なんかタイラントになってしまったんだが。   作:罪袋伝吉

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いつも感想と誤字脱字訂正ありがとうございます。

今回はシラフですが、なんだかなー。

ミラーと大統領第二夫人のエヴァが出てくるよ?

……なかなか、シーナ島事件に行けないなー。


共闘まであと数日~ミラー外相とエヴァ大統領夫人

『突然の無線連絡すみません。私はザンジバーランド民主主義連合国、外務省の『カズヒラ・ミラー』と申します。こちら、製薬会社『白陽社』の無線番号で合ってますでしょうか?』

 

 突然無線来たよおい。しかもなんか営業臭い丁寧な口調である。つーか、MSFの副司令って話なのになんでこんな腰の低い感じなんだ?

 

……ビジネスマン的な姿勢で来たか。やりにくいぞ、こりゃあ。

 

 しかも普通の会社の営業時間を見計らって連絡を入れてくる辺り、早朝だろうが深夜だろうが何時にでも無線を入れてくるヤザン大統領とは違う。

 

「はい、こちら白陽社の受付、担当はエイダ・ウォンでございます」

 

 さっきまで羞恥で顔を真っ赤にして泣いていた癖に、もう受付嬢ライクで機械的な応答である。相手がビジネスマン的な姿勢で来るならこっちもキチンとした企業的な対応をする。

 

 流石エイダさんやでぇ、キチンとその辺抜かりない対応やぁ。

 

……まぁ、ナスターシャやアネットは無線にも出ようとしないので結局はエイダか俺が出ることになるんだが、まぁ、俺はビジネス英語がまだ不得意だからなぁ。

 

「ミラー様、お話はヤザン大統領からお聞きしております。只今、社長にお繋ぎしますので少々お待ち下さい」

 

 さらさらと立て板に水とばかりにそう言うとエイダは俺に無線の子機を渡してきた。

 

「……無線代わりました。私が白陽社代表取締役のヒトシ・タイラです」

 

『おお、あなたが平社長ですか。始めまして私はザンジバーランド外務大臣のカズヒラ・ミラーと申します。明後日のヤザン大統領との会合でお世話になりますが、よろしくお願いします』

 

「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします」

 

 アレっ?なんか普通にビジネス的な挨拶だな。いや  

この人、傭兵の親玉の一人ってか副司令だろ?なんでこんなに普通な感じなんだ??

 

『さて。まず単刀直入に。そちらの社員さんのお子さんをウチの船で保護しております。偶然、こちらの次の外遊先が中南米でしたので、ついでと言ってはなんですが、明後日到着しましたら親御さんの元にお連れいたしますので受け入れよろしくです』

 

 ふむ?予想外にすんなりと言うものだな、と俺は思った。こういう場合、子供を助けた事を恩に着せて何かしらの交渉材料にしようとするのではないか、と思っていたからだ。

 

 故にそれもふまえて先ほどまで対策会議をやっていたわけだが、それは杞憂というものだった。ミラー外相にそのつもりは無いようで、ただ、

 

『ええっと、あと、その、ヤザン大統領からお聞きになったかと思いますが、私、ちょっと酷い水虫にかかっちゃってですね、いえ、再発というのか、一度十数年前に、平社長がハチマン製薬時代に開発した『シンキンナオールSクール』というので治ったんですが、今は販売中止になってしまったというわけで手に入らなくなってて、非常に困ってるんですよ。で、ヤザン大統領が、それなら平社長に頼んで薬を分けてもらうといい、と』

 

 と言った。

 

 子供の救出と保護の見返りとして求める物が水虫薬、というのはいささか……いや、水虫も端から見ればどうという事のない疾患だが、本人からすれば大変な病になりうる。

 

 それに、有効な薬が無く、完治も難しい事は治療薬を開発した俺が一番理解している。その苦しみもだ。

 

 水虫で一番厄介なのは、痒みや皮膚症状だけではない。まず、人にうつしてしまうこともさることながら、人の目だ。水虫だとわかった時点でまず、人に退かれてしまう。そして公衆浴場やプールなど立ち入り禁止にされてしまうこともあり、非常に肩身の狭い思いを実社会で受けてしまう事も少なくないのだ。

