担い手と問題児は日記を書くそうです。   作:吉井

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華蓮対七夕です。
きちんと盛り上げられたのかどうか……。


四神を担う者――激突

 ノーネーム本拠点から少し離れた荒地。

 両方の世界の全員がそこにいた――もちろん黒ウサギたちもいる。

 

 

「なんか恒例行事になってないか?」

 

「恒例行事って……こんなこと毎回やってるの?……そういえば私の時もやってたような――まあ、私が頼んだんだけど」

 

 

 ぼやく五月雨。

 それに対し、華蓮が呆れたように言った。

 

 

「しかし華蓮対七夕か……初めてのバトルだな。それにしても華蓮、意外にノリノリだよな」

 

「まあ、前から戦って見たいって思ってたからね」

 

 

 五月雨の言葉をそう返し、華蓮は荒地の方へ走って行った。もうすでに、審判の黒ウサギたちはスタンバイしている。

 と、華蓮との距離が離れた時、銀腕の十六夜が近づいてきて――小さな声で。

 

 

「それだけじゃない。華蓮が乗り気な理由は――それだけじゃない」

 

「……どういうことだよ」

 

「……後で話す。ほら、試合が始まるぞ」

 

 

 五月雨の追及から逃れるように、十六夜は皆のところへ歩き始めた。

 五月雨はその背に何度か声をぶつけたが、結局十六夜は答えなかった。

 

 

「……くそッ!意味深なこと言って、もやもやさせるだけさせて放置かよ!……だけど、あいつってあんなキャラだったか?」

 

 

 ――それに、なんか妙に気を張ってるって感じがするんだよな……。

 と、その時。

 

 

「五月雨!もう始まるよ!」

 

「――ごめん、今いく!」

 

 

 耀に呼ばれ、思考が止まる。

 後で聞き出そう、そう五月雨は思い、皆の元へ向かった。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

 荒地のど真ん中に、華蓮と七夕は向かい合って立っていた。両者、準備万端だ。

 

 

「――ただいまより、華蓮さんと七夕さんによる模擬戦を始めます!制限時間は最大1時間!その間に降参、あるいは事故があった場合、終了となります!」

 

 

 審判の黒ウサギが、試合のルールを読み上げていく。ギフトゲームではないため、各自の認識が大事なのだ。

 

 因みに、今回の審判は2人だ。

 2人の黒ウサギが交互にルールを言っていく。

 

 

「――なお制限として、華蓮さんは《万長権限(プレジデントコード)》を。七夕さんは『朱雀、白虎、青龍、玄武、麒麟以外の式神の使用』を禁止します」

 

「しかし特例として、七夕さんが複数の式神を同時に使用した場合、《万長権限》の使用を可とします」

 

「――これでルールは全部です。何か質問はございますでしょうか?」

 

 

 一同、誰も手を上げず無言。

 それを見て、黒ウサギたちは頷きあうと――高らかに宣言した。

 

 

「「それでは――――はじめッ‼︎」」

 

「「はあァァァァァああああああ‼︎‼︎」」

 

 

 ――その瞬間、向かい合う2人の全身から、激流の如き霊力が噴き出した。そして2人の外見が変化して行った。

 

 華蓮――髪と眼が銀色に染まった。

 解放した封印は白。白虎の力が全身を駆け巡る。

 

 七夕――髪が銀色に染まり、身体を鎧が包んだ。そして両手には竜巻。

 宿した式神は華蓮と同じ白虎。

 

 

「やはり最初は白虎でしたか、予想通りです!」

 

「ふん、最初はスピード――だよね!」

 

 

 次の瞬間、音を置き去りにして2人は激突した。

 周囲に衝撃波(ソニックウェーブ)が撒き散らされる。

 そして激突点では、竜巻を纏わせた七夕の拳と華蓮の拳がせめぎ合っていた。

 

 だが拮抗は一瞬、押し負けたのは華蓮だった。振り抜いた拳によって後方へと吹き飛ばされる。

 

