・御都合主義に生きてるあの人この人そんな人。
・サムライエッジ再び?
・しれっと風呂を直しにいく配管工。
・さて、この中に何人変態がいるか、予想してみようね?
・リンダさんを忘れていたので追加。ああ、タナトスを強奪しようとした人はいません。
洋上プラントに帰還した俺には休みなど無いようだ。
散々疲労して帰って来たのだが、やらねばならぬ業務は山盛りである。エイダが俺達の帰還を待つ間に業務の進行表、チェックマーク付きを用意して待っており、とっととやれ、さっさとやれ、とめちゃくちゃせかされたのだ。
……疲れて帰って来た社長をこき使う鬼秘書め。
などとは言えまい。彼女も生存者達の受け入れのために掃除を後回しにしていた部屋の数々をアネットや義足の修理を終えたベルトウェイ、手の開いたバーサをこき使って片付け、全員分の食事を作り、大統領と交渉、バタバタと動いてくれていたのだ。
まぁ、ネメシスとシェリーの昼寝を邪魔しないのは彼女の優しさだろう。
……その手の優しさは俺には向けられはしないのだが。
まず、生存者達全員にウィルス駆除薬(錠剤)を飲ませ、そして全員シャワーに入れてから、清潔になったところでワクチン接種。
個人的なパーソナルデーターは予防接種の予診用の書類に書いてもらったので、とりあえずそれで全員分のだいたいの情報が手に入った。
まぁ、案の定、ビル・コーヴを名乗る傭兵(?)やデビット・キングという配管工、ヨーコ・スズキという日系人の大学生などの個人情報欄は空白が目立ったが、また彼らに関しては後ほど話をせねばなるまい。
まぁしかしとにかく人数が多いこと多いこと。
まず、生存者達の中で最も人数が多いのは傭兵組だ。
元U.S.S.のルポ、ベクター、ベルトウェイ、スペクター、バーサ、フォーアイズ。
元U.B.C.S.の傭兵ミハイル大尉、カルロス、マーフィー、タイレル。あとは傭兵とか言っているがおそらく違うであろうビル・コーヴ。
この2つの部隊はお互いになにか認め合うものがあったのか、特に反目はしていないようだ。後でエイダに教えてもらったのだが、普通はU.B.C.S.とU.S.S.が反目しないことなど有り得ないそうなので、これは希有な例だと言えるかも知れない。
次いで多いのは元警察官組であり、マービン警部補をやはり責任者にするのがいいだろう。後はケビン、リタ、ハリー、S.T.A.R.S.の後方支援のブラッド。
最大の問題児はやはりケビンだろうが、最大の戦力もまたケビンだとマービン警部補は言う。ケビンは、件のジル・バレンタインのいたR.P.D.の特殊部隊、S.T.A.R.S.に『酒癖と遅刻癖が無く、勤務態度さえ良ければ入っていた』ほどの射撃の名手であり、警察組が生き残ったのは間違いなくケビンがいたからだという。
「彼には抗アルコール剤を処方した方がいいでしょう。彼の生きがいを奪うのは心苦しいですが、しかし処置をすれば今ならアルコール中毒から脱け出せるはずです」
彼の仲間であるハミルトン医師はそう言った。無論、俺も同様の意見である。
後はS.T.A.R.S.の後方支援だったブラッドだが、彼に関しては戦闘力云々ではなく、ヘリや航空機、船舶などの操縦の能力をかわれての入隊だったそうだ。
だが、そういう人材はウチにはかなり重宝するだろう。何しろヘリの操縦はナス太郎しか今のところ出来ない。エイダは免許はもっているらしいが、さすがに戦闘ヘリの操縦は経験が無く、只今練習中だし、それに輸送船での買い出しやら物資の運搬も出来る奴は多い方がいい。
後はほぼ民間人だ。
医療関係では外科の医師であるジョージ・ハミルトン とその友人で、薬学部の博士であるピーター・ジェンキンス。
この二人が来てくれたのは非常にありがたい。ハミルトン先生は医療の現場で活躍していた高名な医師だし、ジェンキンス博士は対T-ウィルス薬である『ディライト』の開発者であるという。俺が作ったウィルス駆除薬とはまた違った方式だが、是非とも二人とは話し合ってみたいし、二人もそう思っているようだ。
それに、彼らには息子であるネメシスの手術について話し合わなければならない。
・元アンブレラ研究員のリンダ