 

 そして、それは家庭でも顕著にあらわれる。奥さんや子供に、水虫の旦那がどんな扱いをされるか、わかるだろうか。一家の長として尊ばれるべき世のお父さん達が、水虫なだけで迫害されるのだ。

 

 ハチマン製薬の試薬実験の時に水虫薬の治療を目的に集まった男性達の大半が、そんな中年男性達だった。

 

 ミラー外相は俺に水虫の悩みを訴えて来た。

 

『ベース内の女性の部下達……オペレーターさんとかの俺を見る目が冷たくなりました。暑いから編上靴脱いでたら、水虫だから靴を脱ぐな、臭い!!と……』

 

 とか、

 

『娘が、私の靴下と一緒に洗濯しないで!水虫がうつるから嫌だ!あとくさいから!!と……。』

 

 とか、

 

『妻が、靴下は家の外で脱げ!皮がポロポロこぼれて家の中に落ちるでしよ!素足で歩くな!私達にもうつるでしょ!!と……』

 

 グズッ、グズッ、と鼻を啜る音が聞こえて来た。ああ、これは本物だ。彼は水虫患者達が辿ってきた全ての苦難を受けてきた男なのだ。

 

……どうやらミラー外相は水虫感染者だという話は本当だったようだな。

 

 アンブレラの子会社化した現在のハチマン製薬は、アンブレラというかスペンサーの言いなりになり、俺の開発した薬品の大半を無期限製造中止にしてしまった。

 シンキナオール(sinqinaole)。俺が熱帯に分布する多年草から発見した抗真菌成分だ。

 奴らは何故かそれを忌み嫌い、それを発見した俺の開発した全てを否定したの。シンキナオールを含む含まないを限らず、だ。

 

 だが、それを待っている人がいるのだ。真菌感染で悩み苦しんでいる人が。そう、俺の薬を求めている人がいるのだ。

 

……部下の子供を救ってくれた彼に対して俺は全力でその水虫を治療、完治させてやろうではないか。それが彼への恩返しになるのなら全力で。

 

 俺はミラー外相に言った。

 

「もちろん喜んでご用意いたしますとも!ですが、一度ウチで診察を受けてみませんか?水虫の症状には幾つかタイプがあり、それぞれに合ったタイプの抗真菌薬品を使って治療しないといけません。あなたにあった薬を選んで処方させていただきますよ!」

 

『ええ、是非お願いしたい!ですが、他にも治療薬があると?』

 

 ふふふふふ、無論だ。こちとら水虫治療の世界的権威(本当に世界的に評価されている)だぞ。水虫のタイプ別のバリエーションは豊富にあるぞ。

 

……今は、サンプルしかないが、一人治療するぐらいなら充分以上にある!!

 

「主軸の成分は同じですが、例えばシンキンナオールSはクリーム状のチューブタイプですが、深く食い込んだ真菌に対しての浸透力に欠けるゆえに治療期間はそれなりにかかりますし、爪白癬……爪に感染した水虫……にも弱い。しかしまだ水虫が浅い皮膚に広がっている感染1度のうちは一番これが使いやすい。しかし、感染2度、つまり深いところまで食い込んできたものには浸透性リキッドタイプが有効です。ですが、この2つのタイプでは足の指の又の部分のじゅくじゅくした外傷を伴う水虫には向かない。なので指又パッチタイプ……つまり抗真菌薬封入の絆創膏のような物を使います。また、塗り薬では歩いているうちにとれやすく、歩く事の多い方にその辺が不評でした。故に足の裏に貼り付ける足裏パッチタイプもこのたび完成しました。あと、爪白癬……つまり、爪に水虫が巣くってボロボロになる水虫……用に保護ネイルタイプ、治療補助として『家族で殺菌!風呂用入浴剤』、『家族にうつさない!衣服洗濯用殺菌洗剤』があります。全ては水虫を完治したい人の為、日夜研究開発した結果です!」

 

『なんと!なんという情熱!!まさに痒いところに手が届くラインナップ!!』

 

「ええ。様々な患者の症状やニーズに合わせて治療のスタイルも変わります。そして、声を大にして言いたい。シンキナオールでシンキンナオール!水虫なおーる!!」

 

