その頃、現実では一方通行は呆然と突っ立っていた。しかし、実際には光の玉はまだ消えて失せていなかった。
「イタチさん!一方通行はどうなったんですか!?」
「奴は俺の幻術にかかって身動きが取れない状態だ。心配はない。しかしこの光の玉…放っておけば、膨張しかねない」
「このままじゃ…!」
「心配するな。手はある」
イタチはゆっくり目を閉じた。
写輪眼から万華鏡写輪眼に変えるためだ。
「イタチさん…目から血が…!」
イタチは一気に目を開いた。
「天照ッ!!!」
イタチが見た視線の先は光の玉だった。
「え…」
なんと光の玉に漆黒の炎に燃えていた。
イタチは目から血を流しながらもずっと光の玉を見続けた。
「凄い…圧縮エネルギーが消えていく…」
光の玉は徐々に天照によって燃え尽くされて行く。
それと同時進行にイタチの身体と眼も悪い状態に蝕まれて行く。
そしてついに光の玉は跡形もなく消え失せた。
イタチはそっと目を閉じたが、天照を使うことで視力を失う上に多量のチャクラを使用するのでイタチは疲れてひざまずき、吐血してしまった。
そしてゆっくり目を開くと写輪眼に戻っていた。
「イタチさん!!大丈夫ですか!?」
「あ、あぁ…あとは、やつだけか…」
「…それは俺のことかァ?」
なんと一方通行は幻術から抜けていた。
「わりィけどお前の言う幻術ってのは解かせてもらってぜェ!どうやら計算通りに行かなかったようだなァ!」
「…いや…計算通りだ」
「強がってんじゃねェ!!」
「…強がりなんかではない。まず圧縮エネルギーをどうにかしなくてはならなかったがお前が邪魔だからまずお前の手を止めるために幻術をかけた。そうした上で圧縮エネルギーを処理する」
「ほう…結構な分析力といい、頭もキレるようだなァ。…だがな、俺がもう一度圧縮エネルギーを作れば問題ねぇだろうがよォ!!」
一方通行は手を上にかざして、エネルギーを圧縮することに集中し光の玉を再び作ろうとした。
「させるか…がはっ!」
また吐血をしてしまった。イタチの身体にも限界が来ているようだった。
「はっはっ!!そんな身体じゃなんもでき…がはっ!!」
一方通行の口が突然止まった。それは一方通行の顔を思いっきり殴った人がいたからだった。
「このォ…クソ野郎がァ!!!」
殴ったのは上条だった。
一方通行はそのあと反撃をするため上条に向かって右手で殴りかかるがそれを右手で遮られた。そしてさらに右手で殴り続けた。
「歯を食いしばれよ最強…俺の最弱はちっとばっか響くぞ」
一方通行に会心のパンチをあびせた。