彼女は元アンブレラの研究員でラクーンシティでのバイオハザードに巻き込まれた。抗T-ウィルス薬のディライトの試作品を取りに研究所に戻ったらしいが、その後なんとかラクーンシティから逃げ出すことに成功したという。彼女とジェンキンス博士、そしてアネットとは顔見知りであり、人物的に信用の置ける研究者であるとのことで、とりあえずはウチのワクチン開発等を手伝ってもらうこととなった。
なお、彼女は記憶喪失のヨーコ・スズキとも面識があるようだが、ヨーコ・スズキは彼女を覚えていないらしい。それを知った彼女の悲しみはかなりのものであり、おそらくは親友であったのではないかと思われるのだが、だとするとなんとなくヨーコ・スズキが大学生というのは少しおかしい気がする。
・ロバート・ケンドとその娘のエマ・ケンド。
銃砲店の店主とその娘で、S.T.A.R.S.にカスタムメイドの銃、サムライ・エッジシリーズを提供した人物……らしい。彼ら父娘もまたジル・バレンタインに助けられたらしい。
「……アイツはスーパーガールだ。あんな絶望的な状況で俺達を警察署まで連れて行ってくれたんだからな。マービン警部補にも感謝しかない。……アンタらはアンブレラのクソ共を倒すために集まったんだろ?なら俺にも協力させてくれ。機材さえあれば銃をカスタマイズするぜ」
酔いの覚めたケビンが、
「なら俺の45オートを頼むぜ。サムライエッジ以上の奴にしてくれ」
と言ったが、
「ふん、そんなのはアルコール抜けてから言いやがれ。アル中にくれてやる銃なんざねぇ!」
まぁ、そうなるよなぁ。
・元警備員のマークとその家族。
マークはこの施設において最年長の五十代だが、ベトナム戦争に兵士として参加したこともある古強者だ。……もっとも、彼は嫌戦家であり、本当は穏やかに暮らしたかったという。
彼は事務職を希望しており、無論、それに沿った人事をするつもりだ。彼の息子は年齢が行ってからの子供で、まだ未成年だが子供達の中では年長だ。難しい年頃だからどうなることか。いやはや。
・バーの元ウェイトレスのシンディ。
彼女は厨房か事務職を希望している。生存者、特に傭兵組の中には社内にバーを開設してくれという要望が何故か多いが、もしバーを開設するならそっちで働きたい、との事だ。
……バーに関してはどうするべきなのか正直なところ迷う。隠れて酒を飲むような奴を出すよりは決まったところで量を決めて飲ませた方がいいような気がするし、これは常識のある人物達と話し合わねばならないだろう。
厨房に関しては増設せねばならないだろう。人数が増えたせいで設備が追いつかない。というか飯とかどうすっかなぁ。当番式にするにも、料理が出来る奴と全く出来ない奴がいるからなぁ(無論、俺は料理は苦手だ)。
・配管工のデヴィッド・キング。
非常に寡黙でよくわからない男である。しかし手先は器用で配管だけでなく機械の修理の腕は非常にいい。
「……風呂、トイレ、排水、浄水機器……なんでも直す」
だが、シンディなどの証言では、凄く強かったそうである。とはいえ、戦闘などを無理強いする気はない。
また、この施設には修理要員はかなり重要だ。ナス太郎だけではさすがに負担もおおきいので彼の存在は非常に助かる。
……まだ大浴場や幾つかの海水を真水にする機材の修理も終わっていないのだ。
「ああ、助かる。大いに期待してるぞ」
とデヴィッドに伝えたら、なんかやや嬉しそうな顔をして、
「今からやる、なにかしてないと落ち着かない。早く修理させてくれ」
と、とっとと自前の工具箱を抱えて修理に向かっていった。止める暇も無かった。
「仕事好きだもの、彼」
シンディがにこにこ笑っていたが、なんとなくその笑顔を見ていると、ああ信用出来る奴なんだな、という気がした。おそらくは人見知りな質なのだろう。
・元ラクーンプレス社の新聞記者、アリッサ・アッシュクロフト。
彼女はラクーンシティでその惨状をアメリカの最大の新聞社にスクープとして送り、ラクーンシティ事件として広めた功労者である。だが、それゆえにアンブレラに命を狙われることになり逃げ出して来たらしい。
なお、大統領令嬢のエメラルダ大佐が幼少期のトラウマを蘇らせた写真を大統領達に提供したのは彼女である。シカタナイネ?
