saoから”ログアウト”できたプレイヤー 作:土ラグーン
オリキャラやっと出演させることができました!うまくできているかわかんないけどどうぞ!
2025年1月22日の夜9時過ぎ、ALOで記憶改竄の研究を行っていた須郷伸之が、とある男子高校生をナイフで切りつけたとして傷害の容疑で逮捕された。
須郷の人体実験のことより、ALOは運営中止を余儀なくされる。さらに、SAO事件を一人の狂人が起こした例外的事件と断定したほかの企業のフルダイブゲームも、今回の事件で批判が相次ぎ、運営中止も近いだろうといわれた。
しかし、そんな状況を丸ごとひっくり返してしまった、フリーソフトがあった。それは《ザ・シード》である。このソフトは、ある日突然解放されて、簡単にいってしまえば、誰でもVR環境を生成できるというソフトだ。しかも無料に近い金額なので、個人でも企業でもできるのだ。これにより、VR環境は、RPGだけでなく、教育、医療、観光などにも用途が広がっていった。
また、この《ザ・シード》はそれで作られたVR環境を自由に行き来できる《コンバート》システムも導入されている。つまり、別のゲームに行きたいときでも、データを引き継ぎできるのだ。本来コンバートとは、Aというゲームの続編が発売されたときに前のゲームのデータを使いたいときに使われるシステムだが、これも時代の革新なのだろう。
ALOはどうなったかというと、売れなくなったALOの全データをとあるベンチャー企業である《ユーミル》が無料に近い額で買い占めた。そして、大型アップデートを行い、新生ALOとして生まれ変わらせた。
新生ALOはまず、ALOと、きゅうSAOプレイヤーのデータ引継ができるようにした。旧ALOとSAOのサーバーは全く同じらしかったので、引継も容易だそうだ。まあ俺のALOデータもSAOと確かに同じだけどな。
次に2025年5月に、大きく3つの大きな変革を起こした。1つ目はこのゲームの大きな魅力である、飛行システムによる滞空時間の無限化である。旧ALOにいた幻の光妖精アルフは消し去られ、すべての妖精が無限に空を飛べるようになった。
2つ目は、ソードスキルの導入である。SAOにも存在した、茅場の遺産であるシステムを残しておきたいという意向だろう。それにともなって、ALOの熟練度システムをSAOと同じようにした。つまり、熟練度が高いほど強いソードスキルが使えるというものだ。
また、新しい管理者たちは、先人の遺産をそのまま受け継ぐのは嫌だったらしく、シードスキルに新しいシステムを付け加えた。ソードスキルに属性が加わったというのもそうだが、何よりも自分でソードスキルを開発できる《オリジナルソードスキル》システム、略して《OSS》が大きな革命だろう。自分で好きなモーションを考えて、それでソードスキルを作れるのだが、条件がかなり厳しく、「システムアシストなしで、システムアシストありの動きに近い早さで正確に放たなくてはいけない」というひどい矛盾に近いものである。基本みんな実現をあきらめたが、中には成功した努力家もおり、流派を開くこともできる。また、OSSには剣技伝承システムがあり、一代に限って、OSSをほかのプレイヤーに引き継ぐことが可能である。ただ、取引所ではかなりの金額で取り引きされている。
そして3つ目が、《浮遊城アインクラッド》の出現である。プレイヤーは、妖精郷アルヴヘイムと、アインクラッドを行き来できるようになっているようになり、アルヴヘイムでは世界樹攻略、アインクラッドでは第100層までの到達を目指すことができる。なぜこのステージが出現したかというと、コアなネットゲーマーは求めていたからだ。SAOプレイヤーしか挑めなかった、《伝説の城》に。
以上3つのアップデートにより、ユーザーは上昇を続けている。ユーザー減少は全体の1割しかなかったという。
