なんかタイラントになってしまったんだが。   作:罪袋伝吉

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いつも感想&誤字脱字修正ありがとうございます。

※胸糞な感じの架空の事件が出てきますがフィクションです。

バイオハザード臭をもっとさせねばなぁ。メタルギア臭も良いんですけどね……。
 
※なお、原作のキャラ設定はかなり崩壊させまくっていますので、このキャラはこうなのか、とか信じないようにね?



アークとビンセント・ゴールドマンとようぢぉ。

 

【sideアーク・トンプソン】

 

アーク・トンプソンはMP5をゲットした!30連マガジンも五本ゲットした!てーてってれー!

 

……弾がもったいないから、単発にしとこ。

 

 アークは短機関銃のレバーをフルオートから単発に切り替えた。

 大抵短機関銃と言えば命中精度よりも連射してなんぼ、弾幕張ってなんぼな性能なのだが、このMP5は従来の短機関銃とは異なり対テロ特殊部隊用に開発された、言わば短機関銃化されたアサルトライフルと言った方が良いような銃である。

 故に命中精度は非常に高く、単発で射撃してもアークの腕ならば急所を狙ってクリティカルを狙えるだろう。

 

 アークの射撃の腕は警察学校時代からかなりのものであり教官からも『今までの素行悪さを帳消しにしてやるから競技に出ろ』と無理矢理に出されたりしたが、その際に大会二位という好成績を残した。

 

 優勝一歩手前で的を外しての二位だがそれでもたいしたものである。

 

 大会後、的を外した理由について彼はこう語る。

 

『夏のおっぱいが、あかんかったんや』

 

 アークが参加したのは真夏の大会だった。

 観戦しに来ていた女性達はみんな薄着であり、それが歓声とともに、揺れる、弾む。ボインボイン。

 

 その中にタンクトップの巨乳アメリカンサイズなねーちゃんがおったら、しかもポッチが浮いてたりしたら、そらそっちに意識が行って集中でけんわなぁ。

 

 なお、その大会の優勝者に、

 

『真面目にやりやがれこの童貞野郎!てめぇ、女の乳に気を取られてんじゃねぇぞ!!次までにその童貞なんとかしやがれ!!』

 

 と怒られたわけだが、その優勝者が元ラクーン市警察のケビンだったりする。

 

 おっぱいがもし無かったら優勝はどちらだったのかわからないが、だがアークは二度と大会に出ることは無かった。何故ならその後、傭兵訓練所に送られたからである。

 

 悲報:童貞は未だになんともなっていない。

 

 優勝者のケビンはその後も大会に出場し優勝を重ねたが、その度に『あんの童貞小僧は出てねぇのか?』と言っていたというが、まぁ、再会したときになんかいろいろ起こることが今から予想出来るが、そんな事は今のアークは知る由も無い。

 

 ただ、今のアークは強力な武器が手に入ったので、

 

「よし、これでなんとかなるだろう」

 

 と先ほどまでの緊張を解いてしまっていた。

 

 緊張を解いてしまったらなんか尿意を催してしまい、アークはキョロキョロと辺りにB.O.W.などの姿や気配が無い事を確認した。

 

 ここは廊下ではあるが、状況が状況である。ここに来るまでに入ったトイレの個室にはアークが倒したゾンビの死体が転がっており、そんなところで用を足すなんぞしたくは無かったし、ここに来てからの経験から、新たにトイレを探すにしてもやはりゾンビとか脳みそ剥き出しのリッカーとか出てくるに違いあるまい。

 

 そうこうしているうちに、もはや尿意は我慢出来ないほどにマシマシで膀胱に溜まった尿は決壊寸前である。さっきまで緊張のせいで感じてなかったのに。

 

……いっそここでやっちまうか?

 

 迷ったが、我慢の限界である。しかし排水の溝からなんか黒い丸っこいチビロボ出て来たしなぁ、助けてもらったしなぁ、とか考え、せめていない事を確かめる。

 

「安全確認ヨシ!指先確認!今日も1日御安全に!」

 

 そしておもむろにジッパーを、下げる。

 

「ち○こ準備ヨシ!」

 

 もろりっ。

 

「撃ち方ぁ始めっ!」

 

 じょーーーーーっ、じょんじょろじょんじょんじょーーーっ。

 

 溜め込んだ水分が勢い良く放出される。

 

「ふぃぃ、あ~、便所くらいは安全圏であって欲しいところだがなぁ。そんな都合のいいこた無いわなぁ」

 

 戦場では24時間いつでもどこでも危険地帯である。敵は便所だろうかなんだろうが構わず攻撃してくるものだ、とアークはアラスカの教官パイソンから教わっていたが、しかし人間というものはどうしても出るモンは出るし、動けない時は動けないものである。

