佐天は公園のブランコに座りながら涙を流していた。
「…イタチさんが…人殺し…」
「おやおや、女の子が1人でにこんな所で泣いていようとは。誰が泣かしたのか気になる所ですが、それはおいといて。私たちについてきてくれませんか?」
佐天の前に白衣の老人たちが現れた。
「あなたたちは…?」
「あなたの能力に興味が湧きましてね。システムスキャンをしてあげたいんですが…」
「…今は遠慮しておきます」
「ですが…このシステムスキャンを通して新たなことが解明されるとより強くなるやもしれませんがね…それでもですか?」
「……」
佐天は強くなると言う言葉をきいて少しためらったようだった。
「…わかりました」
佐天は白衣の老人、木原幻生の後について行った。
一方、イタチは佐天と御坂を探すべく、あらゆるところを1時間近くかけて回った。
しかし、御坂しか見つけることができなかった。
「あんたの話はまた今度聞かせてもらうわ。今は佐天さんを探さないと」
もう真っ暗な夜になっていた。
御坂はポケットから携帯を取り出して、電話した。
「もしもし黒子!佐天さんが急にいなくなっちゃったの!今すぐ手伝ってくれない?」
『それは大変ですわね!今すぐ風紀委員として初春にも手伝うように言っておきますわ!』
「うん!ごめんまた何かあったら連絡してきて!」
『了解ですの!』
御坂はポケットに携帯をしまって再び探し始めた。
そして見つからずついに21:00になってしまった。
その刻に白井から電話が来たので急いで2人は白井たちの方に向かった。
「どう黒子!なにか分かった!?」
「はい!街の監視カメラに佐天さんの姿を捉えましたの!ですが…」
「ですがなに!」
「誰か老人の後について行きましたの。その老人の身元はまだ確認出来ておりません。ですがお姉さまなら何かを知っていらっしゃるかもと思いまして…」
「その老人の顔、見せて!」
「この方ですの」
「これは…木原幻生!」
「ご存知ですの?」
「研究を裏で支えてる木原一族の上層部よ!」
そこでイタチがなにかを察したようだった。
「…まさか!」
イタチは急いでその場を離れてかつてイタチが赴いた研究施設に1人で向かった。
「やはりここか…」
ためらわずに研究施設に入り込んだ。
施設には警報が鳴り響き研究者達がゾロゾロと現れてくる。
それをイタチは簡単に倒して行き、研究室に向かった。
その途中の廊下でパワードスーツらしいものを着た女の人が立ち塞がった。
「わりぃけどこっから先は木原幻生の孫娘として通すわけにはいかねぇんだよ!!」
「邪魔をするなら倒すまでだ」
「やれるもんならやってみろぉ!!」
木原幻生の孫娘、テレスティーナ•木原•ライフラインは真っ正面から突撃してきた。
イタチの前で止まって殴りかかってきたがそれをかわし、印を結んだ。
「火遁、火龍炎弾!」
口から龍をかたどった炎がテレスティーナを襲った。
「なんだこの能力はっ!!」
その炎は直撃し、あっという間にパワードスーツの機能が停止した。
「くそ!動けこのポンコツが!」
イタチは黙ってその先に向かった。