今回は、そんなアップデートから約3ヶ月後の小さな俺とユウコの出来事である。
2025年8月6日、俺たちは、学校が終わり、ALOにログインしていた。今回の目的は、夏限定のクエスト「真夏の炎竜」である。このクエストの報酬が、レアな片手剣であるので、俺は食いついた。ユウコを連れて(後で1000円やるからといい)、俺たちは南に離れた孤島に行くが、クエスト開始する前に俺たちは遊ぶことにした。
「うわあぁ・・・!」
太陽に照らされた海面がまぶしく反射している。白い砂浜、ビーチパラソルが何ともリゾート感を醸し出している。いや、実際ここはプレイヤーの中で有名な観光スポット《ファイアビーチ》なのだが。
ユウコはビキニにチェンジし(水着選びに数時間つきあわされたが)、はしゃぎながら、水へと飛び込んだ。俺も同様に着替え、ユウコを追う。
「そら捕まえた!」
「きゃっ!?」
俺はユウコの腰にしがみつき、水へと押し倒す。ゴボゴボと息をして、水から顔を出したユウコは、怒りながら俺に水をぶっかけまくった。俺もお返しにと、どんどん水をかける。そして俺たちは、水遊びを15分やっていた。
その後、俺たちは、近くにいるNPCワゴン店員からカクテルを買い、片手に持ちながら、ゆっくりくつろいだ。水に濡れた彼女の素肌を、俺は優しくタオルで拭く。エヘヘと笑う彼女にほほえみながら。
「翔悟君も拭いてあげるよ」
とユウコが俺からタオルを奪い、俺の体を拭き始める。そしてタオルは俺の顔へと近づきーー
チュッ。
きれいなリップ音が俺の頬をかすかに打った。
「隙、ありすぎだよ?」
顔を赤らめていった。
「全くだな・・けど、俺だけじゃないようだな」
と俺は不適に笑い、彼女を押し倒した。
「きゃっ!?」
俺は彼女の腹をなで回し、やがて、大きな膨らみの近くまではわせた。膨らみに近くなるたびに彼女の顔は羞恥と興奮の表情をミックスさせる。そして俺は唇を奪った。
「隙、ありまくりだな」
「・・もう!」
俺は笑い、彼女を解放する。その後俺たちは抱きしめ合いながら、もう一度キスしようと目をつぶり、互いを近づけるーーーー
「HEYHEYヘエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエイイイイイイイイィッッ!!!!!!!!」
クソタカイテンションに、外国人じみたしゃべり方が特徴の人物といえばというなぞなぞなら俺は、絶対にあいつを思い浮かべる。むかし、俺たちの前に現れた超ハイテンションでクレイジーな奴だ。
「おい・・パネン。なにしに来た?」
俺はキレ口調でいう。
「昼間っからああああああああ!そんな!不埒な!キッスウウしてんじゃねええええええよおおおおおお!!!」
「・・質問に答えられてないですよ・・」
「あーそんなことyousayってたっけ?まあいいや。俺様はただのsightseeingデースウウ!あれ?そういやつれがいたな?おーいたいた!ヘイ!サンダーカモオオオオオオオン!!」
久々にうるさい音量でパネンの後ろ側の人物に呼びかけた。
「全くうるさいね・・パネン。」
「ユーがcoolすぎんだよ!!」
「いや、どう考えてもおまえがうるさいから」
俺が的確につっこむが、きれいにスルーされた。サラマンダーのロングヘアの女性が髪を払い、俺たちにいった。
「迷惑かけてすいません。うちの彼氏が迷惑かけちゃって」
ーーーーいまなんといった?サラマンダーの常識人が。
「彼氏・・?」
ユウコも口を押さえわなわなと震えている。
「彼女がいんのかよパネン・・?」
俺も一歩後ずさりした。
「テメエエエエラアアアアアアア!!俺様をバカにするんじゃねえええええ!!俺様だって、girlfreindいるんだよおおおおおおおおおお!!!!!!」
「うるさいけどもうなれたわ。」
ーーく、クールやお姉さん!