「あなた達がアンブレラと戦いに行くなら私も連れて行って。ライフルなら扱えるから。あと、ここに写真とか現像出来る設備はないの?なければ欲しいわ」
彼女は戦場カメラマン的な立ち位置を希望してきたが、記録を残すのは必要だと思えた。
「……えっと、事務職とか、できるかね?」
「事件は机の上でおこってるんじゃないわ。現場でおこってるのよ?」
事務職はやりたくなさそうだった。
・自称大学生のヨーコ・スズキ。
日系アメリカ人との事だが、彼女は記憶を失っており、ある程度は戻ったらしいが、まだ鮮明ではなく、また日本人の両親から生まれたので完全に日本人にしか見えないのに日本語がほとんどわからないらしい。
日本語が本当にわからないのか試してみたが、なんの反応もなく首を傾げていた。
ベクターはめちゃくちゃ噴いていたが。
いや、何をしたか、だって?
「イーンキーンカイカイ!ミーズムーシカイカイ!タムシ水虫群れる夏~、ガマンしないでシンキンナオール・クールSぅ~♪『デリケートゾーンにも!』医薬品です!」
単に、初期に俺が開発した『シンキンナオールS』の派生型の夏向けの『クールS』のCMソングを歌っただけである。
昔良きハチマン製薬のバカCMの中では1、2を争うバカCMと言われている奴だ。
なお、内容はきわどい水着を来たねーちゃん達をバックに、俺達研究開発チームのメンバーが白衣を着てCMソングを歌って踊るだけ、というものだった。
なお、
『デリケートゾーンにも!』
は、俺が言った。
『恥ずかしくてご近所様と顔が合わせられないわ』
と、義母……親父の後妻……に言われた俺の黒歴史中の黒歴史である。
「……社長、まさかあのセンターの人は」
「若き日の俺だ。言うな、渾身の捨て身技だったのに通用しないとは……」
しかしベクターに通用してもヨーコちゃんに通用せんとはなぁ。いや、マジで日本語通じねぇわ。
「???えっと、インキ?カイ、カイ?えっと……わかりません」
「わからなくていいのよ。あの社長はたまにアホな事をやるけど、基本無視でいいわ」
まぁ、ヨーコちゃんはまだ大学生なので様子を見つつ職種の適性を見るべきだろうなぁ。
だが、彼女はひょっとしたら退行性の記憶喪失なのではないか、と思わなくもない。どちらにせよ彼女の症状については観察が必要だろう。
・元地下鉄職員のジム・チャップマン 。
彼は、戦闘以外なら大抵の事はやると言った。
「俺は臆病なんだよ。もうあんなゾンビだらけの所にゃ行きたくないんだ。電車の運転士を目指してたんだが、ここにゃどうせ電車なんざねぇだろうしよ!まぁ、買い出しとか荷物運びとか、倉庫の在庫の確認とか、何でもやるよ。ただ休みはくれよ?あと給料はなるたけ多くな!」
……なんだろうコイツ。一言多いというか、わざと人をイラつかせたいんだろうか。
「給料欲しけりゃしっかり働け。つか俺達の現在の状況は理解できてんのか?」
と凄んで黙らせた。
まぁ、その他数名いるが、どの生存者達も警察組に守られて車両で逃げてきた一般人らしい。
元会社員一人、元事務員の女の子が二人、後は料理屋の黒人の夫妻。
元会社員と事務員二人は事務職決定。料理屋のご夫妻には厨房を任せたいと言ったら誰か手伝ってくれる人を頼むと言われた。まぁ、さすがに二人でこの人数分を作るのは大変だろうから、ローテーション組んで手伝う事になった。
うーむ、これでなんとか、形になるんだろうか。つうか、事務職の数が足りないよね。
「社長!ほらさっさと次の業務!!」
まぁ、とりあえずの仕事の割り振りは決まったが、俺の仕事はまだまだ終わりそうにない。
……シカタナイネ?
・ブラッド生存!
・ケンド父娘生存!
やはりバイオと言えばサムライエッジ。ケンドさんの銃をまた見たいという方は多いのでは無いでしょうか。
・そして、フラグが立ったわけですが、気づいた人、いるかなぁ?