saoから”ログアウト”できたプレイヤー   作:土ラグーン

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こんにちは!アズマオウです!昨日はバイトだったんで更新できませんでした!すいません!
 ではお待たせしました!

それときたああああああああ!お気に入り50人とっくに突破してました!みなさま本当にありがとうございます!今後ともどうぞよろしくお願いします!


ログアウトできない少年

「ようこそ!アルヴヘイムオンラインへ」

 たくさんの数字列が並んでいる、円柱型の部屋に、合成音声の声が響く。

「ではさっそくキャラクターメイキングを行います。まずは、キャラクターネームを入力してください」

 俺は表示されたキーボードを指で打ち、名前を登録する。

「《Rokkuxa》でよろしいですか?」

俺は表示されたウィンドウに、Yesを押す。

「ありがとうございます。では次に、このゲームで使う9つの《種族》の中から1つお選びください。一度選んだ種族は変更できませんのでご注意ください」

ウィンドウに、9つの種族が現れる。それぞれの種族を選んでみて説明文をみてみる。赤を基調とした種族《サラマンダー》は戦闘職、青を基調とした種族《ウンディーネ》は、高位回復、水中戦闘に長けている。緑を基調とした種族《シルフ》は空中戦闘に長けていて、猫耳が特徴な種族《ケットシー》は、テイムや支援に長けている。黒を基調とした種族《スプリガン》は幻惑やアイテム探しに長けていて、紫を基調とした種族《インプ》は、暗視や闇の魔術に長けている。茶色を基調とした種族《ノーム》は、耐久性に長けていて、ピンクを基調とした種族《レプラコーン》は、鍛冶に長けていて、音楽の妖精《プーケ》は幻惑を得意とするようだ。俺は、空を飛びたいから、《シルフ》を選び、タップする。

「シルフですね?わかりました。では、シルフの町、《スイルベーン》ヘとワープさせます。幸運をお祈りしています」

すると、急に体の感覚が薄くなり、視界がホワイトアウトする。やがて5秒くらいたった後だろうか、俺は上空で頭から落下していた。雲が俺にぶつかっていく。雲の波を抜けると、アルヴヘイムの地が見えた。円形の島がありその中央には、天をも突き破る、巨大な樹があった。

「でっけえ・・」

思わずそう声を漏らす。しかし、異変が起こった。

突然、俺の前方でブラックホールのような穴ができあがったのだ。空間を引き裂くような穴だ。俺はなすすべもなく、その穴に吸い込まれてしまった。

 

「どうなってんだあああああああああ!!?」

 

 

俺の意識は再びホワイトアウトし、気づいたときには、地面からもう10メートル近いところまで来てしまっていた。

 

「フギャっ!?」

 

情けない悲鳴を漏らし、地面にはいつくばる。痛覚はないが、強烈な不快感が俺を襲う。

「っっ・・なんなんだよこれ・・」

俺は頭を押さえ、上半身をあげる。

「何で急に森に落ちるんだ?位置情報の故障かこれ?」

俺は、あたりを見渡す。誰もいない。仕方なくウィンドウを開いてみる。確かめたいことがあったからだ。

「・・っと、よかったぁ・・あるぜログアウトボタン・・」

一番心配していたことが解決できて安堵していた。そして、俺は、再びあたりを見渡す。すると、

 

「きゃっ!」

 

 いかにも女の子らしい悲鳴が聞こえる。俺は、その方向を向いた。いたたっ、と頭をさする彼女を見つけ、声をかける。

「おい・・もしかして、優子か?」

「え?まさか翔悟君?」

「ああ、そうだけど」

「やっぱりね!私優子だよ!」

「やっぱか!いやあ・・一人じゃ心細くてな」

彼女はフフと笑った。

「俺ほんとはスイルベーンって町にとばされるはずだったんだ。けどなぜか急に空間が裂けたような感じになってさ、ここにとばされたんだ。」

「えっ!?実は私もなんだよ~」

「な・・まじかよ・・」

「う~ん・・でも何でだろうね?」

「さあな・・さて、俺たち道に迷ってしまったわけだ」

「どうしよう・・」

うーんと俺たちバカ2人組がうなっていた。

「考えてもしょうがないし、とりあえず、いろいろいじくってみようよ」

「いじくるって・・ウィンドウをか?」

「うん・・まあね!ステータスとかさ~」

「・・そうだな。開いてみるか。っと、こうかな?」

 俺は、右手の人差し指と、中指をそろえ、ウィンドウを開こうとしたがでなかった。俺は試しに、左手でやってみる。するとウィンドウがでた。彼女もならって、開いてみる。

「なんか、SAOににてねえか?」

 俺は彼女にいう。ウィンドウを開くと、メニューがあり、そこから、目的の情報を探すわけだが、メニューのデザインといい、項目といい、どこかにている。

「それ私も思った」

同時に小さく笑う。俺は何気なく、スキルウィンドウを開いてみるとーーーーーー

 