俺たちは心からそう思った。こいつの超ウルトラギガハイテンションには正直ついていけない。つかそもそもこの女性はこの男のどこに惚れたのだろう?
「紹介が遅れました。私はサラマンダーの《サンダー》です。この男はリアルでは私の彼氏で、《パネン》です。」
「うんもうしってる。」
すでに泣きそうな俺がそういった。
「あ、私の名前はユウコっていいます!この人の名前はロックァです!よろしくお願いします!」
「よ、よろしく・・」
俺はげんなりといった。
「そういえばユーたちはなにしに来たんだ?」
パネンが俺たちにそういった。
「いや、俺たちはここのクエストに目当てがあるんだ。」
するとパネンはなんか考え込んでいた。そして俺は、いうんじゃなかったと後悔する事態になる。
「なら俺様たちと行かねえか?」
「は?」
俺は心底いやそうに口をひん曲げている。
「いや、俺様たちもほんとは2人だけで行きたいんだけどな、この間挑んだら、見事lossしてきちまってよ・・」
「いや、でもな・・」
「わたしからもお願いします。2人だけでは勝てないので・・」
俺がまだ黙考していると、突然横から信じられない声が聞こえた。
「わかりました!手伝いますよ!」
「はあ!?おいユウコどういうつもr」
俺が言い終える前に彼女が俺の首根っこを掴んでどこかへと引きずっていく。
「どういうつもりだ!?心底めんどくせえぞ!」
「なにいってんの!私だってちゃんと考えているのよ」
「えっ?」
ユウコは、唇を締め、俺に説明する。
「あの2人はこのクエストを経験しているから、攻撃パターンとかも解っているはずだし、私たち2人だけで破れるかわかんないじゃない。」
「そうか・・そういうことか。けどドロップアイテムはどうするんだ?」
「確か人数分ドロップするから大丈夫だと思うよ」
「そういうことならやるしかないな・・仕方ねえなあ」
俺はため息をついて、元の場所へと戻っていった。
「わかった・・しょうがねえからくむか。パーティリーダーはパネンじゃ不安だから、俺で。」
「あんだと?俺様じゃあ不安ていうのかこのやr・・っていたたっ!!?」
「わかりました」
と、サンダーがクレイジーな奴の頬をつねりながら答えた。
「じゃあいこっか」
俺はみんなに呼びかけた。
俺たち一行はファイアビーチから少し離れた、ジャングルじみた場所にある洞窟に入った。洞窟は涼しいはずなのになぜか暑い。
「俺様もうburning・・」
普段クソハイテンションなこいつさえもうヘロヘロなのだ。俺たちなどしゃべることすらできないはずだがーーーー
「なによ、涼しいじゃない。」
(なんだと・・)
(うそ・・!?)
(wow・・)
こいつはいったい何者だ。このマグマサウナ地味たこの洞窟に背をぴんと伸ばしてすたすたと歩いている。しかもやせ我慢しているようではない。強靱なのか、それとも・・
「あいつは天然なんだよ・・感覚が違うんだ・・」
パネンが息絶え絶えにいう。
「そうなのか・・」
俺はふらふらと足がもつれていく。ユウコなどはすでに、俺の腕にしがみついている。
「ユウコ、俺の腕は暑いぞ・・離れてくれ・・」
何とか俺は歯を食いしばって歩き続けた。そして地獄絵図歩行(一人異常なのがいるが)ようやく、ボス部屋についた。しかし、ボス部屋はもっと暑かった!