『おおおおおおっ、素晴らしい!平社長、あなたはなんて素晴らしい人なんだ!!平社長、私の他にも水虫の患者はいるのです、是非彼らの分もお願いします!』

 

 熱弁を振るった俺だったが、しかし他にも患者が、いると聞いてすぐに素に戻ってしまった。

 

「……え、他にもいるんですか?」

 

 いや、ここにあるのはサンプル程度の数しかねーぞおい。

 

『正確な数はわかりません。と、いうのも私や仲間達に水虫をうつした野郎がボス、つまり我らが大統領だったりするのですが、彼が広めたものは例外なく 何でも大流行するのです。サバイバル技術しかり、近接格闘術しかり、戦術、潜入技術、大抵のものは他にも伝播しそしてその思想をも広めてしまう。だが、彼が広めるべきじゃないものも幾つかあった!その一つがゲテモノ食いとしか言えない悪食!そしてもう一つが水虫!確かに我々は彼を上司として仲間として尊敬し敬愛し、信じて今まで着いて来たが、だがその足跡に憎っくきアンチクショウ、水虫が潜んでいたなんて思っても見なかった!!あんまりだぁぁあっ!!』

 

……あんたんとこの大統領が水虫の感染源なんかーい。

 

 俺は絶句した。つーかあんたんとこのボスって、伝説の英雄とか伝説の傭兵とか言われてる人だよね?つーか、傭兵や軍人なら知らない人はいないっていう『ビッグボス』だよね?それが水虫?マジかよおい。つーか一般人だった俺はつい最近までその存在すら知らんかったけど!

 

『……つまり、水虫は大流行しているのですよ、ザンジバーランドだけでなく、セーシェル、南アフリカ、アフガン、ボスが行った国々、戦場、その仲間達に。是非とも平社長と白陽社の皆様には、再びシンキンナオールの提供をお願いしたい。もちろん、代金はお支払いいたします!マジで伏してお願い奉りますぅぅっ!!』

 

「つーか大発生しとるじゃねーか、んなもん生産工場早よ作って大量生産せんと対応できねーーーっ!!」

 

 ミラー外相の叫びに俺が返した直後に、こちらのスピーカーに

 

 ぱしゅっ!ぱしゅっ!

 

 と、何かサイレンサーをつけた銃の発射音みたいな音が聞こえ、そして

 

『うっ!!……エヴァ、なにを……グーッ、グーッ、すぴーっ……』

 

 と、まるで麻酔弾を受けたようにミラー外相の寝息が……って、受けたように、ではなく撃たれたんだろうなぁ、麻酔弾。

 

『どうもすみません、お聞き苦しいものをお聞かせしまして。無線代わりました、私、エヴァ・シアーズと申します。ジョン・ジャック・シアーズの第二夫人で御座います。平社長、以後よろしくお願いします』

 

……いや、さっきミラー外相があんたの名前を言ってたけど、あんた麻酔銃使ってミラー外相を撃っただろ。

 

 そう思ったが、なんというかヤザン大統領の奥さんのミランダ司令にものすごーく似たような何か、いや、むしろこっちの方がおそらくは上!という圧力を感じて俺は、いらんことは言わない方が良いだろうと判断した。

 

「は、はい。ザンジバーランドのシアーズ大統領の……奥様、ですか……」

 

『ええ。そうなりますわ。まぁ……第二夫人ですけど。二番目ですけど』

 

……これは二番目だとアピールしているのではなく、おそらくは不本意ながら、と言いたいのだろうなぁ。というかザンジバーランドは一夫多妻制なのかぁ。

 

 大変やな、ビッグボス。第三、第四とかいるかどうかは知らんけど、二人も奥さんおるのかぁ。

 

 俺なんて一人(確定)やけど、精神的に大変なのに。

 

 ちらりとナス太郎の方を見るが、なんかニッコリしつつその目は『何よ、文句あんの?』的な感じに見えた。いや、それは俺の被害妄想だろう。ナス太郎はそんな奴じゃない、多分。

 

「……ところでミラー外相は?」

 

