3人でファミレスに向かう道中、イタチは妙な気配を感じていた。
「……」
そのイタチのピリピリした様子に気づいた佐天が尋ねた。
「どうしたんですか?」
「あ、いや。なんでもない」
「なんでもなくはないだろイタチ」
「ッ!!」
突然、目の前に黒い服を着た仮面の男が現れた。
「貴様は…」
「久しぶりだな」
「あの…この方は誰ですか?」
「うちは…マダラ…」
「ちょっとした親戚だ」
「え?イタチさんって別の世界から来たんじゃないんですか?なのになんで親戚がここに…」
「俺にもわからない。だが…ここにいるということはこれは貴様の仕業か?」
「…だったらどうする?」
「…愚問だな」
イタチは黙って写輪眼に変えてマダラを睨みつけた。
「まあそうカリカリするな、一緒に一族を皆殺しにした仲じゃないか」
その一言を聞いた御坂と佐天は一瞬にして凍りついた。
「それってどういうことよ…」
「…御坂さん達には関係のないことです」
と言ったと同時に佐天は何も言わず泣きながらその場を走り去って行った。
「関係なくないでしょ…人殺しから能力をおしえてもらってた友達がいるんだから!」
「…今は俺たちの事に関わらないでください。お願いします」
「そういうわけにはいかないでしょっ!!」
マダラはイタチの前に立って御坂との中継に入った。
「なら俺たちの話の邪魔をするのか?」
「悪いけどそうさせてもらうわ!」
御坂は手をマダラの方に向けて電撃を放った。その電撃はまっすぐマダラに向かって行った。
しかしそれをマダラは容易に片手でかき消した。
「そ、そんな…あたしの電撃を片手で…」
「やめろ、その子に手を出せば俺が貴様を殺す」
「どうやらこの世界に情が出来たらしいな。お前らしくもない」
「…すいません御坂さん。俺たちを2人にしてくれませんか?」
「なんでなのよ…」
「俺たちにも事情ってもんがある。御坂さんなら分かってくれるはずです」
御坂は悔しがりながら黙ってその場を去って行った。
「…どういうことか漏れなく説明してもらおう」
「お前には俺の無限月読の実験体となってもらった」
「無限…月読だと?」
「あぁそうだ。これは俺の試作の限定月読で導いき作り上げた世界だ」
「…なにが目的だ」
「この俺が無限月読を完成させて、争いのない真の平和を導くために作りあげた俺のシナリオだ」
「月読というからには幻術をかけた平和といったところか」
「察しがいいな。さすがうちはのエリートだ」
「…それにしてもこの俺を実験体にするとはな。俺に殺されたいのか?」
「殺されるつもりはないしあまり時間もないらしい。悪いが俺はここで退かせてもらおうか」
「待て!お前にはまだ聞きたいことが…!」
「安心しろ…時期に限定月読の効力は切れる。それまでにせいぜいここで楽しんでるんだな」
そう言い残してマダラはゆっくり姿を消し去った。
「…逃げられたか。御坂さんと佐天さんを探さないと」
イタチは急いで御坂と佐天を探しにいった。