ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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色々ありましたが投稿します。
とりあえずもっと色々勉強します。


第33話〜挑発と信頼〜

時計は夜の0時ジャストを指していた。

俺と心音、紅音は高層ビル……ミュータントのアジトであろう場所の前に立っていた。ここの座標は紅音が特定したものだ。

物陰から、能力の視野の拡大で入口前を見る。特にセキュリティは働いていない。自動ドアのランプは消えている……。正面から突入は無理か。

 

「正面からは無理だな。裏口に回るしかない。あるかどうかは別として、だがな。」

 

「オッケー。じゃあ、行きましょうかね。」

 

心音はアンクレットを身に付ける。紅音も銃を手にした。

そして俺たちは、ビルの裏口に回った。案の定、入口があった。俺たちはそのドアから入り、階段を上がっていった。

 

 

 

「⁉︎」

 

モニターを監視していたのはオミクロンだった。すぐ様警報を鳴らし、通信で、他のミュータントに伝えた。

 

「非常階段に侵入者‼︎ このまま上がれば25階に到達する‼︎ すぐに撃退しろ‼︎」

 

『そう焦るな、オミクロン……』

 

「⁉︎ オメガ⁉︎」

 

モニターにオメガが映る。

 

『こうなることは想定内………どれ、ここらでゲームでもしてみよう。各ミュータントは配置につけ。出てきた侵入者は捕獲せよ。』

 

「ゲーム、だと……?」

 

オミクロンは困惑するだけだった。

 

 

 

「ここは25階か。」

 

階段を登り終わり、ドアの前に立つ。

 

「お姉ちゃん、ここって30階建てだよね?」

 

「えぇ、さっき確認したけど、間違いないわ。」

 

なら、この先にミュータントが待ち構えている可能性は大いにある……か。

 

「行くぞ……」

 

俺はドアに手をかけ、ノブをひねる。

そのままドアを押し込んだ。

 

「⁉︎」

 

広い空間。奥の方に階段。

その手前に立つ、3人の三つ子の男。

 

「出たな侵入者ぁっ‼︎」

 

「俺たちが嬲り殺しにしてやるぜぇ⁉︎」

 

「かかってこ……っ⁉︎」

 

その3人は、その場に崩れ落ちた。

その背後にいたのは………青いツインテールの少女。

その右手には剣が。

 

「はいはーい、ザコさんは引っ込んでてくださいねー?」

 

和ロリ……といった服装か、その少女は剣をクルクルと器用に回す。

 

「んーと……あ、そっかそっか‼︎ ファイの駒か‼︎」

 

「駒……ですって⁉︎」

 

紅音がバズーカを構える。

 

「ま、どーでもいーけど…ファイは裏切ってんのバレて、今は私たちの駒だしねー‼︎」

 

「な、何⁉︎」

 

「なんかー、何かやろうとしてー、バレたんだってー、あははー‼︎笑っちゃうよねー⁉︎」

 

その少女は嘲笑う。

 

「貴様………‼︎」

 

「と言うわけで……このあたし、デルタちゃんがお相手しまーす‼︎ どーする?サシ?それとも全員でかかってきちゃうー?」

 

足で、男のミュータントを踏みつけながら刀を構えるデルタ。

 

「この……‼︎」

 

俺が構えた時だった。紅音が一歩前に出た。

 

「お姉ちゃん……?」

 

「……わたしがやる。」

 

紅音はバズーカを下ろし、バッグからトンファーを取り出し、装備した。

 

「んー?お姉さんが相手するのー?いーよ‼︎勝つのはデルタちゃんだし‼︎」

 

挑発的な笑みを浮かべるデルタ。

 

「あんた……それ可愛いって思ってやってる?」

 

「えー?当たり前じゃーん。だってデルタちゃんは可愛いんだもんっ。」

 

紅音はその言葉に返すかのように……右手でデルタに挑発した。

 

「あんたみたいな内面クズに……負けるわけないのよ、このぶりっ子気取り。」

 

「っ⁉︎ この………デルタちゃん、おこだよぉっ‼︎」

 

