なんかタイラントになってしまったんだが。   作:罪袋伝吉

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 主人公がモロリしてクレアに見せつけたり、いたいけなタイラントから追い剥ぎしたり、なんかシリアスになったりするよ?


もろりと量産型と。

 

 

 悲報:目的地着いたらふんどしとれてポロリ見られた。

 

……せやなぁ、おっちゃん何から言うたらええんかわからへん。せやけど、おっちゃんかて、見せとうて見せとんのやないんやで?というかタイミング悪すぎやん。ていうかクレアちゃん肩に担いで走っとったやん、間が悪うて、なんか脳みそ剥き出しのグロい奴……いや、なんやほれ、厨二病で眼帯しとる変な女の子によう似た名前の……ああそうそう、リッカーや、あれに飛びかかられてな?もちろんおっちゃん、クレアちゃんには何一つ傷一つ付けへんように退治したんやけどな?あんの脳みそ剥き出し中二病野郎の爪がなんや、おっちゃんのふんどしに引っかかったみたいでな……。

 

……いや、何故に俺は凹んだら関西のおっさんみたいな話し口調になるのだろうか。

 

 G-ウィルスに感染した少女のいる医務室に到着した俺は肩からクレアを下ろしたのだ。

 

 そして、万が一少女がG-生命体に変異していた時のために先に俺が医務室に入り、そしてまだ少女が変異もしておらずまだワクチンで助けられる状態だと確認した上でクレアからワクチンを受け取り、そして速やかにワクチンを打った。

 

 ワクチンのおかげで少女の様態はすぐに落ち着き、先ほどようやく寝息も安らかなものになり、脈拍や呼吸数、体温その他、バイタルが安定したのを確認したわけである……のだが。

 

 間の悪いことはその後だ。

 

 クレアが、

 

「これで……一安心かしら?」

 

 と言って俺に振り向いた。

 

 俺はうむ、と頷き、

 

「ひとまずは、といったところだな。とは言え本来は安静にしておかなければならないが、時間の猶予は無い。……脱出するにはとりあえず俺がこの子を運ぼう。材料を探しておんぶ紐か何かを作るか……」

 

 と言った瞬間、俺のふんどしの横紐が、ブチリと千切れ。

 

 あわれ俺、いやクレアか、もしくは両方か。

 

 俺、タイラントくん丸出し、クレアモロにタイラントくんと再び御対面。

 

 時が一瞬、ザ・ワールド。モロリと凝視が交差する。

 

 竿、目が合う瞬間、ダメだと気づいた~クレアは今ど~んな気持ちで~いるの?

 

……それはね?

 

「いぃぃーーーやーーーぁぁぁぁぁっ!!」

 

 クレアはもの凄い悲鳴をあげた。めちゃくちゃ顔を、それも耳まで真っ赤にして、でもなんか目をすんげー見開いて、

 

「いやぁ~っ!とっとと隠しなさいよぉ~っ!!」

 

 いや、なんであんた背けるどころかしっかり見てんのぉぉぉっ?!

 

「どぉーーわぁぁぁぁぁぁぁーーーーっ!!」

 

 俺はすぐさま手で股間を隠し、慌てて医務室を出た。そしてクレアに、

 

「すまん、さっきの脳みそ野郎の攻撃で布にダメージ食らってたみたいだ!!つか、とりあえず俺はなんか布とか探してくる!ついでにクレアの銃の弾とか使えそうなモンもとってくるから、クレアはその子に着いていてやってくれ!!」

 

 と言って逃げるようにその場からダッシュで走り去ったのだった。……フルチンで。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「くっそーっ、あの脳みそ剥き出し中二病野郎め。今度あったら……って、もう脳みそ蹴り潰したっけな。寄りに寄って俺のふんどしに切れ目を付けやがるとは……!」

 

 ドチクショウ、と俺は腹立ち紛れに壁を殴る。別に力など入れてはいないが、メコッ、とそれだけで壁が凹む。だが壁なんぞよりも俺のこのメンタルのが凹んどるんじゃい、っきしょうめ(八つ当たり)。

 

 つか、俺のタイラントくんもあのタイミングで元気出さんでもええだろが。そりゃあクレアを肩に抱えて走ってたら、その、柔らかいお尻のお肉がさ、弾んでさ、いい感じで気持ちよくてさ?それにクレアの蒸れた感じの『にほひ』というか『かほり』というか、もうたまらんスメルというかパフュームというかが鼻にむわっと……。

 

 いかん、思い出したらなんかタイラントくんがまた元気になってしまう。ダメだダメだ。俺は変態ではないのだ。そう、俺は紳士なのだ。

 

 頭を振って俺は邪な考えを振り払い、そして廊下を進んでいった。

 

 ここの通路の角を曲がると、ふんどしにしたシーツのあったクリーニングルームだ。布はまだまだあったはずだ。今度はスペアも調達していこう。

 

 俺がそう思った時だった。

 

 嫌な気配が角の方に『存在』してやがる。息を殺して俺が曲がるのを待ち伏せしてやがるのだ。

 鼻が嫌な臭いを感知するが、それはゾンビや脳みそ剥き出し野郎のように強い腐敗臭ではない。微かな死臭、だがこれは同族嫌悪とでもいうような不快感を催す臭いだ。

 

 俺はその壁の角に向かって、ずどん!!と拳を叩きつけた。

 

 コンクリートが砕けちり、壁の角に穴が開く。

 

 そこの穴の向こうにいたのは、図体のデカいトレンチコートみたいな服を着て頭に帽子被った奴だった。まさか壁ごと攻撃されるなど思っても見なかったようで、少し驚いたような面をしやがった。

 

「お見通しなんだよ、この野郎」

 

 奴は態勢を整えてこっちに来やがった。ああ、確かにクレアの言うとおり、俺に似てやがる……のか?こんなんが?つか顔が全然違うじゃねぇか。

 

 コイツの話はクレアから聞いていた。しかし、クレアの話だとコイツはあのG-生命体とかいうバケモンのあの爪にぶっ刺されて死んだと聞いていたのだが……。

 

 ゲイだかなんだかっつー大佐のクローンとかレポートにあったが、つまりは大量生産か?コイツ。

 

「つうか、大量生産品の癖に偉そうに服なんざ着やがってよぉ、さっきの下手な待ち伏せといい、その態度といい、ムカつくんだよ、クソがぁ!!」

 

 俺にもこんな服がありゃあ、クレアにタイラントくんを二度も見せてしまうなんて無かったんだ、どちくしょう!!

