ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜 作:神武音ミィタ
しばらくは戦闘ばっかですが、キマイラ戦より長くなりそうで、なんかちゃんと書けるか不安……www
この実験場は暗すぎる。そう思いながら、東 雫は廃ビル地下にある烏丸 凌馬のラボに戻ってきた。
「おやマンティス、意外と早かったな。」
烏丸はコーヒーを飲んでいた。
「丁度いい時に来た……見たまえ。」
雫はモニターを見た。それは今彼らがいる階よりも更に下の階のカメラの映像だった。
「…………!?」
雫は驚愕した。そこに映っていた檻の中にいた『怪物』に。
「何だよ……これ……!?」
「素晴らしいだろう?私の最高傑作さ。まさか人間をここまで美しい姿に仕上げるとは……名前をつけよう。そうだな……ガストレア・ヒューマン『タイタン』……うむ、いい名だ。そうは思わないかね、マンティス?」
雫はモニターから目を逸らした。
「……知るかよ。」
「………やれやれ…。」
烏丸は立ち上がる。
「君もいつかは……あれになるんだよっ!!」
「!!?」
烏丸は注射器を雫に突き刺した。そして、中の液体を注入する。
「貴様…………!!」
「これは洗脳用のウイルスだ。私を裏切る等…できないのだよ。」
「っ………。」
雫は倒れた。
「ククククク………さぁ、私の計画もフィナーレだ……!!」
日没後の18時ジャスト。
俺たち明崎民間警備会社と天童民間警備会社のプロモーターとイニシエーターは、街外れの廃ビルの前にいた。目的は「烏丸 凌馬の実験施設への突入」。そして、その身柄の確保だ。
昨日の夕方。心音が烏丸の旧実験施設にいたという改造人間の少年……東 雫からの情報で、ここに実験施設があると判明。よって昨日、作戦会議が2社の間で行われた。
そして本日。
俺たちは各自、武器の調節等をしていた。
「延珠、大丈夫か?」
「安心しろ蓮太郎!妾は大丈夫だ!」
天童民間警備会社のペア、里見 蓮太郎と藍原 延珠。俺がこいつらを見たのは二回目だった。以前俺は彼らの戦闘を目の当たりにしていた。昨日の会議の後、俺は彼らと会話をした……。
「あぁ、商店街の近くのガストレアか……もう一ヶ月前の話だな。それがどうした?」
会議の後のベランダで、俺は里見 蓮太郎と藍原 延珠と話していた。
「その時に戦闘を拝見させてもらった。物陰からな。」
「なっ!?お、おぬし、妾達の戦いを!?」
「あぁ。」
「蓮太郎……妾があの時、気のせいと言っていた見られている感覚というのは……!」
「俺だった、かもな。」
俺は延珠の方を向いて言った。
「むぅ…おぬし、趣味が悪いぞ。」
「まぁ、手を貸す程でも無かったろ?所詮はステージ1だしな。」
「ふん!まぁな!」
腰に手を当て、胸を張る延珠。そこへ蓮太郎が口を開く。
「それより、烏丸 凌馬のことだが……本当なのかよ?やつの計画。」
「あぁ、間違いないだろう。お前らも出くわしたんだろう?あの改造人間に。」
天童民間警備会社の、烏丸の改造人間に襲撃されたペアというのは彼らの事だったのだ。
「あぁ……許せねぇ。ガストレアの力が世界を救うなんて馬鹿げてる。罪の無い人まで巻き込んで……!」
拳を固める蓮太郎。
「……真。」
「皆まで言うな。」
俺は片手を上げる。蓮太郎はそれに微笑んだ。そして、俺たちはお互いの手のひらをぶつけた。
「……っし。」
弾薬も十分。いつもの銃一式も問題なし。唯一問題があるとすればそう……NHライフルだった。5分チャージは問題ないものの、それが効かない相手には必然的に10分チャージが必要となる。だが、俺はまだそれを使いこなせていない。一応、保険として折りたたみ式の補助用の台座を用意した。これで吹っ飛ばされる距離は最小限で済む……と、思いたい。
「真……大丈夫?」
心音が俺の隣でアンクレットを装備していた。
「あぁ……多分な。」