 一見、絶好のチャンス。

 だが七夕は、華蓮にほとんどダメージがないことに気づいていた。

 

 

「っと――やっぱ正面からじゃダメだな……」

 

 

 体勢を立て直しながら、華蓮は攻略の糸口を探す。

 だがすぐには思いつきそうにないので――――とりあえず、もう一回だけ突っ込むことにした。

 

 

「いくよ七夕!――風刃!」

 

「――風の刃ですか。甘いですよ!」

 

 

 華蓮から放たれる無数の刃を、同質の刃で相殺していく七夕。

 だが次の瞬間――

 

 

「消えた⁉︎一体どこに――!」

 

 

 突如として華蓮の姿がかき消えた。

 周囲に気を配る七夕だったが、その背後から――

 

 

「風刃は牽制兼目くらまし!本命は――」

 

「――背後から放たれる不可避の拳……ですよね?」

 

「――なっ⁉︎」

 

 

 華蓮の拳が止められた。

 普通なら絶対に間に合わないタイミングだったのに、きっちりと正面から止められた。

 

 七夕は、華蓮の攻撃を――読んでいた。

 

 

「なんで――!」

 

「……スピードタイプの白虎を使うならば、その速さで翻弄する戦法が一番妥当です。そしてその戦法をとるならば、決めの一撃は死角である背後から――故に、読めるのですよ」

 

「なるほど……」

 

 

 思わず納得してしまった華蓮。

 だがすぐに現在の状況を思い出し、慌てて距離を取ろうとして――

 

 

「逃がしませんよ。――並びて宿れ!土の門、名を玄武――開口せよ‼︎」

 

 

 その言葉が響くと同時、七夕の髪が黒に染まった。

 そして七夕が大地を殴りつけると、土が盛り上がり華蓮の退路を絶った。そして追撃の――

 

 

「いきますよ華蓮さん!――岩津波!」

 

 

 流動する岩混じりの土砂が、さながら津波のように押し寄せてくる。

 退路が絶たれた今、華蓮にできるのは――守りを固めることのみ。

 

 

再封印(リブート)!――黒封、第二層解放(セカンドシフト)!」

 

 

 華蓮の髪が黄緑色に染まる。

 解放した封印は黒。玄武を封じている封印。

 

 そして華蓮は、七夕と同じく大地に手をつき――

 

 

「――黒曜壁……!」

 

 

 地中深くまで意識を浸透させ、黒曜石をはじめとする硬い鉱石を収集。そして盾を形成して、岩津波を防ぐ!

 

 

「なかなかやりますね、華蓮さん」

 

「七夕もね。……さっきからやられっぱなしだから――だから、今度はこっちからいくよ!」

 

 

 そう言って華蓮は、七夕の元へ駆けた。白虎ではなく玄武のため、その走りは驚異的というほどではない。

 

 そして当然、簡単に近づけさせるわけがない。

 七夕の力が大地を伝わり、華蓮の周りの岩石がいきなり弾けた。

 散弾の如く広範囲に撒き散らされたそれは、完全に回避不能のコースを辿っており、駆ける華蓮へと降り注いだ。

 だが――

 

 

「あ、あっぶな……土系じゃ無かったらやられてた……。――さ、再掌握成功!」

 

 

 華蓮の身体に触れた瞬間、ほとんどの破片の動きが止まった。解放済みの玄武の力で、飛んできた破片を掌握し直したのだ。

 

 だが、ほとんど――全部ではない――掌握出来なかった破片が、華蓮の肌を浅く裂いていた。

 しかしそんなことは気にせず、華蓮は走りながら反撃――掌握し直した破片を飛ばした。

 

 

「お返しだ!」

 

「……これは牽制ですね」

 

 

 土の壁を作り防ぎつつも、七夕の意識は次の一手に集中していた。

 だが次に華蓮のとった行動は、七夕の予想を完全に外すものだった。それこそ、高めていた集中を途切れさせるほど意外な一手。

 