 

 俺はコイツをぶっ倒してこの服を追い剥ぎすることに決めた。サイズも多分俺にピッタリな事だろう。

 

 幸い、コイツからはもの凄い殺気が感じられる。おそらくはコイツも俺のことが気に入らねぇんだろう。つまりは同族嫌悪だ。

 

 ブウン!

 

 いきなり拳を振り上げて殴りかかって来やがったのだが。

 

…………すかっ。

 

 ブウン!……すかっ。

 

「……おまえ、真面目にやってんのか?」

 

 ハエが止まるようなノロいパンチ。いや、俺の動態視力とか反応速度が……って、いやこれはマジで遅い。俺の身体能力をさっ引いてもノロい。

 

「ウガァァァァッ!」

 

 ブウン!……すかっ。ブウン!……すかっ。

 

 いや、パワーは多分すげぇんだろうが、なんでそんなにパンチが遅ぇんだ?コイツ。つか強パンチ見てからしゃがみからのアッパー余裕でした。

 

 どごん!!

 

 ついでにジャブジャブストレート!!

 

 どかっどかっずどーーーん。

 

 俺の拳で壁に吹き飛ぶデカブツ、いや独活の大木。

 

「……あー、お前、ノロいわ。そら普通の人を襲ったりするなら驚異的なパワーかもしれねーが、それじゃあのGのバケモンにゃ敵わんわなぁ」

 

 それに、なんかコイツ……アホやろ?絶対。なんかぶっ飛ばした壁に壁尻してやがる。

 

……見たくねー壁尻だな、これは。ゲイだかホモだか言う大佐の性癖か?これは。

 

「まぁ、追い剥ぎするには絶好のカモだな。多分、めちゃくちゃタフなんだろうが……。やりようはいくらでもあるからな」

 

 そうして、俺はあつらえたようにピッタリの服を手に入れた。

 

 なに?デカブツはどうしたのかって?

 

 服剥いだら斧で首を跳ねて念のために心臓に鉄パイプぶっさしといた。あれで死なない奴は多分いないだろ。……Gっつー例はあるが多分T-ウィルスにゃそこまでの再生能力はねーだろ……と思おう。

 

 思わぬところで服をゲットした俺は、とりあえず脱出のために必要と思われる物資やらクレアの為の銃の弾丸やらを集めてまた医務室へと戻るのであった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「……なんでこのババ……オバサンがここにおるん?」

 

 医務室に戻って、何故かヒステリックババァ研究者がおった。ババァ研究者はまた俺を見て、

 

「タイラント!!」

 

 と言ったがクレアが

 

「この人はアンブレラのタイラントじゃないわ。むしろシェリーを助けるために協力してくれたのよ」

 

 と諭したおかげなのか、今度は逃げることはなかった。

 

「この人は、シェリーの母親のアネット・バーキンよ」

 

 クレアがそう言い、そして俺にいろいろと説明してくれた。ババァ研究者、いやアネットも補足をしたが。

 

 曰く、あのGはアネットの旦那であり、シェリーの父親『ウィリアム・バーキン』のなれの果てで、アンブレラの内ゲバでそのウィリアム・バーキンは襲撃され、その復讐としてG-ウィルスを自らに投与、襲撃者達をぶっ殺したのはいいが、とうとうあんなバケモンになってしまった……らしい。

 

 その話に関して俺は何も言うことは無い。

 

 家族を失って悲しいのはわかるが、ここの研究施設の連中がやってきたろくでもない研究でどれだけの人間が犠牲になってきた?人を人とも思わず、生体実験の材料にし、そして今回のこの事態だ。

 街にどれだけの人間がいて、どれだけの家族が、家庭があった?どれだけの人間が不幸になったと思ってやがる。

 てめぇらに悲しむ権利なんぞあると思うのかくそったれが。

 

 と言うのが俺の嘘偽り無き本音だ。

 

 だが、俺はその本音をぐっと飲み込むしかなかった。

 

 なぜなら幼い少女の意識が戻っていたからだ。

 この少女にとって、この贖えぬ罪を背負ったババァは母親であり、幼いこの娘の前で言うわけにはいかない。

 たとえ後々にこの子も自分の両親の罪のとばっちりを受けるとしても、俺は今、この少女を傷つけるような事はしたくなかった。

 

 これは医療人の端くれとしてのわずかばかりかのプライドだ。医療の現場ではなく俺は研究の現場を選んだが、だがそれでも俺はペーパーとはいえ医師免許を持ち薬剤師の免許をもった医療人なのだ。

 

 故に、俺は何も言うことはない。

 

 

 




 量産型タイラントが弱い?いえ、主人公がやたら強いのです。

 なお、ゲイの大佐ではなくセルゲイ大佐な?ホモでもないぞ?

 なお、主人公にロリコンの気はない(安心)。

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  • ケツほいランサー死亡
  • 暴走して戦車砲で博士諸共殺される。
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  • 鬱エンド
  • 主人公捕らえられ章エンド

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