 恐る恐る聞いてみる。確かに騒がしい人ではあったが、悪い人では無い……と、思う。少なくとも水虫の辛さを知る仲間だ。心配にならないわけはない。

 

『寝てます。それはもう漢寝りに寝てますわ。なので、とりあえず私が』

 

 しれっ、と言うエヴァ夫人。というか多分、おそらく彼女はミラー外相が暴走したので出てきたのだろう。

 漢泣きに泣く、ならよく聞くが、なにその漢寝りに寝るって表現は。というか、寝ているというよりも麻酔弾で強制的に黙らせた、が正解だろう。

 

『……ウチの亭主が水虫、というのは対外的にあまり広めていただきたく無いのですが、医学者であるタイラー社長は無論、個人情報は漏らさない、そうですわね?』

 

……なるほど、それでミラー外相をやっちまったのかぁ、って、怖いわこの人マジで!!

 

「ええ、守秘義務はきちんと守りますとも。もちろん外部に漏らすわけ無いじゃないですか、ははははは……」

 

 怖い。だが、俺も社長なのだ、部下もここにいるのだ、負けてらんない!!えーと、えーと、そうだ!

 

「とはいえ患者の存在を知ったわけですので、よろしければシアーズ大統領にもウチの薬を提供したいと思っておりますが……?」

 

 そう、これだ!大統領も水虫なのだ。治療を持ちかければ、なんとか……。まぁ、数人分なら今から作っても間に合うだろうしな、うん。

 

『……そうね、でも幾つか余分にいただきたいわね。息子二人に送る分も考えると5人分、いえ、6人分かしら?あと、特に入浴剤と洗濯洗剤。……あと、カーペットとかにも使えるような製品はないのですか?』

 

 あー、息子さん達にもうつったのか。それはいかん。……そう、俺も親父に水虫をうつされてからというもの、灰色の青春を送った経験がある。それは可哀想だ。……年齢はわからんけど。

 

「御子息にも?それはいけない。用意させていただきますとも!それに、たしかに予防の側面では家の中からの除菌も必要ですね。そちらの方はカビクリーンシリーズのカーペットクリーナー除菌タイプをお使い下さい。無論、そちらもご用意いたしますとも!」

 

 ミラー外相の話からすれば、シアーズ大統領と一緒に暮らしている奥様達もおそらくは水虫に直接、もしくは間接的に悩まされているだろう。つか、息子が二人で後の余分なものは奥様二人用と念のためのストックの為か。

 

 だが、言えない。デリカシーというものがこの俺にもあったとは自分でもびっくりだ。

 

 だが、用意すると言った途端に なんとなく圧力が減った気がする。というか第二夫人の機嫌は良くなったようだ!

 

 だが、次の瞬間、

 

『で、平社長。ミラーが言うのを忘れている事柄がまだ幾つかありましてね?ウチの厚生省直轄の国立防疫局局長の『クラーク博士』が、そちらで開発した、別の薬剤のサンプルを是非とも提供していただきたい、と言っておりましてね』

 

 第二夫人はそう切り出した。ミラー外相がおそらくは言い出すはずだと思っていた、本題である。いきなり過ぎるだろおい。

 

 というかそう言うと思ってみんなで対策会議をしていたというのに、ミラー外相のせいで忘れかけてたじゃないか。

 

 しかし対策会議通りに対応しよう。いや、備えあって良かったよ、うん。

 

「ほう?別の薬剤……。ウィルスに関するアレですか」

 

『そう、そのアレよ。ぶっちゃけ よその国にはサンプル送ってるのに、ウチには来なかったから!パラメディックがめちゃくちゃ怒ってたのよ?』

 

 そういや、未承認国家には送ってなかったわ。つかザンジバーランドなんてこの前知ったばかりだったし、未承認国家にはやたらアンブレラの勢力が絡んでいることが多かったので除外していたのだ。

 

「……いや、こちらの落ち度でした、すみません」

 

 ここは素直に謝っておく。

 

『まぁ、物が物だけに慎重になってたのはわかるけど。……とはいえ我が国には喉から手が出るほど必要な薬剤でもあるのよ。理由は明後日、直接お会いした時に説明しますけど、本国に送って下さいな』

 

 喉から手が出るほど、というのはどういう訳なのだろうか。しかし声にやや焦りのような色も見えている。とはいえ渡せではなく送れ、である。

 

 まだミラー外相や第二夫人がまだ他の国を回らねばならないか、それとも別の理由があるのか。それはわからないがおそらく早く送るに越したことはないだろう。

 

 そう判断した俺は、

 

「……わかりました。出来るだけ速くに送らせていただきます」

 

 と伝えた。

 

『はい、よろしくお願いしますわ。送るときは『D.D.エクスプレス社』がマストですわよ?呼べばどこにでも荷物を取りに来ますからね?』

 

……いや、なんで、宅急便会社を指定すんの?

