が今逃げている過去について、話そうと、決意した。
「・・俺、実は、SAOで人を・・殺したんだ」
俺は、ぼそっといった。しかし、その言葉は、彼女には重く来たようで、わずかにふるえる。
「さっき、もとSAOプレイヤーが来てさ、俺に恨みの言葉を投げつけたんだ。人殺しってな」
自嘲気味に笑う。
「その通りさ。俺は感情にまかせて殺したんだ。そういわれてもおかしくないよ」
俺は、彼女の嫌悪にあふれた顔がでるのを待ち続ける。しかし、いっこうに現れず、口を開いた。
「・・ロックァは理由もないのに、殺したりしないよね?なんで・・殺しちゃったの?」
俺はしばし黙り込む。話したくもなかったからだ。思い出せば出すほど、俺が壊れてしまいそうだからだ。俺は、それはいえない、といってその場を離れようかと考えたがーーーーーーーー
「助けてくれ・・」
「え?」
「たすけてくれよ・・もう・・姉ちゃん・・」
音もなく涙がこぼれてきた。今まで我慢してきた気持ちが全部溢れてきている。もういないはずの大切な人に助けを求めるなど、愚かにもほどがある。だが、俺は、激しく泣きじゃくり、地に伏した。センターソウルシティの、乾いた地面が一気に濡れていくが、一瞬だけの出来事であり、すぐに乾いてしまう。
不意に、頭ごと俺は抱きかかえられた。柔らかい肌の感触が俺を包み込み、穏やかにしてくれた。姉ちゃんの香りにそっくりだった。懐かしい。
『大丈夫・・?お姉ちゃんがいるからね?』
「ねえ・・ちゃん・・ありがとう。おれ、負けないよ・・」
俺は涙を止める。そしてユウコを認識し、抱き解かれて、しっかりと目を見た。けど、のどが詰まってしまう。
『ほら、男の子なんだから泣いちゃだめ。女の子を守らないといけないんだから』
「ごめんな・・こんな泣いちまって・・」
俺は、姉ちゃんにも、ユウコにも謝った。だめだな・・俺、何も変わってねえよ‥
「辛かったんだよね・・大丈夫だよ?私はどんなことがあっても、ロックァから離れない。愛してるから」
俺は何もいわない。けど、感じているはずだ。俺が、ありがとうと、呟いたことを。
「落ち着いた?」
「・・ああ、落ち着いた。ごめんな」
すると彼女は笑顔で首を横に振る。
「ううん・・大丈夫。でも意外だな・・ロックァが助けてって・・」
「俺も正直驚いたな・・わるいな、あまり人のいるところじゃ話せないんだ。一回落ちて、俺のうちの近くにある公園に行こう」
「え・・でもロックァ入院中じゃないの?」
そういえば俺は入院中だった。しかしもう体も十分動かせるくらいにまで回復している。
「なあに、脱出すればいいんだよ。あの程度なら余裕だ」
「たはは・・さすがだね」
俺は不適な笑いを見せる。それを見て、ひどく安堵していた。
「じゃあ、俺は一回落ちるぜ。俺が、ユウコを迎えにいくからな?待っててくれよ?」
俺は親指を立てて、ニッとした。
「じゃあね、待ってるから!」
ユウコも、笑顔になって、落ちていった。俺もそれに続いてログアウトしていった。
私は、意識が覚醒した。私の恋人の翔悟の部屋は、アニメタッチの女の子のビキニ画像や、本棚に積まれている、エロゲーたちを見て私は苦笑した。翔悟のあのビビりようはおもしろかったなと私は密かに思う。そして、私は伸びをして、全身に残る倦怠感を消す。
そして私は廊下にでて、お手伝いさんに声をかけた。
「リビングに行きます。部屋使わせていただいて、ありがとうございます」
すると、抑揚のない声がぼそぼそと聞こえる。
「いえ、すべては、翔悟様の命令にございます」
私はそそくさにしたに降りて、リビングで翔悟を待つ。そして、私は携帯を取りだしていじくっていた。