 

「――いくよ七夕!一か八か、私の切り札を切る!――レイラ!」

 

 

 呼びかけに応え、朱雀――レイラが実体化した。

 そして間髪入れず――

 

 

「いくよレイラ、《纏》――《紅椿(べにつばき)》!」

 

「了解!」

 

「纏……?」

 

 

 華蓮の言葉に応えるかのように、レイラの身体が赤い光に包まれた。

 そして幾つもの粒子に分解され、華蓮の身体を包み込む。その身体を守る防具へと変化していく。

 

 軽装な白式と違い、こちらは防御力のありそうな装備。

 白の筒袖に紅の袴、胸部には胸当て。

 黄緑色の髪は炎によって一つにまとめられた。その炎も赤いリボンとなる。

 ――これこそ《纏》――(紅椿》

 

 

「なッ――!」

 

「よっし成功!――同時憑依が出来ないのは力が混ざるからであって、内部と外部に分けさえすれば問題ないって思ってたけど……どうやらそうらしいね!」

 

「なんという博打……ですが、これはまずい状況なのでは……」

 

 

 七夕の頬を汗が伝う。というのも、先ほどから散弾に岩石に岩津波と、数多の攻撃をしかけているにもかかわらず、一つも華蓮に届かないからだ。

 

 

「……玄武の防御ですね。しかも今回は――」

 

「もちろん、それだけじゃない!」

 

 

 掲げた左手に炎が集まり、一つの武具を形作っていく。

 それは弓――燃え盛る炎のようなデザインの、赤い弓。

 

 華蓮がその弦を引き絞ると、矢のあるべき場所に炎が集まり、矢の形をとった。

 

 

「……因みに、弾数に制限はないからね」

 

「そうですか……それは、まずいですね――ッ!」

 

 

 七夕は壁を何重にも張り、守りを固めた。

 次の瞬間、華蓮の手元から炎の矢が放たれた。

 

 炎の矢は、一枚目の壁を焼き焦がしながら即貫通。二枚目三枚目も同様に貫通させ――四枚目でやっとその動きが緩んだ。

 

 

「くッ、これは――!」

 

「あらら、三枚どまりか……もう少しいくと思ったんだけどな。まあいいか、レイラは攻撃タイプじゃないしね」

 

 

 ――レイラは回復タイプだよね。

 一瞬だけ炎が全身を包んだと思ったら、あっという間に先の散弾でできた傷が消えていた。

 

 

「これは……きりがないですね。防御と回復を同時にされたのでは、落とせそうにないです」

 

「でも七夕だって、奥の手あるんでしょ?見せてよ、式神の同時憑依ってやつをさ!」

 

「……それでは遠慮なく。

 ――我は扉、我は写し身、我が血よ、肉よ、命よ!四方の門を開きし時、我を糧としてその力を解き放て!

 北方の黒、南方の赤、東方の青、西方の白――己が定めを我叶えん!

 ――四神一体‼︎」

 

 

 七夕の身体を四色の光が包む。

 四神を全て纏ったことにより、鎧もそのあり様を変えた。霊力も膨れ上がり、全能力が華蓮を軽く上回った。

 

 

「マジか……奥の手強すぎ」

 

「マジです……よッ!」

 

 

 七夕が地を蹴って距離を詰めてくる――と認識した時には、すでに目の前にいた。時間が飛んだと錯覚するほどのスピードだった。

 

 

「……えっ」

 

「一応手加減はしておきます、それでは」

 

 

 防御も回避も不可能。

 七夕の拳はがら空きの腹部へ吸い込まれ、その身体をはるか後方へと吹き飛ばした。

 

 これを見てギャラリーがざわめくが、なにかに気づき言葉を失った。驚愕に目を見開いた。

 その視線の先では、倒れ伏す華蓮が顔面蒼白で、ただし余裕を見せる動きで立ち上がっていた。

 