 

 ふと、アークの頭上でガタッと何か音がした。パラパラと誇りが落ちて来て、なんぞ?とアークは上を見る。

 

 天井のダクトからである。

 

「おいおい、まさかまたあの黒いのかぁ?」

 

 まだ尿は終わらない。くそっ、まだ出てくんなよ?とか思いつつダクトを見ていれば、ギィィィッとダクトの網が開き、そして何か肌色でかつピンク色のものが落ちて来た。

 

 すとん。

 

 それは動けぬアークの顔面に乗っかる形で着地……いや、着顔した。

 

 むにゅん。

 

 それは柔らかかった。人肌であり、思ったほど重くなく、すべすべしてて、そしてなんか鼻がぷにゅっとしたものに触れた感じがした。

 

 一瞬、アークには何が起こったのかわからなかったが、アークの顔面に落ちてきたそれを何かと説明すれば。

 

 THE おしり。である。

 

 親方ぁ、天井ダクトからようぢぉのおしりが落ちてきたぁ。

  

 いや、おしりではない。ようぢぉそのものである。

 

……顔面にようぢぉ『おちり』を乗せつつ放尿をする青年の図。端から見ればまさに変態である。

  

 じょんじょろじょんじょんじょー。

 

 まだ、尿は止まらない。だからアークも動けない。

 

「…………あなた、だぁれ?」

 

 ようぢぉがアークに可愛らしい『おちり』をアークの顔面に乗せたまま言った。

 

「というか待て……。動くな、終わるまで……」

 

 ようぢぉの『おちり』に口を塞がれつつもなんとか答えるアーク。

 

 尿が止まるまでアークは尻の谷間に顔面を強制的に挟まれたまま、そうしているしか無かった。

 

 今、動けば尿がブレる。それだけではなく、この絶妙な神の悪意じみたバランスが崩れてしまえば、ようぢぉを落としかねない。

 

 そうなると尿がかかったり、尿で濡れてしまった床の排水溝の網蓋にようぢぉを落としてしまう。

 

 アークは普段の行動で誤解されやすいが、ようぢぉに興味は無い。ロリな性癖は何一つ無い。

 

 ただひたすらに、ちちしりふとももをこよなく愛し、ナイスなバディのおねーさんが大好きな男である。ほとばしる熱いパトスで青年よ神話になれ……いや、神話にはならないが変態になるのだ。

 

 しかしロリには心を動かされない彼だが、何故かものすごく誤解される。探偵事務所の女の子のお子さんをお持ちのご婦人方にはものっそい誤解される。あそこの探偵さんは変態だから遊びに行っちゃだめよ!

 

……通報案件。それだけは避けねばならないとアークは思った。

 

 そしてここが海外でよかった。ご近所で無くてよかった。そして誰も見ていなくてよかった。

 

 そう想いつつ、ようやくアークは放尿を終えてイチモツを閉まい、両手で顔面の『おちり』、いや、ようぢぉを引き剥がしたのだった。

 

 彼にとって幸いだったのは、このエリアにトライポッドがすでに去ってもう居なかったことであろう。

 

 もしこの映像がこのようぢぉの父親に見られたならば、彼は命までは取られないまでも、酷い目にあわされていたかも知れない。

 

 とはいえ彼の人生ハードモードに突入したのは間違いないが、まぁ、頑張ってほしいものである。

 

 がんばれー?まけるなー?(気のない応援)。

 

 どうせ平凡さんはここに来るのだからな?

 

 

 

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【Side:ビンセント・ゴールドマン~1日前】

 

 ビンセント・ゴールドマンはアンブレラにおいて腫れ物であった。

 

 天才であり、才能も他の研究者に比べてもずば抜けたものをもっていたが、その性格と目的のためならば手段を選ばず、非合法な事にすら手を染め、人の研究成果をその研究者を殺してでも自分のものにする、といったろくでもなさが しばしばアンブレラ本部でも問題になっていた。

 

 彼の功績は大抵、人から盗み出したものをベースにして完成させたものだったりするが、とはいえビンセント・ゴールドマンが優秀なのは造った研究者が行き詰まって完成出来ずにいるものをさらっと完成させてしまえる所にある。

 

 さらに厄介なのは、その盗んだ研究が完成した頃には全て自分が最初から苦労して研究したものが実を結んだのだと自分自身で思いこみ、そして盗んだ事など本気で忘れてしまうそのサイコパスぶりであろう。

 

 故に彼がタイラントの量産方法を完成させたのはたしかだが、その研究のデータは盗んだものである。 

 

