いろんなことを考えてる間に風呂に入ってから2時間が経過しようとしていた。
「イタチさん遅いなぁ。随分風呂が恋しかったんだな…まあ3年ぐらい入ってないとそうなるか」
風呂からイタチが出る音が聞こえた上条は風呂場の方に向かった。
「どうでした?3年ぶりの風呂は」
イタチは満面の笑みを浮かべて、
「最高だった」
と答えた。
「それはよかった!」
「す、少し話があるのだか…いいですか?」
「い、いいですよ」
上条は先に部屋に戻り、イタチは服を着替えて遅れて向かった。
そこにはインデックスがすやすやと寝ていた。
「この子は?」
「あぁ、この子は色んな事情があって今は俺が預かってるんです」
「どんな事情…ですか?」
上条はその質問にすこし動揺をみせたが、すぐに冷静さを持ち直した。
「飢え死に仕掛けてるところを拾ったんですよ~」
「それだけが理由で?」
「は、はい…」
「優しい方なんだな…」
「い、いや!なんか放っておけなかったものですから…それより話ってなんでしたっけ?」
「あぁ。当麻さんはLevel何ですか?」
「俺かぁ…0です」
「0?無能力ということですか?」
「はい…でも俺の右手は異能な力を持ってるんです」
「…異能?」
「いろんな能力を打ち消す力があるんです」
「…!例えば!?」
イタチの急な取り乱し様を見た上条は少し驚き気味だった。
「た、例えば…Level5の御坂さんの電撃を打ち消したり…」
「その右手!俺の頭に乗せてくれないか!?」
「別に…いいですよ」
上条はゆっくり手をイタチの頭に乗せた。
「……」
特に何も起こらなかった。
「な、何も起きませんね…」
「いや…!」
なんとイタチは写輪眼を使うことができなかった。
しかしすこし残念な様子だった。なぜなら、彼の手をかざす事でこの意味不明な世界から抜け出せると思ったからだった。
上条は頭にのせた手をゆっくり離した。
「なにかあったんですか…?」
「いや…問題ない」
「そうですか…」
「Levelを測るためにはどうすればいいんだ?」
「イタチさんLevelがわからないってことは、外から来たんですか?」
「まぁ、そのようなところだ」
「学園都市で開かれるシステムスキャンで能力を測れますよ」
「それは俺でも測ることができるのか?」
「あんまり詳しいことは俺もよくわからないんで、友達にLevel5がいるんでその人に教えてもらうとどうでしょうか」
「そのLevel5というのは、御坂さん?」
「はい、そうですけど。やっぱりあいつLevelだとよく知られているもんだな」
「先ほど、友達になったんです」
「え!?マジで!?」
「あ、あぁ」
上条はイタチをすごく心配そうな目で見ていた。
「なんかあいつ、電撃とかぶっ放しませんでした?」
「特にそのようなことは…」
「よかった~…」
「どうしてです?」
「あいつ、俺の姿みたらいつも電撃ぶっ放してくるからさ、何かしでかしたんじゃないかって心配しました」
「そうだったんですか。俺は特に何もされてませんよ」
上条は少し安心したような雰囲気に包まれていた。
そこで上条は携帯を取り出して御坂にメールをした。
「とりあえずあいつメールしといたんで…気長に待ちますか…」
と思ったらすぐ御坂から返信がきた。
「あいつ、返信早すぎんだろ。どうなってんだ~?」
上条がメールで返信しているところにイタチが質問した。
「携帯ってどういう機器なんですか?」
「…携帯知らないんですか…?」
「あ、あぁ。今日生まれて初めて見た」
上条は携帯を見たことがないと言うイタチを見て、何故か和んでいた。
「あの…どこから来たんですか?」
「…すまない。それは言えないんだ」
「なにかいろいろと訳ありのようですね。俺でよければ相談に乗りますよ?」
「…本当か…?」
「いいですよ!」
イタチは勇気を振り絞って今自分に起こったことを言ってみた。