「遅刻だ~!!」
朝からドタバタとうるさい音が聞こえる。
「ん~…朝からうるさいんだよ…」
イタチとインデックスは上条のドタバタ騒ぎに起きてしまった。
「…どうしたんだ?」
「ああ!!起こしてすまん!遅刻しそうなんだよ!!」
上条は慌てて家を出ようとした。
「あ、イタチさん!お腹が空いたら適当にあるもの食べてください!!あとこの靴箱の上にスペアキーおいとくんで勝手に使ってください!じゃあ、いってきま~す!!」
「……」
家にのこった2人は沈黙していた。
その時ちょうど良いタイミングで2人のお腹から音が鳴った。
「ねぇねぇ。お腹空いたんだよ!何か食べさせてよ!」
「…そうだな。俺も何か頂くか」
イタチは冷蔵庫の中を見てみた。しかし…
「……なにもない」
冷蔵庫には塵一つすら残っていなかった。
「え~!たべたいたべたいたべたい~!」
だだをこねるインデックスにイタチは手を焼いて困っていた。
「…まあまて。俺の非常食でも食べるか?」
「うん!でも非常食っていうのがよくわからないかも…でも食べれるものなら食べるっ!!」
その非常食は干し飯と言われる米を干したもので、味は無し、歯ごたえは抜群、空腹は若干満たされるという忍にとってうってつけの食べ物だった。
「……」
さぁ、ここで頭の中で干し飯をボリボリと静かに食べている2人を想像してみましょう。
「…な、なんかシュールだな」
「こんなの美味しくないんだよ!もっと美味しいのが食べたいんだよ!!」
インデックスが案の定暴れ出した。
イタチは女の子に食べさせる物がないというこの現状を初めて悔いていた。
「困ったな…」
ここは学園都市、食料がその辺にゴロゴロ落ちているわけではない。
だからといって家でグダグダするのも良くはない。
そこでイタチはこの現場から抜け出すことを考えた。
「じゃあ一緒に散歩しようか」
「やだやだ~!私は今すぐご飯が食べたいんだよ!」
「この家に食べ物はないんだ。ここでグズッても仕方ないだろ?」
ムスッとした顔をするインデックスの顔が、昔サスケの頼みを断ったときの顔にそっくりだった。
イタチは笑みを浮かべながら手招きをして、インデックスを呼んだ。
「イタッ!」
インデックスのデコに2本の指先を当てた。
「なんで急に指で突つくの!?」
「…俺の弟を思い出してつい。すまない」
「…もう、しょうがないからついていってあげるんだよ!」
「ありがとう」
とりあえずイタチとインデックスは外出することになった。