・ウルフパックが仲間になったよ?
・エイダ、オカン力を身につけた!
・というかマザーベースって太平洋?カリブ海?どっちの方なんやろ。
ウルフパック達が仲間になった!!(てーってってれー♪)
まぁ、武器弾薬もなく装備もボロボロで重傷の隊員抱えた彼らが俺とエイダの提案に乗らないハズもなく、これぞなし崩し的、という感じで雇い入れる形になったわけである。
……変態がいるのはいかがなものかと思うが、致し方ない。ただ、ネメシスに手を出したらとりあえずシバく。
などと思っていたが、なんか奴めネメシス見たら絶句してやがった。いや、バーサだけじゃなく重傷で意識の無いフォーアイズ以外全員。
シェリーと共に手を振り、
「おじさま~おかえりー!」
「ママー、パパーオカエリー!」
と子供らしい仕草で出迎えてくれている。その後ろにはアネットがなんか溜め息を吐いているが、疲れてんだろうか。ちょっと休み取らせた方がいいのかもしれん。
「ちょっと待て。あれが息子か?いやいやいや、つうか母親がそれで、あんたが……」
それ扱いされたナス太郎が頬を膨らませて怒るが、その頬嚢をつついて、ぷっ、としてやりつつ、
「正真正銘、俺の息子だ。……アンブレラに改造されてしまってな」
そう言えばコスチュームそのまんまだったな。マスクも付けたまんま、というかなんか妙にフィット感良過ぎだ、これ。
マスクを外したらさらに奴らは絶句していた。
「おまえ、タイラントやんけぇぇぇ!!」×5
「いや、キャプテン・タイラントと言ってたろうが。つか普通わかるだろ」
「いや、普通に会話出来るタイラントなんているか!!いや、ネメシスはいろいろしゃべってたけど!!」
「ンー?ネメシスシャベレルヨー?」
首を傾げるネメシス。そしてその横のシェリーも首を傾げて、
「ねー?」
うむ、この二人の癒し感は世界一だな。うんうん。
……まぁ、一般人が見たらどう思うのかってのはわかってんだがな。
「……ま、社長一家は何かと常軌を逸した存在なので。ですが見た目はこうですが話のわかる人よ。そこらへんのアンブレラの上層部よりも遙かにね。それは保障するわ」
エイダがこの場を仕切る。というか秘書ムーヴが近頃かなり板について来ており、
「はい、社長は研究室にもって帰ったハンターから採取した細胞やらなんやら運んでとっとと着替えて、ナスターシャはヘリを格納庫に、はいはい、シェリーちゃんとネメ君はお部屋に帰ってなさい、アネット、二人の面倒よろしくね、ウルフパックは案内するから負傷者を担架で医務室へ!メディック!落ち込んでないでとっとと来なさい!仲間の手当てがあるでしょ!!」
いや、なんかオカンムーヴか、これは。というぐらいにテキパキ。
まぁ、おかげでここが成り立っているのだ。
そういうわけで、俺はスーツに着替えるべく自室へと向かうのであった。
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俺はハンターの細胞サンプルを研究室に運んで超低温冷凍保管庫に入れ、その頭に刺さっていたチップを保存カプセルに入れると、そのまま男性用のシャワー室に向かい、汗を流す。
流石にジャングルは暑かった。
と、誰かがシャワー室に入って来た。
「ここがシャワー室か?というか誰か使っているが……」
「いや、あのタイラント社長しかいねぇだろ。というかいいのか?入って」
「いいからとっとと入る!あなた達何日も風呂も入ってないんでしょ?!着替えは適当に置いとくから!ここは製薬会社なのよ、不潔でいられると困るのよ!あ、こっちが女性用よ、ルポ、バーサ。ここの反対側」
エイダの声が向こうからする。というかなんだろな、ナス太郎のママムーヴより、エイダのがよほどオカンムーヴだな。
……レオン君、結婚したら尻に敷かれるだろなぁ。
しみじみそう思った。なんか記憶のレオンはなんかしゃくれ顎をして『大丈夫っす!』とサムズアップしていたが、なんか長いこと見てないといい加減顔を忘れていくよなぁ、とも。
「エイダ、すまんがアマンダさんに連絡しておいてくれ。なんなら今の状況の説明もな!」
と言っておく。