すると、10分後、窓から、ぬっと翔悟が現れた。
「わっ!びっくりしたなあ・・」
「へへっ・・まあ、この家については熟知してあるしな。ついでにそこのメイドさんは、退いてくれないかな?」
「わかりました」
翔悟の前にいたお手伝いさんは、すっとどこかに消えた。
「じゃあ・・姉の部屋いくか?そこだったら、フツーの部屋だし」
「い、いいよ・・翔悟君の部屋でいい」
私が照れながらそういうと、翔悟は、えっという顔をした。
「な、ならせめて片づけるよ。あれ邪魔だし」
「・・そうだね」
翔悟は、ヒュンヒュンと飛ぶようにして、階段を上り、稲妻のように、ドアを開ける。そして、ばばっと片づける音がして、私はクスッと笑う。そして、大声で、もういーよーと叫ばれたので私は、はーいと大声で返す。
そして私は再び入った。ポスターは乱暴にはがされていて、フィギュアも簡素な段ボールに詰められて、ベッドのしたにひっそりとある。翔悟の慌てっぷりが想像できてしまい、苦笑した。それにつられて翔悟も笑う。
私はベッドにぽすんと座り、翔悟は勉強机の回転いすに座った。翔悟は背もたれに顎を乗せて、口を開く。
「わるかったな・・片づけなくて。まあ、・いいや」
「まあいいよ。それで、なにがあったの?」
私は首を傾げながら聞いた。翔悟は一度顔を伏せて真剣な声音で私に言う。
「これからはなすことはかなりキツいものだ。それでもいいか?」
もう覚悟は決まっている。私は、コクリと頷いた。
「わかった、はなすよ。」
翔悟は息を吸い込んで話した。その内容は、想像を絶するものだった。もう、悲惨なくらい。
俺は、やはり迷った。俺の中に宿っているどす黒い過去に彼女を巻き込んでいいのかを。だが、彼女の目に宿る強い意志を見て、俺は決めた。話そうと。そう決意し、口を開いた。
「俺がプレイヤーを殺したというよりも先に、まずは俺の姉ちゃんの話をしたい。関係してくるからな」
俺は、息を吸い込んで言う。
「俺には昔、4つ上のお姉ちゃんがいたんだ。名前は、
「わたしはそんな・・」
彼女の頬が少し赤くなった。俺はそれを見て笑うがすぐに表情を戻す。
「しかも頭も良くて、俺はよく勉強教えてもらったよ。家族で一番話した人だった。今だから言うけど、姉ちゃんのことが本当に好きだったよ。異性としてでもな。弟妹としても」
俺は照れながらそういうが、優子にどつかれてしまう。
「大丈夫だって、優子のことも大好きだけど。けど、俺の人生に大きな影響を与えた人でもあった。いい意味でも悪い意味でもな」
俺がうつむくと、優子がのぞき込む。どういう意味だろうと言う顔をしている。
「俺が小学4年生の時かな。俺の家から、姉ちゃんがいなくなってたんだ。姉ちゃんはそのとき中学2年生で、塾に通ってたんだ。帰ってくるのがいつも遅いんだけどな。けど6月の時かな、帰ってきたのが夜中の2時だったときがあったんだ。なぜかと聞かれたんだけど、姉ちゃんそのまま部屋に引きこもっちまったんだ。俺は夜中こっそり起きて、姉ちゃんの部屋をのぞいたんだ。そしたらな・・」
俺は拳が震えていた。怒りが今でも巻き起こっている。
「姉ちゃんが泣きながら、腹を抑えていたんだ。俺は何事かと思って近寄った。そしておなかを触ったんだよ」
俺は、あのときの感覚がよみがえってきた。
「どくんといってたんだ。赤ちゃんができたんだよ。姉ちゃんは、妊娠させられたんだ。体中に痣まであった。おそらく知らない人にやられたんだ・・!」
俺は半ば吐き捨てるように言った。不安そうな顔をする優子にすまないといって、話を続ける。