デルタは駆け出し、剣を紅音に振るう。紅音はトンファーで剣を受け止め…

 

「はっ‼︎」

 

華麗にサマーソルトを決めた。デルタはよろける。

 

「いっ………てぇな、こんちくしょうがっ‼︎」

 

デルタは声を荒げ、剣を振るう。紅音は的確にそれを受け止める。

 

「甘いのよ………全部っ‼︎」

 

裏拳ばりにトンファーをシグマな叩きつける紅音。シグマは吹っ飛び、地面に叩きつけられる。

 

「かはっ‼︎ この……っ‼︎ 何でよ……ただの人間が………ミュータントに負けるなんて……っ‼︎」

 

「どうしたの?その程度?」

 

「うる……っさい‼︎」

 

そこへ………男が現れる。そいつは……

 

「‼︎ ゼータ……‼︎」

 

大人しい雰囲気を醸し出したミュータント…ゼータはデルタに歩み寄る。

 

「おや、苦戦を強いられているようですね?たかが人間に。」

 

「…‼︎うるさぁいっ‼︎」

 

デルタは強化剤を取り出す。

 

「たかが人間相手に強化剤を使うとは……あなたも落ちたものですねぇ?」

 

「……〜っ‼︎ 黙れぇぇええっ‼︎‼︎」

 

デルタは……ゼータに強化剤を打ち込んだ。

 

「んなっ⁉︎ あ、あなた、何をっ⁉︎」

 

「デルタちゃんの気に入らないものなんて……要らないのっ‼︎」

 

ゼータを斬り裂くデルタ。ゼータはその場に崩れ落ち、皮膚がボロボロになっていく。

 

「貴様ぁ……っ‼︎」

 

ゼータはそのまま動かなくなった。

 

「何してるんだよ……‼︎仲間じゃないのかよ‼︎」

 

「こんなやつ仲間じゃない‼︎デルタちゃんの仲間は、デルタちゃんのことをわかってくれる人だもん‼︎」

 

「てめぇ……‼︎」

 

俺はマシンガンを構える。

 

「面倒よ……あんたら全員、斬り刻んでやるっ‼︎」

 

デルタは駆け出し、斬りかかってくる。

 

 

 

その頃、地下牢では………

 

「……ファイ様からの指示がない…。」

 

シグマが、ファイからの連絡を待っていた。

 

「信也さん………」

 

「………………」

 

 

 

『もし、あなたのその考えが失敗したらどうするのですか?』

 

『……お前の好きにしろ。』

 

『………私に全てを任せると?』

 

『出来るさ。お前は人間だったんだろ?』

 

『………………』

 

『……信頼してくれ、俺を……実緒たちを。』

 

 

 

 

「……実緒様。」

 

シグマは……鎌を手に取った。

 

「シグマ⁉︎」

 

「……少し下がっていて下さい。」

 

「わわっ‼︎ちょ、待って待って…」

 

実緒はリコとともに下がった。

 

「‼︎」

 

シグマは鎌を振るう。全ての檻が斬られる。実緒とリコは檻を出た。それにつられ、他のイニシエーターも外に出る。

 

「武器はそこにあります。」

 

シグマの指差した先にはロッカー。実緒はそれを開く。武器が入っていた。実緒はランスを手に取る。

 

「皆は安全なところへ‼︎ あとは私達でなんとかするわ‼︎」

 

実緒は駆け出し、地下牢を出る。それにシグマも着いてきた。走りながら、実緒はシグマに声を掛ける。

 

「シグマ……あなた、ミュータントなのに…なんで?」

 

「……ファイ様は、私の好きにしろ、とおっしゃいました。その指示に従ったまでです。」

 

「シグマ……」

 

「私は、今のオメガ様の考えには賛同できません。私は悲しいという感情を感じたくありません。」

 

実緒は微笑んだ。

 

「……素敵ね、とっても。」

 

2人はエレベーターに乗り込んだ。

 

 




もうちょっと長引きそうですね……(^^;;
なんだかんだで閲覧数25000突破しました。
ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

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