「ただいま戻りましたぁ~」
「おかえりなさい!」
2人は席に座った。とそこに、
「やっほ~!ってみんないるじゃない!」
彼女がきた。
「お姉様!?」
「御坂さん!」
イタチは彼女の姿を見てすごく焦った。
「えっと…そちらの方は?」
「この方はさっき私を助けてくれた恩人でうちはイタチさんです!」
「…うちはイタチです」
「……」
御坂の様子が少し変わった。
「イタチさん…どこかで会いました?」
「え?」
御坂もイタチの姿を見て何か心当たりがある様子だった。だが、
「気のせいか!よろしくねイタチさん!」
御坂はすぐに気持ちを切り替えた。
「はい、よろしくお願いします」
イタチにとって戦いもしていないのに心の臓がここまで鼓動したのは初めてだった。
御坂は白井の横に座って店員を呼んだ。
「すいません!私この季節限定パフェお願いし…」
その時、御坂が注文している最中に隣の白井が注文を妨げた。
「お、おね、おね、お、おね、お姉様、私はあま、あまり食欲がございませんの…も、もしよろしければ私の分を食べてくださいませんか…?」
「どうしたのよ黒子。そんなシドロモドロになって」
「い、い、いえ、と、特に問題はございませんの」
「そう?じゃあすいません。今は注文やめておきます」
「かしこまりました」
と、店員が去ったと同時にすれ違うように別の店員が2つのパフェをもって来た。
「お待たせしました~。季節限定パフェです」
「お、黒子のおかげでなんか得した気分。なんかごめんね黒子!」
「い、いえ、わたくしはもう間に合ってますので…」
イタチはさっき見た御坂とまるで違う姿をみて凄く安心したと同時にいつもこんな感じなのか疑問に思った。
「あの、佐天さん。白井さんっていつもこんな感じなんですか?」
「う~ん、いつもはこんな感じじゃないんですけど、今日はイタチさんがいるから緊張してるのかもしれませんね」
「そうですか…」
イタチはよくわからない空気に身を任せながら彼女たちと世間話のような会話をしてパフェを食べ終えた。
「じゃあそろそろ解散としますか!私たちもそろそろ帰らないと寮監がうるさいし」
「そうですね。今日は解散しましょうか」
そこに佐天が携帯を取り出して、イタチにこう言った。
「あの…連絡先、交換してくれませんか?」
「え…?」
「わ、わたくしとも連絡先を交換して欲しいですの!」
「…すまない。俺は携帯を持ってないんだ」
「え!?」
女の子4人が一斉にハモってしまった。
どうやらこの世界で携帯を持っていないのはよっぽどのことだということをそこで理解した。
「も、持ってないなら仕方ないですね…諦めます」
「そ、そうですわね…」
「あぁぁぁ!!!!」
すると、初春が突然大きな声で叫んだ。
「ジャッジメントの仕事に戻るの…すっかり忘れてた…」
「あぁぁぁ!!!!」
続けて白井も同じように叫んだ。
「固法先輩のお怒りが…今すぐ向かいますわよ初春!」
「はいっ!」
そう言って初春は白井の手を掴んだ。
「ではイタチさん、また会うのことを楽しみにしてますの…!」
その瞬間、白井と初春は目の前から消えた。
「…これは!?」
「あぁ!これは白井さんのテレポートっていう能力でLevel4なんです!」
まるで黄色い閃光が使っていた瞬身の術をみてイタチは驚かざるを得なかった。
「さて、私も帰らないとね」
だがよくよく考えてみると、御坂はそれよりも上のLevel5。イタチは彼女の力に少し興味を持ち始めた。
「じゃあね~佐天さん!イタチさん!」
「さようなら~!」
「さようなら!」
御坂は急いで寮に帰って行った。
そして2人だけになってしまった。
「そうだイタチさん!家まで送っていきましょうか!」
イタチには家がないので送ってもらうも何もなかった。
「いや、大丈夫です。それより俺が送っていきましょうか?」
「いいんですか!?」
「ええ、構いませんよ。」
「じゃあ遠慮なくおくってもらいま~す!」
実は佐天の策略通りに進んでいた。送るとみせかけて、本来なら男が送る側なのでこうなることが分かっていて、送ってもらうと同時に家を覚えてもらおうという策略だった。
「では行きましょうか。」
イタチは佐天の家に送ることになった。