saoから”ログアウト”できたプレイヤー   作:土ラグーン

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さて、次の話投稿します!これは、ロックァくんのリアルの話と、ある少女の出会いの過去です!

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マジで感無量です!


彼女の"目"

2022年11月6日、新ゲームジャンルVRMMORPGの先駆けとなる、夢のフルダイブゲーム、《ソードアート・オンライン》略して《sao》の正式サービスが開始された。俺ーー石田翔悟は、このゲームにくいついた。俺は根っからのゲーマーであり、いくつものオンラインの戦場を駆けめぐっていった。俺がいつも使っているアバター《ロックァ》はMMOでの有名人の一人に数えられているほどだ。しかも、最年少クラスだ。何せ俺は15歳の中学3年生だからな。

 しかし、そんなゲーム中毒者に必要なステータスがある。まず、圧倒的な情報量、ひたすら強さを追い求める追求心、現実の犠牲、そして圧倒的なプレイ時間だ。基本、強者プレイヤーは、深夜に狩りか、ハイレベルなPVPをする。

俺は、今あげた4つのステータスのうち、前の3つは満たしているのだ。が、あと一つは満たせずにいる。なぜなら、

 

 

ーー親のせいだからだ。いや、正確には家のせいだろうか。俺の家は、とてもじゃないが、ゲーム廃人がいるような環境ではない。一言で言ってしまえば、名門エリート家だ。母親は東大教授、父親は、数学学者という恐ろしい経歴もさることながら、俺の姉弟もやばい。俺たちは、俺も入れて5人家族で、2つ上の姉と、2つ下の弟はいるは、姉の方は、私立名門超最難関、慶應女子高校にいっており、弟の方は、まだ中一なのに東大合格者数最多の開成高校のコースに行こうとしている。そのために塾もいっている。

 それに対して俺は、そこらへんにある、偏差値50クラスの学校に行こうとしている。しかも結構近場。いや、もう歩いて5分だ。親たちは反対も賛成もしなかった。おれはもう、4年前に、親たちから相手にされなかったのだ。理由は至極簡単。成績がクソ悪かったからだ。小学5年生のとき、めちゃくちゃわかんなくなってしまい、そのときやっていた(今思ってみればやらされた、というのかな)全国小学生テスト(もちろんレベルは中学受験の慶應中等部や普通部レベル以上)で最下位をとってしまった。

 

 それからはもう俺は相手にされず、俺は終わったと感じた。ナイフを手にとって、首に刺そうとした瞬間、テレビがふと目に移る。ちょうど、CMをやっていた。そのCMは、携帯端末でできる、無料ゲームだった。しかも、ただの無料ゲームじゃない。リアルタイムで、大人数で、大規模で、自分の顔に仮面をかぶって冒険するゲームだった。一応、クラスの生徒がちらっとそんなことを言っていたのを思い出した。知識としてのオンラインゲームの存在しか知らない俺は、興味がなかったが、死ぬ間際になって急に興味がわいてきた。どうせ、人生ゲームオーバーなんだからやってみてもいいのでは?俺はそう思い、震える手でつかむナイフを戻した。そして、携帯端末を取り出し、そのゲームをインストールした。

初めてのプレイで感じたのは、凄まじいカルチャーショックだ。スリリングなアクション、多様な選択肢、別の方面の強者たちの存在、そして、奪い合いの現実。俺にはとても心地が良かった。

 それからというもの、おれはそれにはまり続けた。そして何作品かプレイして強くなっていき、有名プレイヤーへとのし上がった。勉強を捨て、仮想の現実へとなり果てた、MMOに没頭した。

 そして2022年、俺はSAOの制作決定ニュースを聞き、8月に実施される、《ソードアート・オンライン クローズドβテスト》に応募したが落選した。ならば製品版をと思い、近所のゲーム屋に予約を入れた。この予約は見事成立し、11月6日、SAOにフルダイブする事ができた。

 

 しかし、SAOはデスゲームへと変貌する。開発者茅場晶彦は、ログインしているプレイヤー全員集めて、これから、プレイヤーは自発的にログアウトできないこと、SAOの舞台《アインクラッド》の頂上にある、ラストボスを倒すまでログアウトできないこと、そして、SAOのなかでHPが0になると現実世界でも死亡してしまうことを告げられた。

さらに茅場はプレイヤー全員の顔を、本物の、つまり現実世界でのそれに変えてしまったのだ。しかも目的は、この世界の鑑賞である。

 多くのプレイヤーたちはパニックになった。当然だ。だっていきなり、意味の分からないものを聞かされ、さらにログアウトできないなんて誰が受け入れようか。

ーーしかし俺は違った。すべてを受け入れた訳じゃない。むしろ、その逆だ。

「やってやろうじゃねえか・・・・茅場晶彦・・!」

俺はそうつぶやき、悲鳴の渦に包まれている、第1層の町《始まりの町》を抜け出し、フィールドにでたのだった。

 

 

「助けてよ・・・・誰か・・お母さん・・お父さん・・」

俺はそんな風に泣いている少女の声をかすかに聞いた。俺はふと目があってしまった。彼女の目は、俺にすがっているような目だ。俺は、彼女をーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー見捨てた。己をいかし、強くなることしか考えなかった。それが、俺がMMOを始めた理由であるから。SAOだってデスゲームという要素をのぞけばただのゲームだ。ここでないてちゃ、生き残れない。強くなれないんだ。

 

 俺はそう言い聞かせ、彼女の目の視線を忘れようとした。

 

 

 だが、できない。俺はその"目"をずっと覚えていた。

"彼女"に出会うまで。




いかがですか?またオリヒロ出しました!オリヒロとの再会はまた描きます!
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