 

 まぁ、ダイヤモンド・ドッグス・エクスプレスは世界的な宅急便の会社であり、世界各国のどこにでも荷物を早く発送する事で有名である。

 

 もしかしたら他の国際輸送のルートがまだ確立していないのかもしれない。他の会社が参入出来ていないとか、そういう事もある……とか?

 

 だが、問題がある。

 

 いくらD.D.エクスプレス社が、電話一本でどこにでも荷物を取りに来て、早く送ってくれるというサービスを行っているとはいえ、そう……

 

「いえ、さすがにD.D.エクスプレスでも海上の施設までは取りに来てくれないかと……」

 

 これである。

 日本でも事業展開している会社で、『電話一本で御自宅に荷物を取りにいきます!』と宣伝しているが、まさかここまでは取りに来れまい。海上施設なのだ、このプラントは。

 

 だが、第二夫人は、

 

『いいえ、取りに行かせます。えっと、今から言う番号を控えておいて?ヘリポートはあるのよね?『↑↑↓↓←→←→BA(実際には番号です)』で、ヘリコプター便が来るわ。ヘリの識別番号が、ええっと『D.D.5EM0-N』ね。すぐに来るわ。覚えといて損は無いわよ?あと、宅急便だけでなく、物資の補給サービスもやってるわ。特別な契約したら、武器、弾薬、フルトン回収、あと支援攻撃要請、人員の輸送から派遣サービスまであるわよ?』

 

 と、なんか物騒な事までしれっと言い放った。

 

……つかちょっとマテ。支援攻撃てなによ?

 

「そんな便利なサービスが!?……って、なんかものすげぇ物騒なものが含まれてません?つか、それってまさか……」

 

『うふふっ、まぁ、宅急便だけじゃなくてその辺も考えておいて下さいな。加盟契約、待ってるわよ?』

 

……つまり、D.D.エクスプレス社は、MSFがやっている、と?というか第二夫人は『取りに行かせます』とかいったよな?つーことはもうそれは確定的だ。

 

 そんな物騒な傭兵連中か宅急便屋をやってんのかよぉぉぉっ?!つか何度か俺も仕事で日本にいたときに使った事あるけど、宅配のにーちゃん、あれ傭兵だったんかぁ、マジかぁ?!

 

 恐るべしMSF。いや、ザンジバーランドというべきか。

 

 MSFは、いやザンジバーランドがどれだけ世界中に食い込んでそのネットワークを構築しているのかを思い知った気がした。

 

 その後、エヴァ夫人といろいろと当たり障りの無い会話……いや、いろいろ物騒な話も含んでいたが……を交わしたあと、ルポを呼んで彼女の子供と そしてセシール教授と無線で話をさせた後、通話は終えた訳だが……。

 

「……つーか、大統領第二夫人、怖ぇ、MSF怖ぇよぉ!!」

 

 俺はそう叫んでいた。

 

 なお、エヴァ夫人にはどさくさ紛れに、保湿クリームとか高分子化コラーゲン配合の美容石鹸とか、いろいろ美容用品のサンプルを贈らされる約束をさせられたが、その辺も怖かった。いろんな意味で。

 




・ミラーと平凡さんは、多分、めちゃくちゃ仲良くなると思うんだ……。

・エヴァはエイダに自分が若かった頃の姿を投影しつつ、なんらかのアドバイスとかしそうな気がします。

・そして、明かされる平凡さんのもう一人の子供の情報!!平凡さん、シーナ島に向かう決意を固める!!という流れですが予定は未定です。ええ。誰がママかな?(適当)。

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