「無理しないでね?NHライフル、かなり負担きてるんじゃないの?」
「10分チャージを使う場面が出ない限りはなんとかなるさ。」
俺はNHライフルを背中に背負った。
「準備はいいか?」
社長が問う。俺たちは立ち上がる。
「よし、全員で一気に突入する。何が起こるかは分からん……細心の注意をしてもらいたい。最後に言わせてくれ……死ぬな。それだけだ!!」
ありきたりなこと言いやがって……当然だ。
「では……作戦開始!!」
俺たちは動き出した。
社長と実緒のペアを先頭に廃ビルへ。二手にわかれ、実験施設への入り口を探す。
俺と心音ペアと天童木更とティナペア、連太郎と延珠ペアと社長と実緒ペアという分かれ方だ。
辺りを警戒するプロモーターの2人。俺とティナは両方とも視界の優れたイニシエーターだ。入り口らしきものを探す。
「……真さん。」
「あぁ……。」
分かりやすく、地面のタイルが浮いている。暗くて肉眼では見え辛いだけだった。
俺は無線で社長に通信を送る。
「こちら小鳥遊。ビルの奥の倉庫らしき部屋の中に入り口らしきものを確認。突入する。」
『分かった、こちらも後を追う。』
通信を切る。
「心音、あったぞ。」
「天童社長、ありましたよ。」
「あ、うん。」
俺たちは奥の部屋へ。俺はタイルを持ち上げる。梯子が立てかけられていた。いかにも入って頂戴と言わんばかりに、な。
「………よし。」
俺が先に入る形で、俺たちは梯子を降りていった。
「んー?」
烏丸の見つめたモニターに四人の人影。
「嗅ぎ付けられたか……まぁ、いいか。肩ならしに数体くらいに相手をしてもらおうかな。」
烏丸は水槽のロックを外し、改造された人間を彼らの元へ向かわせた……。
「予想より早い介入だなぁ……まぁ、いいか。急ピッチで作業を始めよう。」
烏丸は地下へ降りていった……。
「っし……全員だな。」
俺たちは梯子を降り、脚を進めた。
「気味が悪いですね……」
ティナが一言。それに心音も。
「ダムの時よりも、かも……」
「……!?」
遠くから足音。俺は脚を止めた。そして、マシンガンを両手に。
「真……!?」
「来るぞ………!!」
「………はあぁっ!!」
暗闇から襲いかかってきたのは……改造人間だった。
俺は瞬時に躱す。そして、暗闇から次々とその姿を現す。その数、5人。
「悪いが、ここから先は凌馬様のラボだ……貴様らを通す訳にはいかんのでなぁ!!」
俺に2人、他の3人にも襲いかかる改造人間。
俺たちはそれぞれ応戦した。
「邪魔だっ!!」
俺は0距離で2体の改造人間にマシンガンを放つ。
「ごあああああっ!!」
二体は倒れる。俺は右手のマシンガンをホルスターに戻し、背中のNHライフルを空いた手で構え、チャージを開始。心音の援護に回る。
「く……っ!!」
ティナが膝を着いていた。危ないと思ったその時。
「天童式抜刀術……弐の型!!」
改造人間の足下を刀で斬り裂いた木更。なるほど、あれが噂に聞く天童式抜刀術か。
改造人間は足下をすくわれ、不安定になる。
『発射可』
「伏せろ、皆!!」
俺はNHライフルを放つ。
放たれた3分チャージの弾丸は、その場にいた改造人間を一掃した。
「凄い……」
ティナと木更が呆然としていた。
「次が来ないうちに行くぞ!!」
俺たちは走り出した。
走りながら社長に通信を入れる。
「社長!!突入したが、改造人間が早速出迎えだ!!」
『分かってる!!こっちもだ!!』
「え………!?」
「地上の方もやばいんだよ………!!」
私…川野 実緒と信也さんのペアと里見さんと延珠ちゃんのペアは囲まれていた。
改造人間の集団に。
「くそっ!なんでこんな時に!!」
「とにかく、全滅させるぞ!!」
私はランスを振るい、改造人間を倒していく。
「真さん……!!」
どうか、無事でいて………!!
だんだんと文字数が多くなっているような気が……まぁ、大丈夫だろwwww
よし、頑張ろう!!