 だが、問題はそこではない。その背後、宙に何かが浮かんでいた。

 

 

「……ギリギリ、間に合った。万長権限――情報体に対する命令(コマンド)エネルギーの分離(・・・・・・・・)

 

「くっ、やはり使いましたね…………ッ⁉︎」

 

 

 七夕すら言葉を失った。

 そこにあったのは、透明な球体――圧縮されたエネルギーの塊。その数、15。

 

 十六夜の拳一つ=球体一個の等式がすでに確立している現状、これが示す意味とは。

 七夕の一撃は、十六夜の拳15発分の威力があったということ――もあるが、それより、このエネルギーをの処(・・・・・・・・・・)理を考える必要がある(・・・・・・・・・・)ということだ。

 

 

「……さて、これどうしようかな。今の七夕なら受け止められるかな……?」

 

「いやいやいや、やめてください。洒落になりませんよ」

 

「いやいや、手加減してたんでしょ?それなら耐えられるはずだよ。……もしもの時は回復したげるからさ。試しに1回逝ってみようか」

 

「ちょっ!今の絶対漢字違いますよね⁉︎」

 

 

 七夕の叫びを笑顔で流し、華蓮は弦を引き絞った。途端、生成される炎の矢。

 

 

全てを流用(ノーチェンジ)!」

 

 

 華蓮の命令に従い、全てのエネルギー球が矢へと集まり、取り込まれる。瞬間、火力が桁違いに跳ね上がった。

 

 

「逝ってらっしゃい♪」

 

「軽くないですか⁉︎また字が違いますし!」

 

 

 そう言いつつも七夕は、目前の脅威に集中する。

 莫大なエネルギーを乗せた業火の矢。止めるためには、四神の伝承をなぞったあれを使うしか――

 

 

「――我が身に宿りし四の獣よ、今こそその姿を現し、主たる王を守護せよ!

 北方の黒、南方の赤、東方の青、西方の白――王の名は麒麟‼︎

 展開――四神相応‼︎」

 

 

 七夕の足元に、不思議な色彩をした正方形の空間が出現した。それは徐々に拡大していき、七夕をすっぽり覆うことのできる大きさになった時、平面だった空間が突然立体となった。まるでそこだけ異世界のような、そんな空間。

 

 次の瞬間、業火の矢が、爆音とともに障壁へぶち当たった。

 まるで獲物に絡みつく蛇のようにうねる炎は、障壁ごと七夕を覆い尽くし飲み込んだ。

 

 

「たっくん‼」

「七夕‼」

「七夕さん‼︎」

 

 

 この状況に、ギャラリー側から叫び声が上がる。審判の黒ウサギも、試合を中止させるべきか話し合っていた。

 だがここで、一同に向けて華蓮が声を発した。

 

 

「大丈夫だよ皆、落ち着いて。七夕は無事……多分、擦り傷すら負ってないと思う」

 

 

 静かな声だった。

 だが、だからこそ、内心の動揺は隠せない。さながら、音のない部屋で雑音がよく響く様に、微妙な変化が聞いてとれた。

 

 

「だって、さっきから障壁を焼いているのに、一向に破壊されない上に――ダメージが入っている手応えすら無いんだから!」

 

『そんなことありませんよ。少なくとも、気温湿度が上がって、私はとても辛いです』

 

「――七夕⁉︎一体どこから声が……」

 

『すいません、炎で声が届きにくいので、連絡用の呪符を飛ばしました。まあ、電話の様なものです』

 

 

 華蓮が声のする方に視線をやると、そこには一枚の札が浮かんでいた。どうやらそこから声がでているらしい。

 

 

「そう……悔しいけど、私の力じゃその障壁を破れない。でも、このまま熱し続ければ、先に音を上げるのは七夕だよ!……それとも、何か他に手がある?」

 

『そうですね……実は、この状況になった時点で、防御にしか式神の力を回せなくなったんですよね。一応障壁の内部から外部へ干渉はできるんですが、周りには炎ですからね……』

