新機動戦記ガンダムW 〜試されしガンダム達〜   作:星々

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戦士たちは疲労していく
戦士たちは決意する
戦士たちは戦う
戦士たちは………


第7話 〜これからの戦い〜

先の戦闘から帰還したガンダムパイロットたちは、大部屋に集合していた。

レイの元へ向かったミデンも含め、人数は大幅に増えて計14人になっていた。

以前はガランとしていた大部屋も、今は少し窮屈に感じる。

「久しぶりだな、ガンダムのパイロット。」

ウインドことゼクスがパイロットスーツを緩めながらかつての戦友に挨拶した。

「やはり生きていたか、ゼクス・マーキス。」

デュオとチェスをやっているトロワがビショップの駒を動かしながら言った。

強力な一手だったらしく、デュオは顔をしかめた。

「オペレーション・メテオのガンダムパイロット、MO-Vのガンダムパイロット、OZのパイロット…ここまで戦力が揃うとはな。」

(それでも勝てる戦いではないが…)

レディは危機を更に実感した。

「でも、僕たちが集まることは望ましくないことです。」

「皮肉なものだな…地球圏は戦いを捨てたが、それ故に危機に陥っている。」

プリベンターの五飛は静かながら悲しげに言った。

「仕方ねぇ事だろ。問題は、これで軍事品の需要が上がっちまう可能性だ。」

デュオはナイトで反撃に出た。

「折角手に入れた平和だ、私たちの手で守り抜こうではないか。」

ロッシェが紅茶を口にして言った。

 

 

 

救護室のドアが勢いよく開いた。

そこには息を切らしたミデンがいた。

「レイ…」

レイは目覚めていた。

ミデンは涙を流してレイに抱きついた。

「ごめんミデン、心配かけちゃったね。」

レイはミデンを両腕でしっかりと包み込んだ。

「もう…無理しないで。」

「わかったよ…」

 

しばらくして、救護室にゼクスが入ってきた。

「君があの、01によく似たガンダムのパイロットか。」

ゼクスの登場に、レイは目を見開いた。

それも当然である。

5年前、革命軍ホワイトファングの指導者として、地球圏最後の戦争EVE WARSで戦ったミリアルド・ピースクラフト本人である。

この顔を知らない者はいない。

「ゼクス…マーキス…!?」

「なるほど…ゼクス・マーキスの正体を知っているとはな。さすがは元ガンダムパイロット候補だ。」

「何故その事を…」

ゼクス自嘲気味な笑みを浮かべた。

彼の特徴的な癖である。

「レディ・アン嬢から伺った。」

「色々調べられているようだね…」

ゼクスとレイは握手を交わした。

「その目…私がよく知る男に似ている…」

「え…?」

「いや、気にしないでくれ。」

ゼクスはそう言って部屋を出た。

 

 

大部屋ではデュオ、カトル、五飛、オデル、ロッシェ、ヒルデが話していた。

「にしても、こんな戦いを続けてたらそう長くは持たないぜ。」

デュオが手を頭の後ろに回して言った。

「同意見だ。いずれはここも墜ちるだろう。」

オデルが右手を軽く挙げてデュオの意見に同意した。

「そうだね…戦い方を変えないと…」

カトルが何か打開策はないか考える。

そこに、ミデンが入ってきた。

「戦い方を変える必要はありません。」

一同の視線が集中した。

「それだと、MO-Xが沈むのも時間の問題なのだぞ!」

「落ち着けロッシェ、彼女には何か考えがあるらしい。続けてくれ。」

ミデンはテーブルに着いた。

「戦い方を変えるのではなく、()()という考え方を捨てるんです。」

「こっちから打って出るってこと?」

「攻撃こそ最大の防御…悪くはないが、勝算はあるのか。」

五飛が鋭い声で質問した。

ミデンは五飛の威圧に負けず、堂々とした態度で答えた。

「はい。あと300分あれば、私とレイが設計したGユニットが完成します。そうすれば、100%ではありませんが希望は見えてくるはずです。」

「Gユニット…」

オデルが聞き慣れた単語に興味を示した。

Gユニットとは、機体に装備して様々な戦況に対応できるようにするオプション装備のことで、ガンダムジェミナスに採用されていた。

「いくら高性能なGユニットがあったとしても、そこまで戦況が傾くとは思えんがね?」

「えぇ、Gユニットの本来の使い方だとそうでしょう。」

「どういう意味だ?」

「私とレイが設計したGユニットは、無人戦闘機としての運用も可能な、立派な戦力です。しかも、Gユニットと並行して開発していた量産型ビットもそろそろ完成します。」

「ほぅ…」

「ということです、異論は無いですか?」

ミデンはその場にいた全員の目を見た。

異論は無いようだった。

 

 

ミデンが大部屋で話している頃、レイはプテリュクスのコックピットで戦闘シミュレーションに取り組んでいた。

(バスターライフルをもっと上手く使いこなさないと)

バスターライフルをガトリングモードに切り替えて乱射するが、画面内のアンノウンには当たらなかった。

「そんな遠くから撃っていたら当たらないのも当然だ。」

トロワがコックピットを覗き込んできた。

「ガトリングは押し付けてこそ、最大の攻撃力を発揮する。遠距離から撃っていては、弾がバラついて当たったとしても本来の火力を発揮できない。」

トロワが手で変われと合図してきたので、レイはシートの後ろに下がった。

トロワはシートに座り、シミュレーションを始めた。

開始と同時に、ミサイルで弾幕を張り、一気に敵と距離を詰めた。

ガトリングを押し当てて、敵を墜としていく。

レイが驚いたのは、その手際とテクニックもそうだが、トロワ特有の弾切れを気にしない戦い方だ。

バスターライフルの出力は常に最大で、ミサイルも出し惜しみしない。

しかし、無駄撃ちは一切無かった。

「すごい…」

モニター端に表示された命中率は、98%を表示していた。

「わかったか?」

「は、はい。」

トロワはシミュレーションを終了すると、プテリュクスのコックピットから出た。

「その機体の最大の活用法は、圧倒的な火力と機動力で敵を撹乱する、単純な作業だ。」

トロワはヘビーアームズ改のコックピットに消えた。

 

 

ミデンはGユニットの最終調整に取り掛かっていた。

MO-X第2格納庫には4機の戦闘機があった。

盾状の本体から正面に尖った板が付いている水色の機体、大きなビーム砲が2門と3つのスラスターがある紫の機体、機体のほとんどがブースターで両サイドに更にブースターが付いている青い機体、そして、大きな翼と7基のビットを持つ赤い機体である。

「ソードパック・ポラリス最終調整終了…キャノンパック・アルクトス、ブースターパック・コメテス同じく終了…」

水色、紫、青の3機が、待機状態に入った。

「シャリオ最終調整終了…全過程を終了。」

ミデンはイスにもたれかかり、伸びをした。

「この子たちの操縦よろしくね、ハロ。」

「「「「リョーカイ! リョーカイ!」」」」

 

 

 

 




どうも星々です

さて、アンノウンに打って出ると言ったミデン
果たして、何十倍もの数の敵に勝てるのだろうか

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