 というより、タイラントの安定した生産方法を編み出したのは、アンブレラの元研究員でありラクーン大学の教員であったグレッグ・ミューラーである。

 

 またグレッグ・ミューラーはセルゲイ・クローン以外の素体、それもセルゲイ・クローンよりも低いT-ウィルス適合率の人間を素体としたタイラント製造に初めて成功したほどの研究者だったが、その研究データを狙ったビンセント・ゴールドマンに雇われたエージェントによって殺害され、そのデータを元にビンセント・ゴールドマンはタイラントを安定して量産する方法だけでなく、セルゲイ・クローン以外の素体でのタイラント量産の方法を完成させてしまったのである。

 

 本当にアンブレラの研究者というのはろくでもない奴が多いが、ビンセント・ゴールドマンほどろくでもない奴もおるまい。

 

 が、アンブレラとしては誰が完成させようが使えるなら使う無節操かつろくでもない企業である。

 

 ビンセント・ゴールドマンがこのシーナ島に左遷された理由は研究の盗用ではない。そんなものはアンブレラにとっては些細なものでしかなく、スペンサーがコレまでにしてきた数々のろくでもない事に比べればまだ可愛いものである。

 

 ビンセント・ゴールドマンが左遷された理由は表に出ては企業としての表の顔が潰れてしまうであろう、その性癖にあった。

 

 ビンセント・ゴールドマンの性癖は非常に残虐かつ常軌を逸している。

 

……かつて、フランスを震撼させた女児誘拐大量殺人事件があった。どの女児の死体も声が出せないように喉を酸で焼かれ、呼吸の為に気道切開し、その上で生きたまま腹を鋭利な刃物で裂かれ、子宮を露出されたまま犯されていたという。

 

 殺された女児の検死を行った検死官は、死因は出血多量と断定した。すなわち犯されていた時はまだ生きていたという事になる。

 

 しかし、その猟奇犯は捕まることは無かった。DNAという確固たる証拠があったのにもかかわらず、である。また、その手口と使用されていた器具からも犯人の特定は容易であるはずであった。

 

 だか、事件は未解決のまま、捜査は打ち切られた。また捜査にあたっていた警官数名とその家族が何者かによって殺害され、真相は闇に葬られてしまったのである。

 

……おわかりの通り、犯人はビンセント・ゴールドマンであり、隠蔽したのはアンブレラである。

 

 ビンセント・ゴールドマンは異常というには遥かに越えている性癖をもっており、女児を生きたまま解剖しながら犯す事を楽しむような外道なのである。

 

「……ふん、あれしきで死ぬガキが悪い。私をもっと長く楽しませるようなガキはどこかにいないのか」

 

 ビンセント・ゴールドマンは常々そう思っていた。

 

 そしてとある新型タイラントの製造実験中にこの悪魔に地獄の天啓が舞い降りた。

 

「死なないガキは……ここにいた!」

 

 調整槽の中、眠るT+Gウィルスの実験体。特殊なタイラントとそしてラクーンシティの不死身の出来損ないの遺伝子の結合体。

 

 ビンセント・ゴールドマンはニシャアと汚い笑みを浮かべ、まだ育ちきっていないその実験体を調整槽から出そうとした。

 

……ぶっちゃけ言おう。死亡フラグ乙。

 

 出した結果、ビンセント・ゴールドマンはようぢぉに目潰しを食らい、さらに金的蹴り上げられて逃げられたのであるが、そりゃああんた平凡さんの遺伝子を半分持った『ようぢぉ』がただの『ようぢぉ』なわけはなかろうに。

 

「わたし、くさい人、きらーい」

 

 ようぢぉはそう吐き捨てて悶絶しているビンセント・ゴールドマンをその場に残し、悠々と去って行った。

 

 どうやらようぢぉは父親譲りのスメルセンスを持っているようで、しかも悪に対して情けも容赦もない性格をしているようである。

 

 いやはや末恐ろしいね?

 

 




・うわ、ようぢぉつおい。

・なお、原作ではビンセント・ゴールドマンにそんな性癖はありません。ですがあってもおかしくないなーとか思ったりなんだり(キャラの風評被害ががが)。

※なお、ビンセント・ゴールドマンは原作ゲームガンサバイバーではタイラントの量産方法を造った研究者ですが、たしかアウトブレイクに登場するグレッグ・ミューラーは黒人をベースにしたタイラント『タナトス』を製造しており、またアンブレラからのタイラント量産の依頼を断ってるんですよねぇ。この辺がややこしくなったので、グレッグ・ミューラーの研究をパクった、ということにしました。


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