2人は急いで御坂を探した。
「あいつどこにいんだよ!」
「手分けして捜すぞ。俺は西を捜すから当麻さんは東を頼む!」
「分かった!」
2人は別れて、別行動することになった。
「恐らく彼女は実験する場所に先回りしているはず…そこをしらみつぶしにさがすしかないか!」
イタチはビルをうまく伝って、捜し回る。
「ここにもいない…くそっ!」
くまなく捜すが一向に見つかる気配がない。
捜し始めてから1時間近くたったころ、東の方にある河辺におおきな光の玉が見えた。
「あそこかっ!!」
イタチは急いでおおきな光の玉のある方に向かった。
「あの感じ…チャクラでなくても凄さがわかる。急がないと」
……………
「なんだよそのザマはァ!立てよ最弱!」
少年が手のひらを上に掲げて何かをしようとした時、御坂が立ちはだかった。
「一方通行!!動かないで!」
御坂は一方通行に向かって超電磁砲を放つために構えている。
「…や……ろ…」
どこからか声が聞こえた。
「…やめろ…御…」
声の正体は血だらけになって倒れていた上条だった。
しかしそれを御坂は覚悟を決めたような顔で笑みを浮かべて超電磁砲を放とうとした。
「やめておけ、御坂さん…」
御坂の前に男が現れた。
「なに、この人…だれ…?」
御坂は突然の男の登場に動転していた。
「違う…この人は…!」
「誰だァ!てめえはっ!」
「うちは…イタチだ」
「はァ?誰だァてめえ」
「…違う、私たちの知ってるイタチさんとはまったくの別人!これがイタチさんの正体…!」
「てめらまとめてスクラップになるかァ!!!?」
「お前では俺には勝てない」
「さっきからなんだってんだァ?三下ばっかが集まりやがってよォ!!!」
「写輪眼!!」
「なンだァ?その眼はァ。新しいカラコンかァ?」
「なるほどな。プラズマを使って大気中にある風や空気を圧縮して作ったのがあの光の玉か」
「へェ~、随分な分析力だァ!だがな!こうなっちまった以上お前はここでおわりだァ!!!」
さきほど見た時よりもさらに大きな光の玉ができていた。
「スゲェっ!自分の身体のように!手足を動かすかのようにっ!!空間全てを支配していく感覚っ!!!」
「…何を支配するだって?」
「あァ!!?この世界の空…」
一方通行の上には何もなかった。
「はァ!?どういうことだァ!俺の圧縮エネルギーはどこ行ったァ!!」
「そんなもの、最初からなかったぞ」
(そんなバカな…確かに圧縮したはずだ!!)
「キサマァ!!何をしやがったァ!!」
「俺は何もしていない」
「いいね…そのトボけっぷりは最ッ高だァ!!」
イタチは一方通行を見て少し心配そうな顔をしていた。
…コイツ、頭のネジ確実に飛んでるな…
と。
「でもなァ!!三下ッてのはここらで終わりにしねェとつけ上がるから終わりにするぜェ!!!」
一方通行はそばにあったコンテナを手でチョンッとつついた。
「…なぜだ」
しかしなにも起こらなかった。
「なぜだァ!!」
「理由は簡単だ。お前の運命は今俺の手の中にあるからだ」
「な、何を言ってやがるコイツっ!!」
「これが…俺の幻術だ」
「…幻術だァ?笑わせんなァァァ!!!」