 

「じゃあ、もう降参――」

 

『いいえ、手はあります』

 

 

 そう言い残し、七夕は会話を終了させた。

 この状況を打破する一手、それは一体なんなのか。警戒する一方で、楽しみにしている自分がいることに、華蓮は気づいていた。

 だからこそ、なのか、華蓮はその微弱な変化を感じ取ることができた。

 

 

「炎が――炎のコントロールが……奪われている⁉︎七夕、一体何をしたの!」

 

『いえ、単に私らしく戦って見ただけですよ。陰陽師らしく、陰陽術でね』

 

 

 七夕が話す最中も、コントロールの支配は止まらない。このどうしようもなさ、もうすでに支配され尽くされているのかと一瞬思う。

 だが、そんなことはない。圧倒的な力の前に、なすすべがないだけだ。

 

 

『――火界咒。不動明王の真言で、火気を操る呪術です』

 

「か、火界咒……?で、でもなんでこんなに一方的に⁉︎」

 

『お答えしましょう。……陰陽術で重要なことは多岐に渡りますが、その一つに、霊力の総量があるのです。多ければ多いほど呪術の規模は大きくなり、威力も上がっていきます。……つまり、私の方が貴女より霊力が多いため、支配力が強いということでしょう』

 

「……そうか、なるほど……四神の力を使っているのね⁉︎」

 

『そういうことです。――溢れる力をただ垂れ流すのではなく、さらなる力へと昇華させる……これが陰陽術です』

 

 

 もう呪符はいらない。七夕の生の声が、ちゃんと聞こえる。

 そして七夕は、支配し尽くし、巨大な球体となった業火を宙にうかせ、にっこりと笑みを浮かべていた。何処かで見た笑みだった――ていうか、さっき華蓮が浮かべていた笑みだった。

 

 

「ではここで、基本的な陰陽術を披露しましょうか」

 

 

 そう言うと、すうっと業炎球がスライドして華蓮の頭上に――

 

 

「――って、七夕⁉︎ちょ、ちょっと待て、いや待ってください!私、七夕みたいなこと出来ないよ⁉︎あんなの喰らったら普通に消し飛ぶよ‼︎」

 

「大丈夫ですよ、痛くしませんから。――火気は土気を生ず」

 

 

 七夕がそう言うと、今まで太陽の様な存在感をしていた炎球が、巨大な土の塊に変化した。

 

 

「――なあっ⁉︎」

 

「土気は金気を生ず……では、逝ってらっしゃいませ♪」

 

「ちょ――ッ⁉︎」

 

 

 さらに次の瞬間には、土の塊から、数え切れないほどの刀剣へと変化した。

 そして、その殺傷力満点の凶器が、にっこり笑顔の七夕の一言で一気に落ちてきた。

 

 

「ちょっと、死ぬって⁉︎死ぬ死ぬ‼︎」

 

 

 華蓮は慌てつつも、防御策として灼熱の火炎を放った。それは好判断と言えよう。

 七夕の使った陰陽五行思想でも、金気には火気が有効だからだ。だが、華蓮はこのことを知らない。七夕が知っている。

 だからこの状況も――この対応も、七夕の予想通りだった。

 

 

「では仕上げです。――金気は水気を生ず……五行相生。そして、水気は火気に勝つ……五行相剋!」

 

 

 刀剣の雨は、一瞬にして本物の雨となった――いや、霊的な力の総量は変わらないため、その水量はもはや滝だった。

 

 

「ひっ――」

 

「……華蓮さんの万長権限、確かに強力なギフトです。ですが、弱点が無いわけじゃない。その一つがこれです――圧倒的な物量を、広範囲に、高密度に、上空(・・)から落とす。――流石の華蓮さんも、万物にかかっている、重力は操れないでしょう」

 

 

 その言葉の直後、さながらハンマーの如く、膨大な水が華蓮に降り注いだ。

 


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