「もう取ったわよ!アマンダさんから伝言!『状況が変わり、匿っている生存者達を全員こちらで保護して欲しい』って!あーもう、忙しくなるわね、本当!」
「状況が変わった?ふむ……何人かわかるか?」
「ヘリじゃ無理って言ってたわ。今、クルーザーをナスに出させてる!」
「……いや、あれ使うのか?」
「ウチで今使えるのは小型かあれしか無いのよ!ナスが趣味優先してそっちから整備してたから!」
「なんだろう、あのナス太郎は兵器とか軍用にしか興味無いのか?」
「あんたの嫁なんだから、その辺ビシッと躾なさいよ!」
「いや、嫁ちゃうし。息子おるけど嫁ちゃうし」
「……まぁ、仕方ない、か。つか、あんたらとっととシャワー浴びて!ヒトフタサンマル時に下部、特殊挺ドックに集合!!もたもたしてたらカリブ海に叩き込むからね!!」
「へいぃぃぃ!!」
「イエスマム!」
「いや、俺達のマムはルポやがな」
エイダのオカン力(ちから)に圧されるように、三人の傭兵が慌ててそれぞれ俺から少し離れたシャワーを使い出す。
……うーむ、やっと女の園に男の仲間が出来た。ネメシスはそりゃあ子供だから抵抗無いかもしれんが、俺としてはやはり肩身が狭かったんだよなぁ。
「おい、ここに石鹸とシャンプー置いとくから使えよ。男が俺とネメシスしかいなくてなぁ、他に置いてねーんだよ」
「あっ、社長、すみません」
「はい、ありがとうございます」
「……ええ、使わせてもらいます」
……なんだ?このよそよそしさは。というかヘリの中ではかなり自信満々にタメ口利いてたのにな。
「……いや、俺が雇用主だからってそんなにかしこまる必要は無いぞ。……ああ、俺がタイラントだからか?んなもん気にすんな。あと、T-ウィルスは持ってない。とっくに駆除薬で無くなっている。あとT-ウィルスワクチンを打つまではネメシスとの接触は避けてくれ。かなり弱まっているがまだあの子からは駆除が完了していないんだ」
「はぁ、つまり感染は無い、と?」
細い身体のスペクターがこちらを振り向いた。
「はうっ?!」
「ああ、無いぞ。ってなんだ?」
「どうした?スペクター」
ベクターがさらにこちらを向き、
「ぬぉっ?!」
「おいおい、二人とも……あー、なるほど」
ベルトウェイだけはなんか普通だ。
「だからなんなんだ?」
訳が分からない俺は首を傾げたが、ベルトウェイがニヤニヤと笑い、
「なに、あんたが大将ってことさ」
俺の股間を指差してガッハッハと笑った。なんか他の二人は若干内股だった。
「……まぁ、使うことも無いシロモンだ。気にすんな」
というか、ち○このサイズで決めるな。
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シャワーを浴びた後、俺はナス太郎の持ってきたタイラント用戦闘服・中南米仕様を着ることになった。
量産型タイラントが着ていたコートやネメシス用スーツのデータを元にしてナス太郎が作ったもので、キャプテン・タイラントスーツよりもはるかに軽量かつ通気性も良い。
「アナタの為に夜なべして炭素繊維を編んで作ったのよ?」
……なんだろう、日本の母かお前は。いや、着ては貰えぬセーターを編む重い女心の未練かなんかか?いや、炭素繊維って編むもんだっけか?
まぁ、着てるんだけどな。
つうかなんだろう。何か期待している様な目だな。つか撫でてもらうのを待っている柴犬のようだ。もし、ナス太郎に尻尾があったら思い切り振ってんだろうなぁ。
なでりなでり。
頭を撫でてやる。
……なんやろなぁ、ナス太郎がナス犬になっとりゃせんか、これ。ハムハムからワンちゃんか。
俺はやたらまといつきたがるナスワンハイ乳ダムと共に下層の船用ドックへと向かった。
なお、乳とかやたら押しつけんのやめてもらって良いですかね……。タイラントくんがやべーので。
・エイダのオカンムーヴ。オカン力(ちから)が上がった!
・なお、ち○こサイズは、平さん→ベルトウェイ→ネメシス→ベクター→スペクター。
・バストサイズは、ナスターシャ→バーサ、エイダ→ルポ、フォーアイズ→アネット→シェリーちゃん(まだまだ成長中)。
次回、白陽社最大の船が発進する。というか何でそんなもんあったんや……。