「当然お袋や、親父にはいえなかった。だから、次の日の朝、自殺したんだ。俺が起きて始めてみたのは、たくさんの血と、血でかかれた恨み辛みの言葉だ」
優子が青ざめた顔をする。
「なぜ死んだのかは、親父たちは知らなかった。知っているのは、俺だけだったんだ。俺は自分を責めた。親父たちに打ち明けて、自殺をくい止められたかもしれなかったのに・・」
俺は涙をこぼした。それを優子が優しく指で拭う。
「そこからだ。俺が心を閉じて、オンラインに走ったのは。姉ちゃんが死んでもう、なにもやる気が起こらなかった。死んだ姉ちゃんに悪いと思っているけどな・・姉ちゃんは俺を励ましてくれた。けど、姉ちゃんの死のせいで、俺は堕落していったんだ」
もう、優子は何もいわない。話の続きをまとうともしていない。だが、俺はかまわず話す。
「まあ、俺の姉ちゃんの話はこれくらいにして、なぜ俺が殺したか、誰を殺したかを話すよ・・」
俺は、優子の顔を見る。恐怖の表情もあるが、まだいけそうだ。強靱な精神は砕かれていない。
「SAOが始まってから、3ヶ月程度たったときかな、俺は、攻略最前線にいた。第7層くらいだったな・・。けれど俺はその下の第6層にいた。クエスト攻略のためにな」
今でも思い出してくる。煮えくり返るような腹のうずきを。
「第6層の主街区《クルトン》で、あるクエストの受注を終えて歩いたところにな、話し声が聞こえたんだ。いや、名前が聞こえたんだよ。姉ちゃんの名前が。」
「え・・」
優子は絶句している。ネットゲームでは、リアルネームを口にするのが禁忌とされているはずだし、そもそもなぜ翔悟の姉の名前を知っているのか、わからないだろう。
「ただの偶然だろうと、俺は思った。だが、気になって後を付けてみたんだ。《
今でも一字一句間違えずにいえる。それくらい印象に残る言葉だった。
『なあ、リアルでは誰犯したよ?』
『ええとな、
『名前なんだよ?ネトゲだけどいいだろ?』
『別にいいぜ。もう死んじまったからな。
『ちくしょう・・羨ましいぜ・・』
『処女だったろ?』
『そりゃあもう。『中はだめぇ~!!』とか聞いてて最高だったぜ!』
『COOLだなぁ~~』
「それを聞いた瞬間、俺は飛びだしていた。圏外だからPKできたからな。俺はそこで、3人殺した」
『てめえら・・てめえらがやったのか・・』
『なんだてめえは?』
『・・FUCKUYOU!武器なんか構えるとは、とんだcrazy野郎だな?』
『なにしに来た?』
『姉ちゃんを・・てめえらが犯したんだな!・・石田茜を!!』
『・・oh,こいつは驚いたぜ。ドルガが犯った女の弟だとはな』
『仇討ちかよ。いいぜ、相手になって・・ガッ!!』
『大丈夫か、ニース!・・不意打ちかよ!SUCK!』
『どうした?この程度で驚いているのか?姉ちゃんに同じことしただろうが・・!死ねぇ!!』
『コノヤロっ!!グハアッ!!』
『オ、オイ!パリス!逝くなぁ!!』
『ドルガってのはてめえかあぁぁぁぁ!!!!』
『くそったr・・ごはぁ!!』
『・・無様だな。姉ちゃんを犯した奴らが一発で死ぬなんて・・なあ、お二人さんよぉ・・!ついでだからてめえらも殺す!!』
『poh!おまえだけでも生きろ!そら、転移結晶だ!』
『いや、それはさすがにまずい・・』
『てめえが生きなきゃしょうがねえだろ!!《ラフィンコフィン》は生き残らせるんだ!!』
『・・OK』
『おしゃべりはすんだか?』
『ごはぁ!!は・・やく・・いけ・・!』
『クソッ!!転移、始まりの町!』
『まてゴラァ!!・・くそっ・・逃がしちまった』