「ふ、ふざけてやがる・・耐えられねえよ・・」
俺は汗をだく抱くと流しながら、呻く。
「情けないわね‥冷却魔法かけてあげるわよ」
呆れ顔で、手をかざし、スペル詠唱した。すると、俺たちを冷気が包み込む。全身の暑さがすべて死んでいくような、そんな開放感に溢れていた。
「イエエエエエエエエヤアアアアアアアアアアアア!!!!!!I`M COOLINGぅうううううううううううううううう!!!!!」
「やれやれ・・ハイテンションね。」
「けどサンキュー!生き返ったぜ。ダメージは食らったけど。」
「ありがとうございます!」
「そんなことよりくるわよ!武器構え!」
俺たちは首肯でそれぞれの武器を構えた。俺はサンダーの武装が気になった。武器が
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアスゥゥゥ!!!!!!」
そんな俺の思考をクエストボスの竜の雄叫びがかき消した。たくましい羽付きのドラゴンで、しっぽの先には炎が燃えさかっている。鼻からは熱気のありそうな息を吐き出している。パネンと俺は前線にでて、ユウコとサンダーが後方に下がった。
俺は剣を中断に構え、地を蹴る。そして腰をひねり、一気に右手に握られている剣を突き出す。すると、紅色に剣が輝いて、ドラゴンの体に刺さる。片手剣重突進技《ヴォーパルストライク》。
SAO時代のデータを引き継いだ俺のスキル熟練度と、筋力値、そしてソードスキルのブーストによって、ドラゴンのHPを大きく削った。そして俺は硬直がとけ、パネンと入れ替わる。
「スイッチ!」
俺は、バックステップで数メートル後ろにとぶと、パネンは、きょろきょろとみわたしている。
「Where is a switch?」
「そのスイッチじゃねえよ!!交代っていう意味のスイッチだ!」
「I SEE!!いっくぜええええええ!!」
パネンは地を蹴り、奴のメイン武器、鉤爪をシャッと繰り出す。しかし、すでにドラゴンは、態勢を取り戻している。俺はチリチリと感じていた熱気から、パネンの危機を察する。
「パネン!一回下がれ!ブレス攻撃してくるぞ!!」
「OK!!」
パネンは、バックステップで、一度下がるがーーーー
「アウチッ!!」
「こけんなあああああああ!!!!」
なんとパネンはバックステップしようとした直後に転けたのだった。しかも後ろに。
「バカ!早く立て!!」
しかしパネンはなかなか交代できずにいた。ドラゴンの迫力のあるブレス攻撃をおそれているのか?だとしたらまずい。
俺はパネンの前に躍り出てドラゴンの攻撃範囲へとはいった。そして、俺は立ち止まる。
「what・・?」
パネンがそううめくのを無視し、俺はソードスキル《スピニングシールド》を発動し、剣を風車のように回す。その瞬間、ドラゴンの口から、灼熱の炎が勢いを持って吐かれた。俺は動じず、剣を回し続ける。その後、うなりをあげて迫る炎線は半透明の盾にぶつかった。しかし、俺の身体には炎のかけらすら当たらず、すべて上下に炎が割れていった。
「ユウコ!サンダー!援護攻撃頼む!パネンはモンスターがひるんだら攻撃してこい!」
「「了解!」」
俺が剣を回している間に指示を出して、残りの3人はそれに答えた。後方にいるユウコは、風属性魔法を放つ。サンダーは弓を構え、一気に3本放つ。そして、雷属性魔法を矢に乗せて攻撃した。矢が刺さる度に、電流がドラゴンをおそう。これにより追加ダメージが適用され、奴のHPバーはどんどん減少していく。
「さっきの借りは返させてもらうぜええええええええ!!!!!!」
爪使いは竜がのけぞったところで、羽をつかって、奴の首に近づき、爪を光らせる。
「くらえ!俺様のソードスキル、《クレイジーバイト》!!」
