問題児達と一緒に虚刀流もやって来るようですよ?   作:徒釘梨

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読んでくださる方々、ありがとうございます。

これからも本作をよろしくお願いします。

それではどうぞ!!


第四話 虚刀流、駄神に遭う

「それじゃあ、説明して貰おうかしら?私達と別れてから七花さんは何をしていたのかを。」

「………私も気になる」

「このオルトロスは成獣ではありませんが、それに近しい実力を持っていると思われます。それを傷一つ無く倒してしまうなんて………」

「まあ、飛びかかって来た所を猫騙しして下に潜り込んで、顎を蹴り抜いただけだけどな」

「………。ねぇジン君?あの獣は猫騙し程度で怯むのかしら?」

「いいえ、そんな話は聞いたことがありませんが………」

「そうなのか?まあ、どうでもいいか」

 

この半刻後、黒ウサギにガルドとの決闘のことを伝え、憤慨させることになる。

 

「お、オルトロスですか!?」

「うん、七花さんが討伐してきたらしくて。今日はこのままコミュニティに帰る?」

「あ、ジン坊ちゃんは先にお帰り下さい。ギフトゲームが明日なら”サウザンドアイズ”に皆さんのギフト鑑定をお願いしないと。十六夜さんの水樹と七花さんのオルトロスのこともありまおすし」

「”サウザンドアイズ”てのはコミュニティの名前か?」

「YES。”サウザンドアイズ”は特殊な瞳のギフトを持つ郡体コミュニティです。箱庭の東西南北・上層下層の全てに精通する超巨大コミュニティです。幸い近くに支店がありますので、行きましょうか」

 

そうして、黒ウサギ一行は”サウザンドアイズ”へと向かう大道理を通っていた。

 

「桜かぁ〜そろそろ花見の季節だったな」

「桜の木………ではないわよね?花弁の形が違うし、真夏まで咲き続けている訳ないもの」

「今は初夏だろ。気合いの入ったヤツならまだ咲いているだろ?」

「………今は秋だったと思うだと思うけど?」

「「「「ん?」」」」

「皆さんはそれぞれ異なる世界から召喚されているのデス。」

「パラレルワールドってやつか?」

「惜しいですね。実際には立体交差平行世界論というのですが、またの機会にということに」

 

話をしている内に目的地付近まで来ていたようだった。すると、店の前に立っていた店員らしき人物は暖簾を降ろし始めた。

黒ウサギは走って向かったが、

 

「ま

「待ったは無しです、お客様。ウチは時間外営業はやっていません」

「なんて商売っ気の無い店なのかしら」

「ま、全くです!まだ閉店五分前なのですよ!!」

「文句があるなら他所へ。

あなた方は今後一切の出入りを禁止します。出禁です」

「出禁!?これだけで出禁とかお客様舐めすぎなのですよ!?」

「確かに”箱庭の貴族”と呼ばれる月の兎を無下にするのは失礼ですね。コミュニティの名前をよろしいですか?」

 

七花は僅かに顔を顰めた。この店員は『悪意』を持って接して来ている。店員はかつての姉の姿(遠く及ばないが)を七花にちらつかせた。

 

「俺たちは”ノーネーム”ってコミュニティなんだが」

「ほう?それでは、どこの”ノーネーム”様ですか?旗印を確認させてください」

「その………あの………わ、私達には旗はありま

「いぃぃぃやほおぉぉぉぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギイィィィ!!!」

「きゃあーーーーー………!」

 

突然、白髪の子供が黒ウサギにつっこんで、街道の向かいの水路まで転がっていた。彼女は未だに黒ウサギの胸元に頬を擦りつけていた。

 

「おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか?なら俺バージョンで是非」

「ありません」

「なんなら有料でも」

「やりません」

「し、白夜叉様!?どうして貴方がこんな下層に!?」

「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからに決まっておるだろうに!ほれ、ここがいいかここがいいか!」

「し、白夜叉様!ちょ、ちょっと離れてください!」

 

黒ウサギは白夜叉を無理やり引き剥がし店へ向かって投げつけた。それを十六夜は足で受け止めた。

 

「てい」

「ゴバァ!おんし、飛んできた初対面の美少女を足で受け止めるとは何様だ。」

「逆廻十六夜様だぜ。以後よろしく和装ロリ」

 

「ふふん。お前達が黒ウサギの新しい同士か。異世界の人間が私の元に来たと言うことは……ついに黒ウサギが私のペットに」

「なりません!どういう起承転結があってそんなことになるんですか!」

「まあいい。話なら店内で聞こう」

「よろしいのですか?”ノーネーム”は規則では」

「”ノーネーム”と分かっていながら名を尋ねた店員に対する侘びだ。いいから入れてやれ。生憎と店は閉めてしまったのでな。私の私室で勘弁してくれ」

 

招かれた場所は個室と言うには十分過ぎる程の和室だった。七花としてはいつもの慣れた雰囲気にいる様で落ち着くことができた。

だからこそ、他の問題児達が白夜叉との決闘を望んでも一人だけ乗らなかった。

 

「おい、あんたは闘らないのか?」

「あら、怖気付いたのかしら?」

「………がっかり」

 

という様に煽ったりしてきても一々目くじらを立てたりしなかった。元の面倒くさがりの性格が原因でもあったが。

 

「ふふ、そこの一人を除いてギフトゲームに挑むつもりか。───しかし、ゲームの前に一つ確認しておくことがある」

 

そうして、白夜叉は壮絶な笑みを浮かべてた。

七花はそれを見て背筋に氷を詰めたような寒気に襲われた。

 

「おんしらが望むのは”挑戦”か───もしくは、”決闘”か?」





次回はついにバトルパート!!
大丈夫かな。凄く心配なんですが………


次辺りで七花さんのギフトが出せれば、と思ってます。

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