「な、なんじゃこりゃ!?」

 

「ど、どうしたの!?」

俺の大声にびっくりして叫んだ彼女に、俺はいう。

 

 

 

「熟練度が、おなじ・・だと?」

「なにと同じなの?」

「あの世界とだ・・」

 

 

 

 

「SAOの時との俺のスキルデータが、同じなんだよ‥だってあり得ねえもん!なんで初っ端から、《片手剣》《体術》《索敵》がマックスなんだ・・?優子もみてみろ」

 

 

 

 

「う、うん」

優子は、いわれるがままに開く。するとやはり彼女も俺と同じ反応をした。

「ほんとだ・・なんで・・?」

「わからない・・けど、データを移した覚えもないし、なんでだろうな・・」

俺は難しい顔をして考えていると、突然優しく肩をたたかれる。

俺が振り向くと、優子が、にこっと笑っていった。

「いいんじゃないかな?強くなってるからさ。それにまた翔悟君に守ってもらえるから私はうれしいけどね。」

 俺は微かに顔を赤めた。同時に俺は、決意する。

(どんなときでも俺は、俺の笑顔を守ってくれる彼女を、絶対守るんだ。それが死んだ"父さん"への誓いだ。)

 

「ああ、守るよ。俺は絶対にもう危険な目に遭わせない。」

両手をぽんと肩におき、微笑んだ。彼女も同時にほほえみ、本日2回目の口づけをしようとしたがーーーーーーーー

 

 

「ぐわあっっ!!」

 

 

少年と思われる悲鳴がとどろく。

「なんだ!?どこからだ!!?」

おれは、つかんでいた彼女の手を離し、声の元へと駆けていった。ムードがぁ~と言っている一人の女子のことなど気にせず走る。俺は最大スピードで駆けつけるとーーーーーーーーー

 一人の猫耳少年プレイヤーと、彼に攻撃している、赤色の分厚い鎧を着た戦士3人がいた。おそらく、襲われているのは《ケットシー》で、襲っている方が《サラマンダー》だろう。その少年はサラマンダーの両手剣に串刺しにされており、身動きがとれない。おそらく不快感に襲われているのか、顔が歪んでいる。そんな少年に、サラマンダーの武器の刃が襲いかかりもうHPバーが真っ赤になっている。そして、とどめを刺そうとして、武器を振り上げた男に、俺は斬りかかった。SAOの《ソードスキル》のひとつである、《 ヴォーバルストライク》のモーションで飛び出した俺の貧相な剣は、分厚いアーマーの隙間を貫いた。直後、爆発じみた音が聞こえたので俺は、剣をさやに収める。

「ちょ、ちょっとぉ!?早いよ~翔悟ぉ~~!!」

「ば、ばか!リアルネームいうなよ!ここではロックァっていってくれ!」

「あ・・ごめん」

俺たちがそんな会話をしている間にも、サラマンダーと、襲われていた少年は状況が理解できていなかった。待っていると永遠に気づかなそうなので、俺は声を上げた。

 

「あんたら、男を寄ってたかっていじめて楽しいのか?気持ち悪いね」

 

俺は挑発するように、見下した目でサラマンダーを見た。

「んだとごら!初心者(ニュービー)のくせに生意気言ってんじゃねえよ!すぐに殺してやるよ!」

少年が俺たちを見て、

「は・・早く逃げろ‥」

という。だが俺は、やれやれといわんばかりに、首を振り、

「まあ、ちょっと退屈してたし、遊んでやるかな~」

俺は、完全になめきった態度をとった。後ろにいる優子が、あーあ。と言っていたのを気にしなかった。まあ彼女も俺が本気でやられるとは思ってないだろう。

「ほざけえええええええええええええ!!」

片手剣持ちのサラマンダーがつっこんでくる。俺は、左に飛んで、攻撃を避ける。そして、敵の振り終えた一瞬の隙を逃さずに石ころを拾って、サラマンダーの右目に投げつける。

