「…確かに、暴食シスターさんだ」
イタチは、食べ物をみてデロデロになっているインデックスの姿を見て笑みを浮かべながら呆れていた。
「本当に食べ物が好きなんだな」
「だってご飯を食べないと生きてけないんだもん!」
「それはそうだが…っておい!待てインデックス!」
先走るインデックスにまた手を焼くイタチ。
「はぁ…随分元気な女の子だ」
「いてぇじゃねぇか!」
インデックスはわけのわからない男に絡まれていた。
「お前がぶつかったせいでオイラの芸術で出来てる骨が折れちまったじゃねぇか!うん!」
イタチはここの住民は体どうしが触れ合うだけで骨が折れるという、体も心も弱い人間たちだなと心の中で思った。
「オイラの骨は芸術なんだよ!お前のせいでオイラの芸術が台無しじゃねぇか!うん!」
「すいません、この子が迷惑かけてしまって…」
「お前がこいつの保護者か?謝ればいいって問題じゃねぇから言ってんだよ!うん!」
聞いたようなことばかりを言ってくるので少し頭にきていた。
「…許してもらえません?」
「許すわけねぇだろ!」
男はポケットから爆竹を取り出しそれを投げようとしたが、その手をイタチは片手で受け止めて眼だけで人を殺すかのように鋭く睨みつけた。
「お、お前!オイラの芸術を邪魔する気かっ!!」
「俺が優しくいってあげてる間に消えろ。邪魔だ」
わけのわからない男は、急に怯え出して逃げ腰になり始めた。
「く、くそっ、覚えておきやがれ!うん!」
その男は小走りでその場を去っていった。
「大丈夫かインデックス」
「大丈夫だよ」
「あんまり手を焼かせるなよ」
「ごめんなさい…」
「じゃあ行こうか!」
「うん!」
……………
「ほう、あれが例の男ですか…」
「はい、AIM拡散力場の中であの男だけ種類が違うものを発していました…」
「彼はここの人間ではなく外からきたらしいですね…」
「そうですか…すこし研究する必要がありますね…」
「そうですね…」
……………
「ねぇねぇ、スーパーに行くとご飯がタダで食べられるんだよ!だからスーパーに行こうよ!」
「スーパー?それってすごい場所ってことか?」
「うん!ご飯がタダなんだもん!」
「じゃあそこに行こうか!」
しかしふと思った。いくら名前がスーパーだからと言ってご飯がタダで食べられるほど気が利く場所なんて存在するのかと。
「…ってインデックス、これ試食コーナーじゃないか」
「そうだよ。ご飯がタダで食べられるんだよ」
「はぁ…」
結局一切購入せず全種類の試食コーナーを1時間くらい使ってスーパー回った。
「こんなことして大丈夫なのか?」
「そんなこと言ってるイタチだって食べてたくせに」
痛いとこを簡単についてくるのでイタチは気持ち的に苦しかった。
スーパーを出たところの、少し離れたところに白衣を着た男2人がこちらの様子を伺っていることにイタチは気がつく。
特に何もしてこなさそうな様子なので、そのまま無視して散歩を続けた。
「インデックス、とりあえず家に帰ろうか」
結局スーパーで試食するだけの散歩になってしまった。
「当麻さんの家でいつも何をしてるんだ?」
「スフィンクスと戯れてるんだよ。一緒に雲を見たり、お昼寝したり」
「スフィンクスは当麻さんが買ったのか?」
「ううん。私が拾ったの」
「そうか」
上条さんは随分人がいいなと改めて思った。
そうこうしている間に上条宅についた。
しかし先ほどの男2人が後ろをつけて来たのでイタチはインデックスを先に家に入れて、玄関の前で2人に反応した。
「そこにいるのはわかっている!出てこい」
角から男2人がイタチの方にやってきた。
「私たちの存在に気づいていましたか…いつからですか?」
「さっき俺たちがスーパーを出た辺りからだ」
「さすがですね」
「…俺たちになんのようだ?」
「あの子に用はありません…」
「…俺になんのようだ?」
「システムスキャンしてみる気はありませんか…?」
「……」
イタチは俺の存在がバレたのかと思い焦っていた。最悪、写輪眼でなんとかなるもののインデックスが側にいる間は使わないことにしていた。
「調査している間に、あなたはすこし異能な力があると判定がでました…どうです…?今からやってみませんか…?」
「…わかった。俺も少し自分の能力に気になっていたところだ」
イタチはこれを期に学園年上の状勢を伺うことにした。
「悪いインデックス!少し外に行ってくる!スフィンクスと大人しくしてるんだぞ!」
「わかったんだよ!」
イタチは家に鍵をして、男たちの後について行った。