パネンはそう叫び、猛攻撃を開始する。右、左と爪を振るい、真下に右手で掻き、その勢いでパネンの体が縦回転する。そして回転の勢いを利用して左手の甲で叩き、本命の一撃である右手を振るい下ろす。そしてフィニッシュに左右から爪を交互に内側に切り払った。これで奴のHPは4割を切った。そろそろバーサク状態にはいるだろう。かなり危険だ。
「サンダー!あれやっちまああああええええええええええ!!!」
「わかった!けど時間かかるから何とか稼いで!」
パネンがサンダーにいった。
「いいか!サンダーがスペシャルな技やるから、ユーたちはどうにか時間稼げ!OK!?」
パネンの真剣な叫びに俺はうなずく。こいつにこういうところあるんだな~。
ユウコが俺のヒールをし、俺は奴の攻撃を防ぐために前線にでた。ドラゴンは口を大きく開き、俺にかみつこうとした。俺はバックステップで、攻撃をかわす。パネンもひっかき、注意を俺から逸らしている。リーチの短い爪で必死に応戦しているパネンは防ごうと、ドラゴンの頭突きを爪のみでガードした。大きく吹っ飛ばされ、ショックで気絶しかけると思ったが、よろよろと立ち上がり、猛然と再び襲いかかる。俺も負けじと、剣を構えて接近した。そして、ソードスキル《メテオブレイク》を放つ。右斜め斬り下ろしをし、その軌道を逆戻りする。その後、かすかに生まれた隙を埋めるべく、左タックルする。そして右水平に斬って、再び右でタックル。フィニッシュに左上段水平斬りを浴びせた。合計6連撃技の強攻撃によってHPはのこり3割になった。
「お待たせ!!できたわよ!」
サンダーの凛とした叫びがボス部屋に響く。
「全員後方に下がれえええええええ!!」
「・・了解!」
俺たちは後ろに下がり、モンスターの注意圏から離れる。
「はああっ!!」
サンダーが叫びながら上空に何10本ものの矢を放つ。そしてスペル詠唱をし、その矢に魔法効果を乗せる。やがてその矢たちは一つの雲をなし、一気にドラゴンの頭へと落ちていった。グサグサッと矢が頭に刺さり悲鳴を上げている隙に彼女はダッシュしていく。そして細剣を抜き、光が集まっていく。すでにドラゴンのHPは1割だ。
サンダーは、剣と一体化したようにドラゴンの体に吸い込まれていき、貫通していった。ドラゴンの体は一瞬硬直して、HPバーがなくなって・・爆散した。
彼女は細剣をさやに収め、口を開く。
「ふう、そこの恐竜さん、覚えておきな?あんたを葬った技は、細剣ソードスキル・・さいけんそーどすき・・なんだっけな?まあいいや」
かわいらしく、てぺぺろといっていた。おまけにしたも出している。
ーーソードスキルの名前くらい覚えとけよ!!
俺が抱いた感想だった。せっかくかっこいい印象が、パアになってしまった。
その後、ドロップアイテムとして、4人分のメインウェポンがでた。俺とユウコには片手剣、パネンにはクロー、サンダーには細剣である。どうやら、主武装にあわせて、ドロップアイテムが変動するということだが、炎をテーマとしているところは共通である。
俺たちは、洞窟からでて、涼しい空気を堪能した。そして、ユウコは、俺に耳打ちをしてきた。
「ねえねえ・・なんであの二人がカップルなんだろ?性格も違うし・・」
「さあな・・ユウコ聞いてこいよ」
「い、いやだよお・・サンダーさんに聞くならいいけど・・ロックァはパネンさんね」
「おい!それだけは止めろ!」
「じゃあちょっと聞いてくる!」
ユウコはぴゅーっと飛び出していってしまった。
「ねえサンダーさん。ちょっとお話いいかな?」
私はにっこりほほえんで、サンダーさんに聞いた。
「いいよ。別に。場所移す?」
「お願いします」
私たちは、男から離れたところへと来た。
「・・あの」
「もう察しが付いているわ。どうしてパネンのことが好きかってことでしょ?」
「・・気づいていたんだ・・」
「確かに私たちって異色だもの。わかるわよそのくらい」
「じゃあ、どうしてですか・・?恋愛の参考にしたいなって」