「うぎゃあ!!?」

甲高い悲鳴を上げ、じたばたしているところに、俺はソードスキル《ホリゾンタル・スクエア》のモーションで攻撃する。武器はバリバリ初期装備だが、俺のスキル熟練度と、体の随に染み着いているソードスキルの勘によってダメージがブーストされ、サラマンダーを葬っていく。続くもう一人の大型ランス持ちのサラマンダーも、奴が驚いているうちに、ソードスキル《スネークバイト》のモーションで倒してしまった。少年は、その様子をあんぐりと口を開けてみていた。

「ふう・・口ほどにもねえ奴らだ。簡単に挑発に乗りやがって・・」

俺は優子の元へと戻る。

「大丈夫ですか?」

優子は少年の体をさすって介抱している。

「は・・はい・・ありがとうございます・・すいませんが、ヒールくれますか?」

「ひーる?」

「回復か。わかった。けど俺できるかわかんないんだけど」

「もしかして・・初心者?」

「ああ。つか今さっき初めてインしたんだよ」

「それであんなに・・すごい・・」

俺はこれ以上話を延ばしたくなかったので急いで話題を振った。

「それより、ヒール呪文はどうやればいい?」

「スキルウィンドウのところに、スペル一覧というのがあるから・・それを見て、覚えて言葉を言うんだ。大丈夫。ヒールは、スー・フィラ・ヘイル・アウストルの4個だけだから。」

「わ、わかった!スー・フィラ・ヘイル・アウストル!」

俺が呪文を発すると、俺の周りにたくさんの文字列がならぶ。そして俺が、スペル詠唱をするたびに俺の横に、文字が現れる。そしてすべて詠唱し終わると、俺の周りにあった文字列がすべて消えて、代わりに、少年の体を、薄緑の光が包んでいく。少年のHPバーは、見る見る回復していき、6割ほどまで回復した。どうじに、俺のHPバーの下の青いゲージが減少した。おそらくあれは、一般的にMP(マナポイント)とよばれるものだろう。

 

「ふう・・ヒールありがとうございます!イヤー生き返ったなぁ~」

少年は、一気に元気を出したのだった。

 

「いや~さっきはほんと助かりました!!ありがとうございます!あっ、僕ツバメっていいます!」

「や・・別に対したことはしてねえよ。俺はロックァ。んでこっちの女は、ユウコだ。2人でログインしている。」

「よろしくお願いしますね、ツバメさん」

「よろしくね、ユウコさん」

ユウコと、ツバメという少年プレイヤーが握手を交わしたところで俺は言った。

「そういや、あいつら何者だったんだ?何でツバメを襲った?」

あうると、ツバメは難しい顔をし、口を開く。

「あーぼく昨日ね、彼らの仲間PKしちゃってさ…モンスターの取り合いで。」

「・・そうなのか」

「うん・・まあ僕結構殺しちゃってるから、付いたあだ名が《忍者様》とか、《暗殺者》とかってなっちゃって・・」

とてもこれらの2つ名が合いそうな少年ではない。かなりはきはきしていて、かつ明るい性格だ。ただ、あのサラマンダーたちがあそこまで執拗に追っているということはなかなかの手練れであることは間違いない。

「そういえば、君たちはALO初めてなんだっけ?」

「そうだよ♪けどロックァったらバカだから真っ先につっこんじゃって・・」

「るせーな・・助けたっていいじゃないか・・台無しにしたのは悪かったけどさ・・」

その言葉の最後に、ユウコは顔が真っ赤になる。その様子に疑問符をかかげたツバメだったがスルーした。

「それで、なにも知らないの?まさか、オンラインゲーム初心者?」

「いや、俺は何本かやってるよ。んでユウコの方はこれで2本目だ。」

「そっか・・僕は、これが初めての作品なんだけどね」

「そんで、この世界は、自由に空が飛べるって聞いたけどどうやって飛ぶんだ?」

「ええとね・・飛行のやり方は2種類あって、1つ目がコントローラー飛行、2つ目が随意飛行なんだ。コントローラー飛行は、左手を軽く握るような形を作ると出現するんだ。簡単だけど、空中戦闘にはむかないし、スピードがそんなに出せないんだ。随意飛行の方は、背中にある肩甲骨をふるわせて、羽を制御して飛ぶんだ。操作は難しいけど、たくさんスピードが出せたり、空中戦闘がしやすいから、マスターしておくべきだよ。」

長々とした説明を何とか飲み込んで俺は早速コントローラー飛行から始めてみることにした。俺は左手を軽く握ってみた。すると、手の中から、スティックコントローラが出てきた。

