この国の王様の考えはとても素晴らしいものでしたが、それ故に、たくさんの戦争好きな人たちに嫌われました
その結果、国は滅されてしまいました
その国の王子様は、復讐を誓い、仮面を被り、軍隊の英雄になりました
その後、仮面は砕かれましたが、今度は地球を粛清すると言って、大きな戦争を起こしました
平和の創造者の名前をもつ王子様は、血塗られた運命をたどってきました
王女様は言いました
「私を抱きしめてくれているこの手は、優しいミリアルドお兄様のものですか?それとも、血塗られたゼクス・マーキスの手なのでしょうか?」と
「くっそぉ!! キリがねぇ!!」
デュオは苛立ちを感じていた。
その苛立ちを全開にしてぶつける。
それはデュオに限ったことではないのは、他のガンダムの戦い方を見れば分かることだった。
(にしてもコイツら…どうして固まって来るんだ?)
(どう考えたって分散すれば容易に突破できるって、コイツらの学習能力なら分かるはずだ)
デスサイズヘルのビームサイズを1体のアンノウンに引っ掛けて、他の1体に投げつける。
MSのときのように、誘爆を誘うことはできなかった。
ビームサイズは元々同時に多数を相手にするのが得意な武装ではあるが、さすがに援護なしで10機以上を同時に相手するのは苦戦を強いられた。
ビームランサーが主武装のグリープやツインビームトライデントが主武装のアルトロンにも言えることだが、敵が間合に入れば広い範囲攻撃で確実に仕留めることができる。
が、そのさらに内側に入られた場合、ビームサイズやビームランサーはその大きさ故に、身動きが取れなくなってしまう。
これが大きな弱点である。
デスサイズヘルの場合、それをフォローするのが高い機動力と隠密性である。
できるだけ、敵が攻撃して来る前に墜とす、正に"やられる前にやれ"である。
一方、2本のヒートショーテルが主武装のサンドロック改は、攻撃範囲は誇れるものではないが、近接戦闘では無類の粘り強さを誇る。
ガンダムの中でも最強レベルの装甲がその理由の一つである。
デスサイズヘルほどの範囲攻撃はできないものの、密接戦闘では無類の強さを発揮する。
ガンダム格闘機のもう一角、アルトロンは、ガンダムの中でも最強レベルのパワーをもつ。
ツインビームトライデントによる範囲攻撃はデスサイズヘルと同じような用途だが、ツインビームトライデントにはもうひとつの強さがあった。
それは、直線的な攻撃ができること。
これができれば、敵が攻撃範囲の内側に入ったときも対処可能である。
さらに、ドラゴンハングによる中距離戦も可能。
火力が他のガンダムに比べて劣るところもあるが、単純な格闘性能は今挙げた中ではトップであろう。
スピードのデスサイズヘル、耐久のサンドロック改、パワーのアルトロン、それぞれ強みと弱みがあり、パイロットその強みを最大限に活かしている。
間違いなくどの機体も強い。
が、これらの全てを上回る機体が存在した。
デスサイズヘルを超えるスピード、サンドロック改を超える耐久性、アルトロンを超えるパワー。
ビームサイズを超える範囲攻撃、密接戦闘や直線攻撃も可能な機体。
ガンダムエピオンである。
その最強の格闘機が今、宇宙に翼を広げている。
MO-Xから地球を見て夜の方向から、
双頭竜、ワイバーン形態のエピオンは、最高速度のまま赤い軌跡を残してアンノウンの群を横切った。
すると、エピオンが通った後には、真っ二つになったアンノウンしかいなかった。
アンノウンは、減った戦力を補うようにそこに集結した。
エピオンはMS形態に変形し、ヒートロッドを横方向に振るった。
アンノウンはヒートロッドに引き裂かれる。
またそこにアンノウンが集結する。
さすがのエピオンも数に押され、ヒートロッドが最大限に機能しない範囲まで攻め込まれた。