「結果俺は、4人中3人殺したんだ。しかも罪があるのは1人だけ。だけど俺は許せなかったんだ。姉ちゃんが苦しみながら死んだのに、それを笑い物にする奴らが。だから殺しちゃったんだ・・殺し終わってから少したったときだ。姉ちゃんの声が頭に響いたんだ。」
『どんなに憎くても、殺したりしちゃだめなんだよ?』
「俺は姉ちゃんの言葉を、守らなかった。だから俺は激しく後悔したんだ。狂ったように泣いて、そして忘れようとした。そして、何とか、思い出さない程度まで押さえ込んできた。けど、今日、あいつに会っちまったんだ。あのとき殺し損ねた1人に・・」
「・・!」
優子は激しく息を詰める。倒れそうになる彼女を抱き抱えた。
「そこで俺は、あいつに殺すって言われたんだ。俺はそのとき初めて恐怖を覚えた。報復がくる。その言葉しかなかったんだ」
俺は、唇を噛む。
「向き合わなくちゃいけないのはわかっている。けれど・・怖いんだよ・・しかも俺が殺した奴の中には、トーガの親父までいるんだよ・・!」
俺は、涙がにじみ出るのを感じた。
「俺、殺されるかもしれない。マジで今そう思っている」
俺は、今すぐにでも優子に飛びつきたかった。けど、体が動かない。人の温もりを求めたいのに、求められない。そんな俺の心境を察したのか、優子が俺を抱く。幼い頃に姉ちゃんにこんな風に抱かれたものだ。俺はついに涙がはじけた。
「たすけてくれ・・こわいんだ・・ああ・・」
俺は優子の胸に顔をぐいぐいとうずめ、涙でぬらし続ける。情けない、かっこわるいとも思ったが、涙を止めるすべも見つからない。優子はそんな俺の頭を、ずっとなでていた。俺は、気が狂ったかのように嗚咽を漏らして、ありのままに、全てを涙の形に変えて出した。
「ああ・・あああああぁぁ・・」
しばらく俺の涙は止まらず、5分間続いた。
「収まった?」
俺ははっと目を覚ます。どうやら少しねてしまったらしい。ベッドに座っている優子の膝で。そのせいか、少し照れていた。俺は頭を起こして、膝枕を止めると、優子に向き直り、ふっと笑った。
「うん・・ありがとう。何とか収まったよ。それで、こんなためらいもなく俺は人を殺したわけだが、そんな俺を見て、呆れたか?」
すると優子は少し不機嫌な顔になる。
「なわけないじゃん」
「え?」
「私は、そんなことで翔悟君を嫌いになったりしない」
俺は彼女の目を見た。嘘偽りない目だ。
「・・そうか。ありがとう。けど、これから俺のせいで危険な目に遭うかもしれない。それでもいいのか?」
「わたし、戦うよ」
俺は気がつくと、優子を抱きしめていた。そして、ありがとうと、耳元でささやいた。優子がコクンと頷いたのを確認すると、俺は顔を合わせて、キスをした。全てを吸い尽くす勢いで。唾液までもが、絡みついて、俺を気持ちよくするが、そこは我慢した。プハァと言う呼吸音を吐き出し、俺は、優子の顔を支えていた手を離す。そして、俺は右手を優子に差し出した。
「じゃあ・・これからもよろしくな、
俺の右手をじっと見て、にやっと優子が笑った。
「よろしくね!
勢いよくぐっと手が握られた。不思議と、握力20しかない優子のそれが、力強く感じた。俺は、己が生み出した過去ともう一度向き合う。そのために、俺は仲間を手に入れた。戦うんだ。姉ちゃんのためにも、俺のためにも、優子のためにも。俺は、そう決意して、病室へと戻るのだった。
さてさてそろそろ終わりに近づいてきましたw次回は、まあ戦うんですが、どうなるかは、いえませんねw
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それと、冒頭の文章の、本当の友情という部分もきっちり回収します!