「操作はかんたんで、前に倒すと上昇、後ろに倒すと下降、左右で旋回、そして、スティックを押し込むと加速、はなすと減速だよ。」

「了解!」

俺は試しにスティックを前に倒してみる。すると、緑色の透明な羽が粉を舞わせ、輝く。そして、もう一度倒すと、ゆっくりと上昇を始めた。地面から2メートル近く飛んだところで俺はスティックをたおすのをやめて、押し込んだ。すると、急に何かに押されたかのように体が前進した。あわててはなすと、その勢いは徐々に止まっていく。俺は、何回かその作業を行って、次第になれていった。ユウコは、すでにひゅんひゅん飛び回っている。

「うまいうまい!次は随意飛行だね!まずはちょっと二人とも降りて後ろを向いて」

俺は、未だにひゅんひゅん飛んでいるユウコに呼びかけるが、取り付かれたかのように、全く耳を貸さず飛んでいる。実にほほえましく、見ていたかったが、ツバメが呼んでいるので、近くにより、襟をつかんで無理矢理おろさせた。むぅ~と頬を膨らませたが俺は構わず下ろす。

「ごめんね。じゃあ随意飛行教えるね~」

そういうや、ユウコは膨らんでいた頬をゆるめた。

「え・・とじゃあまずは後ろを向いてみて」

「おう」

すると、ツバメは、俺とユウコの、肩甲骨の少し上あたりに、指をおく。

「ここ、わかるよね?」

「うん」

「少しイメージが必要なんだけど、今さわっているところから、筋肉と骨が延びていると想像してそこを動かせばいいんだよ」

「・・こうか?」

俺は、肩甲骨をプルプルとふるわせた。すると、それに応じて背中の羽が小刻みにふるえる。ユウコもできたらしく、俺とほぼ同様の動きをしている。

「そうそう!うまいうまい!それでその羽の動きと、肩甲骨の動きを連動させるような感じでやってみて!」

 言われたとおりのイメージでやってみる。すると、少しだけ上昇していった。ユウコなんかはすでに3メートル飛んでいる。

「ユウコ・・お前、攻略組になれたよな?」

そう呟きざるをえなかった。

「うまいなぁ・・はっきり言うけどこんな早く随意飛行を取得した人なんて、8ヶ月やってて始めてみたよ~」

「8ヶ月って、あんた相当ベテランじゃん!」

「まあスパンが長いからね~それなりだよ」

「じゃあ俺と戦っても俺は勝てないなぁ」

「そういえば、あいつ等をよく消しされたね?僕だって一撃では倒せないよ?パワー系じゃないけどさ。」

「あ、ああそれはたぶんね・・運というか、クリティカルが入ったんだ!」

「ふぅん・・まあいいや」

(助かった・・まさか初っぱなからスキル熟練度マックスなんてこと言ったら、なんかやべえからな~)

俺は胸をなで下ろし、時刻をみる。もうそろそろマンガ喫茶の部屋を借りてから2時間たつ。俺は楽しそうに飛んでいる彼女の腰をつかんだ。

「ちょっ!?ロックァ!?」

「もうそろそろ部屋返さないとだろ?後5分で2時間だ。」

「あ、そっか・・はやいなぁ・・」

「次は自宅から行こうぜ?この世界に。さてと、落ちるかそろそろ」

「ログアウトするの?ならここじゃない方がいいよ?」

ツバメが言う。

「なんでだ?」

「ALOの場合、フィールドでログアウトすると、しばらくアバターが消えないんだ。つまり格好の獲物にされちゃうんだよ。」

「お、おいまじかよ!でも俺ら早く落ちないと・・」

「じゃあ僕が守ってあげるよ。ぼくまだいるし。」

「そ、そうなんだ。ごめんねなんか」

「気にしないでよ。僕こういうの慣れてるから」

「いつも長時間ダイブしてるのか?」

俺の問いにツバメは、唸っている。やがて口を開くと、衝撃的なことを言った。

「長時間というより、()()()ってほうが正しいかな?」

「ずっと?」

彼女が素っ頓狂な声を上げる。

「お、おい・・それどういうことだ?」

目の前にいる少年は、横を向き、指と指をつんつんしながら答えた。

 

 

 

 

「あ・・そのつまりね・・ぼく、()()()()()できないんだよ‥」

 

 

 

 

 

俺とユウコは衝撃のあまり言葉がでなかった。




 どうでしたか?まさかのこの世界でもログアウト不可能とは!
毎回、オリキャラ、感想などを募集しますが、さらにもう一つだけ追加します!

それはオリジナル魔法です!アンケート2(≧∇≦)bの方で募集しますので、是非是非書いてください!詳細は、活動報告のアンケート2の方に書いておきます!たくさんのご応募、お待ちしております!

では、感想などいろいろお待ちしておりますのでよろしくお願いします!

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