しかし、エピオンはそれに臆せず、冷静にアンノウンを1〜2体ずつビームソードで貫いていった。
とてつもない速さの連撃で、アンノウンを圧倒しているように思えた。
だが、エピオンを囲むようにして群がるアンノウンは、同時に多方面から攻撃してくる。
降り注ぐエネルギー砲をシールドで受け止めるが、衝撃で一瞬よろけてしまった。
アンノウンはそれでも容赦なく撃ち続ける。
エピオンはそれをなんとか受け止める続けるが、1体がエピオンの背後に回り無防備な背中に向けてエネルギー砲を構えた。
その時、アンノウンは背中から撃ち抜かれた。
トールギスⅡリペアのドーパーガン改である。
トールギスⅡリペアは、5年前のEVE WARSで大破したトールギスⅡのパーツを集めて改修した機体である。
性能は少し下がったものの、初期型ガンダム程度の性能を有している。
ドーパーガン改は、弾を回転させることによって通常のドーパーガンに比べ優れた貫通力を有している。
アンノウンがトールギスⅡリペアの方へ流れ出した。
エピオンは、ヒートロッドをアンノウンの脚部にあたる部分に絡ませ、そのままハンマーの要領で振り回した。
これで墜とすことはできなかったが、少しはアンノウンの注意を引いた。
トールギスⅡリペアの相手がいなくなったわけではない。
それぞれが単機で戦わざるを得ない状況になった。
MO-XのカメラがエピオンとトールギスⅡリペアを捉えた。
「ちょっと、これを見て!」
サリィはエピオンの登場をレディに知らせた。
「何!? エピオンは今私の目の前に…!?」
レディは今の今までエピオンが起動しない原因を探っていたのだが、今目の前にあるはずのエピオンが、戦っているのだ。
困惑する2人を含めたMO-X戦力に通信が入った。
『こちらファイヤー。これより貴官らを援護する。』
『こちらウインド。目標を殲滅する。』
トールギスⅡリペアのパイロット、
「ノイン! ゼクス!」
サリィは予想外の出来事に、コードネームで呼ぶことを忘れた。
レディは格納されているエピオンを腕を組んで眺めていた。
「……なるほど…もし、ソールトシステムとやらが事実なら…ありえる話だな。」
レディの考察はこうだ。
ソールトシステムは、宇宙に漂う残留思念を受信・解析して目的物を
つまり、残留する魂のようなものに形を与えるシステムである。
今回のエピオンの場合、存在しないと思われた
「形を再現するだけでも十分凄いことだが…」
ゼクスとノインの参戦でMO-X戦力全体の戦意が高まった。
決して有利になったわけではないが、彼らが知る人物の中では1、2を争う腕の持ち主である。
かつて
AC196年のマリーメイアの蜂起の時は、心強い味方となった。
トールギス、ウイングゼロ、エピオン、トールギスⅢと、数多くの名機を駆ってきた。
が、そんなゼクスが唯一完全に乗りこなせなかった機体がある。
それは、ウイングゼロである。
ガンダムの試作0号機であるウイングゼロは、開発者である5人の博士たちですら不要と判断した並外れた破壊性能と、パイロット支援戦況予報システムのゼロシステムを搭載した、ガンダムの原点にして頂点である。
その暴れ馬ウイングゼロのコックピットに、新たなパイロットが座っている。
一般人出身の元OZ一般兵、ヒルデ・シュバイカー。
ガンダムパイロットでさえゼロに呑まれそうになるほどの危険な機体であるウイングゼロを、彼女は今、乗りこなしていた。
過去、この機体を完全に乗りこなしたパイロットは、ヒイロ・ユイただ一人である。
ウイングゼロの歴史に、新たな物語が刻まれる。
ゼクス登場です!!
自分、個人的にゼクス好きなんでちょっとVIP扱いですw
相変わらず国語は苦手ですが、一生懸命書きますんで、今後ともよろしくお願いします