「うーんとね、彼、リアルではいじめられているの。」
「え・・」
私はびっくりした。あの超ハイテンションな人が悩みを持っていたなんて・・。
「しかもリアルではかなりおとなしいの。外国人だし・・だけどね、ある日パネンは、同じようにいじめられていた私を助けてくれたの。同情かなって思ったけど、違ったみたい。だからその日から友達になって、それから、私が告白したの。」
「へえ・・素敵です。」
「まあ、私はうれしいわね。彼もきっとうれしいわよ。・・さて、私そろそろ落ちるわね?」
「はい!わざわざありがとうございました!」
「じゃあね。彼落ちちゃったみたいだし。」
サンダーさんは私の前でメニューをいじくってログアウトしていった。
「よおパネン、話がある。」
「なんだあ?」
俺は息を吸い込んでいった。
「おまえ・・ツバメって奴を知っているか?」
「つば・・だれだそりゃ?おまえの知り合いか?」
「ああ、知り合いだけど、おまえもあったことがあるはずだ」
「まあ、おまえたちなら知ってるけどよ・・あ、でもWAIT!なんか思い出せるような、そうでもないような・・」
パネンは頭を抱え、苦念している。
「うーんやっぱだめだ・・けど、なんか戦って楽しかった記憶があるぜ。爪おれたんだっけな?」
「そうだ、おまえが戦ったのはそいつだよ。ツバメっていう奴」
「・・そっか。けどおれにはおもいだせねえ。なんか大事な部分だけが切り取られたような、そんな感じでよ…」
「・・そうか。変なこと聞いてすまなかったな。」
俺はそういい、パネンの元を去ろうとした。
「またあおうぜ?ロックァ。see you later!!」
パネンが俺に呼びかけた。おれもパネンの元へいく。そしてお互いに手のひらを合わせた。
「またあおう。パネン!」
「じゃあな!ロックァ!俺様は落ちるぜ!」
そういってパネンはウィンドウを操作して落ちていった。ツバメという少年がくれた出会いを俺は忘れまいと、そう誓った。
「・・今日は楽しかったなー」
「そうだね・・」
俺たちは、パネンたちがいなくなったファイアビーチの夕暮れ時に佇んでいた。ALOでは現実時間と同じではないが、今の時間は夜の7時だ。今日は飯は抜きにするつもりだった。
「・・・わたしさ、サンダーさんが惚れた理由聞いたけどね、私と同じだった。助けてくれたからだって。」
「けどおれは・・おまえを見捨てたんだ。パネンの方が・・」
俺は下を向くが、ユウコに顎を捕まれ、引っ張り上げられた。
「私はそんな風に思ってないし、結果的に生きてる。そのことでせめて欲しくない。」
「・・わるいな」
俺は自嘲的に笑う。そして彼女を抱きしめた。
「なあ・・俺、いい彼氏かな?」
「え?」
「・・パネンってさ、見た目よりかはずっとしっかりしているし、俺なんかはそんなしっかりしているわけでもない。俺、ふさわしい男になれるか不安で・・」
俺が心底悩んでいた劣等感や自己嫌悪感を出した。けどユウコは笑った。
「・・ごめんね。けれどね、2人っていうのはそういうものじゃないかな?間違ってぶつかって、悩んで、乗り越えていく。私はそうやってすてきなカップルになれると思うんだ」
ユウコは優しくささやいた。
「・・ありがとう。おれ、もっとがんばるよ。ユウコと一緒に・・」
「うん・・」
俺たちは、2人が作る温もりをさらに合わせようと、キスをした。深く、深く、2人の存在が刻まれる。夕日で映る影では、2人が重ね合っていた。
オリキャラうまく生かせてたかな?結構不安です!もし、だめだったらすいません!申し訳ないです!
[今回使ったオリキャラ]サンダー 青眼の悪魔 さんのオリキャラです!
では、感想、指摘、アンケート投票などお待ちしておりますので!
また明日は投稿できないおそれがあるので、ご注意ください!
追記
アンケート結果と、あらすじは活動報告で公開しております!是非ご覧ください!