きれいな夕日が沈んでいる。
イタチは御坂に会うことを思い出してすぐに待ち合わせの場所に向かっている途中、彼女のことやシフト計画についてずっと考えていた。
「…そろそろ待ち合わせの場所だな」
待ち合わせの場所に御坂と彼女に似た例のクローンと黒猫がいたが居た。
「遅れてすいません。その子は…双子ですか?」
「え、イタチさん!?」
イタチの顔を見るとまるでこの光景を見て欲しくなかったかのように焦っていた。
「あ!いや…そ、そう!妹!私の妹なの!」
様子を見るとまだわからないのか、それとも…
「では、私はデートの邪魔にならないように施設に戻りますね、とミサカは空気を読み身を引きます」
「デートじゃないわよ!いいからあんたは早く家に帰んなさい!!」
御坂は力強い声で御坂妹を家に返そうとする。
「失礼します」
御坂妹はその場を去った。
「ごめんなさい!余計なのがいて」
「…いえ、構いませんよ」
「そういや、聞きたいことがあるって言ってたけど…なに聞きたかったんですか?」
イタチは手を顎に当てて少し考え、ひらめいたように喋った。
「システムスキャンっていうのはどういうものなんですか?」
「あぁ。システムスキャンっていうのは自分の持ってる能力を測るためのものです。私の場合学校で測りましたけど」
「学校以外の方法でシステムスキャンする方法とかってありませんか?」
「う~ん…考えたことないけど、研究施設とか行ったらしてもらえるじゃないでしょうか?」
「そうですか…今日昼にどこかの研究者たちが俺に興味を持ったらしくシステムスキャンしないかと勧誘してきたので測ったのだが…」
「ふ~ん、そんなこともあるだ~。それで、Levelいくつだったんですか?」
「それが…該当しないみたいで…」
「?0ってことかな?」
「Level0という判定なんですけどどうも俺の数値はLevel5に匹敵するらしいんです」
「え!?イタチさんそんなにすごいんですか!?」
「よくわかりませんが…でもLevel0みたいなんです」
突然御坂の顔色が変わり始めた。
「…ちょっと待って、注射とかされなかった!?」
「されかけましたけど、すぐに断り逃げてきました」
御坂はどうやらその一言を聞いて安心したようだった。
「はぁ…よかった…」
「それがどうしたんですか?」
「あ、いや!別になんでもないですよ!なんでも」
「そうですか」
「それで、イタチさん。能力名はなんですか?」
「それが…不明なんです」
「…不明。どんな能力が使えるんですか?」
「そうだな…」
イタチは後の事を考えて、この辺で自分の使える写輪眼以外の能力を言うことにした。
「俺が使える能力は、身体にあるエネルギーを具現化させて変化させたりそれを自由に操れる能力…と言ったところです」
「へぇ~。ちょっと見せてくださいよ!」
「わかりました…では俺の後ろに来てください。当たるといけませんから」
御坂は大人しくイタチの後ろに回った。
そして、イタチは両手を前にかざし、印を結んだ。
「火遁、豪火球の術!!」
まるで真っ赤に染まる小さな太陽のような豪炎が口から噴き出た。
「へぇ~!イタチさんなかなかやるじゃないですか!」
「御坂さんはもっとすごいんですか?」
「まあ一応私も第3位の超電磁砲って言われてますからね!」
「じゃあその超電磁砲っていうのを見せてもらえませんか?」
「…う~ん。いいよ!特別に見せてあげます!今度は私の後ろに下がってください!」
御坂はポケットからゲーセンのコインを取り出して親指に乗せた。
そしてそのコインを親指で弾いて上に飛ばし、コインが親指に当たる前で…
ズドーーン!!と超電磁砲が放たれた。
「…これは!!」
イタチの写輪眼には御坂の手にあると思っていたチャクラが皆無だった。
イタチは困惑しながらすぐに目を閉じて普通の目に戻し、根本的に世界が違うと確信する。
「どう!私の超電磁砲!」
「どうやってそんなすごい超電磁砲を放つんですか…?」
「私の持ってる能力がエレクトロだからその能力を頭の中で演算して…って言っても分かりにくいですね」
いくら頭の良いイタチでも少し理解不能なモノだった。
「用は…自分なりに調節して電気を放ったって感じです!」
「そうですか…」
「イタチさんも火を噴く時頭で演算しなかったんですか?」
「そういうのはしませんね…」
「普通とは違うやり方だからシステムスキャンにエラーが出たのかもしれませんね」
「そういえば1つ気になったことがあるんですが…Level5の第1位とはどういう能力なんですか?」
「あぁ、第1位は全ての運動量や熱量、電気量とかのあらゆるベクトルを変化させる能力って聞きましたけど…」
「それは確かにすごいと言うか次元が違うみたいな話ですね…」
「そいつがどうしたんですか?」
「今日システムスキャンしたときにこの数値だとLevel5でも第1位を超えるかもしれないと言われたから…」
「え…?」
御坂の反応が突然止まった。